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マルチセグメント監視


LanMap は単体で動作させることにより、LanMap が設置されているセグメントのネットワークを管理します。

しかしながら、単体の LanMap ではマルチ(複数の)セグメントのネットワークを管理することができません。

そこで、ワンダーラボでは ver 1.20 から、複数の LanMap を組み合わせることによりマルチセグメントの管理を可能にしました。

LanMap では、他セグメントの管理にLanMap マネージャー・エージェント方式を取り入れています。 この方式では LanMap 自体の動作によるネットワークへの影響を最小限にすることを可能にしています。 また、マルチセグメント監視に伴うネットワーク管理者の負荷は、単体で利用している場合と基本的には変わりません。 そして、セグメントが拡張された場合の対応も非常に簡単ですみます。

LanMap/Multiを用いてマルチセグメント監視をおこなう場合に、 あらかじめ知っておいていただきたい以下の事項について説明します。

セグメント

「ネットワークセグメント」あるいは単に「セグメント」とは、IPルーター等によって分割されたネットワークの単位を意味しています。ハブによってつながっている範囲がセグメントである、とみなして、通常はさしつかえありません。 個々のLanMap(Liteをふくむ)は、自セグメント(正確には、自分自身が動作しているパソコンが接続されているセグメント)について、ネットワークの使用状況の情報を収集する機能を持っています。しかし、単体で使用する限り、他セグメントの情報を直接に収集することはできません。このため、複数のセグメントを監視するためには、複数個のLanMap(Liteをふくむ)を使用し、それらを組み合わせて使用する必要があります。 なお、LanMap/Multi上では、自セグメントは「ローカルセグメント」という名称で表示されています。

LanMap には個別のセグメントID(SID。 製品の S/N によって決定される)がアサインされています。 LanMap は、セグメントを SID にて認識していますので、異なるセグメントに同一の SID を持つ LanMap が存在すると、 正しい情報が得られない場合があります。各々の LanMap の SID は、トータル統計情報ウィンドウ で確認することができます。

セグメント種類(アイコン)説明
ローカルセグメント LanMap が直接パケットの受信による監視を行うセグメントです。
リモートセグメント エージェント(Multi/Pro/Lite) から送られてくる統計情報の中に 含まれているセグメントをリモートセグメントと呼びます。リモートセグメント情報の表示は、 LanMap/Multi のみサポートされている機能です。
仮想(バーチャル)セグメント 監視したい複数の(ローカル或いはリモート)セグメントに跨っているいくつかのネットワーク機器を、 あたかも1つのセグメントの中に存在するかのように見せかける機能は、仮想セグメントです。 [表示]メニューコマンドの「仮想セグメントの作成」によって作成されます。 仮想セグメントへのネットワーク機器の追加は、ネットワーク構成図での右クリックコマンド (仮想セグメントへの追加)を使用してください。

エージェントとマネージャー

LanMap/Multiでマルチセグメント監視をおこなう場合は、 以下の「エージェント」と「マネージャー」を組み合わせて使用する必要があります。

機能説明
エージェント 自分が収集・管理・蓄積している情報を、 「マネージャー」(下の欄を参照)へ送信する LanMap です。
マネージャー 「エージェント」(上の欄を参照が送信する情報を受信し、 受信した情報を管理・蓄積・表示するLanMapです。 マネージャーは、複数のエージェントからの送信を受け付けることができます。 なお、マネージャー自身も、自セグメントの情報を収集する機能を備えています。

ローカル通信とリモート通信

エージェントとマネージャーの交信には、以下の「ローカル」と「リモート」の二種類の方式があります。

比較項目ローカル通信リモート通信
通信の方法 エージェント・マネージャー間で、直接TCP/IP接続をおこない、情報を送受信する。 エージェント・マネージャー間でメールによって情報を送受信する。
通信できる範囲 エージェント・マネージャーが「直接TCP/IP接続できる」範囲内にあるときのみ、 通信できる。 エージェント・マネージャーが「メールが届く範囲」にあれば、通信できる。
通信経路上にファイアーウォールがある場合 一般には通信できない。ローカル通信が可能とするには、通信経路上のすべての ファイアーウォールにおいて、エージェント・マネージャー間交信用TCPポート (設定:エージェント参照)の使用を許可する必要がある。 通信できる場合が多い。接続経路上のファイアーウォールが「メールが届く」 (SMTPポート使用可)の設定になっていれば、通信できる。(ただし、下の欄の条件が必要。)
必要なサーバー 不要。 エージェント・マネージャーがTCP/IP接続できる場範囲内にSMTPサーバー・POP3サーバーが必要。
リアルタイム性 比較的、有る。 無い。

LanMapマルチセグメント監視機能の分類

LanMap シリーズでは、以下のような種類のマネージャー・エージェントが存在します。

種類説明
ローカルマネージャー 複数のローカルエージェントからの情報を収集することが可能なマネージャー。
リモートマネージャー 複数のリモートエージェントからの情報を収集することが可能なマネージャー。
ローカルエージェント 1つのローカルマネージャーに情報を提供するエージェント。
ローカル簡易エージェント 1つのローカルマネージャーに情報を提供するエージェント。 「ローカルエージェント」と比較すると、TCP/UDP サービス情報および 接続情報の収集はできません。
リモートエージェント 複数のリモートマネージャーに情報を提供するエージェント。

LanMap シリーズ

LanMap シリーズには、以下の製品が存在しており、それぞれの製品の機能サポート状況です。

製品サポートする機能
LanMap/Lite ローカル簡易エージェントのみ
LanMap/Pro ローカルエージェントのみ
LanMap/Multi ローカルマネージャー、ローカルエージェントを同時にサポート
LanMap/Multi + リモートオプション ローカルマネージャー、ローカルエージェント、リモートマネージャー、リモートエージェント を同時にサポート