鈴屋集9
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1ただ そなたざまの    心をのみなむ 深く たどりつつ、   この世の
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2方ざまの こととては きよく 思ひ捨てられたる あまりに、花紅葉の あだなる
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3色も すきまじとや 思はるらむ、      おのづから 歌 よまるる ことも、
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4たえだえになむ なりにげる。 されど 息子の 大平なむ かの 昔の 心ざしを
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