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トウゲンキョウ 桃源郷 とうげんきょう >>関連項目一覧


一般的な意味では桃源境とも。中国の伝承にみられる。世俗、俗界を離れた別世界、別天地、仙境、仙郷、理想郷的な場所。 転じて理想郷、ユートピアと同意にも使われる。 東晋の陶潜(とうせん)または陶淵明(えんめい)の「桃花源記」に描かれている桃林に囲まれた平和で豊かな別天地。 陶潜の編になるという「捜神後記(そうじんこうき)」に載っている。
中国では特別な桃の実には不老不死の力がある、桃の木には妖魔を退ける力があるなど、桃は特別な木とされている。

「桃花源記」は武陵の漁師の物語で、武陵桃源ともいう。
話のあらすじは、 中国、東晋の太元年間(376〜396)、武陵の漁師が舟で川をさかのぼって桃の花の林に迷い込み、 林の尽きる水源の奥の洞窟、洞穴を抜け出ると、不思議な村里へついた。
そこには秦の始皇帝の圧政、戦乱を避けてこの地に隠れ住んだ人々が、 漢、魏、晋と数百年にわたって外の世界と隔絶して平和に暮らしていた。
漁師はしるしをつけながら帰り、太守に知らせ、探そうとしたがしるしは消えていて二度とはもどれなかった、というもの。

当時このような説話、仙郷淹留(せんきょうえんりゅう)が流行していたのでは、とも推測されている。

ふとしたことから不思議な世界に迷い込む民話、説話、伝承は世界各地に見られる。



 
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