撰集抄7
1
1
1かたぶきぬれぱ、海人の 苫屋に 漕ぎ戻して、今は いづちへも 行くべき よし、
1
2
2
2翁に 暇を 乞ひ 侍りしかば、「日も 暮れぬ。」と、    あながちに
2
3
3
3とどめしかば、かの 翁の 住みかに 宿りて、昔今の 物語 し 侍りき。
3
4
4
4 翁の 言ふ やう、「われは 山蔭の 中納言とかや 申し 侍りける 人の
4
1