Haut-MeDoc - An Extended edition of MeDoc 1.37 -

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MeDoc 1.37 copyright (c) by 吉田 裕一さん <yuichi@yy-wine.com>
Haut-MeDoc 1.0 copyright (c) by 穴澤 映夫 <anazawa@lares.dti.ne.jp>


[Program release history]
Rev. 1.0 Beta3 1999/06/27
Rev. 1.0 Beta4 1999/07/17
Rev. 1.0 Beta5 1999/08/01
Rev. 1.0 Beta6 1999/08/02 (最新版)

[お知らせ]   Haut-MeDoc クイックガイド   (Ito Q Special !!)   ができました :-)


[目 次]
1.  はじめに
2.  何が変わったのか
3.  動作確認機種
4.  インストールと操作方法
4.1.  インストール
4.2.  Docファイル選択画面 (List画面)
4.3.  閲覧画面 (Main画面)
4.4.  インデックス選択画面 (Index画面)
4.5.  設定画面 (Preference画面)
4.6.  ストローク・モード
4.7.  Tips (?)
5.  ダウンロード
6.  ライセンス・配布条件
7.  変更履歴
8.  Haut-MeDoc という名前について
9.  既知の問題点
10.  Feedback
11.  最後に

1. はじめに

Haut-MeDoc( オゥ・メドックと読みます ) は, 吉田 裕一さん ( yuichi@yy-wine.com ) が作成された Palm/Pilot / WorkPad 用 Doc ファイル・リーダ MeDoc 1.37 (Mailing-list Extended DOC file reader) を, スタイラスを使わずに片手の親指だけでほとんどの操作が可能になるようにモディファイしたものです. (以下では,オリジナルの MeDoc 1.37 を,単に MeDoc と呼ぶことがあります)

(オリジナルの MeDoc は, 吉田 裕一さんのサイト から入手できます)

- 開発意図 -

私も多くの方々と同様に, PiloWeb (CHEEBOW さん作のフリーソフト) などで Web から変換した Doc ファイルを通勤時の電車内で読むのが日課になってしまいました. その際に主に利用していた Doc リーダが,MeDoc でした.

非常に混んだ通勤電車の中では, 完全に片手だけで操作できないと往生することもありますが, MeDoc はその点が初めから考慮されて作られていて, ほとんどの操作は片手で可能でした. ただその場合でも, ハードウェア・ボタンを使用する点(本体を握り直さなくてはならない)や, リストから指で選択したり,スクロールさせるなどの場面で, (私にとっては)やや操作しづらかったり, 意図と違う動作を招いてしまう点があったのが残念でした. (私が不器用なだけ,かもしれませんが ^^;)

「もう少し楽にできたらなぁ」という思いが高じた結果が, この Haut-MeDoc となりました. 右手または左手の親指だけで, 電車内で行いそうなほとんどの操作が可能になっています. また, 時々刻々と変化する(^^;) 車内の状況に合わせて, 右手/左手を自由にスイッチして使えるようになっています.

- 開発の背景 -

ところで,実は WorkPad 30J の発売からの3ヶ月で,30J(私にとって初めての Palm デバイス)ばかりか Palm V までも続けて購入してしまいました(^^;). 今後は Palmware の開発も行なってみたいと思い,Win32 + gcc + SDK 3.0 での開発環境を作ってみました. Haut-MeDocを作った背景には, この環境がきちんと構築できているかを確認するため, ソースを公開して頂いている MeDoc への機能追加を行ってみた, という意味もあります. (おかげさまで大変に勉強になりました.吉田さんに感謝しています)

Haut-MeDoc は,吉田裕一さんとご相談のうえ, 当面は MeDoc とは独立したアプリケーションとして公開することとしました. 将来的に MeDoc がバージョンアップする際には,統合されるかもしれません. ソースコード的には,その点を配慮してモディファイしたつもりです.

- Open Source -

MeDoc と Haut-MeDoc は,ソース・コードも含めてフリー・ソフトウェアです. ご利用条件と配布条件については, ライセンス・配布条件をご覧ください.

