1.戦車ゲームの概要
戦車ゲームは運動法則に則した戦車対戦ゲームで、Windowsパソコン1台を2人で使
用します。ルールとしては画面左右の端にある戦車のような機体を各自が操作し、障
害物にできるだけ衝突しないようにして2人が砲撃し合って、相手戦車を先に10回
爆破した方が勝ちです。以下に操作方法、簡単に物理的内容について説明します。
2.戦車ゲームのインストール
ダウンロードして解凍したtankフォルダの中のSETUP.EXEを実行して下さい。
3.戦車ゲームの起動
Windowsタスクバーのスタートメニューからtankを選んでクリックして下さい。
4.戦車ゲーム画面説明
図のように画面左右に円盤状の基地があり、左右の人が操作する機体が2つあります。
そして灰色の固定障害物と黄色の移動障害物があります。画面左上部の表示は左側の
人の設定モードでの表示で、画面右上部の表示は右側の人の操作モードでの表示です。
後、図を掲載していないですが得点を表示する小画面も表示されます。
《戦車ゲーム画面》 |
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5.設定操作
5-1.初期操作
初めてソフトを起動したときは、キーボードが10キー付きかどうかの入力。それと操
作性調整、効果音を出すかを決定します。操作性調整値は数値を大きくする程反応が
遅くなります。音出しに関してはソフト開発言語が並列処理をサポートしていなかっ
たので、ゲーム中、音が鳴っている間は計算処理が中断します。既定値は10キー付き、
操作性調整値は10で、音無しです。ゲーム中に再設定したいときはCtrlキーとF1キー
を同時に押すと再設定できます。
5-2.毎回操作
その後は移動障害物個数、摩擦を考慮するかの設定を求められるので、設定して開始
ボタンを押して下さい。ゲーム中に再設定したいときはCtrlキーとF2キーを同時に押
すと対戦中のゲームを終了して再設定できます。
6.ゲーム操作
6-1.使用キー
実際のゲーム操作に使うキーは次の8個づつのキーで、左側の人はキーボード左の
方の上段Q,W、中段A,S,D、下段Z,X,Cの8個。右側の人は10キー付きのキーボードの
場合は10キーの上段8,9、中段4,5,6、下段1,2,3の8個を使います。10キーが無い場
合は上段P,@、中段L,;,:、下段.,/,\の8個を使います。
| 《左側の人》 | 《右側の人》 |
10キー付き | 10キー無し |
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6-2.機体、砲弾の設定要素説明
機体、砲弾の諸要素(装甲の厚さ、エンジン出力、燃料最大積載量、砲弾最大積載量、
砲弾質量、砲弾発射力)を単位等に注意して設定します。これを設定モードと呼びま
す。以下に各要素の簡単な説明を述べます。
装甲の厚さ :厚くすると頑丈になりますが質量が非常に大きくなり、動き難く
なります。
エンジン出力 :機体を動かすための力の大きさをKN単位で入力します。一般的
な馬力等の仕事率で無い事に注意して下さい。
燃料最大積載量:燃費はエンジン出力が大きい程低くなり、燃料にも質量がある事
に注意して下さい。無くなれば当然出力が出ません。
砲弾最大積載量:砲弾を満載したときの個数。
砲弾質量 :全部爆薬の質量としています。大きい程爆発のエネルギーも大き
くなります。
砲弾発射力 :砲弾を加速するときの力の大きさをN単位で入力します。砲弾は
全長4.0mの砲身から出るまで力を受けます。機体の方にも反作用
の力が働きます。
6-3.機体、砲弾の要素設定(設定モード)
設定モードでの数値決定の仕方は青白色になっている要素の数値が操作の対象となり
ます。その数値を減らすときは中段の左端(10づつ減少)、または下段の左端(1
づつ減少)のキーを押します。
増やすときは中段の右端(10づつ増加)、または下段の右端(1づつ増加)のキー
を押します。
上の要素に移るには上段の真中のキーを押します。
下の要素に移るには中段の真中のキーを押します。
数値を決定して実際に機体を操る操作モードにするには下段の真中のキーを押します。
機体の総重量は設定モードの一番下に表示され、摩擦ありのときは静止摩擦係数、動
摩擦係数が画面中央上部に表示されます。これを参考にして加速度、摩擦力等を考え
