世界観

フィリスラーンとは 地水火風の4精霊の守護する世界として存在する異世界。
名前の由来は古代エリン族の言葉で「迷宮」を意味する。
多様な種族が混在する世界であり、現在は人間が各地に国家を建て世界の大部分を占有している。
フィリスラーン年表 BC・・・エリン族と神話の時代
0年・・・年号の使用が始まる
30年・・・ノルス王国建国
52年・・・グローティア帝国建国
61年・・・ウェルティア王国建国
80年頃・・・フサウ島に王国政府が誕生
98年・・・ラクスタ独立戦争開始
105年・・・ラクスタ王国、グローティア帝国から独立
148年・・・ノルス王国、ジョパナ島統治継続を断念
150年代・・・ジョパナ島の部族自治領化が進む
171年・・・フサウ、ラクスタ両国が連合条約を締結(北方諸国連合の誕生)
180年・・・北方諸国連合にジョパナ族自治領の2部族が加盟
200年・・・鬼人戦争(フサウ王国の内戦)。215年に鬼全滅で沈静化
216年・・・グローティア帝国、北方諸国連合に宣戦(第一次北方戦役)
217年・・・ウェルティア、ノルス両国が中立表明
221年・・・グローティア帝国、占領地域を手放し停戦
260年・・・グローティア帝国、北方諸国連合に再宣戦(第二次北方戦役)
261年・・・ウェルティア、ノルス両国が北方諸国側に立ち参戦
270年・・・第二次北方戦役長期化し、参加国全て停戦に合意
302年・・・グローティア帝国、ノルス王国に突如侵攻(大戦乱の始まり)
304年・・・大戦乱終結
319年・・・Routa of Fortunaへ
フィリスラーンの住人達 エリン・・・悠久の昔から存在する超民族。精霊に近い存在として、永く世界に住んでいたが、
      人間の進出をはじめ、様々な理由で現在はほとんど見られない。

エルフ・・・魔道を操る術に長けた種族で、エリン同様、古くからフィリスラーンに住む。
      少数種で田舎や森に住むことも多いが、割と都市部でも見かけることができる。

人間・・・最も精霊とは遠い存在だが、世界の大多数を占める種族。現在、各大陸にある
     国家は全て人間が建てたものである。
フィリスラーンの国々 ノルス王国
 30年に人間が打ち立てた初めての国家。それ故「古王国」「The Kingdom」とも言われる、魔法国家である。
 国内では魔法・魔法道具が盛んに研究されているが、これはエリン族との交流・戦争が頻繁にあった建国前からの伝統に基づいている。治療薬を始め、道具屋に並ぶアイテムの大半はノルス王国が発祥である。
 他にも産業としては林業・観光・銀細工が有名で、特に林業は世界の木材の約3分の2をノルス産が占めているほどである。
 ただし、王都サルティアとポッド村の2つしか大規模な町はないため、国力・人口は少ない。魔道士を主力とする軍・警邏部隊も少数精鋭主義だが、このような国土状況を反映してか、治安は大変良くリゾート地や別荘地として人気が高い。
 ノルス人は基本的には温厚で親切、政府も穏健政策をとっているが、それは十数年前の大戦乱の戦場となったこともあり、現在は国力建て直しを優先していることの表れでもあるだろう。


グローティア帝国
 52年、無数の集落国家による混乱の時代を終わらせた、一代の英雄クロードが打ち立てた北の軍事大国。彼には子がなく、弟に建国後すぐ帝位を譲っており、皇帝は弟の系譜が正統として代々存続している。なお、クロードの大冒険譚は『建国物語』としてグローティア国内では老若男女問わず知っているほど有名である。
 過酷な大地であるため戦乱が絶えなかった当時の伝統から、現在でも武器製造・製鉄・鉱業が盛んな国家であるが、グローティア帝国の代名詞である覇権主義は、建国より50年、帝国草創期の偉業を知る者が政府から身を引いた頃より生じたものであるらしい。屈強で義理堅く人情に厚いという、グローティア人の気質とは異質の感もある。
 現に、グローティア帝国は芸術文化の国でもあり、帝都クロードは芸術の都として美術館・音楽堂・劇場等が多く、訪れる者が後を絶たない。
 しかし、例年戦争を起こす当事者はグローティア帝国政府であり、その軍事力は最大を誇ることは疑いようもない事実である。


ウェルティア王国
 61年、稀代の冒険商人が自らの財力によって立てたという商業国家。肥沃な土地と綺麗な水、良港に適した土地が多く平野が多いという地理的条件に恵まれ、農業・商業ともに飛躍的な発展を見せており、その世界最高の繁栄ぶりを以ってしても「未だ発展途上の栄華」と言わしめるほどである。
 建国時の伝統を受けて冒険者の育成に力を入れ、他にはない冒険者資格を考案したのもウェルティア王国である。人々は好奇心旺盛で穏健だが、計算高く冷徹な側面も持っている。軍事力は陸軍・警邏隊の弱兵ぶりとは対照的に、精鋭で知られる海軍は建国より無敗を誇っており、ウェルティアに上陸を図った他国の軍は、今までことごとく洋上撃破されている。
 世界の穀倉地帯・漁業地帯・牧畜地帯として世界の食料の約半分を供給している一方、国際通貨ラナの鋳造や出版業・造船業・建設業・製陶業・繊維業等々、極めて多様な産業の中心地帯でもあり、世界の人々にはなくてはならない国家となっている。


