大鏡2・9
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1のどやかに、御刀に、削られたる 物を 取り具して 奉らせ 給ふに、
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2「こは 何ぞ。」と 仰せらるれば、「ただにて 帰り参りて 侍らむは、証
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3候ふまじきにより、高御座の 南面の 柱の もとを 削りて 候ふなり。」と、
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4つれなく 申し 給ふに、   いと あさましく    思し召さる。
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