StompBox/Files Ver.0.4 取扱説明書

はじめに――StompBox/Filesについて

 StompBox/Filesを入手いただきありがとうございます。
 StompBox/FilesはJavaで作成した、OSやデスクトップ環境標準のファイラでは行えない、または行いにくい操作を行うためのファイル操作補完ユーティリティです。最新版では次の操作を行えます:

 最初の操作について補足します。
 たとえばWindowsのエクスプローラーでメモリカードのフォルダを開くとファイルやフォルダが名前や更新日時順などで並んで表示されます。これは表示するときにそうやって整列させているためで、実際には決まった順で記録されているわけではありません。またメモリカードへのファイルのコピーもかならずしも見た目の並び順で行われるわけではありません。エクスプローラーでは実際の記録順がどうなっているかはわからないのです。
 三洋電気株式会社DMP-M400SDなど、一部のデジタルミュージックプレイヤーはフォルダ内のファイルの再生を記録されている順で行います。そのためファイル名に番号をつけて順番を決めていたとしてもそのとおりに再生されるとはかぎりません。ファイルの並べ替え機能を持っていないこれらのデジタルミュージックプレイヤーで、たとえばアルバムの曲順で音楽を再生するためにはファイルを再生したい順でひとつひとつ手作業でコピーする必要があります。これはかなり面倒な作業です。
 そこでコピー後にフォルダ内のファイルを物理的に変更するために作成したのが該当の操作です。

 配布パッケージにはシャープZaurus SL-C750/760/860(以下J2ME搭載Zaurus)用のパッケージも用意し、ソースも同梱しました。ごくささやかなユーティリティですがお役にたてば幸いです。
 使用にあたっては「著作権、権利、免責事項、その他」をお読みください。

動作環境

 本ソフトウェアは次の環境で動作の確認を行いました:

 Zaurus SL-C860に搭載されているJava実行環境はJava 2 Platoform Micro Edition(以下J2ME) Connected Device Configuration, Foundation Profile and Personal Profileとのことで、これはJRE 1.3.1準拠とされています。ですのでGUIツールキットとしてAWTを利用する場合はJRE 1.3.1以上が導入されていれば動作するものと思われます。GUIツールキットとしてSwingを利用する場合はJRE 1.4以上が導入されていれば動作するものと思われます。
 特殊なことは行っていないのでそれ以前のJREでも動作するかもしれませんが、安心して動作させるためには最新のJREの導入をおすすめします(もちろんJ2ME搭載のZaurusの場合は何もする必要はありません)。

導入(install)と削除(uninstall)

 配布パッケージには次のファイルが含まれています :

J2ME搭載Zaurusへの導入と削除

 パッケージファイルsbfilesj2me_0.4_arm.ipkを通常の手順にしたがって導入してください。削除も同様です。

上記以外の環境への導入と削除

 インストーラは付属しません。SBFiles.jarを任意のディレクトリにコピーすれば導入は終わりです。Windows環境でショートカットを作成する際はお好みにより配布パッケージに含めてあるアイコンファイルをお使いください。
 アンインストーラも付属しません。導入時にコピーしたファイルおよび独自に作成したショートカットやリンクを削除してください。
 また本アプリケーションは次のファイルをログインユーザーのホームディレクトリ(Windowsでは一般的にはC:\Documents and Settings\%ログインユーザー名%、Unixでは~/)に作成します:

 いずれもちいさなファイルですが、気になる方は手作業で削除してください。

使いかた

 J2ME搭載Zaurusに導入した場合は一般的なアプリケーションと同様アイコンを選択して起動してください。
 それ以外の環境では通常の手順にしたがってSBFiles.jarを実行してください(WindowsならSBFiles.jarをダブルクリックするだけで起動します)。
 指定可能な引数は次のとおりです:

/AWT
GUIツールキットとしてAWTを利用します。J2ME搭載Zaurusでは常に指定されているとみなします。
/SwingFrame
ウィンドウのタイトルバーや枠をOSではなくJavaが管理するようにします。GUIツールキットとしてAWTを利用しないときのみ有効です。

 起動すると表示対象のフォルダのパスをツールバーの下に、そのフォルダに存在するファイルとフォルダ(以下両者をあわせてエントリと呼びます)の一覧をウィンドウの中央に表示します。一覧に表示される並び順が記録されている順です。"["と"]"で囲まれている名前はフォルダです。
 一覧のフォルダをダブルクリックする、または選択状態でEnterキーを押すと表示対象パスをそのフォルダに変更します。パス右側の"<<"ボタンを選択すると表示対象フォルダを上位のフォルダに変更します。Windows環境でドライブを変更するときはパス左側のドライブリストコンボボックスで表示ドライブを選択してください。カードリーダー / ライターをつないだりはずしたりするなどしてドライブに変更が生じたときは末尾の項目"..."を選択するとドライブリストを更新します。

 一覧のエントリは選択可能です。GUIツールキットとしてAWTを利用しているときにエントリを複数選択するときは「編集」メニューの「複数選択」を選択します。複数選択を中止するときは再度選択します。

 エントリをひとつだけ選択している状態でツールバーの上矢印ボタン / 下矢印ボタンを選択すると選択エントリを上または下に移動します。

並び順の変更・ソート

 エントリを移動した状態でチェックマークボタンを選択するとその並び順を反映させます。
「ファイル」メニューの「ソート」を選択、またはツールバーのソートボタンを選択すると並べ替えを実行します。
 どちらの操作も変更後の並び順が変更前と同じときは何もしません。

