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エフェクタのパラメータ

タイムストレッチ
( 1) WINDOW
 音声波形データのオーバーラップ加算を行うサンプル期間の基本単位です。 値を小さくすると、低域が出にくくなったり、音程が化けやすくなります。 値を大きくすると、低速再生時は例えばドラムのようなアタックの強い音が複数回聞こえる傾向が強くなり、高速再生時はドラムの音が時折欠ける傾向が強くなります。
( 2) SPEED
 再生速度です。 再生速度設定スライダーと連動します。 したがって、タイムストレッチが OFF の場合でも操作を受け付けますが、その場合は再生速度を変えると音程も変わります。

ピッチシフト
( 1) WINDOW 1
 音声波形データのオーバーラップ加算を行うサンプル期間の基本単位です。 特性はタイムストレッチのものと同じです。
( 2) PITCH 1
 半音単位で音程を上下します。最大±1オクターブまで上下することができます。
 画像ウィンドウに表示するオクターブ数を8オクターブ以上とすることにより出現する「ピッチ設定スライダー」と連動します。
( 3) WINDOW 2
 本システムはピッチシフトを2つ備えており、それらの音声を混合して出力することができます。 これは2つ目のウィンドウサイズを設定します。 特性は WINDOW 1 と同じです。
( 4) PITCH 2
 2つ目の音程を上下します。機能は PITCH 1 と同じです。 PITCH 1 と異なる値を設定して混合出力することにより、ボイスチェンジャのような効果を得ることができます。
 なお、画像ウィンドウに表示するオクターブ数を8オクターブ以上とすることにより出現する「ピッチ設定スライダー」を動かすことにより、 本パラメータの値は自動的に0となります。
( 5) 2 RATIO
 PITCH 1 と PITCH 2 の混合比率を設定します。 0で PITCH 1 の割合が 100%、100 で PITCH 2 の割合が 100% になります。 PITCH 1 と PITCH 2 を異なる値とし、混合比率を 50% 前後とすることにより、ボイスチェンジャのような効果を得ることができます。
 なお、画像ウィンドウに表示するオクターブ数を8オクターブ以上とすることにより出現する「ピッチ設定スライダー」を動かすことにより、 本パラメータの値は自動的に0となります。

トーンコントロール
( 1) LOW WIDTH
 移動平均フィルタの前回値の割合です。 値が大きいほど、帯域が狭くなります。
( 2) LOW DEPTH
 低域成分の利得です。 本来なら "LOW GAIN" という名称にするべきなのかもしれませんが、帯域の方で "WIDTH" という表現を使ったため、このような名称になりました。
( 3) LOW STEREO
 低域成分のステレオ成分の利得です。 0 より小さくしていくと、モノラルに近づいていきます。逆に 0 より大きくしていくと、ステレオ成分が強調されていき、全体の音量が上がる傾向になります。
( 4) MID DEPTH
 中域成分の利得です。 中域成分とは、全域分から低域成分と高域成分を引いた成分です。 したがって、中域成分の帯域幅は LOW WIDTH と HIGH WIDTH によって決定されるため、"MID WIDTH" というパラメータは存在しません。
( 5) MID STEREO
 中域成分のステレオ成分の利得です。 この帯域のステレオ成分を強調することにより、ボーカルを除去してカラオケのような再生を行うことができます。
( 6) HIGH WIDTH
 移動平均フィルタの前回値の割合です。 値が大きいほど、帯域が狭くなります。
( 7) HIGH DEPTH
 高域成分の利得です。 これも LOW DEPTH と同様の理由でこのような名称になりました。
( 8) HIGH STEREO
 高域成分のステレオ成分の利得です。

