Shade R5 & R6用 流体エミュレーション・エフェクタプラグイン

EmuFluid

ver. 1.0.0以降

ユーザーマニュアル


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目次

名前の由来は
どんな時に使うか?
機能
制限事項
動作環境
インストール方法
インストールされるメニュー位置
AECTRLプラグイン対応について

カスタム属性設定ダイアログ

エフェクタ設定ダイアログ

障害物の指定

粒子発生源の指定と表面材質のパラメータ

生存範囲の指定

設定例水中でブラウン運動する粒子
水中を通り抜ける物体
障害物に衝突する水
空中を浮遊するシャボン玉
噴き出す水

計算速度に大きく影響するパラメータ

バージョン履歴
レジストしていない場合の制限事項
シェアウエア(送金)について
シェアウエア登録完了方法
著作権/再配布/免責事項
プラグインID
開発環境
連絡先
最新版の入手先

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【名前の由来は】

  流体のエミュレーション Emulation of Fluid
  #本当は Simulation Fluid にしようと思ったけど、ネット上で、すでに SimFluidという単語が使われていたので、f^_^;

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【どんな時に使うか?】

  水中に漂うブラウン運動している微粒子をシーン中に散りばめたい

  粘性のある液体や気体を表現したい

  舞い上がっていくシャボン玉を表現したい

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【機能】

  ・微粒子をブラウン運動させられます
  ・流体としての衝突現象、粘性効果、乱流効果を表現できます
  ・粒子同士の衝突判定を行えます
  ・任意の大きさの透明体の球体を運動させられます(シャボン玉、水泡等)
  ・シャボン玉は膜厚による光の干渉を考慮し、時間経過で7色に変化し、やがて破裂して消えます

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【制限事項】

  ・現実の乱流とは微妙に異なります
  ・基本的にアニメーションを対象としているのでアンチエイリアスは行いません

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【動作環境】

    Macintosh版
      Shade Personal R5 Rev.16d以降 (動作チェック済み)
      Shade Professional R5 Rev.16d以降
      Shade 6 advance Rev.19以降 (動作チェック済み)
      Shade 6 professional Rev.19以降

    Windows版
      Shade Personal R5 Rev.16d以降 (動作チェック済み)
      Shade Professional R5 Rev.16d以降
      Shade 6 advance Rev.19以降 (動作チェック済み)
      Shade 6 professional Rev.19以降

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【インストール方法】

    Shade Personal / advance / Professionalのpluginsフォルダに
        Macintosh版
            R5対応版
                EmuFluid
            R6対応版
                EmuFluid.shdplugin
        Windows版
                EmuFluid.dll
   を入れて下さい

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【インストールされるメニュー位置】

    カスタム属性設定
        ・「特別」メニューの「カスタム属性」サブメニューに「EmuFluid設定...」として現れます
        ・コンテクストメニューの「カスタム属性」サブメニューに「EmuFluid設定...」として現れます
    エフェクタ設定
      ・レンダリングオプションのエフェクタの選択肢に、「EmuFluid」として現れます

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【AECTRLプラグイン対応について】

    このプラグインのR6対応版は、アニメーション&エフェクタコントローラ(AECTRL)プラグインに完全対応しています。
  レンダリング画像はそのままでエフェクタ処理のみを何回でもやり直しが可能です。

