Synth1 Ver1.01 説明書2002.10.15

目次

Synth1とは

DTMソフトで使用することを目的としたソフトウェアシンサイザーです。 VSTi、DXiの両プラグイン形式に対応しています。 本ソフトはフリーウェアです。

機能的には、あの赤いシンセ Clavia NORD LEAD2を手本にしていて、下記の特徴があります。

  • 2オシレータ、FM変調、リング変調、シンクロ
  • 4タイプのフィルタ、ディストーション
  • 2LFO
  • アルペジエ−タ搭載(ホスト同期)
  • テンポディレイ(ホスト同期)、ステレオコーラス/フランジャ搭載
  • レガートモード、ポルタメント
  • 16音ポリフォニック
  • プリセット128音色つき。
  • 動作軽量化の徹底。SSE利用等。(Celeron1.4GHzで、10台程度の同時演奏なら十分実用的です。)
  • オートメーション対応(VSTiのみ)

動作環境/制限事項

対応OSWindows 98SE/Me、 Windows 2000/XP(Windows2000にて開発)
対応ホストCUBASE SX, Fruity Loops3.5, SONAR1.0/2.0, etc
プラグイン形式VSTi2.0/DXi1.0 44.1KHzのみ。
制限事項 (1)マルチティンバー音源ではありません。
(2)DXi V2.0の以下の機能には対応していません。
・オートメーション機能
・マルチアウトプット

インストールとアンインストール

■インストール

(1)プログラムファイルをダウンロード後に、setup.exeを実行してインストールを行います。

(2)VSTi用のDLLファイルは、"Synth1 VST.dll"です。 Synth1のインストールフォルダ(またはzipファイル)からこのファイルをホストアプリのVSTプラグインフォルダ にコピーしてください。

(3)完了です。お使いのホストアプリケーションのプラグインメニューに追加されていることを確認してください。


■アンインストール

(1)インストール後にプログラムメニューに追加された「Uninstall Synth1」を実行してアンインストールを行います。 または、コントロールパネルのアプリケーションの追加と削除からでも可能です。

(2)ホストアプリのVSTプラグインフォルダから、"Synth1 VST.dll"を削除してください。

アンインストールを行うと、プリセット音色フォルダ(bank0)も削除されます。 よって、作りこんだオリジナル音色をbank0に上書き保存した場合は、アンインストール前にこのフォルダのバックアップを取ってください。

操作説明

■概要

Synth1は下記のような構造となっています。 16個あるVoice部分は2VCOのアナログシンセをシミュレートしています。 加えて、アルペジエータ、イコライザ、ディレイ、コーラスを装備しています。

Synth1の各ボタンや、つまみはクリックすることでON/OFFや調整ができます。 特につまみは、ホイールつきマウスで微調整ができるようになっています。


■Oscillators

オシレータは2つあります。それぞれのオシレータの波形や音程などの基本パラメタを調整します。 オシレータ2はピッチエンベロープにより音程を時間的に変化させる事ができます。

OSC1発信器1の波形を、サイン波、三角波、ノコギリ波、パルス波から選択します。
FMFM変調の割合を調整します。オシレータ2がモジュレータ、オシレータ1がキャリアの関係になります。 ただし、FM変調は、リングモジュレーションがオフの時のみ有効です。
OSC2発信器2の波形を、三角波、ノコギリ波、パルス波、ノイズから選択します。
ringリング変調(AM変調)のオン/オフを決定します。オンの場合、オシレータ2の出力はリング変調されたものになります。
trackオシレータ2のトラッキングオン/オフを決定します。トラッキングとは、打鍵したノートナンバーに応じた音程で 発音することです。オフになっている場合は、一定の周波数で発音します。
syncシンクロ機能のオン/オフを決定します。オンの場合、オシレータ1の周波数にあわせてオシレータ2の位相をリセットします。
pitchオシレータ2の音程を調整します。
fineオシレータ2の音程を微調整します。
p.envオシレータ2のピッチエンベロープ制御のオン/オフを決定します。オンの場合、以下のA.D.amtによって音程が時間的に変化します。
Aピッチエンベロープのアタックタイムを調整します。
Dピッチエンベロープのディケイタイムを調整します。
amtピッチエンベロープがオンの時のピッチ変化量を調整します。真中より右でプラスのピッチ、左でマイナスのピッチ、ちょうど真中の場合は音程変化は発生しません。
key打鍵したノートナンバーに対してオシレータ1,2の音程をトランスポーズします。
p/wパルス波のパルス幅を調整します。左にまわすと幅が小さく、右に回すと広く方形波に近くなります。オシレータ1,2両方ともに有効となります。
mixオシレータ1とオシレータ2の音量バランスを調整します。左に回すとオシレータ1の割合が大きく、右に回すとオシレータ2の割合が大きくなります。