 

2. 何が変わったのか

最初にオリジナルの MeDoc の特徴を,MeDoc に添付の readme_j.txt から引用します. (このファイルは,Haut-MeDoc のアーカイブにも含まれていますので,詳しくは そちら を参照ください.また, 吉田さんのサイト にも,MeDoc の詳しい説明があります)

MeDocの特徴
(1) MLをスムーズに読むために、アーティクル(メール)単位でスクロールが出来る
(2) 他のDOC文書リダー同様、UP/Downボタン(ハードウエア・スクロールボタン)でスクロールできます。
UP/Downボタンはダブルクリックすることによりアーティクル(メール)単位でのスクロールが出来ます。 普通にクリックした場合はページ単位のスクロールをします。
(3) MeDoc用のファイルはDOC形式のファイルです。ただし、先頭に MeDoc用ファイルのマークやインデックス情報 (Subjectなどの一覧)が付いています。
(4) インデックス画面からインデックス情報(Subjectなど)一覧から選択して アーティクル(メール)を直接、表示することが出来ます。
(5) ダブル・クリックの判定時間は設定画面で設定やテストできます
(6) MeDocは通常のDOC文書もきれいに表示できます
(7) インデックス画面でインデックス情報にマークを付ける事ができます。 またその情報をMemoPad にコピー出来、HotSync時に PC にマークしたインデックス情報を取り込めます。 この機能はMLなどを読んでいて、このメールには後で返事を出そうなどという時に便利です。
(8) MeDoc は Palm OS 2.0/Palm OS 3.0/Palm OS 3.0J で動きます。(Palm OS 1.0 では動きません)

Haut-MeDoc 1.0 は,MeDoc の持つこれらの優れた基本機能をベースにして,以下のようなユーザ・インターフェースの拡張を行ったものです.

Haut-MeDocの特徴
(1) DOCファイルの閲覧に必要な操作のほとんどすべてを,
    片手だけで
    楽に
    自然に
    確実に
行えることを目標として, 各種ユーザ・インターフェース機能の見直しを行いました.
(2) 右手モード,左手モードの概念が追加され, どちらの手でも Haut-MeDoc の機能をフルに利用できます. また左右のモード切替(持ち替え)も,その場で簡単に行えるようになっています.
(3) ページ送りなどの操作方法として,タップ動作主体のタップ・モードと, ストローク動作が主体の ストローク・モード を用意しました.その切替も容易に行えます.
(4) 操作画面間の移動方法を一部変更して,より自然な画面遷移ができるよう考慮しました.
(5) 標準サイズのボールド体フォントを利用できるようにしました.

詳しくは,インストールと操作方法の節をご覧ください.

Haut-MeDoc は,オリジナルの MeDoc と同じデバイス(Palm/Pilot/WPJ)にインストールし, 別個に使用できるようになっています. (設定用データベースは,MeDocとは別のものを使用しています)

 

3. 動作確認機種

  Haut-MeDoc は,以下の機種・環境で動作確認を行いました.

その他, Pilot Professional + Palm OS 2.0 + J-OS 1.9 Pro や, エミュレー タ(POSE 2.1d29 + 3Com 提供の debug ROM)上で, 非公式ながら OS 2.0 系列 での動作も確認しています.

4. インストールと操作方法

4.1. インストール

インストール方法は,オリジナルの MeDoc と同様ですが, ファイル名が HautMeDoc.prc となっています. このファイルを Palm Desktop などからインストールしてください. なお,オリジナルの MeDoc がすでにインストールされていた場合でも, Haut-MeDoc は MeDoc とは別個のアプリケーションとしてインストールされ, 共存することができます. もちろん,Haut-MeDoc のあとから MeDocをインストールすることも可能で, その場合も両者は異なるアプリケーションとして両立します.

