うつせ貝・5
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1戸口さへ さながらなるに、さし入りし  月影も いつしか  雲隠れて、
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2雨を さそへる 秋風 はた   寒く、うちしめりゆく   虫の 声々
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3いと  あはれなり。
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4  風 わたる 草の たもとに あらそひて、 露 散りまがふ
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