─ プロローグ ─
やっと適応できはじめたばかりの環境から
再び投げ出されて、気がつけばいつも真っ暗
な夜の中でばかり暮らしている。
ゆくあてもないから、お気に入りのアルバムを
くり返しヘッドホンで聴きながら、モニターを
ながめつづけることで、止まらない時間の流れ
にできるだけ気づかないようにする。
いつかのような最悪な日から逃れるために
今日も昨日と同じ、防御、防御の生活を送る。
疵から流れ出すのは、自分の弱さ。
なぐさめの夜。夜の雨。
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