"kfm"では、実用的なコマンドから、こんなの一体どうやって使うんだ?っていうコマンドまで、様々なコマンドを初期マクロとして、用意しました。
ここでは、その中から比較的よく使うものを少し紹介してみようと思います。
MIDIの扱えるイベントの中に、「コントロールチェンジ」というのがあります。これは、いろいろなエフェクト効果などの情報を、MIDI機器に伝えるものです。
MIDI機器の説明書の裏の方に、きっと「コントロールチェンジ一覧」なんてものが、あると思います。
(残念ながらソフトシンセのVSC-88ver1.00には、「MIDIインプリメンテーション」に、受信できるコントロールチェンジが載っているだけで、詳しい解説は付いていないようですね。この講座で紹介できるものは、紹介することにします。)
"kfm"では、おおよそのコントロールチェンジは、マクロとして定義されていますが、どうしても直接書き込みたい時は、"y"コマンドを使ってください。以下にその例を示します。
これは、コントロールチェンジの91番、リバーブ・センド・レベルを直接書き込む例です。
@80q4o5[2 y91,0 ceg>c< y91,127 ceg>c< ] |
REVは、リバーブ・センド・レベルを書き込むコマンドです。
そうです。上の例は、以下のように書けるのです。
@80q4o5 [2 REV=0 ceg>c< REV=127 ceg>c< ] |
分かりますか?よ〜く聞いてください。残響音の具合が違いますね。この残響音を、リバーブといいます。そして、このREVは、リバーブのレベルを調整するのです。
それから、このREVは、ベロシティーの"v"や、オクターブの"o"のように、相対指定が出来ます。
@80q4o5l4 REV=40 c [2 REV+80 ceg>c< REV-80 ceg>c< ] |
おや、大文字マクロなのに、=も、"(" .. ")"もないけど・・・と、思った人は、記憶力が良いですね。そうです。大文字マクロでも、相対指定が可能なコマンドについては、そのまま、+、またはーから数値が引数として指定できるのです。
CHOは、コーラス・センド・レベルを設定するもので、REVの最も親しい友達です。こういうコントロールチェンジは、最小値の0と最大値の127を交互に設定してやれば、どんな効果が得られるのか、大体分かるものです。
さっそくCHOの0と127を聞き比べてみましょう。
@48q16o5l4 CHO=0 c8 [2 CHO+127 ceg>c< CHO-127 ceg>c< ] |
なんとなく、音に厚みがついた感じですよね。コーラスというのは、そういうものです。
さて、ついでに、Mの具合も試してみましょう。
@16q16o5l4 M=0 c8 [2 M+127 ceg>c< M-127 ceg>c< ] |
Mは、モジュレーションです。上の例を聞けば解説なんか要らない気もしますが、くねくねっとした感じですよね。
次は、パンポットです。これは、音の定位を左右のスピーカーにどれくらい傾けるかです。64が中央です。
@16q16o5l4 P=64 c8 [2 P=0 ceg>c< P=127 ceg>c< P=64 ceg>c< ] |
モノラルな環境の人は、あまりいないと思いますが、そういう方には、無意味な命令ですので、あしからず。
さて、VとEコマンド。これは、聞いてもよくわからないコントロールチェンジです。そう言いながら、とりあえず、聞いてみましょう。
@0 q16o5l4 V=127 egag
V=0 egag V=127 @0 q16o5l4 E=127 eg>cc< E=0 eg>cc< E=127 |
「うむ、これは・・・不可解だ。全く同じ、音量を調節するコマンドだ。」
と、言う事が、分かったと思います。音量の調節といえば・・・"v"コマンド・・・。どうして、音量を調節するコマンドが、3つもあるのでしょう?
実際、これら3つには、しっかりとした区別があるのです。
まず、音の強さを調節する"v"についてです。この"v"(ベロシティー)は、値が大きくなると、MIDI音源の音色も値によって微妙に変化するようになっているのです。例えば、音色を@0番のピアノにしたとして、v70と、v127では、同じピアノの音でも、ちょっと音色の明るさなどが違う事が聞き取れるでしょうか?
Eコマンドは、「エクスプレッション」という名前です。これは、値を変えても、全く音色の変化はありません。そういう意味で、こちらが"v"よりも真の音量といえそうです。
そして、Vコマンドですが、これは、「メインボリューム」という名前です。その名前の通り、曲頭で値を設定したら、曲中で、このメインボリュームをあまり操作しないようにします。言うなれば、このVは、曲を作り終わった後の音量の微調整に使うようにするのです。
と、このように、vとEとVには、はっきりとした区別があり、曲中で頻繁に値を操作して良いのは、vとEで、Vは、最後の調整用と覚えておけば、良いと思います。
Bコマンドは、ピッチベンドです。これは、ピッチをずらす命令です。この値も0〜127です。中央は64です。このコマンドは、BEND_RANGEと、合わせて使い、ベンドの効き具合を調節します。
BEND_RANGE(12)B=64 l4
o5 @11 cdefg B=67 cdefg B=69 cdefg B=71 cdefg B=64 BEND_RANGE(24)B=64 l4 o5 @11 cdefg B=67 cdefg B=69 cdefg B=71 cdefg B=64 |
BEND_RANGEで指定する値は、1〜24で、半音づつベンドの範囲を広くしていきます。初期設定では、すべてのトラックで、中央の64が指定されています。
他に、ピッチベンドには、-8192~8191を指定する"p"コマンドがありますが、これは、Kfmのヘルプを参照してください。
しかし、ピッチベンドというのは、こう単体で書き込んでもあまり面白くありません。連続して少しずつ変わっていくのが面白いのです。
"kfm"では、数値に連続変化を与えるアクティブコマンドという機能を備えています。
;ロングトーン直線的ベンド周期のテスト @80 B=64 r%4 BEND_RANGE=24 _ac(%8) ACB(0,127,1^1^1^1,0,4,0) o4l1 c^^^ |
ここでは、こういう機能もあるということで、詳しい事は、ヘルプの「アクティブコマンド」の項をご覧ください。