★ Beta3 以前の古い版の Haut-MeDoc がインストールされている場合でも, 原則的には上書きインストールで大丈夫なはずです. 万一,上書きした新しい Haut-MeDoc を起動したときに Fatal Error が発生した場合でも, soft reset で復帰でき, それ以降は問題なく動作すると思います.

インストールが終わったら,デバイス (Palm/Pilot/WPJ) を右手または左手で横からつかみ, Haut-MeDoc をランチャー等から起動してください. 親指の先の方の側面でタップやストローク動作を行うと, ほとんどの操作が片手の親指だけで可能になると思います.

# ちなみに,下の絵が Haut-MeDoc の icon です (MeDoc とはラベルが違うだけですね).



機能の詳細

Haut-MeDoc には, 大きくわけて3種類の閲覧用画面と,2種類の設定用画面があります. 以下の数節で,それらについて説明します. (ここでの説明は,タップ・モードでの操作を基本とし, ストローク・モードの節 で, タップ・モードとの違いを説明しています)

4.2. Docファイル選択画面(List画面)

Haut-MeDocを初めて起動したときは, 下の図のような Docファイル選択画面(List画面)が表示されます.

Docファイル選択画面(List画面) の,左手モード(左図)と右手モード(右図)

この画面では, Palm/WorkPadにインストールされたDocファイルの一覧が,中央のリストに表示されています. ここから閲覧したいDocファイルを選択すると,ドキュメントの閲覧や削除が行えます. (選択中のファイルは反転表示されています)

スクロール/選択ボタンの機能は以下の通りです.

(PrevPage) 1画面分,逆スクロールします
(PrevLine) 選択行を1行分,前に戻します
(Select) 現在行を選択し,次の画面(Main, Index, Delete など)に遷移します. (一覧表示されたタイトルを直接タップして選択することもできます)
(NextLine) 選択行を1行分,先に進めます
(NextPage) 1画面分,スクロールします

 

4.3. 閲覧画面(Main画面)

List画面でドキュメントを選択して ボタンを押すと,そのドキュメントが 閲覧画面(Main画面) に表示されます.

メイン画面の左手モード(左図)と右手モード(右図)

タップモードのメイン画面では, ドキュメント表示領域は仮想的に「田の字」型に4分割されています. どの領域をタップするかによって,スクロール方向や移動先が決まります.

左手モード(左図)と右手モード(右図)のタップ領域の違い

(a) の領域をタップ 一画面前に移動します. アーティクルの先頭にいるときは,一つ前のアーティクルの末尾に移動します.
(b) の領域をタップ 一画面後に移動します. アーティクルの末尾にいるときは,一つ後のアーティクルの先頭に移動します.
(c) の領域をタップ 現在のアーティクルの先頭に移動します. すでに先頭にいるときは,ひとつ前のアーティクルの先頭に移動します.
(d) の領域をタップ 現在のアーティクルの末尾に移動します. すでに末尾にいるときは,ひとつ後のアーティクルの先頭に移動します.

[参考]  アーティクルとは,MeDoc 形式の DOC ファイルだけに存在する考え方で, ひとつの DOC ファイルの中にある,個々の記事やメイルなどに相当します. (通常の DOC ファイルでは,ひとつの DOC ファイルの中は1階層ですが, MeDoc 形式では2階層の構造を持っており,それぞれにインデックスもついています. 通常の DOC ファイルは,(1ファイル) = (1アーティクル) であると考えることもできます)
したがって MeDoc 形式以外の DOC ファイルでは, 上の表にある,前後のアーティクルに移動する機能は無効です.

領域境界線の位置は,あとで説明する Haut-MeDoc Preference 画面で自由に変更することができます.

また,この境界線は通常は見えませんが,常時表示させておくこともできます. (メニューから Options - Toggle Border Line を選択するか, Command - L のショートカットを起動)
ただし Haut-MeDoc を終了させると, 次回起動時には境界線はまた見えなくなります.

タップ/ストローク・モード表示 は,現在の UI モード (タップ・モード または ストローク・モード) を示しています.

