堤中納言物語14
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1胸 つぶれて、さすがに 思ひゐたれど、ただ、いと  あわたたしく、
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2「かうかう、     念じつれば、   仏 のたまひつる。」と  語れば、
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3いと うれしと  思ひたる 声にて、「まことかはとよ。 恐ろしきまでこそ
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4おぼゆれ。」とて、  頬杖 つきやみて、    うち赤みたる まみ
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