コーラス
( 1) DELAY TIME
 0 にするとフランジャーのような「うねり」が発生するので、通常は原音に対して十数 ms 程度遅らせます。 逆に、これを 0 にすることで、フランジャーのような効果を少しだけ得ることができます。
( 2) DEPTH
 ビブラートで音声周波数を上げ下げする幅です。 1000‰ で DC〜1オクターブ上まで変化しますが、本ソフトでは 100‰ まで設定できるようになっています。 0 に近い設定にすると、フランジャーのような効果を少しだけ得ることができます。
( 3) LFO FREQ
 ビブラートの周波数です。 単位に注意してください。 例えば 40 に設定すると 4Hz となります。
( 4) LFO PHASE
 右チャネルのビブラートの位相を、左チャネルに対してどれくらい進めるかを設定します。 左右のビブラートの位相をずらすことによりステレオ感が向上し、特にモノラルソースの疑似ステレオ化に効果的です。
( 5) LPF
 移動平均型のローパスフィルタです。 倍音を多く含んだ音を再生する際、高域が聞き苦しい場合は高めに設定します。
( 6) HPF
 移動平均型のハイパスフィルタです。 音声波形の振幅が飽和して音が割れる場合は、低めに設定することで改善される場合があります。
( 7) WET RATIO
 原音(ドライ音)と、ビブラートをかけた音(ウェット音)の混合比率です。 値が大きいほど、ウェット音の割合が大きくなります。

ディレイおよびリバーブ
( 1) DELAY TAP
 本ソフトのリバーブ処理はマルチタップ・ディレイによって実現しているので、このパラメータはリバーブにのみ存在します。 コムフィルター効果やディレイのような脈動感を抑えるにはタップ数を増やした方がいいのですが、 あまり増やしすぎると処理が重くなったり、音声波形の振幅が飽和しやすく(つまり音が割れやすく)なります。
( 2) DELAY TIME
 リバーブでは、最もディレイタイムが短いディレイタップのディレイタイムを設定します。 その他のディレイタップのディレイタイムは、ここで設定した値の2のn乗根倍になります。 nはディレイタップの番号です。
 ディレイでは長めに、リバーブでは短めに設定しますが、リバーブにおいてあまり短くし過ぎるとコムフィルター効果が現れやすくなります。 逆に長くし過ぎるとディレイのような脈動感が大きくなったり、音声波形の振幅が飽和しやすくなったりします。
( 3) FEEDBACK
 リバーブでは DELAY TIME がディレイより短い分、FEEDBACK を大きめに設定します。 リバーブにおいてあまり大きくし過ぎると音声波形の振幅が飽和しやすくなります。
( 4) LPF
 移動平均型のローパスフィルタです。 倍音を多く含んだ音を再生する際、高域が聞き苦しい場合は高めに設定します。
( 5) HPF
 移動平均型のハイパスフィルタです。 音声波形の振幅が飽和して音が割れる場合は、低めに設定することで改善される場合があります。
( 6) PANNING
 左チャネルの残響音の出力を、右チャネルに対して DELAY TIME の何パーセントの割合で先行させるかを設定します。 左右の残響音の出力タイミングをずらすことによりステレオ感が向上し、特にモノラルソースの疑似ステレオ化に効果的です。
( 7) COMP GAIN
 本ソフトのディレイおよびリバーブ処理では音声信号処理を 32 ビットの整数値で行っていますが、最終的に 16 ビットに落とし込む時に振幅が飽和する可能性があります。 そこで 16 ビット値に変換する前に振幅を小さくする必要があるわけですが、ただリニアに減衰させただけでは音量が小さくなってしまいます。 そこで本ソフトでは、音声信号を減衰させる利得にサインカーブの特性を持たせ、振幅の大きい値ほど減衰率が大きくなるように“圧縮”しています。 こうすると、振幅が元から小さい部分は音量がそれ以上小さくはならず、振幅が大きかった部分は飽和しない程度に減衰させることができます。
 減衰率を大きく設定するほど、16 ビット値に変換する際の振幅の飽和は起きにくくなりますが、 あまり大きくし過ぎると、ここでの圧縮処理において振幅のリミッタが働き、飽和した場合と同様に波形がつぶれてしまいます。
( 8) WET RATIO
 原音(ドライ音)と、残響音(ウェット音)の混合比率です。 値が大きいほど、ウェット音の割合が大きくなります。




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