撰集抄1
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1 過ぎぬる 八月の 初めつ 方、西山の 西住上人と ともなひて、難波の わたりを
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2過ぎ 侍りしに、折節、  日   ことに うららかにて 風も 立ち 侍らねば、
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3   釣り舟 波に 浮かびて、木の葉のごとくに 見ゆ。  「いかに 多くの
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4魚を 釣るらむ。     あら 無慙や。いざや、この 舟に 乗りて、
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