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【カスタム属性設定ダイアログ】

このプラグインの特徴は、

 ・発生している粒子の数が少なければ、流体中に浮遊している粒子を表現できます。

 ・発生している粒子の数が多ければ、流体そのものの動きを表現できます。

したがって、大別して「粒子」と「流体」の2つの性質をカスタム属性で与えられます。

円(連続発生源)円の掃引体(範囲内発生源)
EmuFluidカスタム属性設定ダイアログ1EmuFluidカスタム属性設定ダイアログ2
粒子としての性質種類球状粒子普通の球状の粒子を発生させます
水泡粒子の周りがわずかに光ります
シャボン玉1膜厚による光の干渉を考慮し、時間経過で7色に変化し、やがて破裂して消えます
シャボン玉2シャボン玉1より明る目の感じで透明感が増します
発生させる粒子の数を指定します
重さ発生させる粒子の重さをg単位で指定します
直径発生させる粒子を球としてその直径をmm単位で指定します
ゼロにすると1点で描画するので高速になります。
回転数(小さい粒子のみ) フェイクで回転しているようにこの回転周期で光らせます
変形度 完全な球体からのずれ具合を指定します。
シャボン玉なら 1〜3%くらいがちょうど良いでしょう。
ローカル速度 ブラウン運動している粒子の平均的な速度を mm/秒 単位で指定します
範囲内で 循環生成する 粒子が消滅する、もしくは、範囲外から出ると、#genの円の位置から新たに発生させます
循環生成しない粒子が消滅しても新たには発生させません
流体としての性質群速度 流体全体の速度 mm/秒 単位で指定します
粘性 目には見えない流体の粘性を指定します。
目安として、
油は0.1
水は0.001
空気は0.00001
温度流体の温度を摂氏で指定します
乱流率 流体が障害物に衝突した後に発生する乱流の度合いを指定します。
0なら乱流は発生しません。
1くらいで標準的な乱流になるように調整しています。
実際の乱流の激しさは、この乱流率と、粘性、粒子の重さで違ってきます。
流体は重力を 感じる 流体全体が重力によって、マイナスy方向に下がっていく効果を取り入れるか否かを指定します。
重力加速度は 9.8m/sec2に固定です
感じない
連続発生源オプション発生率 発生源から1秒間に発生させる粒子の個数を指定します
発生角 流体の広がりを指定します
発生数の上限粒子数が増えると計算時間が伸びで処理速度がしだいに落ちていきます。この上限値を越えるまでは毎秒発生し続け、越えると発生を止めます。もし、循環生成するになっていれば、粒子が消滅すればその分また発生することになります。
発生開始フレーム 粒子の発生を開始させるフレームを指定できます
発生終了フレーム 粒子の発生を終了させるフレームを指定できます
表示オプション実体に影を落とす シーン中のレンダリング可能形状に対して、この粒子の影を落とします。
これにより、よりリアルになりますが、計算に時間がかかります。
粒子に影を落とす 他の粒子へ影を落とします。
これにより、よりリアルになりますが、計算に時間がかかります。
障害物に衝突した後に色を変化させる
衝突後の色
乱流に巻き込まれたときに色を変化させる
巻込後の色
動作
(R5のみ)
この設定を有効 現在の設定を設定します
デフォルト設定に戻す デフォルト設定に戻したいときに使用します

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【エフェクタ設定ダイアログ】

エフェクタ設定ダイアログ
1フレームあたりの時間間隔 1フレームあたりの時間経過を秒数で指定します
?秒後の状態を開始フレームとする レンダリング開始するまでに粒子に運動をさせたいときにその秒数を指定します。
レンダリング開始前に、以下のようなプログレスダイアログを表示します。
精度 計算速度優先 通常は「計算速度優先」で大丈夫ですが、
うまく乱流が発生しないときや、時間間隔が大きく動きになめらかさが失われるときは、「リアルさ優先」を指定してみてください。
プラグイン内部で時間間隔をさらに10分割して精度を上げて計算します。計算時間は10倍かかります。
乱流の具合は、カスタム属性の乱流率を変更したほうが効果があります。
リアルさ優先
描画密度 最適値より粗い 計算速度を向上させるために、常に最適値で計算しますが、それでも描画ムラができるようでしたら、 「最適値の倍密」を指定みてください。
かすれた効果やとにかくプレビューとして計算速度を上げたいときは、「最適値より粗い」を指定みてください。
最適値
最適値の倍密
粒子同士の衝突判定を 行わない 粒子同士の総当たりの衝突判定を行い、粒子の重なりを防ぎます。粒子数が増えると計算時間が莫大に増加するので注意して下さい。
行う
レンダリングではエフェクタ処理をしない
(R6のみ)
「AECTRL」プラグインを利用しないときはチェックを外してください。

チェックを入れておくと、Shadeの通常のレンダリングではエフェクト処理をせずに処理を終えます。
「AECTRL」プラグインでエフェクタ処理のみを実行できるようになっています。
動作
(R5のみ)
この設定を有効に
そのまま設定します
デフォルト設定に戻すデフォルト設定に戻したいときに使用します

