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リュウグウノツカイ  竜宮之使 竜宮の使い りゅうぐうのつかい >>関連項目一覧


竜宮の遣い、とも。リュウグウノツカイは深海魚で、まれにしか姿がみられない。時化、海が荒れた後、浜辺にうちあげられたり、 網にかかったものがみられる。体は長く8m、10mになるとも。 まれにしか姿をみれないせいか、姿を現すと「地震の前触れ」との言い伝えもあるようだ。

この名前がいつから使われているか知りたいが、手近な資料ではわからなかった。
江戸時代の「異魚図賛」では1831年(天保2年)1月に筑前国志摩郡で採られたリュウグウノツカイが載っているが、 「漁人ノ曰ク(中略)其名ヲ知モノナシ」、明士に乞いたいと書かれている。
「竜宮」という語が物語などで一般化するようになるのは室町時代あたりであろうか。 (昔話「浦島太郎」に竜宮城の名称がみられるようになるのが室町時代)
「竜宮」自体は、中国の水中の竜王の宮、また漢訳仏典にもみられる語であるので、この名が古来の者でないのは確かだろう。

英語ではslender oarfish,oarfish、学名Regalecus russellii。
全世界に分布。海外でも珍しがられる。ヨーロッパ・欧米圏では伝説で語られる海蛇(シーサーペント)のもとになったのではないかといわれるようだ。

生物学的な説明としては、硬骨魚綱アカマンボウ目リュウグウノツカイ科に属する海水魚。 日本では太平洋側は鹿島灘以南、日本海側は青森県以南からまれに報告されている。 体はタチウオのように細長く、強く側扁していて、鱗はなく小さいいぼ状の突起が多数ある。頭の前端は垂直で、 頭のてっぺんから背びれが始まり体の後端に達する。背びれの前方の第一軟条から第六軟条は長く伸びる。 腹びれも糸状に伸びる。尾びれは糸状で小さく、臀(しり)びれはない。
体色は銀色で、背びれ、腹びれは赤い。本種の生態は明らかでないが、大洋の中層を泳いでいると思われる。 水深200m〜1000mに生息しているという。

まれにしか姿がみられないことから、「見ると幸せになれる」といった類の言い伝えが日本や世界各地にあるようだ。

2009年11月〜2010年2月頃まで、日本の日本海側で通常みられない頻度で発見された。 (富山県で定置網捕獲、海岸漂着など4匹、石川県で昨年11月以降、10数匹、京都や島根、長崎などでも発見)

参考資料
・日本大百科全書(小学館)
・大辞泉(JapanKnowledge)
・異魚図賛
・読売新聞


 
関連項目一覧
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地震 【大項目】
竜宮城 【日本、中国、仏教:竜王:異界】

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