使用方法
4.1.MakeHuman パスの指定
まず前準備として、最初に、
MakeHuman α5 のパスを設定します。ウインドウの右上の
MakeHuman パスボタンを押してください。以下のような
ダイアログが現れますのでその中の
browse ボタンを押します。すると
Shade のパス指定ダイアログが現れますので、
MakeHuman をインストールしているディレクトリを探して
OK を押してください。ダイアログの
path の右部分に
ディレクトリパスが設定されます。ここで
OK を押すと、
MakeHuman α5のウインドウの上部に
パスが表示されれば、設定は完了です。不正なパスを設定すると、
パスは表示されません。指定する
パスは、
data ディレクトリの親のディレクトリです!

→

→

パスが表示されました。
ここまで済めば、これ以降は、
Shade を起動するだけで、
Make Human α5が利用できるようになります。
4.2.新規ボタンによる新規形状生成
上の図の左上の
新規ボタンを押してみてください。それなりの時間が掛かりますが、多少我慢してください。最初は結構長い時間ですが、
Windows の場合(
Mac OSXの場合は、分かりません。)何度か使っている内に早くなります。
新規ボタンが押されたままの状態がちょっと続き、ボタンが戻っても後ちょっと我慢してください。画面が下のようになったら
MakeHuma_part内に
ジョイントを含め
人体モデル一式が出来上がります。
この
人体モデルは、最上位の
MakeHuman_partに共通の
表面材質が設定され、必要な
ポリゴン形状には、既に
スキンが掛かっています。

この例は、
shade.cnt 内で、
view_edgesという指定をした場合です。
稜線が表示されてます。もし、この指定を外すと、
稜線が、隠されます。この場合、
要素マークがインストールされていれば、大まかな
輪郭線と
主要パーツの輪郭の
マークされて、それが強調されます。
一旦、
人体モデルが出来ると、
Make Human α5のウインドウ内の
スライダーを動かす事で、
体型や、
キャラクタ設定が自由に出来るようになります。同時に何時でも
ジョイントによるポーズ付けが可能ですので、ポーズした状態での見栄えを確認しながら
体型を変化させることも出来ます。また、
表面材質も自由に設定できます。
注:但し、
Shade 10 及び
11 では、
人体モデルを生成した直後では、
ジョイントの操作と
図形ウインドウの描画が、同期しません。この辺の詳細と対策は、
その他の事項を参考にして下さい。
その
シーンを保存して、再度読み込むと、
人体モデルは、単なる
ポリゴン形状になってしまい、
スライダーによる変形は、出来なくなります。もし、途中で中断し、再度その時点から再開したい場合は、後述する
保存ボタンを利用します。
もし、これでモーフは完了で、出来れば続けて
形状自体に手を入れたいときは、ウインドウの右の方にある、
完了ボタンを押してください。そうすれば、
人体モデルは、ただの
Shade の
形状になります。
注:
新規ボタンは、
何時でも何処でも押す事が出来ます。押された時点で、
選択されている部分の直下(空の
パートの場合はその中)に新規に
モーフ可能な
人体モデルを作ります。その時点で既に
人体モデルが作られていると、既存の
人体モデルは、単なる
ポリゴン形状になり、以降
モーフは出来なくなります。ただ、変な場所で
新規ボタンを押すと、その直下に
人体モデルを作りますので注意してください。
注:
人体モデルに対しては、
MakeHuman_part 内のどの
形状の削除も、
形状内の
頂点の削除もしないでください。
モーフさせると
Shade が
クラッシュします!!
4.3.スライダーによるモーフ
モーフ変形は、上部の5つの
基本パラメーター設定用の
スライダーと、6つの
タブメニューで項目を選らび、そのサブメニューを
ポップアップで選ぶと現れる下側の
スライダーで行います。
まず、
基本パラメーターで目的のキャラクタ設定をしておいてください。
そして、タブでモーフ対象を選び、その中のメニューをポップアップから選びます。

暫くすると次のようなスライダが現れます。

これ以降は、これらの
スライダーを動かすことで、
人体モデルが、タイトルに相当する変形をします。 モーフする毎に
MakeHuman α5 のウインドウの3行目に表示されているキャラクタの各種サイズが更新されます。単位は全て
mm です。(但し、頭身だけは、
比です。)
スライダーは、
Shade 標準の
スライダーの機能を拡張したものになってます。通常の使い方は、つまみ部分をマウスでドラッグするだけですが、それ以外に
数値表示部に直接数値を入力することが出来ます。
>ボタンと<ボタンで、そのスライダーの最小変化量分増減します。
Rボタンを押すとスライダーがリセットされます。
スライダーは、ドラッグ中もその位置に同期して人体モデルをモーフさせます。
もし、モーフ時に
Shade を
編集モードで且つ
頂点編集モードにしてあると、下の図のように、変化する
頂点だけが
選択 された状態になります。

