幻想世界神話辞典 文化地域項目大項目リンク集掲示板辞典TOP

暦、月 カレンダー calendar,month >>関連項目一覧


世界各地で文明・文化があらわれた時、そのうち一年の営みのためか、月日を数え、呼び名をつけるようになった。 これは農耕民族でも遊牧民族でも狩猟採集民族でも区別はない。最初は天の月の満ち欠けをみて、 新月から次の新月までを29日、または30日と数えた。 多くの民族・文化で暦の「月」と天の「月」は同じ語、語源のことが多い。

一年を12ヶ月と数えた民族が多い。日本では初期の太陰暦では月の周期は29.53日なので30日(大の月)、 29日(小の月)を繰り返して1年は約354.5日で、 19年に7回くらいの割合で閏年をもうけ、1年13ヶ月約384日で、実際の季節との差を修正した。 その後1年13ヶ月で閏月をもうけるようにした。 他の民族でも、1年を13ヶ月にしている場合がある。

古代エジプトでは非常に明るい星シリウスを観測して、1年が365.25日であるとした。紀元前BC238年には1年を365日、 4年ごとに366日とした。 (太陽暦)エジプトでは農耕のため、ナイル川の氾濫季を正確に知るため1年の正確な周期にこだわったようだ。
ローマでは太陰太陽暦を用いていたが、カエサルがエジプトの暦の正確さを知りとりいれた(ユリウス暦
この暦では実際の1年の周期365.2422日より長いため、16世紀、グレゴリウス13世の時には 春分が3月23日から3月11日にずれてしまった。1582年、日付を10日とばし、 さらに西暦年数が4で割り切れる年を閏年とし、さらに100で割り切れる年で100で割った商が4で割切れない年は 平年とすることで400年に三回 閏年をはぶく暦にした。これで3000年に約1日のずれとなる暦ができた(グレゴリオ暦
グレゴリオ暦は現在、世界の多くの国で共通に使われている。


イスラームでは太陰暦のヒジュラ暦が用いられている。一年が実際より短いため、毎年すこしずつずれ、約33年で一巡する。休日は金曜日。
イラン(ペルシャ)、アフガニスタンでは太陽暦のジャラーリー暦(春分3月21日がネワイ・カール元日)が用いられている。ヒジュラ太陽暦ともいうようだ。 紀元年はヒジュラ暦と同じムハンマドの聖遷(ヒジュラ、AD622年)。11世紀のセルジュク朝のウマル・ハイヤームという天文学者がつくり、グレゴリウス暦より正確だという。

ユダヤ教徒も独自の暦を持つ。ユダヤ暦、ヘブライ暦ともいわれる。紀元は聖書の天地創造の日。バビロニア捕囚時代に制定されたという。 19年を周期とする太陰暦で12年は12ヶ月、残り7年は閏年で13ヶ月となる。休日は土曜日。

国、文化圏地域では半月を「1ヶ月」的に数えることもある。
ネパールではピクラム暦という、上弦(スクラ・バッチェ)、下弦(クリスナ・バッチェ)と12ヶ月のそれぞれがさらに 2つにわかれ、半月ごとの日のよびかたも月末のオンシー以外は、上弦も下弦もバル(1日)、ドゥティア(2日)、トリア(3日)… と数える。ピクラム暦の新年バイサーク月のエク(1日)は太陽暦の4月半ば(4月14日)となっている。

現代の暦では、近現代の国家の独立記念日や、労働者の日など、古来の暦とは関係のない祝日などもみられる。

以下、各文化圏ごとの1年の月の名称

日本(太陰太陽暦-1年13ヶ月[閏月]で年末に暦を江戸幕府・天文方が発表。)
01.睦月(むつき)
02.如月(きさらぎ)
03.弥生(やよい、やよひ)
04.卯月(うづき)
05.皐月(さつき)
06.水無月(みなづき)
07.文月(ふづき)
08.葉月(はつき)
09.長月(ながつき)
10.神無月(かみなづき ※出雲は神在月) 神去月とも。

11.霜月(しもつき)
12.師走(しはす)
※現在のグレゴリオ暦とは約ひと月ほどずれている。中国などは現在でも年中行事は旧暦で二月に新年、正月を迎える。

イギリス、アメリカ合衆国、英語圏()
01.January 
02.February 
03.March 
04.April 
05.May 
06.June 
07.July 
08.August 
09.September 
10.October 
11.November 
12.December 
※ローマの暦を元にしているため、本来の新年が春分、3月だった。1、2月は厳冬期で休止の時期ということで後から名づけられ、新年もずれた。 このずれのため、本来の8月オクトOctが10月等になってしまった。9,10,11,12は第何月という数字の順番だが、それ以外は神や皇帝(権力者)の名前である。
ローマ皇帝は自分の名前を月名に残すことができたが、本当に尊敬されていない皇帝の名は戻されて残らなかった。

イスラーム、アラブ圏(ヒジュラ暦)
01.ムハッラム
02.サファル
03.ラビーウ・アルアウワル
04.ラビーウ・アッサニー
05.ジュマーダー・アルウーラー
06.ジュマーダー・アルアーヒラ
07.ラジャブ
08.シャアバーン
09.ラマダーン(断食月) サウム断食
10.シャウワール(イード・アルフィトル断食明け祭)
11.ズー・アルカアダ
12.ズー・アルヒッジャ(巡礼月 ハッジュ巡礼)イード・アルアドハー(犠牲祭)


マヤ暦、月名→詳細




 
関連項目一覧
大晦日(おおみそか) 【日本:暦:年の終わり】
オヒガン(お彼岸) 【日本:行事、雑節:墓参り】
カミサリ(神去[月]) 【日本:伝承、暦、月】
神無月(かんなづき) 【日本:暦、月】
師走(しはす) 【日本:暦:12月】
ソンクラーン 【タイ:祭り、タイ正月】
土用丑の日(どよう うしのひ) 【日本:暦、風習】
ニジュウシセッキ(二十四節気) 【中国、日本:月、暦】
マヤ暦 【マヤ:暦】
夏至 【世界、中国、日本:暦】
ハンゲショウ(半夏生) 【中国、日本:暦、植物】
ニヒャクトオカ(二百十日) 【日本:暦:雑節:台風】
ニヒャクハツカ(二百二十日) 【日本:暦:雑節:台風】

●このページのトップへ●


(C) Copyright Masahiro Aibara