夕霧を使った『Yuuki!Novel』から『吉里吉里・KAG』への変換手順


例として「Yuuki!Novel」に付属するサンプルシナリオを「吉里吉里・KAG」のシナリオファイルに変換してみる事にします。

夕霧の使用法の雰囲気が解っていただけると思います。

  1. はじめに


  2. この説明では「吉里吉里・KAG」の事は、「吉里吉里」と記述する事にします。

  3. Yuuki!Novelの編集用ノベルファイルを変換


  4. 最初に、Yuuki!Novelの編集用ノベルファイル(*.yne)を夕霧が読み込み出来るテキスト形式に変換する必要があります。

    この作業はYuuki!Novelを使用して行います。

    以下の手順でYuuki!Novelの編集用ノベルファイルを、テキストファイルに変換します。

    1. Yuuki!Novelを起動し、編集用ノベルファイルを開く


    2. Yuuki!Novelに付属するサンプルシナリオを開きます。



    3. テキストファイルに書き出し


    4. メニューの「ファイル」→「特殊ファイル操作」→「テキストファイルに書き出し」を選び、編集用ノベルファイルと同じフォルダに保存します。

      例では「SampleR9_2.txt」という名前で保存してみました。



      ここで、txtファイルをyneファイルと違うフォルダに保存すると、画像や音声データのコピーが出来ない為注意して下さい。

  5. テキストファイルを吉里吉里のシナリオファイルに変換


  6. 項目2で作成したテキストファイルを吉里吉里のシナリオファイルに変換します。

    吉里吉里ではサウンドノベルを作る為に使用するファイルのことを「シナリオファイル」と呼びます。ここでも同様にシナリオファイルという名称を用います。

    1. 夕霧の起動


    2. 「yuugiri.exe」を実行します。
      以下の画面の様に、起動した時点では、ほとんどの設定項目が空欄なので、これからそれを埋めていきます。



      夕霧を起動するとOSが持っているフォントの取得を行っていますが、特に気にする事はありません。

    3. 入出力情報の設定


    4. (1)入力ファイル
      項目2で作成したテキストファイルを指定します。



      テキストファイルの読込みを行う事で、使用している「アイテム」、「キャラクター」と「カウンタ」の取得を行っていますが、特に気にする事はありません。

      (2)出力フォルダ
      変換後のフォルダを出力する位置の指定をします。



      例では吉里吉里の実行ファイルのある場所に保存する事にしましたが、 後から自由に場所は変更出来ますから、「デスクトップ」でも「マイドキュメント」の中でも構いません。

    5. 全般の設定


    6. Yuuki!Novelのプロパティ設定の「全般」について設定します。

      以下の画像の様に、Yuuki!Novelのプロパティ設定の「全般」を、同じ様にそのまま夕霧側にも設定します。

      同じ色の項目をそのまま設定していきます。



      デフォルトの文字速度は、吉里吉里の「普通」文字表示スピードに反映されます。同様にデフォルトの文字速度の半分の値が「高速」に、倍の値が「遅い」に反映されます。

    7. フォントの設定


    8. Yuuki!Novelのプロパティ設定の「フォント」について設定します。

      説明の画像の矢印が無くなりましたが、同じ色の項目をそのまま設定して下さい。



      Yuuki!Novelの標準のフォントは「ゴシック」か「明朝」なのですが、吉里吉里に移植する際には「MS Pゴシック」「MS P明朝」にした方が、画面の再現性が高くなります。

      同様に「明朝」の場合は「太字にする」のチェックをONに、「ゴシック」の場合はOFFにした方が再現性が高くなります。

      吉里吉里のfontタグですが、夕霧ではフォント関連の変換の際に「明朝」の場合は[font bold=true]「ゴシック」の場合は[font bold=false]の設定を採用しています。

      行間の設定もフォントサイズに合わせて自動で変更していますが、ぴったり合わせたい場合は手動で吉里吉里のコンフィグファイルを変更して下さい。

    9. キャラクターの設定


    10. Yuuki!Novelのプロパティ設定の「キャラクター表示」について設定します。

      同じ色の項目を設定して下さい。



      「キャラクター名とレイヤNoを関連付けする」をチェックすると、 吉里吉里に変換する際に、キャラクター毎に固有のレイヤNoに変換されます。
      Yuuki!Novelではレイヤの操作が出来ないのですが、キャラクターをレイヤ代わりに使っている場合などはこの項目にチェックをして、キャラクター毎のレイヤNoを入力して下さい。