この機能を使えば、その
スライダーでどの部分がどの範囲で変化しているのかが把握しやすくなります。
4.4.単機能ボタンの説明
ここでは、
MakeHuman α5 ウインドウ上の幾つかのボタンの内単機能なものの説明を行います。
- 初期化ボタン
その時点のモーフを全て解除し、形状を初期の形状に戻します。モーフ中にマニュアルで、ポリゴン形状を移動していても、初期の位置に戻します。モーフを掛けすぎ、グチャグチャになったときに一気にリセットできます。
- データ読込ボタン
これは、 MakeHuman α5 のモーフファイル(target拡張子が付いたファイル)の主要部分を事前に読み込みます。通常は、モーフファイルは非常に大量なので必要になった時点で適時読み込みます。
そのため、ポップアップメニューを選んだとき、それが最初の場合スライダーが現れるまで一呼吸掛かりますが、それが煩わしいなら、ここで予め時間を掛けて読み込んでおけます。ちなみに、タブの主変形のポップアップで、ツールを選んだ場合が一番時間が掛かります。
- 完了ボタン
ボタンを押すと、その時点で操作対象の人体モデルを単なる Shade の形状にし、全てのタブやスライダ類は、初期化されます。それ以降は、モーフは出来なくなりますが、それまでの人体モデルに自由に手を入れることが出来るようになります。シーンを保存せずにそのまま、形状を弄りたい場合に押してください。
- 消去ボタン
MakeHuman α5 内に読み込まれていたモーフファイルのデータを消去します。それ以後必要になった時点で再度読み込み直します。但し、通常使う曲面は殆どありません。
- リセットボタン
このボタンの下側にあるスライダー全てをリセットします。一旦その対象のモーフをやり直したいときに利用します。
- 対称モードボタン
モーフ対象が、左右夫々に分かれているとき、一方の操作で他方も同時に変化するモードを指定するボタンです。このボタンは、トルグになってます。押した状態では、黒く強調され、対称モードになります。そしてその右の R->L と L->R ボタンは、非表示になります。殆どの場合、モーフは左右同じ値にすることが多いので、そのとき便利です。
- R->Lボタン
右のモーフと同じ量を左のモーフに設定します。非対称モードでのみ表示されます。
- L->Rボタン
左のモーフと同じ量を右のモーフに設定します。非対称モードでのみ表示されます。
4.5.開くボタン
本家の MAKE HUMAN と互換性のあるモーフデータファイル( mhm 拡張子のファイル)を読み込み、指定のモーフを人体モデルに設定します。
ボタンを押すとそのシステム固有のファイル指定ダイアログが現れます。そこで mhm ファイルを指定して OK を押してください。多少時間は掛かりますが、最終的に形状がモーフします。必要最小限のデータしかロードしませんので思ったほど時間は掛かりません。
モーフデータファイルは、各種パラメータの値と部位の詳細なモーフ設定を示す全てのターゲットファイルとその変化量の一覧をテキスト形式で記述したものです。中身は、メモ帳のようなテキスト編集ソフトで眺めることも編集することも出来るものです。
特徴は、既に人体モデルが、作ってある場合、その形状に対してモーフを掛けますが、まだ人体モデルを作ってないときは、新規に人体モデルを作って、それにモーフを掛ける点です。つまり、以前保存していたモーフデータファイルがあれば、最初に開くボタンを押してファイルを指定するだけで、以前の状態を再現できます。あるキャラクタを練り上げるような場合、この使い方の方が便利です。
さらに、本家と異なる付加的機能として、モーフデータファイルと同じ名前+ポリゴン形状名の表面材質ファイルがあれば、同時に読み込み設定する点と、同じ名前のUVファイル( .suv ファイル)があれば、パラメータUVに設定します。ですので、表面材質で、イメージのUVをUVに指定して保存すれば、オリジナルのUVを設定できます。
さらに、同じ名前のモーションファイル( .shdmtn ファイルでも .xmlshdmtn ファイルのいずれでも構いません。)があれば、それも読み込み人体モデルにポーズ付けまでします。つまりシーンファイルを保存し、再度読み込むという手順の代わりに、モーフデータファイルの保存と再読み込みの繰り返しという手法も使えるようになります。
4.6.保存ボタン
本家の
MAKE HUMAN と互換性のある
モーフデータファイル(
.mhm 拡張子のファイル)を保存します。
ボタンを押すとそのシステム固有のファイル指定ダイアログが現れるのでファイル名を指定して
OK を押して下さい。その時点で
人体モデルに設定されているモーフ情報を
モーフデータファイルとして保存します。
本家と比べて拡張されている点は、もし、ユーザが
MakeHuman_part 内の主要な
ポリゴン形状にオリジナルの
表面材質を指定している場合、それらを
Shade の
表面材質ファイルとして保存します。この命名規則は、上記
開くボタンと同じ規則ですので、ここで保存したファイルは、全て
開くボタンで読み込まれます。
さらに、機能上は
モーションファイルも自動で保存できますが、現時点では、
Shade の不具合のため、実行は抑制しています。この辺の付加的機能は、
Make Human 制御ファイルを参照して下さい。ただ、マニュアルで、
モーションウインドウを開いて、
モーフデータファイルと同じ名前の
モーションファイルを保存すれば、
開くボタンで自動で読み込まれます。
注:現時点では、自分で設定した
UV を自動で、
UVファイルとして、保存しません。各自マニュアルでプラグインを実行して保存してください。
4.7. target作成ボタン
このボタンで、オリジナルの target ファイルを作れます。出来た .targt ファイルは、 MAKE HUMAN のシステムの targets ディレクトリー下に additions というディレクトリーを作り、その中に保管すれば、次回の Shade の起動から、追加頭部と追加胴部のタブ内にメニューが現れるようになります。ファイル名は、部位名+"-"+機能名.targetのように付けてください。部位名によってどちらのタブに現れるか判定され、ポップアップメニューに部位名、スライダー名に機能名として現れ、利用可能になります。
作成の方法は、編集モードで頂点編集モードの場合とそうでない場合で異なります。通常モードの場合、その時点の頂点の実際の位置と、本来の位置が異なる全ての頂点の変化量が保存されます。編集モードで頂点編集モードの場合は、選択された頂点の中で本来の位置と異なる頂点のみが保存されます。
4.8.モーフ機能概要
ここでは、まず基本パラメータとなる、5つの
スライダーに付いて、そしてその次に、その下の各
タブ毎の説明、各
ポップアップメニュー毎及びその下の
スライダーの説明をします。但し、その量が膨大な点と、実際に動かしてみれば分かる点から説明は、最低限に留めています。
各自自分で動かして理解してください。
- 基本パラメータ
5つのスライダーでまず、目的の人体モデルの基本的特徴を決めます。項目の説明は、一々不要でしょう。初期状態は、中肉中背の中性的人体です。面白い点は、筋肉質型と脂肪質型の切り替えと痩せ型と太り型を個別に指定するパラメータがあることです。この組み合わせで、ひ弱な脂肪質とか、筋肉隆々のマッチョなどが作れます。最後の身長の小柄、大柄の設定は、背の高さを変えますが、どちらかというと、脚の長さの比を変えます。小柄にすると、胴長短足になります。単に大きさを変えたいのなら、均等拡大縮小ジョイントの scale で行ってください。年齢は、中心値が、25歳という一番張りのある人体設定で、左方向で幼くなっていきます。 0.0 で大体10歳児位です。右に方向で年をとり、 1.0 で大体80歳位です。但し、スライダーの値と年齢は比例していません。人は、年齢を重ねるにつれ、変化量が大きく変化します。
- 人種タブ
このタブでは、
人体モデルの基本体型を人種タイプで指定します。
ポップアップのメニューで、アフリカ(africa)、アジア(asia)、ヨーロッパ(europe)を選ぶと、その大陸内の人種が
スライダー名で現れます。その
スライダーを動かすとその
人種の特徴的体型になります。この
モーフは、
スライダー値(重み)で混合されますので、混ぜ合わせることが出来ます。但し、全体で
1.0 以上には出来ません。
スライダーがそこで止まります。
MAKE HUMAN では、仮想的にどの人種にも属さない
nuetral という人種があり、他の人種の重みが
1.0 にならない場合、残りをこの
nuetral が分担します。もし、全ての人種の重みが、
0.0 ならば、
nuetral の重みが、
1.0 になります。
注:本家の
MAKE HUMAN α5では、この人種指定機能は、隠されました。
確認した結果、将来現在の仕様からそれ相当に変更される可能性がある為、一時利用不可にしているそうです。
現時点で、まだラインナップが殆ど揃ってない状態ですし、あまり利用しない方がいいでしょう。
- 主変形タブ
このタブでは、人体の
主要部位の大まかな変形を指定します。現在この部分が、本家の
MAKE HUMAN α5で、
MicHelangelo tool(TM) として拡張されていく予定のようですので、
リリース毎に一番影響されやすい部分のようです。ここでの
ポップアップメニューの特徴は、一番上にある
ツールです。(この部分が、将来大きく拡張される可能性がありそうです。

