大鏡2・2
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1申しなり 給へるに、    「今宵こそ いと むつかしげなる 夜な’めれ。
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2     かく  人がちなるだに、  気色  覚ゆ。   まして、
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3もの離れたる 所など いかならむ。さ あらむ 所に 一人 往なむや。」と
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4仰せられけるに、  「え まからじ。」とのみ   申し 給ひけるを、
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