「まいるめいる」について


  1. 「まいるめいる」のある場所
     ここ

  2. 「まいるめいる」を作ろうと思った動機
     ここ数年で、教育機関での「情報リテラシー教育」「ネットワークリテラシー教育」の必要性が増しており、実際、ホームページ、電子メールを使った教育は広く実践されているようである。ホームページ作成、閲覧に関しては従来のソフトと同様の教育が可能であるが、電子メールではパスワードやプライバシーの保護の観点から以下に述べる問題が生じる。
     例えば、一般に教育機関の学生は自分のコンピュータを持っておらず、毎回違う端末を使うことも考えられるので、組織によっては学生に Netscape などでフロッピーディスクにメールを保存するように指導している場合もある。この場合、学生はメールを読もうとするたびにサーバや個人情報の設定を行わなければいけないという信じがたい不便を強いられる。
     電信八号やEudoraをフロッピーに入れてしまえば、設定は1度でいいが、電信八号はWindows、EudoraはMacintoshでしか使えず、そのOSの実習室が使用中だとメールを使いたくても使えない状況になる。さらに、フロッピーディスクを毎日持ってこなければならないので、家に忘れるとメールを読めない。
     UNIX や WindowsNTを使っている学生は少しはましな状況にあるが、それでもいつも使っている実習室が使用中の場合は同じ状況になる。
     YAT や imap を使えば上記のような不便は多少解消されるが、YAT は pop の拡張とはいえ標準的プロトコルではないし、Windows用クライアントしか存在しない。さらにYATのクライアントは高価である。一方、imapは日本ではマイナーな存在であり、各OS共通のクライアントソフトは存在しない。
     現在、多くの教育機関の学生や一部の事務職員はこのような不便な状況にあるので、これを解消することを目的として、私、森口はこのソフトを作ることにしました。

    制作目標
    (1) OSに依存しないユーザインタフェースを提供すること。
    (2) 既存プロトコルを使用すること。
    (3) 端末には、メール、アドレス帳、署名などの個人情報を一切残さないこと。
    (4) メールサーバが複数存在していても対応可能であること。
    (5) 端末にはブラウザ以外、何もインストールしないでいいようにする。
    (6) フリーソフトとして配布する(タダほど安いものはないもんね)
    (7) 「簡単」、「軽量」、「高速」をポリシーとする。そのために複雑な機能は実装しない。


  3. どんな人が「まいるめいる」を使用するのに向いているのか?
    自分のコンピュータを持たず、一日に受け取るメール数が10通程度以下の人。つまり、教育機関の学生、事務職員。また、個人の端末がないような職場の従業員。

  4. 利点
    1. Netscape や IE などのWWWブラウザがインストールされていれば、Windows、 Mac、 Unix など、どの端末からでも使用可能。
    2. 端末にメールや個人情報を残さないので、自分の端末を持ってない人でもプライバシーを守られる。
    3. まったく設定の必要がない。自分のパスワードだけ覚えていればよい。
    4. 最初に認証を行うので、本人以外はメールの読み書きは出来ない。(Winbiff, Eudora-J, Netscape などの普通のメールソフトは送信に関しては認証を行わないので、メールアドレスを偽ったメールを送信できる。 )
    5. C言語で作っているので、不正なコマンドをシェルに渡さない。=安全。
    6. LANのメールサーバにしかパケットを送信しないのでセキュリティー上安全。(注意! 外部の知人等にメールを出せないという意味ではない。外部へのメール送信は、パスワードを含まないSMTPパケットでメールサーバが行います。)


  5. 欠点
    1. 一日に数十通以上もメールを受け取る人には向いていません。一覧表示の際、時間がかかるし、メールの管理が煩雑になる。また、既に自分専用の端末を持っている人はわざわざこのソフトを使う必要はないでしょう。
    2. ファイルの添付が出来ない。(ファイル添付機能をつけるつもりはありません。これは、私、森口のポリシーですので。)
    3. RFC822 で書かれている様々なオプショナル機能(例えばヘッダのIn-Reply-To: など)はサポートしてない。軽量化、簡略化、のためです。


  6. 予想されるFAQ(使用上の注意とは違うので、この「まいるめいるについて」に収録しました)

  7. 「まいるめいる」に関し、もっときっちりした論文を読みたい方は
    dvi ファイルと gif の図をtarでまとめてgzipで圧縮したファイル
    (注意) latexを使ってない人は、このdviファイルをダウンロードしても見ることはで来ません。

  8. 謝辞 (論文形式で書いてみました(^^) )
     共同研究者である東和大学電気工学科の小金丸兼明氏には毎日のディスカッションで大変お世話になり、また「まいるめいる」開発に際しいろいろ刺激を受けました。
     東和大学中央化学研究所の寺田弥生さん、東和大学電気工学科の松崎浩士氏、純真女子短期大学家政科の沖田千代先生にはユーザインタフェースについて貴重なご意見を頂きました。
     北海道文化放送 メディア開発室の相良さん、北里大学の佐藤さんにはバグなどの不具合の修正でご協力いただきました。
     ありがとうございます。
     また、毎日励ましてもらった妻の森口奈々子に深く感謝します。

  9. 著作権
    まいるめいる Copyright 1998,1999 森口一郎, All rights reserved
    Mailmail Copyright 1998,1999 I. Moriguchi, All rights reserved