鈴屋集10
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1つぎて、この 敷島の 道に 入りたちものせらるる ほどなれば、望月の まどゐは、
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2かくる こと なく、ありし ままになむ ありける。今宵は いつの 月よりも、
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3殊に おもしろく 興ありて、     皆人 端 近く 出でゐて、賞であへる
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4ほど、軒 近く 吹きくる 風に つきて、荻の 葉音の ひまひまに
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