幻想世界神話辞典 〜
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アスタルテ(アシュタロス) Astarte >>関連項目一覧または、アシュタロスAshtaroth、アナトAnat、アシラト、アシュトレト、アシュタルト、アシュタル。カナーン神話。ラス・シャムラ文献等にみられる女神であるが、西アジアにおいて他の民族、文化圏とも相互に様々な影響を与えたようだ。 グリモアの伝統の悪魔アスタロトAstarothと混同してはならないようだ。 士師記第2章13節にあるアシュトレトで、カナン人の女神。バールの妻であるアナトは「山の貴婦人」と呼ばれていた。名前は「摂理」「用心」との意ともされる。アナトのエルへの追従によってバ−ルは北の方角(※聖なる方角)のサフォン山に家をたてることを許された。アナトはまた「乙女」「処女」という称号ををもつ。攻撃的な女神でバールの敵対者を殺し、血の中を踏み渡りアクハトの弓を手に入れることを欲した。兜をかぶり戦闘の斧と槍をもった姿で描かれる。エジプトに入ったアナトはハトホル女神の雌牛の角が図像の一部になった。 「海の貴婦人」アシラトはヘブライのヤハウェにあたるエルの配偶者とされ、豊穣の女神の神格に限定されるらしい。またアラビアでの神格の変形にはバール神を追い出すのに失敗した「恐ろしい」神、アシュタルがあるという。 アスタルテは戦闘的な「天の女王」。ヘブライ人はシドンの女神として扱い、崇拝した。雄牛の角を身につけていて「馬と馬車の女主人」としての争いに勝利した。 ヤハウェが預言者エレミアに語ったという文章の内容から当時の信仰の断片がみえる。「子供は木を集め、父は木を燃やし、女はねり粉をこねている。天の女王のための菓子を作り、他の神々に対して飲み物の奉納物を注ぐために。この人たちは私の怒りを刺激する」「私が十分に食物を与え彼らを満たした時、彼らはそこで姦淫を行い、売春婦の家に群れをなして集まっている」等。 ミズパではヤハウェとアスタルテの神殿が実際に並んで建てられていたという。紀元前BC5世紀には、上エジプトにおいてヘブライ人の共同体で月の女神を神の配偶者とみなしていた。 (ミズパ「見張りの所」の意 創世記三一章43-55節) 関連項目一覧
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