大鏡肝だめし・10
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1奉らせ 給ふに、  「こは 何ぞ。」と 仰せらるれば、「ただにて
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2帰り参りて 侍らむは  証 候ふまじきに より、    高御座の 南面の
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3柱の もとを 削りて 候ふなり。」と、     つれなく 申し 給ふに、
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4   いと  あさましく    思しめさる。    異殿たちの  御気色は
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