うつせ貝・14
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1言ふ。  あやしき まかなひを 見も 入れず うちふしたるを、
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2「舟の 酔ひは 浜づらを 歩くなむ いと とく 醒むなるものを」とて、
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3しひて そそのかして  降りぬ。やうやう 心 落ちゐぬる ままに、
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4人 見ぬ   松陰に  降りゐて、ありし さま、 月日 へだてし
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