Make Human α5説明書

プラグイン名 MakeHuman α5
SDKバージョン REV10.0.2 (430286)
対応Shade Shade 10(10.5.3推薦)以上
バージョン V.10.5.1
プラグインタイプ シングルプラグイン、常駐型
公開形態 フリー(無料)
リリース日 2010年9月19日

目次

  1. 概要
  2. 配布物の説明
  3. インストール
  4. 使用方法
  5. その他の事項
  6. サンプル説明
  7. 御使用にあたって
  8. 作者情報
  9. 改定履歴

  1. 概要
  2. MakeHuman α5は、Open Source で公開されている MAKE HUMAN のα5版を Shade 上で利用する為のプラグインです。現時点で公開されているMAKE HUMAN α5 のデータ構造を利用して、MAKE HUMAN がスタンドアロンで提供している機能を Shade 上で実現します。つまり、ベースになる人体データに対して、各種の変形操作を施すことによって多種多様なキャラクターを作り出せます。
    さらに、オリジナルで、 Shade スキンを設定してポーズをとらせたり、表面材質を独自に付加する機能などを追加しています。
    本配布物には、それらの例として、 sample ディレクトリに和風女性(jgirl)考える人(Le penseur)のモーフ一式を添付してますので、参考にしてください。(これらの例と同じようなものは、ユーザ自身が本プラグイン画像編集ソフトウェアさえあれば自由に作れます。)
    このプラグインは、私提供の要素マークがインストールされている場合、ちょっとした付加的機能も組み込んでありますので予めインストールしておくことを薦めます。
    このプラグインは、Shade 10 以上でのみ動作します。Shade 9 以前では、動作しません。

  3. 配布物の説明
  4. 配布物(makehuman_a5.zip)を解凍すると、makehuman ディレクトリー下に以下のディレクトリが、見つかります。以降の説明の前に予め内容を把握しておいてください。

  5. インストール
  6. インストールの前に、元となる MAKE HUMAN α5 をインストールしておいてください。但し、本プラグインは、単に MakeHuman data ディレクトリ内のデータのみ利用しますので、インストールしなくても、解凍だけして、その中の data ディレクトリのみ任意の場所に保管しても構いません。
    そして、その data ディレクトリ内の直下に、本プラグインの配布物を解凍して、その中の data ディレクトリ内のファイルをコピーしておきます。
    MacOSX の場合は、 Finder では、この中身が簡単に見れない点と、このプラグインの初期設定での、 MAKE HUMAN α5 のインストール先へのパスを設定することが出来ないようなので、 Finder Makehuman を選択して、パッケージの中身を表示をクリックして、中を手繰って、 data ディレクトリを見付けて、その中身を適当な場所にコピーして、そこをインストール先とみなして上記のコピーを行うようにしてください。
    次に、本体のインストールは Windows では、32ビット版の場合は、 make_human.dll を、64ビット版の場合は、 make_human64.dll を、 Mac OSX の場合は、 make_human.shdplugin Shade plugins フォルダかその下のフォルダにコピーしてください。
    Shade を起動して、表示メニュー Make Human_a5 があれば、インストールは成功です。
    このメニューを選択すると、以下のようなウインドウが現れます。この画像は、Windowsの例ですが、 MacOSX も同様なウインドウが現れます。

    ウインドウの右上の×ボタンを押すか、表示メニューMake Human a5を再度クリックすると、ウインドウは閉じられます。利用したいときに開いて使用してください。

  7. 使用方法
  8. 4.1.MakeHuman パスの指定

    まず前準備として、最初に、MakeHuman α5 のパスを設定します。ウインドウの右上の MakeHuman パスボタンを押してください。以下のようなダイアログが現れますのでその中の browse ボタンを押します。すると Shade のパス指定ダイアログが現れますので、 MakeHuman をインストールしているディレクトリを探して OK を押してください。ダイアログの path の右部分にディレクトリパスが設定されます。ここで OK を押すと、 MakeHuman α5のウインドウの上部にパスが表示されれば、設定は完了です。不正なパスを設定すると、パスは表示されません。指定するパスは、data ディレクトリの親のディレクトリです!

