幻想世界神話辞典 〜
文化地域項目〜
大項目〜
リンク集〜
掲示板
〜
辞典TOP〜
星、星座 >>関連項目一覧太古から、人間にとって星の存在は重要であったようだ。世界各地の神話、伝承でも数多く語られている。近年のインターネット検索では、星座というと聖闘士星矢がらみの件数が非常に多いようだが、星座にまつわる物語というのは非常にロマンにあふれるもののようだ。 現代でこそ星座というとヨーロッパのものを考えがちだが、日本古来の星、星座名も当然あり、中国の星、星座名にも影響を受けている。また現在の北半球の星座の多くも古代西アジアで考えられたものがヘレネス(ギリシャ)に取り入れられたものだという。 太平洋、オセアニアのトレス海峡諸島マビオグでの星、星座名は「バイダム(サメの意)」「ウミガメの気管支」「コバンイタダキの頭」「マングローブ蟹」「ホラガイ」等で、生活環境が強く反映している。 またアンデスの先住民族ではハチドリ、狐、リャマ、コンドルなどの星座があり、これらはナスカの地上絵の動物と一致するらしい。アンデスの先住民族は天の川から雨が降ると考えていて、地上絵は雨乞いと関係しているのではないかという説があるようだ。 この項目では各文化圏地域での星、星座名の比較をしていきたい。 →5つの惑星、太陽、月 太陽 サンSun:英語(O.E. sunne, from P.Gmc. *sunnon (cf. O.N., O.S., O.H.G. sunna, M.Du. sonne, Du. zon, Ger. Sonne, Goth. sunno) 太陽:漢語、中国 ヒ(日)、おひさま:日本 おてんとうさま(お天道さま):日本 テダ:沖縄 チュプchup:アイヌ seqineq:イヌイット(西グリーンランド) ネー:ミャンマー トゥワレ:インドネシア東部セラム島ヴェマーレ民族(太陽=神) シャメシュ:ヘブライ(ユダヤ、イスラエル) オブウン (太陽の意味 バレッセ語 アフリカ:コンゴ:イツーリ地域) インティ:インカ →日食(日蝕) 月 ムーンMoon:英語 ブルームーンbule moon:長い間。ありえないもの。暦上ひと月に2回満月があること。青く見える月。 ツキ(月):日本 玄兎(げんと):日本(中国?) 月の異称 太陰(たいいん):中国 チュプchup:アイヌ aningâq,aningâk:イヌイット(西グリーンランド)qâumatとも(空の月、暦の月の両方の意味) ラ:ミャンマー チャンドラ:インド:神 ラビエ:インドネシア東部セラム島ヴェマーレ民族(月=女神) シナリ:ソロモン諸島マライタ島ラウ民族 バールー:アボリジニ:男神 ママキーヤ:インカ:女神 金星 アカボシ(赤星、明星)[明けの明星]、ゆうつづ、ゆうづつ(長庚、夕星)[宵の明星]:日本 マラトムトム:ニューギニア 「太陽の母」:アボリジニ
マヤでは金星は凶運の担い手とみられていたという。 木星 太歳(タイソェ):中国 あかほし(明星):日本 「太陽打ち」(女性名詞):アボリジニ 北斗七星(大熊座) タクトゥルジュク:イヌイット:カリブーの意 :ロシア:ひしゃく(大干ばつの時、親孝行な娘が病気の母に水をくもうと遠くまで取りに行った時のひしゃく) 棺と泣き女:古代アラビア(口が四角が棺、柄の3つの星が「泣き女」柄の最後の星ベネトナーシュ(泣き女の長、の意)) ワ・エオ・アン・ジュムール:マーシャル諸島(ジュムール神の舟) クンナ・シン・チュー:ミャンマー(わに) フナボシ:日本 カジボシ:日本 カギボシ:日本 四三の星(シソウノホシ):日本 帝車:中国 :モンゴル:英雄神ゲセルの金杯を天に投げつけたもの :ブリテン(イギリス):アーサー王の車 :ヘレネス(ギリシャ):熊 :北米イロクォイ民族:口を熊、柄の3つは熊を追う猟人。