平家・鵺6
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1姿 あり。頼政、「これを 射損ずる ものならば、世に あるべき 身とも
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2おぼえず。南無帰命頂礼、八幡大菩薩。」と 心の 底に 祈念して、
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3とがり矢を 取つて つがひ、しばし かためて、ひやうど 射る。
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4手ごたへして、ふつつと 立つ。やがて 矢 立ちながら 南の 小庭に
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