    パスが表示されました。

    ここまで済めば、これ以降は、 Shade を起動するだけで、Make Human α5が利用できるようになります。

    4.2.新規ボタンによる新規形状生成

    上の図の左上の新規ボタンを押してみてください。それなりの時間が掛かりますが、多少我慢してください。最初は結構長い時間ですが、 Windows の場合(Mac OSXの場合は、分かりません。)何度か使っている内に早くなります。新規ボタンが押されたままの状態がちょっと続き、ボタンが戻っても後ちょっと我慢してください。画面が下のようになったらMakeHuma_part内にジョイントを含め人体モデル一式が出来上がります。
    この人体モデルは、最上位のMakeHuman_partに共通の表面材質が設定され、必要なポリゴン形状には、既にスキンが掛かっています。

    この例は、 shade.cnt 内で、view_edgesという指定をした場合です。稜線が表示されてます。もし、この指定を外すと、稜線が、隠されます。この場合、要素マークがインストールされていれば、大まかな輪郭線主要パーツの輪郭のマークされて、それが強調されます。
    一旦、人体モデルが出来ると、Make Human α5のウインドウ内のスライダーを動かす事で、体型や、キャラクタ設定が自由に出来るようになります。同時に何時でもジョイントによるポーズ付けが可能ですので、ポーズした状態での見栄えを確認しながら体型を変化させることも出来ます。また、表面材質も自由に設定できます。:但し、 Shade 10 及び 11 では、人体モデルを生成した直後では、ジョイントの操作と図形ウインドウの描画が、同期しません。この辺の詳細と対策は、その他の事項を参考にして下さい。
    そのシーンを保存して、再度読み込むと、人体モデルは、単なるポリゴン形状になってしまい、スライダーによる変形は、出来なくなります。もし、途中で中断し、再度その時点から再開したい場合は、後述する保存ボタンを利用します。
    もし、これでモーフは完了で、出来れば続けて形状自体に手を入れたいときは、ウインドウの右の方にある、完了ボタンを押してください。そうすれば、人体モデルは、ただの Shade 形状になります。
    新規ボタンは、何時でも何処でも押す事が出来ます。押された時点で、選択されている部分の直下(空のパートの場合はその中)に新規にモーフ可能な人体モデルを作ります。その時点で既に人体モデルが作られていると、既存の人体モデルは、単なるポリゴン形状になり、以降モーフは出来なくなります。ただ、変な場所で新規ボタンを押すと、その直下に人体モデルを作りますので注意してください。
    人体モデルに対しては、 MakeHuman_part 内のどの形状の削除も、形状内の頂点の削除もしないでください。モーフさせると Shade クラッシュします!!

    4.3.スライダーによるモーフ

    モーフ変形は、上部の5つの基本パラメーター設定用のスライダーと、6つのタブメニューで項目を選らび、そのサブメニューをポップアップで選ぶと現れる下側のスライダーで行います。
    まず、基本パラメーターで目的のキャラクタ設定をしておいてください。
    そして、タブでモーフ対象を選び、その中のメニューをポップアップから選びます。
    暫くすると次のようなスライダが現れます。

    これ以降は、これらのスライダーを動かすことで、人体モデルが、タイトルに相当する変形をします。 モーフする毎に MakeHuman α5 のウインドウの3行目に表示されているキャラクタの各種サイズが更新されます。単位は全て mm です。(但し、頭身だけは、です。)
    スライダーは、 Shade 標準のスライダーの機能を拡張したものになってます。通常の使い方は、つまみ部分をマウスでドラッグするだけですが、それ以外に
    数値表示部に直接数値を入力することが出来ます。
    ボタンとボタンで、そのスライダーの最小変化量分増減します。
    Rボタンを押すとスライダーがリセットされます。
    スライダーは、ドラッグ中もその位置に同期して人体モデルをモーフさせます。