ます。
| 《設定モードでの操作キー一覧》 |
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6-4.機体の操作(操作モード)
操作モードでの機体の操作は以下のようになります。
画面上向きに加速したいときは上段の真中のキーを押します。
画面下向きに加速したいときは中段の真中のキーを押します。
画面左向きに加速したいときは中段の左端のキーを押します。
画面右向きに加速したいときは中段の右端のキーを押します。
画面斜め方向に加速したいときは上記キーを2つ組合せて押します。
砲塔を左回転(反時計回り)するには下段の左端のキーを押します。
砲塔を右回転(時計回り)するには下段の右端のキーを押します。
砲弾の発射は下段の真中のキーを押します(砲弾は画面中に最大5発まで発射可能)。
設定モードにしたいときは基地の真中付近に戻って左側の人は上段のQを押します。
右側の人は上段の9を押します。砲弾や燃料の補給、装甲の修復等も一旦設定モード
にする事によって行われます。
操作モードでは砲弾残量、燃料残量、装甲損壊率、エンジン出力、機体総重量、加速
度の大きさ、速度の成分、速さが常時表示されます。
両者の機体が補給ミスで共に燃料切れ弾切れになって勝負が付かなくなったときは、
暫くすれば引き分けとして両者に1点が加算され初期位置に戻ります。
| 《操作モードでの操作キー一覧》 |
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7.簡単な物理的内容
この戦車ゲームで再現した物理的内容は以下です。文中の赤字はベクトルを表します。
7-1.運動の第一法則(慣性の法則)
物体に外力が働かない(合力零)限り物体はそのままの運動をし続けます。
移動障害物、機体、砲弾で再現。
7-2.運動の第二法則
物体に生じる加速度a(m/s2)は物体に働く力F(N)に比例し、物体の質量M(Kg)に反比例
します。
a=F/M
機体の操作時、砲弾発射時で再現。
7-3.運動の第三法則(作用反作用の法則)
ある物体が他の物体に力Fを及ぼすと、他の物体はある物体に逆向きの力fを同一作用
線上に及ぼし返します。
f=-F
砲弾発射時に機体と砲弾との間で再現(質量差が大きいため機体への影響は画面では
認識し難いです)。
7-4.重力
重力は機体にのみ働くとし、重力加速度の大きさは9.8m/s2です。
7-5.静止摩擦力
静止している物体を動かすには力の大きさが最大静止摩擦力の大きさFより大きくな
いと動きません。最大静止摩擦力の大きさFは静止摩擦係数μ、垂直抗力の大きさNな
ら
F=μN
となります。ゲームでは摩擦ありを設定したとき機体にのみ働きます。
7-6.動摩擦力
物体の速度の向きとは逆向きに働き、その大きさは速さによらず一定です。動摩擦力
の大きさFは動摩擦係数μ'、垂直抗力Nなら
F=μ'N
となります。ゲームでは摩擦ありを設定したとき機体にのみ働きます。
7-7.速度の合成
地面に対して速度Vaで動く物体A上で、物体Aに対して速度Vbで動く物体Bがあると、
物体Bの地面に対する速度Vは
V=Va+Vb
で表せます。砲弾で再現。
7-8.力積、運動量
機体を動かすための推力をロケットエンジンによるもの(摩擦無で動くためにはロケ
ットエンジンなどが必要)としていて、この推力は運動量変化と力積が等しい事より
求まります。運動変化前後の物体の質量と速度をm0(Kg)、V0(m/s)、m1(Kg)、V1(m/s)
とし、運動変化時に働いた力F(N)、変化に掛かった時間⊿t(s)なら
m1V1-m0V0=F⊿t
となります。但し画面上では視覚効果を表示していません。
7-9.運動量保存の法則、跳ね返り係数
物体の衝突前後の運動量の総和は外力が働いていなければ保存されます。そして衝突
時の跳ね返り係数eは
e=-衝突後の両物体の相対速度/衝突前の両物体の相対速度
と定義されます。
ゲームではソフトの処理速度を上げるため、物体の表面全体での衝突判定は行ってい
ません。このため正確な動きをしない事があります。
7-10.エネルギー
詳しくは省略しますが砲弾の爆発や衝突、移動障害物の運動変化、機体の損壊、運動
変化で再現しています。
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