6.2 正規分布(ガウス分布)バックグラウンドあり
サンプルファイル名:(データファイル)正規分布バックグラウンドあり.csv、(計算条件ファイル)正規分布バックグラウンドあり.ccn
この例では、バックグラウンドノイズがあるデータ(x,y)を正規分布にフィッティングします。
まずは、メモ帳あるいはExcelなどでデータファイルの中身を確認してみてください。このデータをグラフにすると、x=10の付近にピークをもち、かつ半値幅(FWHM)が10くらいであることがわかります。また、この曲線のピークの部分の面積はおおよそ250くらいであることもわかります。
ここで計算条件ファイルを開くと、フィッティング式は、
y =k2*1/(Sqrt(2*3.14159265358979)*k1)*exp(-((x-k0)^2/(2*k1^2)))+k3*x+k4
となっています。
k0からk1までは、正規分布(ガウス分布)バックグラウンドなしの例と同一であり、k0、k1はそれぞれ正規分布の平均値、標準偏差であり、k2はその正規分布の山の高さを何倍したものかを表す係数となっていることを意味しています。そしてk3とk4はバックグラウンドノイズがk3*x+k4の一次関数で表されることを意味しています。
文字定数(k0からk2)の条件は、x=10付近にピークをもつことから、k0の初期値は10とし、半値幅の約2.35分の1が標準偏差ですのでk1の初期値は5としています。また、面積が250くらいであることからk2の初期値は250としています。上限、下限は各文字定数とも初期値を含むような範囲で適当に設定していますが、k1が0以下というのはありえないのでk1だけは0.1としています。計算精度は、各文字定数とも0.1の精度であれば十分と考え、その10分の1の0.01としています。
上記データファイルと計算条件ファイルを開き、計算を実行してみてください。k0=10.027、k1=6.953、k2=297.332、k3=-0.104、k4=5.342となり、x=10.027にピークを持ち、標準偏差6.953のガウス分布にフィッティングされます。また、標準偏差の約2.35倍が半値幅ですので、半値幅は16.3であることがわかります。バックグラウンドはy=-0.104x+5.342で表されることもわかります。下図はExcelで描いたデータ(x,y)の各点と、フィッティング結果から描いた曲線です。併せて、バックグラウンドノイズを差し引いたときの正規分布と、バックグラウンドノイズも表示しています。