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ヘレネス(ギリシャ)の神話・民話・伝説 Hellenes >>関連項目一覧※2010/07/25 ギリシア神話の精霊ニンフを追加 ギリシアとも。日本では英語名Greeceからきた「ギリシャ」で呼んでいるがヘレネス、またはヘレーネスが民族の自称。 国のことはヘラスHellasと呼ぶ(現在の正式国名はHelleni Republic)。 紀元前BC5000年頃、東ヨーロッパ地域から各地に移住したインド・ヨーロッパ語族のうち西へ向かったグループが、 紀元前BC3000年期末期にヘレネスに移住。紀元前2000年期には、ヘレネス、クレタ島、トロヤのものとみなされる 小アジア北西海岸の古代都市などの青銅器文明があったらしい。 また、紀元前BC2000年期後半にはヘレネス本土とクレタ島などでポセイドンをはじめとするヘレネスの主要な神々が信仰されていた。 紀元前1200年頃から前5世紀までヘレネス本土と周辺の島々でヘレネス文明を興した。山地が多く平地が少ない地形、 島々が少なかったためか、大帝国は形成されず、各地にポリスと呼ばれる都市国家ができた。 都市国家では演劇が地域社会の制度になっていて、アテネでは、市民が演劇に参加することが権利、義務であり 、数年間に一回演劇祭に参加する義務があった。価値観が違う人たちで演劇を行うことが、 民主主義の訓練と躾などの教育的な側面を持っていたようだ。 ヘレネス民族の神話は、東ヨーロッパ、またはユーフラテスのステップ地帯にあったと想定されるインド・ヨーロッパ語族の原住地の神話に由来し、 イランなどの東に向かったグループと同じく、太陽や天空を神々ととらえたり、火の崇拝などの儀式で共通する宗教を持っていたと考えられている。 ヘレネスに移住後、先住の青銅器文明の神話の影響、またミュケネ文明はクレタ島のミノア文明の影響、エジプト、カナーン、ハッティから、 さらに間接的にシュメール、アッカド、バビロニアの文化の影響もうけたようだ。 よく知られるホメロスのイリアス、オデュッセイアなどは紀元前8世紀の作と思われている。古代ローマのラテン文学で語られているものも、 ヘレネスのものを翻案、再話したもので神話の起源はずっと古いとされる。 デウカリオンの洪水の物語は、ギルガメシュ叙事詩に酷似し、ウラノス、クロノス、ゼウスの天上の王の交代の物語は、 ヒッタイトの神話に似るなど前述した通り。 また、ミュケネ時代の音節文字とホメロスの時代のアルファベットは違い、ミュケネ文明が紀元前2000年期末頃に消滅してから、 詩人によって口承の物語で語り継がれた。文学作品として書き留められたもの以外に口伝えで伝承されたものの一部分は 古代ローマや12世紀のビザンティンの学者などの著作の中で物語られたという。 このように語り継がれた物語は、美しい神話体系残し、後のヨーロッパ文学に大きな影響を与えた。ヘレネスの民話は、 書物で残されたものが徐々に忘れられいった中、一年の半分以上を山の中で過ごす羊飼いや、船乗り、農民の間で、民話が語り継がれ今に残る。 紀元前5世紀頃の古典ヘレネス文明以後、アレキサンダー大王の帝国時代、ビザンチン帝国時代もヘレネス民族は活躍したという。 関連項目一覧
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