このメニューで
ツールを選ぶと、最初だけは
スライダーが現れるまでに結構時間が掛かります。ここの
モーフデータが膨大だからです。そういうもんだと納得してください。最終的に図の右のような
スライダーが表れます。これらの
スライダーによる変形は、
基本パラメータの指定と連動してます。また、
スライダーが部位名の場合、その
スライダーを動かすにつれ、いろんなタイプが次々に現れながら変形していきます。特に
目の形が、全体で30種類あります。この部分は、なるべく少ない(14種類)
アイテムだけで多様な表現が出来るメリットがありますが、結構癖のある変形で、好みが分かれます。
自分の好みが見つからなければ、敢えて使わず、従来型のメニューの変形で実現する方がいいでしょう。(まだまで、未完成といったところですか?)
別の
ポップアップメニューを選ぶと、
スライダーは、以下のような
ラインナップになります。下の例は、一番種類が豊富な場合です。見て分かるように、上半分が、
上下、
左右、
奥行き方向の
拡大縮小、
移動、下半分が、
基本パラメータの項目に準じたその部位での変化を与えます。同時に
左右それぞれ個別に指定できる場合があります。この詳細な設定によって、結構細かい設定が、出来ます。この
ラインナップは、各部位毎に必要に応じて項目が省略される場合があります。だた、懸念材料は、主変形でのモーフは、
MicHelangelo tool(TM) による変形が主体になり、場合によっては、部位の変形は、削減される可能性がある点です。