    もし、モーフ時に Shade 編集モードで且つ頂点編集モードにしてあると、下の図のように、変化する頂点だけが選択 された状態になります。

    この機能を使えば、そのスライダーでどの部分がどの範囲で変化しているのかが把握しやすくなります。

    4.4.単機能ボタンの説明

    ここでは、 MakeHuman α5 ウインドウ上の幾つかのボタンの内単機能なものの説明を行います。

    4.5.開くボタン

    本家の MAKE HUMAN と互換性のあるモーフデータファイル( mhm 拡張子のファイル)を読み込み、指定のモーフを人体モデルに設定します。
    ボタンを押すとそのシステム固有のファイル指定ダイアログが現れます。そこで mhm ファイルを指定して OK を押してください。多少時間は掛かりますが、最終的に形状がモーフします。必要最小限のデータしかロードしませんので思ったほど時間は掛かりません。
    モーフデータファイルは、各種パラメータの値と部位の詳細なモーフ設定を示す全てのターゲットファイルとその変化量の一覧をテキスト形式で記述したものです。中身は、メモ帳のようなテキスト編集ソフトで眺めることも編集することも出来るものです。
    特徴は、既に人体モデルが、作ってある場合、その形状に対してモーフを掛けますが、まだ人体モデルを作ってないときは、新規に人体モデルを作って、それにモーフを掛ける点です。つまり、以前保存していたモーフデータファイルがあれば、最初開くボタンを押してファイルを指定するだけで、以前の状態を再現できます。あるキャラクタを練り上げるような場合、この使い方の方が便利です。
    さらに、本家と異なる付加的機能として、モーフデータファイルと同じ名前+ポリゴン形状名の表面材質ファイルがあれば、同時に読み込み設定する点と、同じ名前のUVファイル( .suv ファイル)があれば、パラメータUVに設定します。ですので、表面材質で、イメージのUVをUVに指定して保存すれば、オリジナルのUVを設定できます。
    さらに、同じ名前のモーションファイル( .shdmtn ファイルでも .xmlshdmtn ファイルのいずれでも構いません。)があれば、それも読み込み人体モデルにポーズ付けまでします。つまりシーンファイルを保存し、再度読み込むという手順の代わりに、モーフデータファイルの保存と再読み込みの繰り返しという手法も使えるようになります。

    4.6.保存ボタン

    本家の MAKE HUMAN と互換性のあるモーフデータファイル( .mhm 拡張子のファイル)を保存します。
    ボタンを押すとそのシステム固有のファイル指定ダイアログが現れるのでファイル名を指定して OK を押して下さい。その時点で人体モデルに設定されているモーフ情報をモーフデータファイルとして保存します。
    本家と比べて拡張されている点は、もし、ユーザが MakeHuman_part 内の主要なポリゴン形状にオリジナルの表面材質を指定している場合、それらを Shade 表面材質ファイルとして保存します。この命名規則は、上記開くボタンと同じ規則ですので、ここで保存したファイルは、全て開くボタンで読み込まれます。
    さらに、機能上はモーションファイルも自動で保存できますが、現時点では、 Shade の不具合のため、実行は抑制しています。この辺の付加的機能は、Make Human 制御ファイルを参照して下さい。ただ、マニュアルで、モーションウインドウを開いて、モーフデータファイルと同じ名前のモーションファイルを保存すれば、開くボタンで自動で読み込まれます。
    注:現時点では、自分で設定した UV を自動で、UVファイルとして、保存しません。各自マニュアルでプラグインを実行して保存してください。

    4.7. target作成ボタン

    このボタンで、オリジナルの target ファイルを作れます。出来た .targt ファイルは、 MAKE HUMAN のシステムの targets ディレクトリー下に additions というディレクトリーを作り、その中に保管すれば、次回の Shade の起動から、追加頭部追加胴部のタブ内にメニューが現れるようになります。ファイル名は、部位名+"-"+機能名.targetのように付けてください。部位名によってどちらのタブに現れるか判定され、ポップアップメニューに部位名、スライダー名に機能名として現れ、利用可能になります。
    作成の方法は、編集モード頂点編集モードの場合とそうでない場合で異なります。通常モードの場合、その時点の頂点の実際の位置と、本来の位置が異なる全ての頂点の変化量が保存されます。編集モード頂点編集モードの場合は、選択された頂点の中で本来の位置と異なる頂点のみが保存されます。

    4.8.モーフ機能概要

    ここでは、まず基本パラメータとなる、5つのスライダーに付いて、そしてその次に、その下の各タブ毎の説明、各ポップアップメニュー毎及びその下のスライダーの説明をします。但し、その量が膨大な点と、実際に動かしてみれば分かる点から説明は、最低限に留めています。 各自自分で動かして理解してください。

    1. 基本パラメータ
      5つのスライダーでまず、目的の人体モデルの基本的特徴を決めます。項目の説明は、一々不要でしょう。初期状態は、中肉中背の中性的人体です。面白い点は、筋肉質型脂肪質型の切り替えと痩せ型太り型を個別に指定するパラメータがあることです。この組み合わせで、ひ弱な脂肪質とか、筋肉隆々のマッチョなどが作れます。最後の身長の小柄、大柄の設定は、背の高さを変えますが、どちらかというと、脚の長さの比を変えます。小柄にすると、胴長短足になります。単に大きさを変えたいのなら、均等拡大縮小ジョイント scale で行ってください。年齢は、中心値が、25歳という一番張りのある人体設定で、左方向で幼くなっていきます。 0.0 で大体10歳児位です。右に方向で年をとり、 1.0 で大体80歳位です。但し、スライダーの値と年齢は比例していません。人は、年齢を重ねるにつれ、変化量が大きく変化します。