タップモード
ストロークモード(InvDir オプション非選択)
ストロークモード(InvDir オプション選択)

 

4.4. インデックス選択画面(Index画面)

MeDoc形式のドキュメントファイルには,インデックスがついています. このインデックスの一覧を表示して,目的のアーティクル(メイルや記事など)を選択するのが, Index画面です.

Index画面の左手モード(左図)と右手モード(右図)

スクロール/選択ボタンの機能は以下の通りです.

(PrevPage) 1画面分,逆スクロールします
(PrevLine) 選択行を1行分,前に戻します
(Select) 現在行を選択し,Main画面に遷移します. (一覧表示されたタイトルを直接タップして選択することもできます)
(NextLine) 選択行を1行分,先に進めます
(NextPage) 1画面分,スクロールします

 

4.5. 設定画面(Preference画面)

メニュー Options - Preferences を選択するか,ショートカット Command - P を実行すると,設定画面が表示されます.最初は MeDoc オリジナルの設定画面(下図の左)が表示されますが,画面下部の [HautMeDoc] ボタンを押すと,Haut-MeDoc 専用の設定画面(下図の右)に移ります.

MeDocオリジナルの設定画面(左)とHautMeDoc拡張設定画面(右)

MeDoc オリジナルの設定項目については,MeDocのドキュメント の「3-4 Preference画面」をご参照ください. 以下では,Haut-MeDoc 独自の設定項目について説明します.

[UI Type] のブロックでは,メイン画面とList/Index画面のモード(タップ・モード/ストローク・モード)を選択できます.ストローク・モードでは,[InvDir] (Invert Direction) のチェックボックスによって,上下方向のストロークの意味を逆にすることができます.ストローク・モードの詳細については,こちらをご覧ください.

[Button #1〜#5] のブロックでは,List/Index画面の左右にある五つのボタンの配置(順序)を変更することができます.Button#1 #5(上から順に 1,2,3... です)について,割り当てる機能をポップアップ・リストから選択できます.なお,ひとつの機能を複数のボタンに割り振ることはできません.Haut-MeDoc Preference 画面から Doneボタンで抜ける際に,そのチェックが行なわれます.

デフォルトの配置は上から順に

ですが,
の順も,本体の持ち方によっては案外使いやすいようです.

[Center of Tap Area Border] のブロックでは,Main画面の節で説明した,4分割したタップ領域の境界線位置を変更できます. 位置指定は,タップ可能領域に対する境界線位置を割合(%)で表現した数値で行います. 前の例は,デフォルト設定の場合を示していますが, この場合は X=66, Y=50 という指定になります. わかりにくいかもしれませんが,右手モード時の表示領域左上の点を X=0, Y=0,右下の点を X=99, Y=99 と考えてください. 左右のモードを切り替えた場合は,境界線(縦線)の位置も自動的に追随して変化しますが, 位置指定の数値(X)は変化しません.

なお,(a)〜(d)の領域の境界線は,メニュー・コマンドの Options - Toggle Border で確認することができます. タップ・モードのときにこのコマンドを実行すると,境界線の位置に点線が表示されるようになります. その後同じコマンドをもう一度実行すると,表示が消えます. ショートカットは Command - L です.

4.6. ストローク・モード

メイン画面, List 画面, Article Index 画面の UI として,従来のタップ動作のほかに,ストローク動作も可能にしました(要モード切替).

ここでストローク動作とは, スタイラスまたは指先で液晶表示画面に線を引くような動作を行うことを意味しています.
Haut-MeDoc の場合は,主として親指の脇で液晶画面をこするような動作を想定しており, 単純なストロークだけで,ほとんどの閲覧動作が可能になるように配慮されています.

ご使用のケースの都合などで,タップ・モードでは画面の上の方のボタンを操作しづらい場合などは, こちらの UI を試してみてください.