- 頭部タブと胴部タブと四肢タブ
これらのタブは、人体の細かい部位の変形を指定します。部位の
ラインナップが多すぎて、1つの
ポップアップにすると使いづらいので分けています。各メニューの中身をご覧ください
メニューで部位を選択して現れる
スライダーの項目は、
主変形の
ツール以外を選んだときの
スライダーの項目と同じです。
目周辺が多いのが一目瞭然です。
目...という部分は、
目周辺まで含んで結構広い範囲を
モーフします。例えば、
目中央上部は、
眉を含めて
モーフします。それに比較して、
..瞼...の部分は、より
目の周辺だけを
モーフします。
モーフさせるとき両方の調整バランスを考慮するのが大事です。同様に
耳も結構複雑です。といってもこの辺に凝る人はあまり無いと思いますが・・・
- 追加頭部タブと追加胴部タブ
これらのタブは、ユーザオリジナルtargetファイル用のメニュー部分です。現時点では、追加頭部に eyes というメニューがあり、その中に scale という眼球の大きさを変化させるスライダーだけがあります。これは、使ってみて必要性にかられたので用意しました。興味があれば、ご自分でオリジナルな変形を作ってみてください。
4.9.Make Human 制御ファイル
本プラグインには、内部的に幾つかの設定を持っています。これらは、実行時に
ダイアログで確認してもいいのですが、むしろ設定したら固定して使うようなものが多いので、
MakeHuman パスで指定した
data ディレクトリ内に置いた
shade.cnt というテキストファイル内に記述する事で指定するようにしました。ですので、各自の好みの指定をこのファイルに記述して、保存して利用願います。以下が一覧です。
- nopose :
この記述があれば、モーフデータファイルを保存するときにモーションファイルを保存しません。この指定は、 Shade がクラッシュする不具合対応なので、必須です。将来はやく不要になって欲しい設定です。初期で設定状態です。
- usexml :
この指定は、保存するモーションファイルをテキスト形式の xmlshdmtn で保存します。現時点は、意味がありません。
- preload :
この指定は、人体モデルを生成する時点で、主要なモーフデータ(.targetファイル)を予め読み込みます。そのため、人体モデルが出来上がるまでそれなりに待たされます。そのかわり、ポップアップメニューでのメニュー選択は、高速になります。
- view_edges :
この指定があれば、人体モデルの稜線を表示します。指定がなければ、表示しません。以前は、表示しないのを標準にしてましたが、今回から、ここで指定できるように変更しました。
- make_head_scale :
この指定があれば、人体モデルのジョイント構造の neck と head の間に head_scale という均等拡大縮小ジョイントを挿入します。頭身比の簡単な調整に使えます。
但し、この設定は、一度決めたら変更しないように勧めます。というのは、モーフデータの保存時にモーションファイルを保存すると、読み込み時に同一ジョイント構造でないと、合わないところ以降の変形は、追従しなくなるからです。
- use_ball_joint :
この指定があれば、人体モデルのジョイント構造の腕の肘と脚の膝関節を回転ジョイントの代わりにボールジョイントで作ります。通常は、指定する必要性はありませんが、ほんのちょっと通常の曲げ以外の変形が欲しいときに使えます。
この設定も、head_scale と同じ注意が必要です。
- no_attention :
この指定は、間違えて人体モデルの一部を消去した場合に出力する注意メッセージを出さないようにします。この指定の意味は、 Shade の終了時にも注意メッセージが出てしまうので、煩わしさをなくすための指定です。