    11. カウンタの設定


    12. カウンタを使っている場合は、「繰越しの有無」と「初期値」を設定します。



      カウンタの範囲については自動取得しますので、項目は用意していません。。

    13. ロゴ/タイトル画面の設定


    14. Yuuki!Novelノベルのプロパティ設定の「ロゴ画面」「タイトル画面」について設定します。

      (1)ロゴ画面

      同じ色の項目を設定して下さい。



      ロゴ画面には表示時間の設定があります。
      例では3000msに設定してみました。

      (2)タイトル画面

      同じ色の項目を設定して下さい。




      ロゴやタイトルは未入力でも動作はしますが、ロゴやタイトルが無くなり、開始アイテムからのスタートになります。

    15. アイテム名


    16. Yuuki!Novelのアイテム名を変更して、吉里吉里のラベルとして使用する場合に設定します。



      Yuuki!Novelではアイテム名は直接ユーザーには見えませんが、吉里吉里では栞を保存する時に、ラベルとしてアイテム名が使用されます。

      未入力の場合はYuuki!Novelのアイテム名が、そのまま吉里吉里のラベルとして使用されます。

    17. 吉里吉里の設定


    18. ここでは吉里吉里での固有の設定を行います。




      (1)栞の数

      使用する栞(セーブポイント)の数を設定します。
      デフォルトで25個にしていますが、適当な数を設定して下さい。

      (2)バージョン情報ダイアログの文字

      ・「ヘルプ」−「このソフトについて」の時に表示される文字を入力して下さい。
       例として「作品名」「バージョン」「サークル名」「年度」などが上げられます。

  7. 設定値の保存


  8. 変換を行う前に、設定した内容を保存しておきます。

    夕霧のメニュー「ファイル」→「設定値の保存」を選択して下さい。



    設定値はテキストファイルで保存しますので、適当な名前にしてyneファイルと同じ位置に保存して置くとわかり易いでしょう。

    今回は「夕霧設定サンプル用.txt」として保存してみました。

  9. 変換開始


  10. 「変換開始」ボタンをクリックします。

    変換中の進捗状況が画面左下に表示されます。
    変換終了のダイアログが表示されれば、終了です。



    お疲れ様でした!。

    夕霧では、入力テキストファイルの名前の後ろに「_kr」をつけたフォルダを作成して、その中に吉里吉里で使用する全てのファイルを生成します。

    例では「SampleR9_2.txt」というテキストファイルなので、「SampleR9_2_kr」というフォルダの中に変換後の全てのファイルが生成される事になります。

    それでは早速、吉里吉里の「krkr.eXe」ファイルから動作確認をしてみましょう!

    生成された「SampleR9_2_kr」をドラッグして「krkr.eXe」にドロップすれば動作確認をする事ができます。



  11. 設定値の保存と読込み


  12. ファイルメニューから、設定値の保存と読込みを行う事ができますので、
    カウンタ値などの設定値が多い場合には、再設定する手間を省く事が出来ます。

     ・保存される項目は「入出力情報」以外の項目になります。
     ・「開始アイテム」、「キャラクターのレイヤNo」、「カウンタの設定値」は、該当する項目が
      有る場合にのみ設定値が反映されます。
     ・入力ファイルを開く事で「開始アイテム」、「キャラクターのレイヤNo」、「カウンタの設定値」は
      クリアされますので、再度設定を読み込んでください。

  13. 変換時の注意点


  14. なるべく自動で変換する様にはしていますが、変換に失敗する事があります。
    現状、以下の状況での変換には失敗する事が分かっています。

    (1)画像サイズ

    背景グラフィックの画像サイズが640×480以外の場合KAG側でエラーになります。
    エラーログを確認して、該当する画像のサイズを640×480にして下さい。

    一部PNGファイルで画像サイズが640×480にも関わらず、エラーになる場合がありますが変換自体には問題ありません。

    (2)テキスト内の括弧[ ]

    テキストの中に、半角英数小文字の、[ ] が有る場合は、KAG側でエラーになります。
    夕霧では、[の後ろに全角文字があった場合には[を[[に変換します。ただし半角の場合はマクロとの判断がつかないため、手動で変換を行う必要があります。

    (3)カウンタ名称

    カウンタ名称内の以下の記号が含まれていた場合に修正を行います。

    ・"&""&" → "_and_"
    ・"-""−" → "_dec_"
    ・"+""+" → "_inc_"
    ・"*""×" → "_mul_"
    ・"/""/" → "_div_"
    ・"|""|" → "_or_"
    ・"@""@" → "_at_"
    ・"%""%" → "_per_"
    ・"#""#" → "_sha_"
    ・"=""=" → "_equ_"
    ・"!","!" → "_eqs_"
    ・変数先頭の半角の数字→全角の数字

    (4)BMP,PNGのマスクカラー

    Yuuki!Novelはbmp或いはαチャンネルのないPNGをキャラクターとして使用した場合 左上のドットをマスクカラーとして使用しますが、夕霧で変換する際にはkey=adapt タグを使用していますので、画像の一番上のラインにて、一番多く使われている色が マスクカラーとして使用されます。(16色/256色の画像に対して有効です。)

    ※変換時に(4)以外の上記の状態を検出した場合は、エラーログとして記録していますので、エラー修正の参考にして下さい。

  15. その他


  16. 吉里吉里で使用する以下のファイルを変更しています。

    1. systemフォルダ
    2. scenarioフォルダ