堤中納言物語11
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1「わが 母の 常に 読み 給ひし    観音経。   わが 御前
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2負けさせ 奉り 給ふな。」    ただ  この ゐたる  戸の もとにしも
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3向きて、 念じ合へる    顔  をかしけれど、ありつる 童や
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4言ひ出でむと   思ひゐたるに、 立ち走りて、あなたに いぬ。
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