本プログラムで求めている等高線は, たどっていったとき右側が z<zc の 領域となるようなものである. 2次元空間内の等高線は, 境界上の点どうしを結ぶ連続した曲線になるか, 閉曲線となる. 閉曲線の場合はどの点をからスタートして等高線をたどっても 元の点に戻るが, 境界上からスタートする等高線は端点を含む適切な イニシャルセグメントからたどらなければ等高線がイニシャルセグメントの 前後で途切れてしまう. ここではイニシャルセグメントの順番について説明する.
たとえばFigure: 6のような境界近くの領域を考え, 対象とする格子空間が境界の 上側にあるとする. 矢印の向きに等高線とたどる場合, 境界で z=zc であっても(b)のような場合は右側が z<zc となるかどうかわか らない.したがって等高線がここで途切れるものとする. そうすると等高線が境界に沿う場合は, (a) のように必ずこの等高線を右か ら左にたどるような順番になる. よって境界全体にわたって境界を下にして右から左に初期点を探していけばよい. そこでFigure: 7のように格子空間を内側に して境界壁を右回りする順序でイニシャルセグメントを決定し, 等高線を追跡するサブルーチンを呼ぶことにする.
等高線が閉曲線になる場合の イニシャルセグメントは, 等高線上のどの点を含むセグメントであっても よいので, 単純に格子を左下から右上に向かって走査する 順番でイニシャルセグメントを決定する.