タップ・モードとストローク・モードの切替は,以下の3通りの方法で, Main画面用とList/Index画面用とで独立に設定することが可能です. (List画面とIndex画面の設定は連動しています)

<ストローク・モードの List/Index 画面>

ストロークモードの Article Index画面(右は InvDirオプション指定時)

ストローク・モードの Document List,Article Index 画面では,タップモードで画面左右にある5つのボタンが表示されません (代わりに矢印のようなビットマップ ( ∨ または ∧ ) が表示されます). その空いている領域(上図の赤枠で表示)内の任意の位置を始点とするストローク操作によって, それらのボタンの機能を代替します.

上から下の方向へストロークを行うと,タップ・モードで (NextLine) (NextPage) を押したのと同じことになります.逆方向(下から上へ)のストローク動作は, (PrevPage) (PrevLine) に対応しています. ただし,Haut-MeDoc Preference 画面で InvDir (invert direction) のチェックボックスをチェックした場合は, 上下方向のストロークの意味が逆になります. (ビットマップ表示の矢印の向き逆になります. この矢印は,NextPage/NextLine 動作の方向を示しています)

約 10 ピクセル以上のストローク量で1行, 40ピクセル以上のストローク量で一画面分の移動と解釈しています (ちなみに,Palm/WorkPadの表示領域は 160×160ピクセルです). ただし,指で操作した場合は,画面への圧力が弱くてしかも分散しているためか, 体感的にはもう少し大き目のストロークでないと, PrevPage,NextPage と認識されないことがあります. 今後の検討課題です.

また,横方向のストロークは, ← (Select) ボタンと同じ機能を持ちます.

 

<ストローク・モードの Main 画面>

ストローク・モードのメイン画面では, テキスト表示領域内の任意の位置で上下左右・斜めにストロークすることで, 以下の機能を実行できます.

ストロークの方向 機能 タップ・モードでの対応する動作
下→上(註) 一画面前に移動します. アーティクルの先頭にいるときは,一つ前のアーティクルの末尾に移動します. (a)領域をタップ
上→下(註) 一画面後に移動します. アーティクルの末尾にいるときは,一つ後のアーティクルの先頭に移動します. (b)領域をタップ
右→左 現在のアーティクルの先頭に移動します. すでに先頭にいるときは,ひとつ前のアーティクルの先頭に移動します. (c)領域をタップ
左→右 現在のアーティクルの末尾に移動します. すでに末尾にいるときは,ひとつ後のアーティクルの先頭に移動します. (d)領域をタップ
斜めに下→上 Index画面に移行します(MeDoc形式のDocファイルのみ) [Index]ボタンをタップ
斜めに上→下 List画面に移行します [Done]ボタンをタップ

前項と同様に,画面の上の方の領域をタップするのが難しい場合などは, こちらの UI を試してみてください. また,親指操作というコンセプトからは外れますが,スタイラスで操作する場合も, 案外とこの UI が便利に使えるかもしれません(最小の移動量で済みますので).

(註)下→上 / 上→下 のストローク方向の意味は, HautMeDoc Preference 画面の InvDir のチェックボックスによって入れ替えることができます. つまり,UI のメタファーとして,


を選択可能にしているので,直感的と思われる方を選んでください.

横方向のストロークは,本のページをめくる動作をメタファーとしているため, 右手/左手モードとは連動させずに,一定にしてあります.

なお,現在の操作モードは, メイン画面の左右モード切り替えボタンの隣に配置した記号で表示されています.

タップモード
ストロークモード(InvDir オプション非選択)
ストロークモード(InvDir オプション選択)

List/Index画面では,向きが InvDir 選択の有無を示します.

ストロークモード(InvDir オプション非選択)
ストロークモード(InvDir オプション選択)

ストローク・モードでは,ドキュメント表示領域内でのタップ動作はできませんが, 下の方にある各種ボタンは有効です.

