前節では、printf関数を使用して画面に文字列を表示させました。
printf関数を使えば、いくらでも画面に文字列を表示することが出来ます。
ところで、次のプログラムを実行すると、どのように表示されるでしょうか?
実行結果は、次のようになりました。#include <stdio.h> int main(void) { printf("Hello"); printf("world"); return 0; }
これを見ると、1つの重大なことに気づくと思います。
Helloworld
これでは、横にひたすら並べて表示させるしかなく、とても不便です。
最も、画面の右端まで表示すればその位置で改行されますが、
もっと自由に改行させることは出来ないのでしょうか。
画面に文字列を表示するのに、改行が出来ないのでは、あまりにも不便です。
そこで、C言語には、好きな位置で改行させるための機能が用意されています。
C言語のプログラムで改行を行うには、エスケープシーケンスを使います。
エスケープシーケンスとは、画面に表示出来ない制御を行うために使われる特殊文字です。
エスケープシーケンスの1つに \n があり、これが改行を表すことになっています。
この \n と言う文字を表示する文字列の中に書き込んでおけば、
[ エスケープシーケンス ]
画面に表示出来ない制御を行うために使われる特殊文字。
なお、海外では、\(円記号)ではなく、\(バックスラッシュ)記号を使います。
これは、日本のパソコンの文字と、海外のパソコンのフォントが一部異なるためです。
しかし、どちらも内部的には全く同じ文字として扱われるので、問題は起こりません。
次のプログラムは、エスケープシーケンス \n を使って改行させる例です。
このプログラムの実行結果は、次の通りになります。#include <stdio.h> int main(void) { printf("Hello\n"); printf("world\n"); return 0; }
この改行文字は、好きな位置に好きな数だけ使うことが出来ます。
Hello
world
少しわかりにくいかもしれませんが、中央に \n があります。#include <stdio.h> int main(void) { printf("Hello\nworld\n"); return 0; }
多くの場合は、1行表示するたびに改行した方が見やすくなるので、
今後は、特に理由がない限り、1行の最後で必ず改行を行います。
他にも様々なエスケープシーケンスがありますが、使われる物は限られています。
改行文字以外では、頭揃えのためにタブを挿入する \t がよく使われます。
次のプログラムは、\tで頭揃えを行う例です。
このプログラムの実行結果は、次の通りになります。#include <stdio.h> int main(void) { printf("Windows\tMicrosoft\n"); printf("MacOS\tApple\n"); return 0; }
2番目の文字が頭揃えされて表示されています。
Windows Microsoft
MacOS Apple