(0)準備
通常のAutoCADの操作により、AutoCADの図面を開く(または新規作成)し、数値地図データを出力する画層の
画層名と色などを定義します。
注)本システムを使用する際のAutoCADの図面は、必ず以下に設定してください。
座標系・・・「ワールド座標」(WCS)
単位系・・・「メートル」
(1)数値地図コンバータ標高
@まず、通常のAutoCADの操作により、出力する画層や色などを設定してください。(出力要素は、全て
現在の画層に出力されます。)
「デジタルマップ」ツールバーメニューの「標高データメッシュ出力」アイコンをクリックすると、
下図のようなメニュー画面が表示されます。
Aデータ区分の選択
メニュー画面の「データ区分」タグで、「250mメッシュ標高」又は「50mメッシュ標高」又は
「5mメッシュ標高」のいずれかを選択します。
B入力ファイルの選択
CD-ROMドライブに国土地理院刊行のAで選択した数値地図データのCD-ROMをセットし、
「入力ファイル選択」タグの「参照...」ボタンを押してCD-ROMドライブのDATAフォルダ以下にある
区画のファイル番号を選択します。
注)データ媒体は必ずしもCD-ROMである必要はありませんが、「5mメッシュ標高」の場合については、
「Dataフォルダ」と「Headerフォルダ」が対に同じフォルダ内に存在する(CD-ROM通りの構成に)
必要があります。
C出力座標位置とメッシュ長の設定
設定方法には、次の2通りがあります。
1)デフォルト出力(標準の固定メッシュ長)・・・50mメッシュの場合なら1メッシュ長は50m×50m
→行政界・海岸線データとの重ね合わせが可能
2)世界測地系による平面直角座標を用いる場合・・・平面直角座標値から計算したメッシュ長
→国土基本図などの地図との重ね合わせが可能
■デフォルト出力
上記Bで選択したデータの図面左下の座標のデフォルト設定値【※1】が表示されます。
この座標値を変更することで、自由にAutoCAD図面上の任意の位置に出力することが可能です。
この時点で、出力される1メッシュの横縦の長さは標準値に設定されています。
(例えば50mメッシュ標高の場合なら横縦(X,Y)とも50mの長さになります。)
■世界測地系による平面直角座標を用いる場合
「世界測地系による座標変換を行なう-->」チェックボックスをクリックしてチェックを入れ、表示
された「世界測地系座標セット」ボタンをクリックします。
下図のような選択図面の4隅の世界測地系での経緯度が表示【※2】された「世界測地系座標設定」
画面が表示されますので、ここで「日本の平面直角座標系」の該当する「原点の系番号」【※3】を
プロダウンより選んでください。(但し、「5mメッシュ標高」の場合には、データファイル名に
原点系番号が含まれていますので、ここで選択する必要はありません。)
「原点の系番号」を選択すると同時に、その下に図面4隅の座標値【※2】が表示されます。
(もし、座標値が変わらない場合には画面下の「再計算」ボタンを押してください。)
「OK」ボタンで確定し、先のメインメニュー画面に戻ります。
この時点で、出力される1メッシュの横縦の長さは「世界測地系による平面直角座標変換」によって
求められた値に設定されます。(「5mメッシュ標高」の場合は、横縦の長さは5m×5mで固定)
【※1】デフォルトの図面左下の座標値について
・図面ファイル選択時にデフォルト表示される図面左下の座標値は、第1次地域区画の間隔が
2°×1/3=40’(約80km)を基にして算出した参考値です。
・この場合、旧日本測地系におけるメッシュ4隅の座標のうち、左下隅座標を基準とした固定間隔
のメッシュ出力を行っているため、各メッシュ毎の歪み補正は行っていません。
・デフォルト表示される図面左下の座標値は、標高データと行政界データの位置の整合が取れます。
(但し、「5mメッシュ標高」は除く)
【※2】本ソフトウェアで用いている座標の変換方法について
・日本測地系から世界測地系への経緯度変換は、50mメッシュ標高においては、国土地理院長の承認
を得て、同院の技術資料「Zumei.csv ファイル」を使用しています。(承認番号 国地企調第397号
H18年2月7日)
250mメッシュ並びに5mメッシュにおいては、データファイルのヘッダー情報から得た世界測地系の
経度緯度を使用しています。
・また、図面4隅の座標値を求めるための世界測地系の経緯度から平面直角座標への変換式は、
国土地理院ホームページに掲載の計算式「緯度経度から平面直角座標x,yおよび子午線収差を求める
計算」に基づいて算出しています。
・本書で云う「日本測地系」とは「旧日本測地系(Tokyo Datum)」を、「世界測地系」とは
「日本測地系2000」を意味します。
【※3】平面直角座標系の原点系番号について
・平面直角座標系の原点系番号については、平成14年「国土交通省告示第九号」をご覧ください。
D出力オプションタグで「現在の色で出力する」又は「標高別に色を指定する」を選択します。