4.7. Tips(?)

  1. Haut-MeDoc を使っていると,どうしても画面に指紋が付くと思います.気になる方は, WriteRight のような表面保護シートがあった方がよいかもしれません :-)
  1. お使いになっているケースの形状によっては,片手での操作が案外難しいかもしれません. 私自身は,WorkPad 30J は Wrap-2, Palm V は付属のカバー, 3Com の Hard Case, Dooney & Bourke の Palm V Case などを使用していますが,その中で感じた点を列挙すると...

  1. 閲覧中に使いそうなショートカット・コマンドは, 片手の親指でもどうにか書けるような単純な字形のものにしてあります. 憶えてしまうと便利だと思います.


  2. Command - I  タップモードとストロークモードの切替
    Command - L  タップモードの領域境界線の表示/非表示
    Command - 1  標準フォントに戻す (間違えて [A] ボタンに触ったときなどに便利です)

    (註) ショートカット・コマンドとは,graffiti 領域で,Command( 左下から右上の/ )に続けて英数字を入力することで起動される機能を指します.

  1. 片手だけでデバイスを持つため,不測の事態がないとも限りません. ストラップの併用等の策を講じて頂いて,落下事故の起こらないことを願っています. 携帯電話用ストラップの取り付け方については, 廣瀬さんのサイト(PalmFan.com) の PalmV のレビュー記事などを参考になさってください.
  1. Doc形式のファイルを作成できる主なツールには, 以下のようなものがあります (WebAround 以外は Windows用アプリケーションを挙げています). 他にもあるかと思いますが,私は使用したことがありませんので...
    なお,表とは別に Macintosh 用のコンバータ(の一部だと思います)を, 作者のお名前とソフト名だけですが,載せてあります. ご参考になれば幸いです.
主な用途/名称 作者 特徴 MeDoc形式対応
Webページを変換

PiloWeb

CHEEBOW さん Windows上で巡回ダウンロードしてDocに変換,インストール準備.

WebAround

小尾秀樹さん Palm/WorkPad上で直接Webにアクセスし,Docへの変換まで実行する Palmware. ×

Web2Doc

Clarence Ho さん SJIS以外の日本語文字コードは変換が必要 ×
テキストファイルを変換
PiloDoc CHEEBOW さん 双方向に変換可能.Web上のデータにも対応. ×
PiloMe CHEEBOW さん WzEditor形式の階層化テキストをMeDoc形式化.
MakeDocW Mark Pierce さん   ×
メイルボックスを変換
MakeMeDocW 吉田裕一さん Becky!, Eudora, NetscapeMail, NiftyLog をMeDoc形式に変換.ソースも公開されている.
Becky!ToDoc Tempest さん Becky!に特化している分,UIが充実している.

 

5. ダウンロード

以下のアーカイブ・ファイルが用意されています. 必要に応じてダウンロードしてください. また,最新版の Haut-MeDoc がリリースされたときは, こちら からダウンロードできます.

 

6. ライセンス・配布条件

Haut-MeDoc は MeDoc と同様にフリー・ソフトウェアです.配布条件は,MeDoc に準じます.

  1. Haut-MeDoc はソースコードを含め、フリーソフトです。 ソース、オブジェクトを含め自由に改造、再配布してけっこうです。
  1. このプログラム(ソースコードを含む)は、完全に無保証です。 このプログラム(ソースコードを含む)を使用することにおいて生じた損害などについては、 誰も責任を負うものでは有りません。
  1. Medoc, MakeMedocW, Haut-MeDoc は N2さん (qzn00413@niftyserve.or.jp) の作成したアイコンを使っています。 このアイコンは個人的な利用やフリーソフトウェアとして 無償で配布されるプログラムなどへの利用以外には使用料が必要です。
  1. これは吉田 裕一さん ( と穴澤 ) の希望ですが、 MeDoc / Haut-MeDoc のソースを元に新しいソフトを作った場合、 ソースを公開して戴けると嬉しいです。(義務ではありません)

 

7. 変更履歴

1999/06/12 Beta-1 (非公開)
 ・右手専用バージョン.
 
1999/06/21 Beta-2 (非公開)
 ・右手/左手モードの動的切替えをサポート.
 
