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TEXT文書→HTML文書 一発整形ツール

Version 1.1

●はじめに

 小説整形 HTML Putterは、テキストエディタで作成されたプレーンなテキスト文書を、ドラッグ&ドロップするだけでHTML文書に整形することができるツールです。
 小説やレポートなど、テキスト文書をオンライン公開するとき、手作業でHTML文書化していくのは大変です。全ての改行位置に<BR>タグを打たなければならないことはもちろん、次のページ・前のページへのリンク指定など、繰返し行わなければならない作業がとにかく多い。しかし、このツールを使えばそのわずらわしい作業を一発で済ませることができます。
 事前に雛形を用意しておけば、ひとつのテキスト文書から様々なバリエーションのHTML文書を簡単に生成することができ、ホームページの模様替えなどにも簡単に対応することができます。
 VBやDirectXのようなややこしいDLLはいりませんし、レジストリ等もまったくいじっておりませんので、お気軽にお試し下さい。

■動作環境
 Microsoft Windows95 及び 98 が動作する環境。(NTは未確認)

■インストール
 ダウンロードしたアーカイブを適当なフォルダに解凍します。

■アンインストール
 フォルダごと削除して下さい。

●重要

 本ソフトウェアはフリーウェアですが、著作権は、私T/MことTakeshi Mohriにあります。
 転載・配布等は自由に行って頂いて結構ですが、その際はこのままのファイル構成でお願いします。
 また、本ソフトウェアの使用によって生じたいかなる障害において、当方は一切の責任を負いません。

●操作説明

■基本操作
 まずは試しに samples フォルダ内のサンプルテキストを、5つまとめてアイコンの上にドラッグ&ドロップしてみて下さい。





 ダイアログが出て、新しくHTML文書が生成されたはずです。
 通常はこのように、元になるテキスト文書をまとめてアイコンの上にドラッグ&ドロップするだけで、テキスト文書と同じフォルダにHTML文書が生成されます。ただし、お好みの出力結果を得るためには、事前に以下で説明する各種設定をしておく必要があります。


■動作設定
アイコンをダブルクリックして起動させると、動作設定画面が表示されます。



[処理終了の通知]
 HTML文書の書き出し処理が終了したとき、その結果を通知するかどうかを設定します。
 チェックしておくと、書き出されたファイルをリスト表示します。

[処理終了後ブラウザで開く]
 HTML文書の書き出し処理が終了したとき、書き出されたHTML文書をブラウザで開いて確認するかどうかを設定します。

[読み込み]
 処理設定ファイル(*.nhp)を読み込みます。
 現在読み込まれている処理設定ファイルが、左のテキストボックスに表示されます。

[保存]
 現在の処理設定を、ファイル名をつけて処理設定ファイルとして保存します。


■処理設定
ページタブをクリックすると、処理設定画面になります。



[雛形ファイル]
 テキスト文書を整形するその雛形になるHTMLファイルを指定します。
 [...]ボタンを押して、ファイルを選択します。
 この雛形ファイルは自作できます。詳しくは雛形ファイルについてを参照して下さい。

[本文挿入位置]
 雛形ファイルで、テキスト文書本文を挿入したい位置に指定するラベルを指定します。
 これは基本ラベルであり、通常は変更する必要はありません。デフォルトは $body です。

[次のページ挿入位置]
 雛形ファイルで、次のページのファイル名を挿入したい位置に指定するラベルを指定します。
 例えば、元になるテキスト文書のファイル名が a1-2.txt のとき、書き出される a1-2.html からハイパーリンクされる次のページは、自動的に a1-3.html となって挿入されます。
 これは基本ラベルであり、通常は変更する必要はありません。デフォルトは $next_html です。

[前のページ挿入位置]
 雛形ファイルで、前のページのファイル名を挿入したい位置に指定するラベルを指定します。
 例えば、元になるテキスト文書のファイル名が a1-2.txt のとき、書き出される a1-2.html からハイパーリンクされる前のページは、自動的に a1-1.html となって挿入されます。
 これは基本ラベルであり、通常は変更する必要はありません。デフォルトは $prev_html です。