    2. 人種タブ
      このタブでは、人体モデルの基本体型を人種タイプで指定します。ポップアップのメニューで、アフリカ(africa)、アジア(asia)、ヨーロッパ(europe)を選ぶと、その大陸内の人種がスライダー名で現れます。そのスライダーを動かすとその人種の特徴的体型になります。このモーフは、スライダー値(重み)で混合されますので、混ぜ合わせることが出来ます。但し、全体で 1.0 以上には出来ません。スライダーがそこで止まります。 MAKE HUMAN では、仮想的にどの人種にも属さない nuetral という人種があり、他の人種の重みが 1.0 にならない場合、残りをこの nuetral が分担します。もし、全ての人種の重みが、 0.0 ならば、 nuetral の重みが、 1.0 になります。

      :本家の MAKE HUMAN α5では、この人種指定機能は、隠されました。 確認した結果、将来現在の仕様からそれ相当に変更される可能性がある為、一時利用不可にしているそうです。 現時点で、まだラインナップが殆ど揃ってない状態ですし、あまり利用しない方がいいでしょう。

    3. 主変形タブ
      このタブでは、人体の主要部位の大まかな変形を指定します。現在この部分が、本家の MAKE HUMAN α5で、 MicHelangelo tool(TM) として拡張されていく予定のようですので、リリース毎に一番影響されやすい部分のようです。ここでのポップアップメニューの特徴は、一番上にあるツールです。(この部分が、将来大きく拡張される可能性がありそうです。

      このメニューでツールを選ぶと、最初だけはスライダーが現れるまでに結構時間が掛かります。ここのモーフデータが膨大だからです。そういうもんだと納得してください。最終的に図の右のようなスライダーが表れます。これらのスライダーによる変形は、基本パラメータの指定と連動してます。また、スライダーが部位名の場合、そのスライダーを動かすにつれ、いろんなタイプが次々に現れながら変形していきます。特にの形が、全体で30種類あります。この部分は、なるべく少ない(14種類)アイテムだけで多様な表現が出来るメリットがありますが、結構癖のある変形で、好みが分かれます。 自分の好みが見つからなければ、敢えて使わず、従来型のメニューの変形で実現する方がいいでしょう。(まだまで、未完成といったところですか?)
      別のポップアップメニューを選ぶと、スライダーは、以下のようなラインナップになります。下の例は、一番種類が豊富な場合です。見て分かるように、上半分が、上下左右奥行き方向の拡大縮小移動、下半分が、基本パラメータの項目に準じたその部位での変化を与えます。同時に左右それぞれ個別に指定できる場合があります。この詳細な設定によって、結構細かい設定が、出来ます。このラインナップは、各部位毎に必要に応じて項目が省略される場合があります。だた、懸念材料は、主変形でのモーフは、 MicHelangelo tool(TM) による変形が主体になり、場合によっては、部位の変形は、削減される可能性がある点です。


    4. 頭部タブ胴部タブ四肢タブ
      これらのタブは、人体の細かい部位の変形を指定します。部位のラインナップが多すぎて、1つのポップアップにすると使いづらいので分けています。各メニューの中身をご覧ください

      メニューで部位を選択して現れるスライダーの項目は、主変形ツール以外を選んだときのスライダーの項目と同じです。周辺が多いのが一目瞭然です。目...という部分は、目周辺まで含んで結構広い範囲をモーフします。例えば、目中央上部は、を含めてモーフします。それに比較して、..瞼...の部分は、よりの周辺だけをモーフします。モーフさせるとき両方の調整バランスを考慮するのが大事です。同様にも結構複雑です。といってもこの辺に凝る人はあまり無いと思いますが・・・

    5. 追加頭部タブ追加胴部タブ
      これらのタブは、ユーザオリジナルtargetファイル用のメニュー部分です。現時点では、追加頭部 eyes というメニューがあり、その中に scale という眼球の大きさを変化させるスライダーだけがあります。これは、使ってみて必要性にかられたので用意しました。興味があれば、ご自分でオリジナルな変形を作ってみてください。

    4.9.Make Human 制御ファイル

    本プラグインには、内部的に幾つかの設定を持っています。これらは、実行時にダイアログで確認してもいいのですが、むしろ設定したら固定して使うようなものが多いので、 MakeHuman パスで指定した data ディレクトリ内に置いた shade.cnt というテキストファイル内に記述する事で指定するようにしました。ですので、各自の好みの指定をこのファイルに記述して、保存して利用願います。以下が一覧です。

  9. その他の事項
  10. サンプル説明
  11. 御使用にあたって
  12. 作者情報
  13. 改版履歴