木曾17
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1者ぞ なき。分捕り  あまた したりけり。ただ 「射取れや。」とて、
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2中に 取りこめ、雨の 降る やうに 射けれども、鎧 よければ 裏 かかず、
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3    あきまを 射ねば  手も 負はず。
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4 木曾殿は ただ 一騎、粟津の松原へ 駆け 給ふが、   正月二十一日、
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