■Filter

レゾナンスつきフィルタと、簡易ディストーションで音色のカラーを調整します。 フィルタエンベロープにより、カットオフ周波数を時間的に変化させる事ができます。

typeフィルターのタイプを、ローパス(12db)、ローパス(24db)、ハイパス(12db)、バンドパス(12db)から選択します。
Aフィルターエンベロープのアタックタイムを調整します。
Dフィルターエンベロープのディケイタイムを調整します。
Sフィルターエンベロープのサスティンレベルを調整します。
Rフィルターエンベロープのリリースタイムを調整します。
amtエンベロープの変化量を調整します。左に回すとエンベロープ変化が小さく、右にまわすと大きくなります。
frq基準となるカットオフ周波数を調整します。
resレゾナンス量を調整します。
dstディストーション量を調整します。
trkカットオフ周波数のトラッキング感度を調整します。打鍵したノートナンバーに対してカットオフ周波数をどの程度変化させるかを調整します。 右いっぱいにまわすと、1オクターブのノートナンバー変化に対して1オクターブの周波数変化を(フル)、左いっぱいにまわすと、周波数は変化しません。 高域のノートで、高音が耳につきすぎる時等に使用します。
vel打鍵時のベロシティ値によって、エンベロープ変化量を変化させるかどうかを決定します。

■Amplifier

音量の時間的変化等をエンベロープにより調整します。

A音量エンベロープのアタックタイムを調整します。
D音量エンベロープのディケイタイムを調整します。
S音量エンベロープのサスティンレベルを調整します。
R音量エンベロープのリリースタイムを調整します。
gain基準音量を調整します。
vel打鍵時のベロシティ値によって基準音量をどの程度変化させるかを調整します。左に回すと感度が小さく、右に回すと感度が大きく音量変化が大きくなります。

■LFO

VCO,VCA,VCFのいずれかのパラメタを周期的に変化(変調)させることで、さまざまな効果を調整します。 Synth1ではこの2つのLFOが独立して動作します。 なお、LFO1はMIDIのホイール情報によりその周波数や量を変化させることができます。 変化の感度は共通パラメタのWheel speed/amtで調整します。

1LFO1のオン/オフを決定します。
左LCDLFO1の波形をノコギリ波、三角波、サイン波、方形波、ランダム、ランダム(スムース変化)から選択します。
左dstLFO1の変調先を、「オシレータ2のピッチ」、「オシレータ1と2のピッチ」、「フィルタのカットオフ周波数」、「音量」、「オシレータ1と2のパルス幅」から選択します。
左spdLFO1の変調周波数を調整します。
左amtLFO1の変調量を調整します。
2LFO2のオン/オフを決定します。
右LCDLFO2の波形をノコギリ波、三角波、サイン波、方形波、ランダム、ランダム(スムース変化)から選択します。
右dstLFO2の変調先を、「オシレータ2のピッチ」、「オシレータ1と2のピッチ」、「フィルタのカットオフ周波数」、「音量」、「オシレータ1と2のパルス幅」から選択します。
右spdLFO2の変調周波数を調整します。
右amtLFO2の変調量を調整します。

■Equalizer

1つのパラメトリックイコライザとハイパス/ローパスフィルタです。

freqパラメトリックイコライザの周波数を調整します。
levlパラメトリックイコライザのイコライジング量を調整します。左に回すとマイナス、右に回すとプラス、真中で0です。
Qパラメトリックイコライザのイコライジングカーブを調整します。左に回すと平坦になり、右に回すと急になります。
toneローパス/ハイパスフィルタのカットオフを調整します。 左に回すとハイカットとして働き、高音が削られます。 右に回すとローカットとして働き、低音が削られます。 コード引きなどで低音が出すぎる場合や、ベース音のハイカットなどに便利です。

■Tempo Delay

ホストシーケンサのテンポに同期したディレイエフェクトです。 ただし、最大で約3秒のバッファのため非常にゆっくりとしたテンポの場合は、 同期不可能となります。

ONエフェクトのオン/オフを決定します。
time「32分3連」〜「全音符」からディレイタイムを調整します。
fdbkフィードバック量を調整します。
levlディレイ音量を調整します。