連番設定

 連番設定は、複数のファイルを選択しているときは選択中のファイルに対して、それ以外のときは表示中のすべてのファイルに対して行います。対象にフォルダが含まれるときは行いません。
 対象を選択したら「ファイル」メニューの「連番設定」を選択、またはツールバーの連番設定ボタンを選択すると連番設定ダイアログが表示されるので次を指定します:

「開始番号」の左側に'0'を付加すると番号にかかわらずその分の桁を確保します。
 指定が終了したら「OK」ボタンを押すと連番設定を実行します。このとき変更するファイル名と同じファイル名が存在したなら既存のファイル名を次のとおり変更します:

(元のファイル名).original.元のファイルの拡張子

GZIP圧縮 / 伸長

 GZIP圧縮を行うには対象を選択して「ファイル」メニューの「GZIP圧縮」を選択、またはツールバーのGZIP圧縮ボタンを選択してください。ファイルは複数選択可能です。複数のファイルを選択しているときはそれぞれ個別に圧縮を行います。

 GZIP伸長を行うにはGZIPファイルを選択して「ファイル」メニューの「GZIP伸長」を選択、またはツールバーのGZIP伸長ボタンを選択してください。ファイルは複数選択可能です。

 どちらの操作も処理後のファイル名に重複が発生するときは拡張子の前に連番を付加します。

備考

 処理の状況はステータスバーに表示します。終了したら一覧を更新します。
 実行した操作を取り消したいときは「編集」メニューの「元に戻す」を選択してください。取り消した操作を再実行したいときは「編集」メニューの「やりなおし」を選択してください。

 ファイルシステムに反映した操作の内容は、「元に戻す」「やりなおし」も含めすべてログファイルに記録されます。

 GUIツールキットとしてSwingを利用しているとき条件によって「表示」メニューが表示されます。「表示」メニューの名称を選択すると全体の見た目を切り替えられます。

制限

全般的な制限

Unix環境全般の制限

J2ME搭載Zaurus固有の制限

技術情報

並び順を変更・ソート可能なファイルシステム

 現在のところ正常処理を確認しているファイルシステムはFATのみです。

ソートの比較条件

 ソートはエントリの名前の文字コード順で行います。ただしアルファベットの大文字と小文字の違いは無視します。
 ファイル名が英数字のみの場合はほぼ辞書順となりますが、ひらがなや漢字が含まれるときは規則性が一見判別できないものとなります。これは英数字以外のエントリの名前には読みなど辞書順に並べ替えるための必要な情報が含まれないためです。ご了承ください。
 確実にソートするためにはエントリ名先頭への連番の付加をおすすめします。

 フォルダとファイルが混在するときはフォルダを先に、ファイルを後にします。

ソートの実際の処理

 ソート処理は次の手順で行います:

  1. ソートするエントリの存在するフォルダ名に拡張子".tmp"を付加した作業用フォルダを作成する。
  2. 作業用フォルダにエントリをソートしながら移動する。
  3. 作業用フォルダから元のフォルダにエントリをソートした順に移動する。
  4. 作業用フォルダを削除する。

 フォルダへのアクセス権がない、または使用中のファイルが含まれるなどの理由でソート処理が失敗することがありますが、その場合でもエントリは失われません。失敗した場合は可能なかぎり原状に復するようにしてありますが、うまく元に戻らなかったときはお手数ですが手動で作業用フォルダから元のフォルダにエントリを移動して作業用フォルダを削除してください。

著作権、権利、免責事項、その他

著作権者

 本ソフトウェアの著作権はD.B.C.が管理するものとします。

免責事項

権利

 本ソフトウェアはフリーウェアです。再配布や転載にあたっては特に条件を定めません。連絡をいただければありがたく思います。

その他

 精神的・肉体的、抽象的・具体的、その他あらゆるレベルを問わず他者に危害を加える、または危害を加えることを支援する目的で本ソフトウェアを使用することは禁じます。

連絡先

 本ソフトウェアに関するご意見・ご要望・バグ報告などは電子私書箱contact.d.b.c@gmail.comまでお寄せください。今後の参考とさせていただきます。活用例などもお待ちしております。
 個人の範囲を超えて利用される際にはお知らせいただければうれしく思います。
 最新情報はD.B.C Software Craft Studioをご参照ください。
 また、D.B.C.は他にSturgeon's Trashcanで別の活動を公開しています。よろしければ、こちらもどうぞ。

開発環境

 本ソフトウェアは次の環境で作成しました:

ハードウェア
IBM ThinkPad T61(CPU = Core 2 Duo T7700 2.4GHz, Memory = 3.0GBByte)
OS
Microsoft Windows XP Professional(with Service Pack 3)
開発言語
Java 2 SDK, Standard Edition 1.4.2_14(Sun Microsystems)
開発統合環境
Eclipse 2.1.2(Eclipse Foudation)
最適化
ProGuard 3.11(Eric Lafortune)
文書作成
xyzzy(亀井哲弥)

履歴

Ver.0.4(2009-01-18)
Ver.0.3(2008-02-06)
Ver.0.2(2007-09-02)
Ver.0.1(2006-10-30)
公開。