Hakumaku

はじめに

 Hakumakuは多層薄膜と基板で構成される、光学素子の光透過率および光反射率スペクトルをシミュレーションするソフトウエアです。現在はベータ版として公開しています。本ソフトウエアは使用される方の御意見、御要望によって発展していきたいと考えています。バグ、御意見等ございましたら下記電子メールアドレスまで連絡していただくか、下記のHPを参照して下さい。

 電子メールアドレス 

 Hakumaku専用 掲示板

ダウンロード

 Hakumaku 0.95β(Mac OS X 版)

 Hakumaku 0.95β(Windows 版)

動作環境

 Mac OS X (カーボン版)または Windows 98/ME/NT/2000/XP
プログラムはREALbasicで書かれています。

更新歴

●2005.3.18 0.95β Windowsに対応した。

Windows対応による表示の変更
データファイルの読み込みの動作不良の改善

●2004.3.31 0.94β 材料光学データファイルを付属。光学データをグラフ表示できるようにした。

レイヤーファイル形式の変更(タブ区切りからコンマ区切りにした。タブ区切りでも読み込み可能)
マテリアルファイル形式の変更(Sopra S.A. のn&kデータベースからオリジナルフォーマットにした。TFCalc用のファイルも読み込み可能)

●2003.8.31 0.9β公開

仕様

使用方法

  光学薄膜の多層膜と基板を設定し、シミュレーションさせるだけです。以下簡単に3層素子を例に手順を説明します。

 作成する素子 基板 BK7、 AL 100nm、MgF2 150nm

 1. 光学素子メニューから基板を選択し、基板を材料ファイル名から選択します。また、基板の厚さを入力します。入力が終わったら決定を押します。基板がない場合はファイル名としてAIRを選びます。

 2. 光学素子メニューからレイヤーを選択します。Hakumakuでは、多層膜の層をレイヤーと呼びます。薄膜材料は材料一覧(リスト)に表示されます。(Hakumakuでは、基板材料、薄膜材料を特に区別しません)
 最初の一層は材料一覧からALを選択します。ALをドラッグして左のレイヤーリストにドロップします。厚さは、直接リストから修正できます。

 同様に、MGF2をドラッグしてレイヤーに追加します。このとき追加されるのは、レイヤーの表面になります。この仕様は、実際の真空蒸着などで作成される光学素子の行程と同じにするためです。MGF2の膜厚を150nmにします。

その他の操作

任意の場所にレイヤーを追加する場合 ・・・ 追加したいレイヤーの表面側のレイヤーNo.を選択してから、材料一覧から追加する材料をダブルクリックします。

レイヤーを一層消去する場合 ・・・ 消去したいレイヤーの表面側のレイヤーNo.を選択してから、メニュー編集からカットを選択します。

材料の光学定数を知りたい場合 ・・・ ウインドウメニューから光学定数グラフを選択します。nとkのグラフが表示されます。このウインドウのポップアップメニューで材料を選択することもできますが、材料一覧から材料をグラフウインドウのグラフ部分にドロップするとそのnとkのデータが表示されます。

繰り返しレイヤーなど作成する場合 ・・・ 本ソフトウエアでのレイヤー編集では、時間のかかるレイヤー編集はテキストエディタなどのアプリケーションを利用すると便利な場合もあります。コンマ区切りの簡単なデータ構造になっていますので、比較的簡単にできると思います。下記にレイヤーファイルのデータの例を示します。黒い部分を修正します。Layer:以下は レイヤーNo.+材料名+膜厚(nm)がカンマ区切りで並んでいます。

LayerFile ver 1.0
Layer:

1 , TIO2 , 57.651992
2 , SIO2 , 94.501718
・・・・・
Substrate:
AIR , 2
Simulation:
400,800,1,Yes,No
EOF

 3. メニューからシュミレーションを選択します。開始波長、終了波長、ステップ数を入力します。ここではそれぞれ400nm、800nm、1nmとします。値の組み合わせによっては計算するデータ量が増えるため変更を要求されることがあります。

 4. シュミレーション結果を表示するためグラフウインドウ透過率、反射率チェックボックス1をチェックします。グラフのX座標、Y座標の表示範囲を変更する時は2で修正できます。ポインタ座標はマウス(ポインタ)の位置でのXY座標を示しています。

 5. レイヤー情報をファイルメニューからレイヤーの保存を選択して保存します。レイヤーファイルにはシミュレーション結果は保存されません。

 6. シミュレーション結果はファイルメニューからデータの書き出し...を選択します。データ区切りを選択して保存します。

 データ形式は波長(nm)、透過率、反射率の順の列で保存されます。第一行は列名です。

その他の機能

 別のシミュレーションまたは、実際の測定データを同時に画面に表示できます。ファイルメニューから参照データを開く...を選択し、データファイルを選びます。データファイルのデータ形式は、波長(nm)、透過率、反射率の順の列で、コンマ、タブ、スペースのいずれかの区切りで並ぶようにします。

注意事項

 個々の材料の光学定数はMaterialsフォルダーに材料ファイルして保存されています。しかし登録されている光学定数波長範囲がシミュレーションの波長範囲から大きくずれるとエラーが生じることがあります。この光学データはSopra S.A. のn&kデータベースを利用しています。
 シュミレーション結果はその正確性を保証いたしません。あくまでも使用者の責任において利用して下さい。