ソフトの概要 |
EPMAのカラーマッピングを、濃度に対応したグレースケール画像に変換する |
作者への問い合わせ先 |
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ソフト本体以外に必要なファイル |
なし |
使用料 |
フリーウエア(無料) |
epmaclrbw.exe
copyright (c) K.Kakegawa, 2010
カラー表示のEPMA画像から、グレースケール表示の温度マップ図に変換するソフト。
下の図は、ケイ素板上にゲルマニウム塊を置き、ゲルマニウムの融点以上に昇温した後、冷却した試料の断面のEPMA像である。赤い部分がケイ素板である。溶融したゲルマニウムはケイ素板上で水滴状となる。その下のケイ素は溶融ゲルマニウムに溶解し、浸食される。溶融ゲルマニウムにはケイ素が溶けている。これを冷却すると、先ず、ケイ素濃度の高い固体(ケイ素とゲルマニウムの固溶体)が析出し、順次ケイ素濃度が低い固体の析出へと変わっていく。画像では、液滴状ゲルマニウム内にケイ素濃度の高いところから低いところまで順次析出している様子が観察される。
このような図を、カラーのまま論文投稿し、白黒印刷されると下のような画像になる。
ケイ素板よりゲルマニウム液滴の方が明るい。すなわち、ゲルマニウム液滴の方が純粋のケイ素よりケイ素濃度が高いという矛盾した画像となる。右側の濃度バーを見てみよう。下の方は確かに上に行くほど明るくなって、濃度が高くなっていることを正しく表している。しかし、濃度の高い部分では、次第に暗くなっている。すなわち、この画像の明度は濃度を表していないのである。濃度マップ図としては意味のない図になる。したがって、EPMAのカラー画像をそのまま白黒印刷される論文として投稿してはいけないのである。
EMPAのカラー画像を分析した結果、青い部分は濃度が明度順になっていることがわかった。それより上では、緑→黄色→赤と色相順になっていることも判明した。そこで、カラーを青系の部分とその他に分けた。青系の部分は輝度順に明度を割り当てた。また、緑から赤の色相部分は、色相の位相順に続きの明度を割り当てた。そのようにしてできたプログラムは、本プログラム、epmaclrbw.exeである。EPMAのcolorからblack & white画像に変換する意味でこのプログラム名とした。本プログラムを用いて、白黒画像(グレースケール)にしたものを下に示す。
ケイ素板の部分が最も明るく、ケイ素濃度が最高に高いことを忠実に表している。また、ゲルマニウム液滴内でも、ケイ素濃度の高い固体から、順次低い固体が析出した様子も忠実に表されている。
使用法
[1] 変換元ファイルと、このソフトファイルepmaclrbw.exeを同じフォルダーにコピー。
変換元のカラー画像はフルカラー(24bitモード)のbmpファイルとする。
[2] コマンドプロンプト(注)画面にて、
epmaclrbw <変換元ファイル名(bmpファイル)> <出力ファイル名(bmpファイル)>
と入力。
(例)epmaclrbw in.bmp out.bmp
これにて、グレースケールに変換されたout.bmpが作成される。すでに存在する場合は上書きされる。
(注)スタート→ファイル名を指定して実行で現れるウインドウの名前の部分にcommandとタイプし、OKボタンを押す。
または、本プログラムに添付されているmsdos.batファイルをダブルクリックする。(開かれたコマンドプロンプトウインドウを閉じるには、exitとタイプし、ENTERキーを押す。Xボタンを押して終了しても問題はないが、エラーメッセージに対して「すぐに終了」のボタンを押す必要がある)
9/24/2010 作成 掛川一幸