平家・鵺1
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1 この 頼政 一期の 高名と おぼえしは、     近衛の 院の 御時、
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2夜な夜な おびえさせ 給ふ こと あり。大法、秘法を 修せられけれども、
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3しるし なし。人 申しけるは、「東三条の 森より 黒雲 ひとむら
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4たち来たり、御殿に 覆へば、その とき かならず おびえさせ 給ふ。」と
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