[ラベルリスト]
 下部の、リストボックス・ラジオボタン等は、全てひっくるめてラベルリストの設定用です。
 ラベルリストは、上記3つの基本ラベルとは別に、新しくラベルを追加したい場合に設定します。
 ラベル作成の手順は以下の通りです。
 まず、中央のテキストボックスにラベルとなる文字列を入力します。例えばここでは $date とします。
 次に、2つのラジオボタンからひとつを選択します。指定行のテキストに置換を選択すると、元になるテキスト文書の指定された行を先の $date に挿入するということになります。逆に、指定テキストに置換を選択すると、そこで指定したテキストを $date に挿入するということになります。
 最後に、[<<]ボタンを押すと、リストボックスに新しく $date が追加されます。これを削除したい場合は、リストボックスから選んで、[×]ボタンを押します。


■雛形ファイルについて
 雛形ファイルは通常のテキストエディタで作成することができます。ただし、ある程度HTMLタグに関する知識が必要です。
 HTMLタグに関しては専門の解説書等を参照して下さい。
<HTML>
<HEAD><TITLE>$title</TITLE></HEAD>
<BODY BACKGROUND="$background" TEXT="#FFFFFF" LINK="#FFD000" VLINK="#551A8B" ALINK="#EE0000" BGCOLOR="#000000">
<table border="0" width="740"><tr><td width="10"></td><td>
<table border="0" width="100%">
<tr><td bgcolor="#404040" align="right">
<font size="-1">$title - $sub_title</font>
</td></tr>
<tr><td bgcolor="#808080">
<font size="-1">$scene_name</font>
</td></tr>
<tr><td>
<br>
$body
<br><br>
</td></tr>
<tr><td bgcolor="#404040" align="right">
<a href="$prev_html">←PREV</a> | <a href="index.html">INDEX</a> | <a href="$next_html">NEXT→</a>
</td></tr>
</table>
</td></tr></table>
</BODY>
</HTML>
 左は、同梱の雛形ファイルのうちのひとつ、models フォルダ内にある model01.html の中身です。
 この中で、赤字で表示されているものが挿入位置指定ラベルです。
 この雛形ファイルを使ってテキスト文書を変換した場合、それぞれの挿入位置指定ラベルの位置に、それぞれ指定された文章が代入されるという仕組みです。
 つまり、挿入位置指定ラベルを自由に配置することで、お好みのレイアウトにすることができるというわけです。

豪熱炎神 オーガスター
第1話 空を割るモノ
シーン1
 猛暑であった。
 全国各地で観測記録が更新される中、東京に程近いここ、桜杜市でも目に痛いほどの陽光が降り注ぐ毎日が続いている。

 横川圭太は、そろそろエアコン無しでは辛い室温になってきた自宅のリビングで、朝からつけっぱなしになっているテレビから流れるニュースを見ながら、遅い朝食を食べていた。
 8月15日。
 終戦記念日である。
 ニュースでは、毎年行われている戦没者慰霊祭の様子を中継していた。
 これは samples フォルダ内にある a1-2.txt の中身です。
 デフォルトでは、 $title にはテキスト文書の1行目が、 $sub_title にはテキスト文書の2行目、 $scene_name にはテキスト文書の3行目が挿入されるという設定になっています。そのために、テキスト文書の1行目は作品タイトルの「豪熱炎神 オーガスター」、2行目はサブタイトルの「第1話 空を割るモノ=v、3行目はシーン名の「シーン1」となっています。
 一括して変換するテキスト文書の、全ての作品タイトルが共通している場合は、 $title の設定を指定テキストに置換にし、そこに作品タイトルの「豪熱炎神 オーガスター」を指定すれば、テキスト文書内に作品タイトルを含める必要はありません。
 つまり、テキスト文書によってこれらを適切に設定する必要があります。

 また、テキスト文書は、以下の条件をクリアーしていることが望ましいです。
1.ファイル名の拡張子を除いた末尾を連番( a1-2.txt , report009.txt 等 )にする。
2.改行は文意に沿う場合のみに行い、通常はテキストエディタの『右端で折り返す』当のオプションを利用して作成する。
3.半角スペースでの文字位置の整形は、ブラウザでは無視されるので、どうしても行いたい場合は全角スペースを使う。