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【障害物の指定】

このプラグインでは、シーン中の全てもしくは選択した物体が障害物とはなりません。
粒子は物体を素通りすることになります。

粒子が衝突の影響を受ける障害物は、選択された形状のうち、
名前が、#obs で始まる「球」もしくは「閉じた線形状」のみです。
それらの形状は変形を受けていても構いません。


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【粒子発生源の指定と表面材質のパラメータ】

選択された形状のうち、
名前が、#gen で始まる

 「円」を連続発生源

 「円の掃引体」を範囲内発生源

とします

粒子と表面材質との対応は以下の通りです。


円(連続発生源)円の掃引体(範囲内発生源)
発生範囲円の掃引体中の任意の位置
発生開始位置円の任意の位置
流れの方向円の法線方向掃引方向
循環生成での発生場所円の位置
循環生成での消失場所円の位置から掃引方向に掃引分だけ離れた平面
粒子の色表面材質の基本色
粒子の透明度表面材質の透明度
粒子の光沢表面材質の光沢
粒子の光沢のサイズ表面材質の光沢のサイズ
粒子の屈折率表面材質の屈折率(ただし、1.0または1.2以上のみ有効)

屈折率を与えると透明体の場合は、フェイク的に屈折効果を取り入れます。
正味の光の屈折計算は行っていません。
屈折率 1.0屈折率 1.32
 

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【生存範囲の指定】

画面の外に出たとか、画面のかなり奥の方にいった粒子の計算をするのは、時間の無駄ですね。
そのような余計な計算をさせないために粒子の生存範囲を与えることができます。
選択された形状のうち、
名前が、#live で始まる「球」で指定します。
たとえ、発生範囲内であっても、この球から外に出た粒子は無条件に消滅させます。
したがって、#genの発生位置の「円」はこの生存範囲に入っていなければなりません。

生存範囲指定は1つのみです。


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【設定例】


容量を軽くするためムービーファイルのクオリティを落としています。
水中でブラウン運動する粒子

サンプルファイル
EmuFluidsample_1.shd.zip
ブラウン運動の激しさを強調するのに、
群速度をゼロにしておくと良いかも。

カスタム属性の代表例
 種類 球状粒子
 重さ 1
 ローカル速度 1
 群速度 0
 粘性 0.001
水中を通り抜ける物体

サンプルファイル
EmuFluidsample_2.shd.zip
流体は動いていても良いけど、物体の方を強調したいときは、
群速度をゼロにしておくと良いかも。

カスタム属性の代表例
 重さ 1
 ローカル速度 1
 群速度 0
 粘性 0.001
障害物に衝突する水

サンプルファイル
EmuFluidsample_3.shd.zip
物体を静止させた状態で、流体を群速度で指定して流動させ、
途切れないように循環生成するようにしておく。

カスタム属性の代表例
 種類 球状粒子
 数 2000
 重さ 1
 直径 100
 ローカル速度 1
 群速度 4000
 粘性 0.0001
 乱流率 0
 流体は重力を感じる
表面材質
 基本色 水色
 透明度 0.9

空中を浮遊するシャボン玉

サンプルファイル
EmuFluidsample_4.shd.zip
シャボン玉1では全体的に薄暗くなるので、
光沢を5くらいまで上げるといい感じになるかと思います。

代表例

円の掃引方向を +y 方向にして、
カスタム属性
 種類 シャボン玉1
 重さ 1
 直径 100
 変形度 3
 ローカル速度 3
 群速度 50
 粘性 0.00001
表面材質
 基本色 白
 光沢 5
 光沢サイズ 0.2
 基本色 白
 透明度 0.9
 屈折率 1.33

噴き出す水

サンプルファイル
EmuFluidsample_5.shd.zip
連続発生源を使用した例です。

穴から水が吹き出てきているようにしています。
下の地面には、障害物指定しているので粒子が跳ねているのがわかるかと思います。

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【計算速度に大きく影響するパラメータ】

  処理の関係で、計算速度に大きく影響するパラメータは以下の通りです。

  カスタム属性設定
   種類・シャボン玉
   直径 (ゼロにすると点描になるので高速になります)
   変形度
   実体に影を落とす
   粒子に影を落とす(注意:粒子数が増えると莫大に計算時間が増加します)

