うつせ貝・8
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1  心 かはせるものから、 かく   思ひかけぬ 道に ゆくりなく
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2あくがれ出でぬるが さすがに 悲しく、今さら  宮の うち、姫君の
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3御方のみ  恋ひしくて、よよと 泣かれぬ。      男は 年ごろの
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4本意 かなひて、雨の 名残の   いと   悪しき 道を たどり行く
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