一年中追われ秋に地平線にぶつかり追いつかれ殺され、紅葉はこの熊の血で染められるのだと言う 3人のまんなかのアルコールはナベをもって追っかけていて捕まえないうちからナベでにて食べようと思っている。 :エウシュカルドゥナック(バスク、フランス):口は2匹の牛盗んだ2人の泥棒、大男、犬を連れた妻(アルコール)、旦那が追いかける :韓国:口はいびつな家 建てた大工を親父ナタをふりあげ、息子と追いかけてる 北極星 ヌートイトック:イヌイット:動かぬ星の意 ふたご座(双児座、ジェミニ) ふたご:カストル、ポルックス かに座(蟹座、キャンサーCancer) カニ:ギリシャ ヘラクレスがヒドラと戦った時、ヘラが応援に遣わしたが踏み潰されたカニ。 4等星までの星しかない星座だがプレセペ星団がある。プレセペは「飼葉(かいば)桶」の意。 プレセペ星団は、中国では積尸気(せきしき、積上げられた死体からのぼる燐気)といわれる。 乙女座(おとめ座、バルゴVirgo) 女神:ヘレネス(ギリシャ) 正義の女神アストライアー、または豊穣の女神デーメーテール この星座の1等星スピカSpicaは「麦の穂」の意。 スピカは日本では「しんじゅ星」(純白の美しい光をなげていることから) 獅子座(しし座、レオ) ネメアの人食い獅子:ギリシャ ヘラクレスが12の試練で倒したライオン。 一等星の「レグルス Regulus」はラテン語で「小さい王」の意。1559年の記録がみられる。 天秤座(てんびん座、ライブラ) てんびん:ギリシャ 乙女座(バルゴ)の女神が死者の心臓と羽のペンを比べ善悪を裁く天秤 てんびん:メソポタミア 死の天秤 さそり座(蠍座、スコーピオンScorpius) さそり:ヘレネス(ギリシャ) オリオンを刺し殺したさそり 釣り針:マウイ(神人マウイがアテオアロア(ニュージーランド)の島々を釣り上げた釣り針が勢いあまって天にかかっている) ウオツリボシ:日本 青龍:中国 ジュムール:マーシャル諸島(ジェプロ(すばる)と仲たがいし一緒の空にでないという) 甲虫:タヒチ(アンタレスに関して 天にのぼった甲虫で赤い斑点がひかっていると) 大火:中国(アンタレスのこと) アカボシ赤星、明星(アンタレス):日本 「大腹」(アンタレス):アボリジニ ツチボタルはこの星から光を手に入れたという。 アーヌエ・クエ:ミャンマー(白い吐息)※銀河の1、2か所 1等星の赤く光るアンタレスAntaresはアンチ・アレス(アレス神、火星の敵)の意味 射手座(いて座、サジタリアス、サジタリウスSagittarius) ケンタウルスの賢者ケイロン:ギリシャ 南斗六星:中国 生きることを司るという 南十字星 ヤラアーンドゥー:アボリジニ ダーエン民族(4っつの目) ※ふたつは死の精霊ヨウィー、ふたつは死ぬべき最初の人のもの。 :ミャンマー:漁師の網 オリオン座 オリオン(狩人):ヘレネス(ギリシャ) オシリス神:古代エジプト レイチュー:ミャンマー マゥンインサンイダン:ミャンマー(オリオン座の3つ星、天秤を担いだ少年) ベライ・ベライ:アボリジニ:オリオン座の剣帯(3つ星)と剣 若者たち プレアデス星団、昴(すばる) プレアデス:ヘレネス(ギリシャ):7人の姉妹 クリッティカー:インド:カルティッケーヤー神の語源 メイヤーメーイ:アボリジニ:7姉妹 スバル:日本 昴宿:中国:二十八宿のひとつ(下記参照) ビンタン・プルプル:北ボルネオ・ビヤサウ民族(ビンタンは星、プルプルはたくさん たくさんの星の意) ビンタン・ポヨポヨ:北ボルネオ・ビヤサウ民族 ダーオ・ルーク・ガイ:タイ(ひよこ星の意 7羽のひよこを空にあげ星にしたという) :ミャンマー(7羽(6羽)のひよこ) ジェプロ:マーシャル諸島(ジュムール(さそり座)と仲たがいし一緒の空にでないという) バタン星:アボリジニ、西オーストラリア? ペルセウス座 β星 恒星アルゴル アルゴルの名はアラビア起源でラス・アル・グル(デーモンの頭の意) (ペルセウス座の、メデューサの首にあたる) ※アルコールと語源同じ リリス:ヘブライの占星術師たちに呼ばれた名 ロシュ・ハ・サタン(サタンの頭):ヨーロッパでもリリスとしてみるときに呼ぶ カプト・ラールウァエ(幽霊の頭の意):ヨーロッパ ツァイ・シー(積尸、積上げられた死体の意):中国 カシオペヤ座 王妃カシオペア:ギリシャ(ヘレネス) アンドロメダの母 いかり(錨)星、やまがた星:W形の星の並びから エリダヌス座(各文化圏で川にみたてられた星座になっている) エリダヌス川:ギリシャ(ヘレネス) ユーフラテス川:バビロニア ナイル川:エジプト ポー川:フランス ※エリダヌス川は、アポロンの太陽の馬車を走らせた息子のパイトーンが、馬車を制御できず天を焼くので、ゼウスが雷で撃って落とした伝説上の川 シリウス 海の水を量るもの、カクシ[サ]星:バビロニア ソティス:エジプト:女神 ティシュトリヤ:イラン:神 「鷲(ワシ)」:アボリジニ カノープス(老人星) 「カラス」:アボリジニ こと座、琴座 ライラLyra、リラ the Lyre ヘレネス(ギリシャ):アポロン神がオルフェフスに与えた黄金の竪琴 天の川とかかわるもの →天の川・七夕伝説 ベガ・アルタイル(こと座も参照) ベガ(落ちる鷲、の意)、アルタイル(とぶ鷲、の意):ヘレネス(ギリシャ) 織女、牽牛:中国 おりひめ、彦星:日本 ベガはこと座の1等星。アルタイルはわし座の1等星。 ブンジュプ(天の川の暗黒部 馬に似た動物):アボリジニ
クラーテル(クラテリス) *コップ座 プトレマイオスの48星座のひとつ。 現在の星座と一致が不明な星座 ムシュケシュダ星(竜座):バビロニア 黄道二十八宿(インド・ミャンマー・カンボジアにも同様の27、28宿の星座) 角・亢・氏・房・心・尾・箕・斗・牛・女・虚・危・室・壁・奎・婁・胃・昴・畢・觜・參・井・鬼・柳・星・張・翼・軫 黄道12星座(ゾディアック・ベルト) アリエス・タウラス・ジェミニ・キャンサー・レオ・バルゴ・ライブラ・スコーピオン・サジタリアス・カプリコーン・アクエリアス・ビスケス ミャンマーの9主要星座(北天を中心にした) ビャイン(鷺)、チェー(カラス)、ヒンダ(天竺鴛鴦)、パズン(蟹)、チェーン(天秤)、ダジン(髪飾り)、タンガ(漁師)、シン(象)、ミャイン(馬) 5つの惑星、太陽、月 古代ではシュメールなどで水星、金星、火星、木星、土星の5つの星は、他の星々と違い、輝きも強く、北天を中心に回るわけではなく、まったく違う軌跡をたどることに注目した。これは距離が近いし同じ恒星系に属するから当然なのだが、この5つの星は特別であると考え、シュメールでも特別に神々が支配すると考えた。バビロニアではその動きを「迷える羊」とたとえたようだ。「惑星」(惑う星)はこの天球上の見かけの動きのことで、プラネット(フランス語planete→ラテン語planeta→ギリシャ語planetai さまよう星の意) ・シュメールの場合 (太陽神シャマシュ) (月神シン(ナンナル)) 水星 ネボ 金星 イシュタル(イナンナ) 火星 ネルガル 木星 マルドゥック(ネビル) 土星 エヌルタ ・バビロニア 水星 雨を降らせるグド星 金星 火星 荒れ狂う火神(ギビル)、アン星 木星 万物に前兆をかかげるバッバル(白い星) 土星 真実と正義の星ゲナ星 土星は縁起のよい星 ・ローマの場合(考え方はシュメールのコピー) (太陽神アポロ) (月神) 水星 マーキュリー(メルクリウス) 金星 ヴィーナス() 火星 マーズ(マルス) 木星 ジュピター(ユピテル) 土星 サターン(サトゥルヌス) ・中国の場合(考え方はシュメールのコピー) (太陽神) (月神) 水星 辰星 金星 太白 火星 けい惑 木星 歳星 土星 鎮星 関連項目一覧
●このページのトップへ● (C) Copyright Masahiro Aibara |