概略
独自拡張コマンドは、Trans Commander内だけ使える独自のコマンドラインです。 これらはコマンドのコマンドラインとして登録して使うことが出来ます。 独自拡張コマンドはTrans Commanderの中核技術であり、使いこなす為には必須のものです。
独自拡張コマンドの一覧
次に示すのが、独自拡張コマンドの一覧です。
ただし実際のコマンド名、つまりコマンドラインとして指定する名前は、これらのコマンド名にService:
を追加したもの、つまりExit
であれば、Service:Exit
になります。
なお.
が区切り子のように使われていますが、今の所そのような意味はありません。
コマンド名 | 説明 |
---|---|
Exit |
Trans Commander(trnscmd3.exe)を終了します。 |
Start |
サービスが停止していれば、サービスを再開します。 |
Stop |
サービスが開始していれば、サービスを停止します。 |
Restart |
サービスを再起動、つまり停止、再開します。 |
Switch <local-path> |
ローカル設定ファイルを切り替えます。<local-path>には任意のファイルパスが入ります。これはtrnswthr.exeを引数付きで呼び出します。 |
Option |
オプションと情報ダイアログを開きます。これはtrnsopt3.exeを呼び出します。 |
CommandMenu |
コマンドメニューを表示します。 |
GetWinText |
現在マウス下にあるウィンドウのテキストをクリップボードにコピーします。 |
ScreenSaver |
スクリーンセーバを起動します。 |
ShowDeskIcon |
デスクトップのアイコンを表示します。 ただし、変更は保存されません。 これはアイコンを非表示にする設定がなされている場合、 サービスが再起動されると、アイコンが再び非表示となることを示しています。 |
HideDeskIcon |
デスクトップのアイコンを表示します。 変更が保存されない点等はShowDeskIconと同じです。 |
Exit.Logoff |
現在のユーザからログオフします。 |
Exit.Reboot |
コンピュータを再起動します。 |
Exit.Shutdown |
コンピュータの電源を切ります。ソフトパワーオフに対応していない、つまりAT電源のコンピュータ等では電源を切れる状態になるだけかもしれません。 |
Folder.Personal |
マイドキュメントを開きます。 この方法はマイドキュメントに指定されているディレクトリを直接開くよりも汎用性があります。 |
Folder.Recycle |
ゴミ箱を開きます。 |
Folder.Recycle.Empty |
ゴミ箱を空にします。 即ち、ゴミ箱の内容は完全に削除されます。 この作業は全ドライブのゴミ箱に対して行われます。 |
Folder.Computer |
マイコンピュータを開きます。 |
Folder.Controls |
コントロールパネルを開きます。 |
Hotkey.Start |
コマンドテーブルのコマンド群に指定されている、全てのホットキーをシステムに登録します。 |
Hotkey.Stop |
コマンドテーブルのコマンド群に指定されている、全てのホットキーについて、システムへの登録を解除します。 即ち、Trans Commanderが管理している全てのホットキーが無効になります。 |
Hotkey.Restart |
コマンドテーブルのコマンド群に指定されている、全てのホットキーをシステムに登録し直します。 |
サービスの開始と終了
Trans Commanderでは「コマンドテーブル」や「シェル拡張」等をサービスと呼びますが、これらサービスはTrans Commanderの基礎とは切り離されており、自由に停止、再開することができます。
独自拡張コマンドService:Start
、Service:Stop
とService:Restart
はそれぞれこれらサービスの再開、停止、再起動を行います。
しかし、これらの行為は何も生産的なことはしませんので、実際に使う機会は無いかもしれません。
ローカル設定ファイルの切り替え
独自拡張コマンドService:Switch
を実行すると、「設定ファイルの選択」ダイアログを開くことが出来ます。
また、コマンド名、スペースに続けて任意のローカル設定ファイルのパスを指定すると、そのパスを現在のローカル設定ファイルとして、設定ファイルを書き換えることが出来ます。
例えばService:Switch user2.ini
として実行すると、(プログラムファイル群のあるディレクトリ内の)user2.iniを、現在のローカル設定ファイルとして設定します。
またその際、サービスが再起動されます。
オプションと情報ダイアログ
独自拡張コマンドService:Option
を実行すると、オプションと情報ダイアログを開くことが出来ます。