「現在の色で出力する」を選択すると、色コントロールの現在色で出力されます。
E12色カラー設定を行なうには、
「標高別に色を指定する」を選択し、右側の「12色設定」ボタンをクリックすると「標高別12色設定」
画面が表示されますので、標高値と色を設定します。
色の付いたボタンをクリックするとカラーパレットが表示されます。【※4】参照
「標準セット」ボタン・・・上図のデフォルト設定に戻ります。
「4色セット」ボタン・・・中間域が統一設定され4色での設定が簡単に行なえます。
「リセット」ボタン・・・・設定がオールクリアされます。
設定が終わったら、「OK」ボタンで戻ります。
【※4】カラー設定について
・AutoCAD2004以降の「True Color」には対応していませんので必ず「インデックスカラー」から
選んでください。
・また、各メッシュの色分けは、4頂点の一番低い標高値を基準にして行なわれます。
F標高値オプションタグの「海・陸水部の修正値」のプルダウンから、数値地図データで「-9999」に
置き換えられている海部及び陸水部の標高値を指定の標高値に置き換えることができます。
(この設定は3D表示での-999.9mデータによる標高落ちの防止の為に用います。)
Gまた、標高値オプションタグの「標高値の倍率」のプルダウンから倍率を指定することで高低差を強調
させた(縦横と高さの異縮尺)出力を行うことが可能です。
※通常では必ず「なし」を指定してください
H上記の各種設定を行った後「実行」ボタンをクリックします。
しばらくして、正常終了を示すダイアログが表示され「OK」をクリックすると、画面にメッシュ標高
データが三角形の3Dサーフェイスにて出力されます。
《注意事項》
【※2】メッシュについて
・当ソフトウェアでは、数値地図データに収められているメッシュの中心点の標高値を、四角形(三角形)
面の頂点の標高値として取り扱うことでフラットな地表面を表現しています。
その為、例えば「50mメッシュ標高」では200×200個の標高値を一辺が50m×50m(固定)で199×199のメッシュ
として出力し、1区画の上下左右に半メッシュ(25m)分の隣り合う第2次地域区画同士の接続面は表示されま
せんので、区画間に通常では1メッシュ分の間の空きが生じます。(この空き領域を埋めるには、後述する
「(4)メッシュ区画間の補完」機能を使用してください)
【※5】実行速度について
・実行速度が急に極端に遅くなった場合、既に出力しているデータがメモリの許容範囲を超えた合図だと
考えられます。数値地図メッシュ標高の出力データは大量になりますので、多数の区画を同時に表示させる
場合には、データ量に即したメモリの増設やグラフィックスアクセラレータなどのハードウェアを用いる
必要があります。
(2)数値地図コンバータ行政界
@まず、通常のAutoCADの操作により、行政界データを出力する画層を現在の画層に設定して置きます。
「デジタルマップ」メニューの「数値地図コンバータ行政界(G)...」をクリックすると
下図のようなメニュー画面が表示されます。
ACD-ROMドライブに国土地理院刊行の「数値地図25000(行政界・海岸線)」のCD-ROMをセットし、
デジタル地形ファイルタグの「参照...」ボタンからCD-ROMドライブのDATAフォルダ以下に
ある区画のファイル番号を選択します。
B「第2次区画選択」のプルダウンから出力する第2次区画を選択します。
ここで、”-- 全て”を選択すると全てのデータを1度に連続出力することができます。
C選択されたデータのX方向、Y方向のオフセット量(図面原点位置から出力データの左下隅までの距離)
のデフォルト値が表示されます。
※行政界・海岸線データの世界測地系対応機能はありません。
D出力設定タグで出力する行政界の種類と色を指定します。
E上記の各種設定を行った後「実行」ボタンをクリックします。
しばらくして、正常終了を示すダイアログが表示され「OK」をクリックすると、画面に行政界データ
が3Dポリラインにて出力されます。
(3)メッシュ区画間の補完
@まず、通常のAutoCADの操作により、標高データを出力する画層を現在の画層に設定して置きます。
A次に、下図のように区画間の空白部分を囲むように指定します。
※ここで大きく囲み過ぎると処理に時間が掛かります
B「デジタルマップ」メニューの「区画間の補完(H)」をクリックすると、コマンドラインに結合方向を
聞いてきますので、左右なら H を、上下なら T を入力してください。
(上図の例では、左右結合なので H を入力する)
コマンドライン:
C上記で処理が実行され、しばらくして、コマンドラインに下記のような表示がなされれば完了です。
※上記の「区画間の補完」は、下図の様に4区画を対象に同時に行なうことも可能です。
(上下・左右は別々に、どちらを先にやっても構いません。)
(上下補完時) (左右補完時)
※また、実行中に下記のような入力エラーメッセージが出た場合には、大きく囲み過ぎたための
制限数オーバーなので、下図の○のように選択し直してもう一度実行してください。