<HTML>
<HEAD><TITLE>豪熱炎神 オーガスター</TITLE></HEAD>
<BODY BACKGROUND="bg.gif" TEXT="#FFFFFF" LINK="#FFD000" VLINK="#551A8B" ALINK="#EE0000" BGCOLOR="#000000">
<table border="0" width="740"><tr><td width="10"></td><td>
<table border="0" width="100%">
<tr><td bgcolor="#404040" align="right">
<font size="-1">豪熱炎神 オーガスター - 第1話 空を割るモノ</font>
</td></tr>
<tr><td bgcolor="#808080">
<font size="-1">シーン1</font>
</td></tr>
<tr><td>
<br>
 猛暑であった。<BR>
 全国各地で観測記録が更新される中、東京に程近いここ、桜杜市でも目に痛いほどの陽光が降り注ぐ毎日が続いている。<BR>
<BR>
 横川圭太は、そろそろエアコン無しでは辛い室温になってきた自宅のリビングで、朝からつけっぱなしになっているテレビから流れるニュースを見ながら、遅い朝食を食べていた。<BR>
 8月15日。<BR>
 終戦記念日である。<BR>
 ニュースでは、毎年行われている戦没者慰霊祭の様子を中継していた。<BR>
<br><br>
</td></tr>
<tr><td bgcolor="#404040" align="right">
<a href="a1-1.html">←PREV</a> | <a href="index.html">INDEX</a> | <a href="a1-3.html">NEXT→</a>
</td></tr>
</table>
</td></tr></table>
</BODY>
</HTML>
 a1-2.txt を元に生成されるHTML文書の中身はこうなります。
 挿入位置指定ラベルにはそれぞれ対応する内容が挿入され、本文すべての改行位置には改行タグ <BR> が付加されます。

●謝辞

 サンプルとして添付させて頂いている小説は、おかやま かずひとさんの『豪熱炎神 オーガスター』です。
 既にサンプルを読まれ、続きが気になって仕方ないという貴方は、
私立天明学園にアクセス! こちらで公開されているものには挿し絵もありますので、すでに読まれた方も再読してみることをお勧めします。
 まだ読まれてない方は、是非読んでみて下さい。とりあえず、自分が気に入ったものは人にも薦めたいということで、この場を借りて僭越ながら以下に紹介文など書かせて頂きます。

 まず私が惹かれたのは、とにかく読みやすいその文章です。つまづくことなく、最後まで流れるように読ませるその文章は、「上手い」の一言です(その後に「羨ましい」と続くんですけどね)。「そこに文字が並んでいることを意識させない文章」というのは、なかなか書けるものではないですね。必要以上に飾りたてず、しかし要所での言葉選び方には細心の注意がはらわれていて、おかやまさんの語彙の広さを感じさせます。
 内容は、ストレートに王道をゆくスーパーロボットアクションです。この手のジャンルは文字媒体には不向きと言わざるをえませんが、おかやまさん自身、それを踏まえた上で、「ビジュアルを超えるイメージを、読者に叩き付けるような文章を書いてみせる!」という気概を持って執筆にあたられているので、ビジュアル的に刺激を受けるシーンが端々に伺えます。それは前述の、「そこに文字が並んでいることを意識させない文章」というのができているからこそ、とも言えます。
 現在公開されている第3話までの時点で(2000年10月21日現在)、このジャンル特有の「お膳立て」が済んだところで、私自身、これからのドラマに期待しています。学園モノ好きですし(笑)
 なにはなくとも、まずは読んでみましょう。実際の評価は、読んだ方自身がされるのが正しいですから。

 最後に、添付を快く承諾して下さったおかやまさんに、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。

 私立天明学園 :http://www.age.ne.jp/x/ta9/HomePage/index.html

●その他

 本ソフトウェアは Borland Delphi4.0 で作成されました。

■参考文献
 小出 俊夫 著 『ここまでできる Delphi2.0 パワーガイド/秀和 システム 』

■開発履歴
2001.06.27Version1.1ページナンバー挿入ラベルを追加。作業ディレクトリを記憶するようにした。
2001.06.02Version1.0b次のページと前のページを指定するテキストボックスが逆になっていたバグを修正。
2000.10.21Version1.0ファーストリリース。

STUDIO PATCHWORKS (C)2001 Takeshi Mohri (takeshi@cx.airnet.ne.jp)