ただし、オプションと情報ダイアログは同時に1つしか開けません。
通知エリアのアイコンをダブルクリックする行為は間接的に、この独自拡張コマンドを実行しています。
コマンドメニューの表示
独自拡張コマンドService:CommandMenu
を実行すると、コマンドメニューを開くことが出来ます。
この時、コマンドメニューはカーソル(マウスポインタ)の位置に表示されます。
マウス下のテキストを取得
独自拡張コマンドService:GetWinText
を実行すると、現在カーソル(マウスポインタ)下にあるウィンドウのテキストを取得し、クリップボードにコピーします。
ただし、この独自コマンドはその特性上、ホットキーから呼び出さなければほとんど意味を成しません。
例えば、この独自拡張コマンドが次のような場所で、ホットキーによって呼び出されたとすると、クリップボードにはMicrosoft Windows XPがコピーされています。

スクリーンセーバを起動
独自拡張コマンドService:ScreenSaver
を実行すると、スクリーンセーバを開始することが出来ます。
確認されている所によると、起動されたスクリーンセーバの挙動は、待ち時間が来て起動されたスクリーンセーバとなんら変わりありません。
デスクトップアイコンの可視化、不可視化
独自拡張コマンドService:ShowDeskIcon
、Service:HideDeskIcon
を使用すると、デスクトップアイコンを表示したり、隠すことが出来ます。
これはシェル拡張サービスのそれと同じです。
ただ異なる点は、その変更が保存されないということです。
これはデスクトップのアイコンが、これら独自拡張コマンドから可視化、又は不可視化されても、シェル拡張サービスが再開、又は再起動されるときには、シェル拡張サービスにて再設定されることを意味しています。
例えば、シェル拡張サービスの設定でデスクトップアイコンが表示されないよう設定されている場合、独自拡張コマンドService:ShowDeskIcon
でデスクトップアイコンを可視化したとしても、
独自拡張コマンドService:Restart
でサービスが再起動されると、デスクトップアイコンは再び不可視になります。
ウィンドウズの終了
独自拡張コマンドService:Exit.Logoff
、Service:Exit.Reboot
、及びService:Exit.Shutdown
を使用すると、
それぞれ、現在のユーザからログオフ、コンピュータを再起動、コンピュータの電源を切ることが出来ます。
なおこの時、現在のユーザからログオフしてよろしいですか?
等と聞かれることがあります。
ただし、コンピュータを再起動したり、コンピュータの電源を切る等の行為は、ハードウェアに強く依存する挙動であり、
確実に動作するとは言えないことに注意してください。
例えば、Trans Commanderの動作しているコンピュータが(ATXではない)AT機であった場合、コンピュータの電源をソフトウェアから切ることは出来ません。
その為に、ウィンドウズはコンピュータの電源を切る準備が出来ました
等のメッセージを表示し、ユーザに電源を切ることを促すことしか出来ないかもしれません。
特殊フォルダ
独自拡張コマンドService:Folder.Personal
、Service:Folder.Recycle
、Service:Folder.Computer
、Service:Folder.Controls
、はそれぞれ「マイドキュメント」、「ゴミ箱」、「マイコンピュータ」、「コントロールパネル」を開きます。これらフォルダは特殊であり、
マイドキュメントを除いてファイルシステム上には該当するディレクトリは存在しません。
これら独自拡張コマンドは、こういった特殊なフォルダを開く為に使われます。
これはデスクトップ上のアイコン等をクリック、又はダブルクリックして開く事と同義です。
ホットキーの管理
Trans Commander 3.xでは、コマンドテーブルのコマンド群に割り当てられたホットキーを、別の機構によって管理しています。
これはつまり、コマンドテーブルのコマンド群に割り当てられた、全てのホットキーが一緒くたに管理されていることを示します。
これによって、登録された全てのホットキーを一時的に解除(アンレジスタ)したり、再登録することができるようになっています。
この機能は独自拡張コマンドService:Hotkey.Start
、Service:Hotkey.Stop
、Service:Hotkey.Restart
として提供されています。
ただし、ホットキーの登録、登録解除は、コマンドテーブルサービスが開始されている間しか意味を成さないことに注意してください。
これは、コマンドテーブルサービスが停止している、つまり独自拡張コマンドService:Stop
が実行された場合には、前記した独自拡張コマンドは何もしないことを示しています。