大鏡2・11
1
1
1 なほ、  疑はしく 思し召されければ、  つとめて、「蔵人して 削り屑を
1
2
2
2つがはして みよ。」と     仰せ言 ありければ、持て行きて 押しつけて
2
3
3
3見 たうびけるに、つゆ 違はざりけり。その 削り跡は いと  けざやかにて
3
4
4
4侍めり。末の 世にも、見る 人は なほ あさましき ことにぞ 申ししかし。
4
1