■Chorus/Flanger

ステレオのコーラス/フランジャエフェクトです。

ONエフェクトのオン/オフを決定します。
LCDコーラス、フランジャの効果を「1相」、「2相」、「4相」から選択します。1相の場合はモノラルとなります。 フランジャ効果を得たい時には、1相が向いているようです。
time基本となる遅延時間を調整します。時間が小さいほどフランジャ効果となります。
deph変調の量を調整します。
rate変調周波数を調整します。
fdbkフィードバック量を調整します。
levlコーラス/フランジャ音量を調整します。

■Arpeggiator

単純なアルペジエータです。 アルペジエータとは、その名のとおり押鍵されている和音(単音でも可)を一音ずつ 一定のテンポで、自動演奏する機構です。

ONアルペジーエータのオン/オフを決定します。
type演奏の方式を「updown」、「up」、「down」「random」から選択します。 「updown」は、押鍵されている鍵盤の低音から高音までを順番に往復演奏します。 「up」は低音から高音に、「down」は高音から低音に順番に演奏します。 「random」はランダムな順番に演奏します。
range演奏する範囲をオクターブ単位で広げます。 1oct〜4octはそれぞれ、1〜4オクターブまで演奏範囲を広げます。
beat演奏スピードを「全音符」〜「32分3連」から選択します。
gate一つの鍵盤を押している時間(ゲートタイム)を調整します。 右いっぱいまでまわすと、音が途切れないように演奏するため、Play Modeの「レガート」、「ポルタメント」と組み合わせると効果的です。

■Play Mode

演奏に関する設定を行います。

mode演奏モードを「ポリボイス」、「モノ」、「レガート」から選択します。 「ポリボイス」は、通常演奏で和音演奏が可能です。 「モノ」は1ボイスのみを使用して演奏します。和音演奏はできません。 「レガート」は1ボイスのみを使用する点は「モノ」と同じですが、 音が途切れないような演奏をした時に、VCO〜VCAの各エンベロープを トリガさせずに、音程のみを変化させる点が異なります。 ポルタメント組み合わせて独特奏法が可能になります。 「モノ」、「レガート」ともにソロ演奏時に多く使われます。
p.b rangeMIDIのピッチベンド情報を受信したときの、ピッチの変化幅を調整します。
portamentポルタメントタイムを調整します。 ポルタメントとは、各ボイスが発音を開始した時に音程を目的の高さまで連続的に変化させる機能です。
wheel speedSynth1は、MIDIのモジュレーションホイール情報を受信したとき、LFO1の変調周波数を変化させます。 その変化の感度を調整します。
wheel speedSynth1は、MIDIのモジュレーションホイール情報を受信したとき、LFO1の変調量を変化させます。 その変化の感度を調整します。

■共通パラメタ

音色プログラムの切り替えや保存、その他全体に関わる設定を行います。 Synth1の音色管理は、128音色を一つのバンクとして管理していて、 このバンクが合計10個あり、合計1280音色を同時管理可能です。 各音色プログラムは、1つのファイルとして保存されています。 そのファイルの格納フォルダは、バンク毎に分かれており それぞれオプションウィンドウで設定することができます。

通常、音色プログラムはMIDIのbank selectメッセージおよび、 program changeメッセージを受信すると変更されます。 しかし、これらのメッセージを無視して、音色プログラムの変更を 行わないようにすることがでます。 これは、オプションウィンドウで設定することができます。

volマスターボリュームを調整します。
polyポリ演奏モード時の同時発音可能なボイス数を調整します。
program音色プログラムを切り替えます。 LCDをクリックすることで、バンク/音色の一覧ウィンドウが開き、バンク/プログラムを選択できます。
bank音色バンクを切り替えます。
write現在の音色をファイルに書き込みます。 クリックすると音色書き込み用のウィンドウが開き、任意のバンク/プログラム番号に書き込む事ができます。
opt音色ファイルの格納フォルダ、MIDIメッセージの無視の設定します。 クリックすると、設定用のウィンドウが開きます。

プリセットサウンドについて

Synth1には、128音のプリセットサウンドがついています。 SC-88Proを参考にしてGM音色をシミュレートしてみました。 ですが、、、はっきり言って前半の音色はヘボイです(笑)。 参考用にお使いください。 ただ、前半でもシンセシンセした音や81番以降のシンセ独特のサウンドに ついては、結構使えるかと思います。 (なおYMO好きな方は、98:Behind the maskで高音ファラドを和音で引いてみてください。 そのまんまです!)

変更履歴

■Ver 1.0 (2002.10.9)
  • 初登録版
■Ver1.01 (2002.10.15)
  • VSTiに対応
  • MIDIメッセージの無視のオプション追加
  • ダイアログ出現位置の調整

サポート情報

■サポートなど

最新情報は、下記のホームページにてお知らせしています。参照ください。

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/5005/
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