うつせ貝・1
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1 かくて なほ、   その 夜も 空しくて   明けぬ。    いとど
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2おぼつかなく 思ひわびて、また 人  やりつるに、行きたがひて、 彼方より
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3下仕への 女を おこせたり。 今宵も さはる よし       言へば、
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4待つ かひも なく、思ひしをれたるに、初夜  過ぐる ころ、かの 女
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