アートのマスターの

易うらない講座

 

覚えておきたいもの

 正象


 乾  けん  天


けん

 「乾 」という字は、一般的には人の苗字の「いぬい」と読むのが一般的ですが、易の世界では「けん」と発音します。余談ですが、「いぬい」と読むのは、方角が十二支で「戌亥」の方角を意味する事からの当て字です。

 「天」とあるのは、卦の象の代表的なもので、「正象(せいしょう)」などと呼ばれています。
 陽の爻だけで構成されていますから、陽のイメージの強いものがそのほとんどと考えられます。具体的には、家庭では父や祖父、夫。会社や国家では、社長、首長、元首、総理大臣など、あらゆる組織のトップ。ほか、積極的、正義、剛健、健全。大小あるものは、とにかくスケールの大きいものが当てはまります。例えば、大海、大河、原野など。ほか、「丸い形状のもの」をあらわしています。


 坤 こん 地

こん

 見慣れない文字ですが、「こん」と読みます。先の乾とは逆に、陰の爻だけで構成されていますので、陰のイメージが強いものが当てはまります。
 家庭では、母、祖母、妻。内需の功というイメージから、一般庶民、ヒラ社員、縁の下の力持ち的な存在が挙げられます。正象の「地」のイメージから、どっしりとしていて、なかなか動じない、というかんじ。あと、布や袋状のものをあらわしています。


 震 しん 雷

しん

 前ページの図をご覧になるとわかりますように、季節は春、方角は東です。春になると冬眠していた生き物が活動を始めたり、東から太陽が昇っていくように、物事の始まりを表します。しかも、ダラダラしたものではなくて、正象の「雷」のように音を立てるかのごとく、勢いがあります。家庭では長男を意味します。爻は下から積み上げていくものであり、一番下に陽爻があり、ほかは陰爻です。つまり一番下の陽爻が重視されるわけですから、そう考えます。社会ではナンバー2的な人や、モーレツ社員(ちょっと古い)、青年などが挙げられます。全般的に勢いが強いもの、「雷」から、電気に関係するもの、例えばパソコンなどもそうですね。


 巽 そん 風

そん

 この字も「たつみ」と読むのが一般的ですが、乾 と同じく「辰巳」の方角を意味するところからの当て字です。家庭では長女。社会的には忙しい人、外国人、商人などが挙げられます。また、正象の「風」のイメージから、どんな隙間でも入っていくようなイメージをするといいでしょう。商いもお金の出入りがあることからそう考えます。


 坎 かん 水

かん

 坎の文字は、「土が欠けている」ということから、穴ができていると考えます。ここから、落ち込んでいく、苦しみといった意味もあります。また、隠し事、秘め事といった意味もあります。風水などで家の北側に寝室を置くという考え方は、坎がまさに北を表し、そういった意味からのことです。家庭では次男、中男。社会的には、暗い人、哲学者、法律家など。正象の水のイメージから、液体全般。水はどのような形の容器にも納まることから、順応性という意味もあります。


 離 り 火

 正象は火です。「麗(り)」の意味もあり、のぼる、美しい、神秘的という意味があります。明るい、明らかになる。また燃え盛るというイメージから情熱的。家庭では次女、中女。社会的には美人、着飾った人。また、陽爻の中に陰爻が位置していることから、中身がないもの、といった考え方もあります。


 艮 ごん 山

ごん

 正象は山です。山のようにどっしりとした、落ち着いたイメージをしてください。頑固、慎重、蓄積など。家庭では末っ子の男子。少男。相続人の意味もあります。社会的には動かない職業の人。警備員、門番、留守番人など。「伝統的な」という意味もあり、昔からの伝統的な職業全般をいいます。三つの爻の形から、家、門、墓石などをイメージする事ができます。


 兌 だ 沢

 正象は沢ですが、「悦」の字からイメージしてください。季節は秋をあらわしますから、収穫、悦び、楽しみなど。家庭では末っ子の女子、少女。口という意味があり、おしゃべり、笑い、歌など。色情など恋愛を意味します。


 以上、簡単に述べましたが、後に詳しく加筆する事にします。とりあえずこれだけ覚えておけば、簡単な占いは可能だと思います。

つづき