1999/06/26 Beta-3 (公開)
 ・bold font 表示を追加.
 ・Creator ID と設定用データベースを MeDoc から独立.
 ・minor bug fix.
 
1999/07/14 Beta-4 (公開)
 ・ストローク・モードの UI を追加.
 ・タップ・モードのメイン画面を4分割.
 ・List, Index 画面のスクロールボタンを再配置可能に.
 ・ボタン類のラベルを一部変更
 ・Minor bug fix.
 
1999/08/01 Beta-5 (公開)
 ・Index 画面の [Done] ボタンの機能を,「List 画面に戻る」に変更.
 ・List/Index 画面の左右ストローク時の bug fix.
 ・Options - Toggle Border Line のショートカットを Command-L に変更.
 ・ドキュメントを更新
 
1999/08/02 Beta-6 (公開)
 ・Index 画面の [Done] ボタンで List 画面に戻り,文書の削除を行うと
  fatal error となる問題を修正.

 

8. Haut-MeDoc という名前について

オリジナルの MeDoc は,ワインのお好きな吉田 裕一さん(なにしろ http://www.yy-wine.com/ です :-)) が, 有名なボルドー・ワインの産地/名称である Medoc(メドック) に掛けて命名されたものと想像しています.

これに倣って,私のバージョンを Haut-MeDoc (オゥ・メドック) と名づけてみました. ワインの "Haut-Medoc" というのは,Medoc 地区 (特定の6つの村を指すと聞いたことがあります) を流れるジロンド川の, Medoc よりも少し上流(haut)の地区で作られたワインにだけ与えられる名称だそうです. (私もワインは好きなのですが,あまり蘊蓄は語れませんので,このくらいにしておきます)

Palmware の Haut-MeDoc の場合, Haut("オゥ")は実は「親指の"お"」のつもりです^^; でも,フランス語読みなので,"オゥ" と読んで頂けるかどうか, ちょっと心配なのですが... :-)

 

9. 既知の問題点

以下の問題が残っていることを認識していますが, 現在のところ効果的,または最終的な対策ができていません m(..)m

  1. List 画面,Index 画面のリスト表示では,選択行が反転表示されますが, その状態で電源を OFF → ON すると,この反転表示の状態が少し乱れます. そのまま選択行を上下に移動すると,反転表示の部分が残る場合もあります. これは Palm OS の問題のような気もしますが,なにか回避方法があるのかもしれません.

  2. ストローク・モードの認識性(操作の確実性)を,もう少し上げたいと考えています.

 

10. Feedback

Haut-MeDoc をご使用になってのご感想,ご意見等がありましたら, 下記のいずれかまで,メイルを戴ければ幸いです.

    anazawa@lares.dti.ne.jp (穴澤 映夫)
    palmware-ml または pilot-ml (メイリング・リスト)

バグレポート等の場合には,

  1. 機種
  2. OS
  3. 同時にご利用になっている Hack ソフト等(可能でしたら,それらを外したときにも問題が起こるかどうかも)
  4. 実装メモリ量と,残りメモリ容量

などの情報を添えてくださると助かります. なにぶん,Palmware の開発は初めてなので,環境に深く関わった問題ですと, お手上げになってしまうかもしれませんが...

 

11. 最後に

MeDoc という素敵な Doc リーダを,フリーソフトとして,ソースとともに公開してくださり, また Haut-MeDoc の公開を快くお許しくださった吉田 裕一さんに,深く感謝いたします.


Copyright (c) 1999 by Akio Anazawa
 
Palm Pilot, Palm III, PalmV, Palm VII, Palm OS は、米国スリーコム社の登録商標です.
WorkPad は、米国IBM社の登録商標です.
 
本ドキュメント内の画面イメージの一部に, 以下のWebサイトからダウンロードした記事見出しの一部を引用させて頂きました.
http://www.asahi.com/    (朝日新聞社)
http://www.news.com/    (米国 CNET, Inc)