予約録音、トラック編集、録音中の波形表示ができるLinux用の録音システム
更新した日: 2005年11月8日
作成した日: 2004年5月20日
「トシオのサウンドレコーダー」は、GUIで音声の録音・再生が可能なLinux用のソフトウエアです。
アナログの音声を、可能な限り高品質でデジタル化することを目指して、作者本人が自分で使うことを第一の目標として製作しました。
デジタル録音では、録音レベルの設定が音質を大きく左右します。録音中の波形を、リアルタイムで目や耳で確かめられるので、録音レベルの調整を的確に支援します。
TOCを用いたトラックの編集に対応しているので、曲の順序を入れ替えたり、1つの曲を複数の曲に分けたり、いらない曲を消したりの操作が一瞬でできます。
パソコンで録音をする上でやっかいな、音飛びの発生を監視できます。音飛びが発生すると、すぐにその回数を表示するので、録音をすぐにやり直すことができます。
外出中の録音に便利な、日時を設定しての予約録音機能や、入力レベルを監視して自動的に録音を開始・停止する機能もあります。
バージョン01-4では、再生と録音に使うデバイスをそれぞれ、ALSAドライバでのデバイス名として、指定できるようになりました。サウンドカードを複数持つパソコンでは、好きなほうを選んで再生や録音ができます。
バージョン01-3Aでは、Makefileがうまくできず、コンパイルがうまくいかない場合がある問題を修正しました。コンパイル後に得られる実行ファイルは、「バージョン01-3」と全く同じです。
バージョン01-3では、「録音しながら再生」の機能で、再生の音声が途切れる場合があった問題を修正しました。
バージョン01-2では、ファイルの長さを64ビットで管理するようにしたので、2GBを超える長さのファイルを扱えるようになりました。
バージョン0.0.9では、日時を指定して録音を予約する「録音予約機能」や、外部のコマンドを呼び出してデータを読み書きする「外部コマンド機能」などを追加しました。
バージョン0.0.8では、入力される音量に応じて、録音中にトラックを自動的に分ける「オートトラック機能」を追加しました。
バージョン0.0.7からは、Ogg Vorbis形式のエクスポート(圧縮)とインポート(展開)に対応しました。録音が終わったら、すぐに圧縮に取りかかれます。
バージョン0.0.3からは、入力する音声の大きさに応じて、自動的に録音を開始・停止する機能を追加しました。録画予約したビデオデッキなどと連動して、自動的に番組を生で録音できます。
このソフトウエアは、フリーソフトウエアです。GNU GPL 2というライセンスでお使いいただけます。
詳しくは、ライセンスの説明をご覧ください。
このソフトウエアの実行には、あらかじめ次のソフトウエアがインストールされている必要があります。
Qtライブラリ。qt(バージョン3.2.1以上)と、qt-devel(バージョン3.2.1以上)。(ただし、バージョン4以上で動作するかは確かめていません。うまくいかない場合は、バージョンの1の位が「3」となるバージョンを使ってください。)
Linuxなど、さまざまなOSで用いられる、GUIのライブラリです。
Alsaドライバ・ライブラリ・ユーティリティー(バージョン0.9.8以上)
サウンドドライバと、サウンド関係のライブラリやツールです。サウンドカードの機能を使うために必要です。
libvorbis(バージョン1.0.1以上)、libvorbis-devel(バージョン1.0.1以上)、libogg(バージョン1.1以上) 、libogg-devel(バージョン1.1以上)
音声データの圧縮・展開に使うライブラリです。
上記のソフトウエアがあらかじめインストールされていない場合は、ダウンロードしてインストールする必要があります。
ソフトウエアの名称は、使っているOSのディストリビューションにより異なる場合があります。ちなみに、名前が「devel」で終わるものは、トシオのサウンドレコーダーを自分でコンパイルするときに必要となります。
Vine Linux 3.2の場合は、Vine Plusというパッケージ集の中に、これらのソフトウエアがありますので、ぜひ見つけてダウンロードとインストールをしておきましょう。
必要なファイルは、例えば次の場所から見つけられると思います。あるいは、apt-getコマンドを使えば、ダウンロードとインストールをもっと簡単にできましょう。
ftp://ftp.ecc.u-tokyo.ac.jp/VINELINUX/VinePlus/
上記のソフトウエアが既にインストールされているか分からない場合は、とりあえず先に「トシオのサウンドレコーダー」のインストールを行い、うまくいかなかったら、上記のソフトウエアをインストールしてみるのも、1つの方法です。
なお、ディストリビューションによっては、最初からインストールされているパッケージが、作者の環境とは異なるため、さらに別のパッケージをインストールする必要がある場合もあります。コンパイルでエラーが出たら、エラーメッセージをよく読むと、必要なパッケージが分かるかもしれません。
必要なソフトウエアがインストールできたら、「トシオのサウンドレコーダー」のインストールに移りましょう。
ダウンロードされたファイルには、既にコンパイル済みの実行ファイルも収録されています。
あらかじめ収録されている実行ファイルを実行する場合は、次のようにします。
ダウンロードしたファイルを展開します。ktermやxtermなど、コンソールの中で、次のように打ち込みます。(入力した後に、Enterキーか、Returnキーを押しましょう。以下、コンソールに入力する場合は、必ずそのようにしてください。)
tar xvzf trecord-01-4.tar.gz
ただし、「trecord-01-4.tar.gz」の部分には、実際にダウンロードしたファイルの名前が入ります。
うまくいくと、新しいディレクトリの中に、いくつかのファイルが現れます。
現れたディレクトリ(名前は例えば「t11」)に移動します。
コンソールの中で、次のように入力します。
cd t11
本体のファイルを実行します。
コンソールから
./t11
と打ち込めば、大きなウインドウが開いて、ソフトウエアが立ち上がると思います(エラーになる場合は、ご自分でコンパイルを行う必要があります。コンパイルの方法は、この先に書いてありますので、あきらめずに読みましょう)。
「t11」は、実行ファイルですので、これを例えば /usr/local/bin などに移動させれば、パスの通った状態で実行できるようになります。
これでうまくいく場合は、特に以下を読む必要はありません。
環境によっては、自分でコンパイルしないと、動作しない場合もあります。
ダウンロードしたファイルには、ソースコードが含まれていますので、よろしければご自分でコンパイルしてみるのもよいでしょう。
これまでに説明した操作を行った後で、次のように操作します。
コンソールから、次のように入力します。
コンパイルが行われます。終わるまで、しばらく時間がかかります。
コンパイルが正常に終了すると、実行ファイル「t11」が更新されます。t11が更新されたかどうかは、t11のタイムスタンプを確認すれば分かります。
万が一、エラーになる場合は、必要なパッケージが不足している可能性があります。エラーメッセージを手がかりに、必要そうなパッケージを入れて、もう一度チャレンジしてみるとよいでしょう。
できあがった実行ファイルを、試しに実行する場合は、コンソールで
./t11
と入力します。
できあがった「t11」をお好きなディレクトリに移動させれば、インストールは終了です。
詳しい取り扱い説明書が、以下の場所にありますので、どうぞご利用ください。
ご意見やご感想、ご質問などがありましたら、お気軽に作者までお知らせください。 たぶん、お答えします。 なお、お答えできない可能性もありますので、あらじめご了承ください。
製作著作: 杉原俊雄(すぎはら としお)
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