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筆記体描画プログラム


[ Scribbler ]

   version 5.05

  田村太一(C) 2012. 2006.



Introduction

 この度は「Scribbler」をダウンロードして頂きありがとうございました。
 このプログラムはエディタに打ったテキストデータを画面に筆記体で描画するツールです。
 描画した画像をファイルとして保存することも出来ます。



Index

1.基本的な手順

 テキストのセットと筆記体描画の開始
 描画した筆記体画像の保存
 「途中から描画」ボタンについて

2.高品質モード

3.命令語について

 文字のサイズ
 左側余白
 一行の幅
 行間の大きさ

 各命令語が規定する大きさ
 行間について
 文字としての語頭の「#」の描画方法

4.書式設定

 「描画ビットマップの限度大きさ」について

5.ペンとバックの色の変更 / ペンの太さ・線質の変更

 ペンとバックの色
 ペンの太さ
 ペンの線質

6.その他の設定

 描画スピード
 描画スクリーンの高さ
 エラーの通知

7.テキストエディタの操作

 ファイルを開く
 保存
 新規作成

8.表示設定

9.描画出来る文字

10.アンインストール

11.連絡先






1. 基本的な手順


 ダウンロードしたZipファイルを解凍すると以下のようなファイル構成になっています。


 この中の羽ペンのアイコンがScribblerの実行ファイルです。クリックして起動します。
(初回起動後には新たに「Setting.ini」という設定ファイルが自動的に作成されます。このファイルは前回までの各種の設定が記録され次回に読み込まれるようになっています。仮に誤ってこのファイルを削除してしまっても起動に支障はありません。前回までの設定が消えて初回起動時と同じ設定で立ち上がります。)

 まず小さなタイトル・ウインドウが前に重なって表示されているので「OK」ボタンを押して進んで下さい。(キーボードからはEnterキーを押しても進めます。)
(このタイトルウインドウがいちいち起動時に表示されるのが煩わしいという場合は非表示にすることが出来ます。(⇒「8. 表示設定」)

 タイトルを抜けると、大小二つのウインドウが重なって見えていると思います。
 手前の小さなウインドウが描画するテキスト・データを打ち込む「テキストエディタ」です。
 後ろの大きなウインドウがテキストが実際に描画される「描画ウインドウ」です。



 エディタにテキストを打ち込んで(あるいはファイルをロードして)「描画の開始」ボタンを押すと、描画ウインドウに筆記体の描画が始まるというのが一連の流れになります。




・テキストのロードと筆記体描画の開始

 「ファイルを開く」ボタンを押します。(もしくは「ファイル」メニューから「ファイルを開く(O)」を選択。またはテキストファイルをエディタの中へドラッグ・ドロップ。)



 「ファイルを開く」ボタンを押すと「テキストファイルを開く」ダイアログが出るのでここでロードするファイルを選びます。開きたいテキストファイルをクリックして下さい。(ここで既に表示されているのはいずれもサンプルのファイルです。)


 エディタにテキストがロードされます。



 ここで「描画の開始」ボタンを押してください。描画ウインドウが手前に来て、筆記体の描画が始まります。



 描画の開始、停止、一時停止、早送り等はオーディオプレイヤーのそれと同じ要領です。
(※停止、一時停止、早送り、など、描画コントロールはクリックした瞬間に即座に実行されるものではありません。"現在描画中の単語が書き終わるまで待ってから"実行されます。タイムラグがあるので注意してください。)


 描画が終了すると、描画スクリーンの下のワクに「(描画中のファイル名):finished」と表示されます。



 以上が基本的な実行の手順です。

 ※描画ウインドウはウインドウ内のどこでも(右下のボタン部以外)クリック・ドラッグでウインドウの移動が出来ます。




・描画した筆記体画像の保存

 描画ウインドウ上で右クリック、出てきたポップアップメニューから「画像の保存(B)」をクリックして下さい。


(もしくはテキスト・エディタの「画像の保存ボタン」、または「ファイル」メニューから「筆記体画像の保存(B)」を選択)。


「筆記体画像ファイルの保存」ダイアログで、名前を付けて「保存」ボタンを押してください。ここで指定した場所に画像ファイルとして保存されます。
(初期設定では解凍したフォルダ内の「BitMaps」フォルダ)。



 保存する画像形式はビットマップ形式(BMP)、PNG、GIFです。
 JPEGに変換するには画像形式変換ツールをお使い下さい。(減色ツールの「Dithering Tool (ディザリング・ツール)」でも変換が出来ます。「Dithering Tool」はベクターの作者のページ、または作者ホームページからダウンロード出来ます。)