  エフェクタ設定
   リアルさ優先
   粒子同士の衝突判定を行う(注意:粒子数が増えると莫大に計算時間が増加します)

  表面材質
   屈折率


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【バージョン履歴】

  2003.01.20 ver.1.1.1
   AECTRLプラグインとの協調性をアップ
  2003.01.16 ver.1.1.0
   連続発生源を追加
   障害物に閉じた線形状を追加
   シェアウエアとしてリリース
   rev.20対応

  2002.10.04 ver.1.0.0
   リリース

  2002.10.02 ver.0.8.0(非公開)
   重力効果
  2002.10.01 ver.0.7.0(非公開)
   シャボン玉を追加
   衝突判定を追加
  2002.09.29 ver.0.6.0(非公開)
   乱流効果
  2002.09.25 ver.0.2.0(非公開)
   粘性効果
  2002.09.24 ver.0.1.0(非公開)
   ブラウン運動させる
  2002.09.23 ver.0.0.0(非公開)
   制作に取りかかる


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【レジストしていない場合の制限事項】

   シェアウェア登録(レジストレーション)していないと、試用期間後以下の制限が掛かります。
 
  ・障害物は「球」または「閉じた線形状」のどちらか1つのみです。
  ・粒子の発生源は連続発生源または範囲内発生源のどちらか1つのみです。

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【シェアウエア(送金)について】

   本ソフトはシェアウェアです。試用期間は30日間です。
   試用期間経過以降、継続してご利用いただく場合は必ず作者に送金していただく必要があります。
 
   料金は 2,000円です。


   送金は、以下の方法をご利用ください。

   ■ベクターシェアレジサービス
    レジ作品番号 SR032811

   ■郵便局・銀行振り込み
    詳細は、こちらの「シェアウエア・代金のお支払い方法について」をご覧ください。

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【シェアウエア登録完了方法】

   シェアウエア登録(レジストレーション)方法は以下の通りです。
   ベクターシェアレジサービスまたは直接振り込みで取得したシェアウエアキー(キーコード)を
   レンダリングオプションでEmuFluidを選択し、エフェクタ設定を行った後に出現するダイアログに入力してください。
   もし、うまくいかなかった場合は、お手数ですがご連絡下さい

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【著作権/再配布/免責事項】

   このプラグインはシェアウェアであり、
   著作権はファウストが持っています。
   使用および再配布は自由に行なって頂いて結構です。 
   ただし、パックされた内容の変更のないようにお願いします。
   転載希望の場合は、私宛に連絡して下さい。
   尚、 このプログラムの使用によって生じた損害等については作者は
   何も保証する義務を負わないこととさせて頂きます。

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【プラグインID】

   0x420001F0 ダイアログ用
   0x420001F1 
   0x420001F2 ダイアログ用
   0x420001F3 ダイアログ用
   0x420001F4 ダイアログ用

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【開発環境】

 Macintosh版
   R5用
     PowerMacintosh G4/450/1024MB + MacOS10.2.3J
     CodeWarriorPro 7.2
     Shade R5 plugin SDK kit Rev.16e
     Shade Personal R5 Rev.16e
   R6用
     PowerMacintosh G4/450/1024MB + MacOSX10.2.3J
     CodeWarriorPro 8.3
     Shade 6 plugin SDK kit Rev.19
     Shade 6 advance Rev.19
     Shade 6 professional Rev.19

 Windows版
   R5用
     PowerMacintosh G4/450/1024MB + MacOS10.2.3上の
      VirtualPC 5.04Jで起動しているWindows 2000 pro SP3
     VisualC++ 6.0 pro SP5
     Shade R5 plugin SDK kit Rev.16e
     Shade Personal R5 Rev.16e
   R6用
     PowerMacintosh G4/450/1024MB + MacOSX10.2.3J上の
      VirtualPC 5.04Jで起動しているWindows 2000 pro SP3
     VisualC++ 6.0 pro SP5
     Shade 6 plugin SDK kit Rev.19
     Shade 6 advance Rev.19
     Shade 6 professional Rev.19

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【連絡先】

  ファウスト faust@try-net.or.jp

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【最新版の入手先】

  http://www57.tok2.com/home/faustshade/