フサウ王国
 80年頃の建国と推定されている北方の辺境国家。実は建国時の実態がよく分かっていないという、珍しい国家である。 北にありながら、海流の影響で比較的温暖な気候にも恵まれて、諸物資の自給自足経済が完成されており、比較的盛んな武器製造・製糸業は重に輸出用の産業である。
 フサウの人々は楽天家が多く、首都楽名は世界一の娯楽都市として繁栄を見せており、特に世界最大の仮装大会は全世界が注目する一大イベントとして有名である。
 その一方で、二度の北方戦争や鬼人戦争といった戦乱により幾度か国土が荒廃し、楽名は2代目、寧沙は3代目の復興都市であるが、その驚異的な粘りと復興力によって北方諸国連合の筆頭にまで上り詰めた。とはいえ、王国政府は肝心の首脳一族が、戦乱を招いた度重なる失政に懲りた様子がないのが、心配どころではあるだろう・・・


ラクスタ王国
 98年にグローティア帝国からの独立を掲げ、105年に事実上の独立を達成した都市国家。「世界の交差点」とも言われる地理的条件から来る、莫大な貿易の利潤を独占するために独立要求を本国に叩きつけたが、今やグローティア時代の総督一族である王は名目上の存在に過ぎず、実際は複数の豪商による合議制をとっており、王国は彼らの組織する元老院により統治・運営がされている。
 国土は極めて少ないが、全島を港湾にした世界最大の貿易港として首都ラクスタは繁栄しており、貿易業ではウェルティア王国としのぎを削る競争を展開している。その性質上から、世界中のありとあらゆるものが手に入ると言われており、世界中から商人が集まる場所でもある。戦乱をしのぐため、軍事力の割にどの国とも利害を持たないフサウ公国と真っ先に北方諸国同盟を結ぶ等、外交手腕も巧みである。
 ラクスタの人々は、極めて計算高く貪欲な、生粋の商業民族として知られ、「ラクスタ人の通った後は、草一本虫一匹も残らない」と、他国人からはあまり好意的に見られることは少ないようだ。


ジョパナ族自治領
 148年まではノルス王国の管理下に置かれていた未開地だったが、財政上の理由から維持が困難になったために手放し、以後は現地部族の割拠する状態になった。
 ジョパナ島は全島が熱帯の森林で覆われており、開発費に見合うような地理的な利点もあまりないことから、権力の真空地帯として国際舞台から忘れられたような存在として現在に至っている。
 ジョパナ族の中でも、旧ノルス総督府の跡地を拠点にしたジュリュ族と、ラクスタ人の植民都市を滅ぼして、自らの拠点にしたサディ族の勢力が大きく、お互いに全島統一を狙っているために仲はよくないようである。この2部族が他の部族を圧倒した理由は、文明度の低い他部族に比べ、他国文明の遺産を基礎に、独自の文明を築いていったことが最も大きな理由であると言われている。
 とはいえ、自給自足・首長制が原則の部族社会であることには変わりなく、国交もジュリュ族がフサウ王国と、サディ族がラクスタ王国と名目上の同盟を結んで細々と交流している程度に過ぎず、他国からは「神秘の島」と謎に満ちた存在として認識されているようである。

基本用語 冒険者・・・ウェルティア王国が認可する冒険者資格をもった専門職業の一つ。世界中の謎や
      財宝の探索、武者修行など、冒険の理由は実に多種多様である。冒険者は武器の
      保有や冒険者ギルドへの出入り許可といった特権が認められている。

開門・・・精霊世界との門を開き、魔法を発動させることを指す。開門には鍵となる「開門体」という
     アイテムが必要である。開門体は指輪や杖の形をとるのが一般的で、開門体の普及により
     魔法を駆使する冒険者が多くなりつつある。

大戦乱・・・17年前に起きた世界大戦。グローティア帝国が突如、ノルス王国に侵攻したのを
      発端とする。2年後には終結するが、大戦乱によりノルス王国は甚大な被害を蒙り、
      グローティア帝国も皇帝・宰相が戦後一掃される政治改革が発生した。


通貨・・・国際貨幣はラナ。プラチナ製で、含有量99.83%、1・10・100の各種白金貨がある。
     フィリスラーンではプラチナの産出量が世界的に多く、最もありふれた
     貴金属ということで貨幣に使われている。
     鋳造は各国で行われているが、鋳造地によって裏面デザインが違うらしい。


言語・文字・・・世界各国で共通語(フィリスラーン語)が使われている。
         一応、国ごとで方言があるものの通じないほどではなく、方言で出身国が分かる
         という程度の違いである。文字も同じように各国で微妙にくずれ方が違うが、
         フサウ文字を除いてはあまり大差ないようだ。

信仰・・・フィリスラーンでは地水火風の4精霊が大昔から信仰されており、
     それらを祭る教会や修道院が世界各地に存在する。
     なお、教会や修道院は初等教育機関も兼ねており、子供は必ずそこで
     基本的な勉強を5年間こなすことが、世間では暗黙のルールとされているようだ。

高速馬車・・・街道間を高速で結ぶ6輪馬車。悪党襲撃からの保護や、冒険者の
        時間短縮要求に応えて、各国が設置した。
        馬は常に早足で駆けるが、特殊構造の車体は衝撃を吸収するので
        乗客に負担をかけないのが特徴。乗車定員10名。

定期船・・・大陸・諸島間を結ぶ貨客船。海賊商人による集団誘拐対策のため、
       民間船会社の貨客船業務は国際法で違法とされており、全ての定期船は国営である。
       船は各国の主力軍艦を改造したものが主流で、各国でタイプが異なる。
       なお、サディだけは河口の桟橋に船を係留した後、ボートで河を上って村まで行くという、
       独特の方式を採用している。


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