・「途中から描画」ボタンについて

 ツールボタン一番右のボタンは「途中から描画」ボタンです。エディタのカーソル(キャレット)がある場所から、テキスト終わりまで描画を開始します。


 もし部分的に描画させたい場合はテキストを「選択」状態に(文字の色が反転している状態)して下さい。その部分の描画を行います。

 この「途中から描画」では文字の大きさが意図した大きさで表示されない場合が多いと思います。
 大きさ設定の命令語が読めていないからで、この場合は「書式設定」にて設定されている大きさで描画されます。(⇒「4.書式設定」参照)
 もし意図した大きさで描画させてチェックしたい場合はその部分のテキストの頭に例えば"#size 10"などと大きさ設定を書いておくとその大きさで描画されます。(その時は後で削って下さい。)

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2.高品質(HQ)モード


 テキスト・エディタの「HQ」ボタン(もしくは「描画」メニューから「高品質モード」をチェック)を押すと高品質モードになります。


 文字の線質が滑らかになりますが、このモードではリアルタイムな文字の描画を行わず、一行ごと、その段の全ての単語を描ききった後で一度に表示します。

 アンチエイリアス処理のため裏の作業画面で描線を拡大したり縮小したり、フィルタリング操作をしたりしていて逐次の描画は負担が大きいためにこのような形を取っています。

 また、行間にマイナスの値が設定されているとき「色付けは最後の最後」になり、一旦白黒で描いたものを一番最後の段階で一括に色付けを行います。行間がマイナスの場合は行と行が上下段で重なっており「文字線だけ抜き出す」処理が必要なのでこのような処理になっています。

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3.命令語について


 サンプルのテキストデータの冒頭に「#size 14」などといった実際には描画の行われない部分があったと思います。
 これらは「命令語」として、描画に関する様々な命令をテキストの文中から行うための記述です。


 語頭に「#」を付けることでそれに続く一単語が命令語であることを示します。

 命令語はテキスト文中に何度でも置いて、その都度変更を指示することが可能です。

 現在以下の4つが命令語として使用出来ます。


・#size ……… 文字のサイズを指定します。スペースを挟んで次の数字が文字の大きさを表します。

・#left ……… 描画領域(≒紙)の左側の余白の大きさを指定します。スペースを挟んで次の数字が余白部分の大きさ(ドット数)を表します。

・#width ……… 一行の幅を指定します。スペースを挟んで次の数字が一行の幅(ドット数)を表します。

・#lines ……… 行間の大きさ(高さ)を指定します。スペースを挟んで次の数字が行間の高さを表します。


 これらの命令語が規定する実際の描画上の大きさは下図の通りです。






 #leftと#widthで一行のヨコ方向の調整が出来ます。
「#width 0」と書くと描画領域の横幅一杯を使って描画します。


・行間について

 #linesは行間の大きさをドット数では無く「現在の文字サイズに対する%比率」で指定します。
 実際の筆記体描画では行間を変えることよりも文字のサイズを変化させることの方がケースとしては多くなると思います。このとき行間がドット数指定などで固定されていると文字のサイズが変化した時に不自然な大きさで残ってしまうことが考えられます。(小さい文字サイズに変更したのに行間だけが元の大きさのまま残ってしまったり、)。
 文字のサイズが変わる度ごとに行間の大きさも一々設定し直してやればそれでもいいのですが、実際にはやはり文字の大きさに合わせて自動的に行間も調整してくれた方が手間がありません。それでこのような指定になっています。
 例えば「#lines 50」と書くと現在の文字サイズの高さの50%の大きさが行間の大きさとして確保されます。

 また「#lines 0」で行間のスペース無しになりますが、このゼロ行間というのはあくまでも例えば小文字の「y」と「h」などの「下に伸びる文字」と「上に伸びる文字」が上下段で「全く重なる恐れが無い最小限度の間隔」という意味になります。
 つまりこのゼロ行間時でも例えば小文字の「a」と「c」などは上下段でまだかなり間隔が空いている状態で見えています。

 筆記体を書いていくときには、この「行間をある程度詰める」ことでより全体的に密度が高く、締まって見えるので場合によっては、上下段で「y」と「h」が重なる可能性があったとしても更に行間を狭めたいということがあると思います。そのような時にはマイナスの数値を指定して下さい。
 その上でもし描画した結果「下に伸びる文字」と「上に伸びる文字」が重なる箇所が見られた時には、テキストエディタ上で「単語と単語の間」にスペースを挿入するなどして描画後の上下段での位置をずらし、それらの文字が重ならないように調整を行ってみて下さい。

 また行間の指定は「命令語が書かれた次の行の下」から反映されます。 これはこのプログラムの設計で「それぞれ行間はそれぞれの行の下に属している」という考えで捉えているためです。
 #lines命令語を置くときはこのことも注意していて下さい。




・文字としての語頭の「#」の描画方法

 上に書いたように語頭の「#」は命令語の目印として扱われます。もし単に文字として語頭に#を描画させたい場合は「##」などと連続で書いて下さい。#を連続させることで「#に続く以降の#は描画文字として」プログラムに認識させることが出来ます。
 例えば「##」と二回続ければ「#を一文字分」、「###」と三回続ければ「##」と二文字分描画します。

 語頭では無い位置に置かれたもの(例えば「abc#def」など単語の先頭では無い位置)、また「#」一文字でその前後にスペースがあるような単独での表記の際はそれ一文字で描画文字として扱います。

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4. 書式設定


 「3.命令語について」で記されている命令語はテキスト文中に必ず書かなければならないというものではありません。必要なものだけ、あるいは全く書かなくても構いません。
 もし描画時に、命令語で指定がなされていないものについてはこの「書式設定」でセットされている値が自動的に適用されます。

 これらの値を変更するには「書式設定」ボタンを押して下さい。(もしくは「設定」メニューから「書式設定」を選択)。書式設定ダイアログが表示されます。





 命令語で指定される各値については「3.命令語について」に書いてある通りです。

 ここではそのダイアログ下部の「描画ビットマップの限度大きさ」について説明します。


・「描画ビットマップの限度大きさ」について

 スクリブラーは筆記体描画のための描画ビットマップ領域という「紙」をあらかじめ持っています。それに文字を書いていくのですが、長くなってくると当然その紙が足らなくなってきます。これ以上は書けないというときは下のようなメッセージを出して描画を中止します。


 初期値ではその紙の大きさはヨコ=796ドット、タテ=1600ドットになっています。
例えば今の紙のヨコ幅の大きさはそのままでタテの長さを大きくしてもっとスクロールさせたい場合は、「タテ=」の所の数値を大きくして下さい。
 逆に「普段はそんなにスクロールさせるような長文を描画しない」という場合にはこの値を小さくとれば無駄な描画ビットマップ領域を確保せずに済みます。

 また「ヨコ=」でセットした値はそのまま描画スクリーンの横幅大きさとして反映されます。
(※この「描画スクリーン」というのは「描画ビットマップ領域」(下図で紫色の枠。)とは別物で、筆記体画像が実際に表示されている描画ウインドウ内の四角いワクの大きさのことを指します。下図の黄色の枠。)



 逆に言えばスクリーンの横幅大きさを変えたい場合はここの値を変更しなければなりません。これは横スクロールバー表示の必要が無いようにするためにそうなっています。

 描画スクリーンの高さを変えたい場合は「設定(S)」メニュー⇒「その他の設定(O)」を選び、そこで出てくる「その他の設定」ダイアログ上の「描画スクリーンの高さ」の設定値を変えて下さい。(⇒「その他の設定」参照)

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5.ペンとバックの色の変更 / ペンの太さ・線質の変更


・ペンとバックの色

 「ペン、バックカラーの変更」ボタンを押して下さい。(または「設定」メニュー⇒「ペン、バックカラーの変更」を選択。)


 表示されるダイアログで描画するペン、バックの色を変更出来ます。RGB(赤、緑、青)の成分を調整して色を作って下さい。上段がペンの色、下段がバックの色になります。


 また、これらの色は、変えた時に即座にスクリーン上に反映されるものではありません。「次回の描画開始時」に初めて適用されます。


・ペンの太さ (HQ時のみ)

 ペンの太さを変える時はダイアログ左下隅の「ペンの太さ」の設定値を変えて下さい。
(※ただしペンの太さが実際に変えられるのはHQ(高品質)モード時のみです。通常モード時はペンの太さは常に「1」で固定されています。)


・ペンの線質 (HQ時のみ)

 黒っぽい色のペン、明るい色のバックカラーに設定している時は、ペンの太さがスクリーン上でより細く見える傾向にあります。明るいバックが暗いペンの線に干渉してしまい、線質も細く、エッジのギザギザが目立つようになります。
 このような時はここの「シャープな線質」のチェックを外してみてください。
線の質がより柔らかになり、滑らかな感じになります。
(付属の描画サンプル画像はこのチェックを外して描画させたものです。)




(※ペンの線質が変えられるのはHQ(高品質)モード時のみです。)

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6.その他の設定


 あまり頻繁に変えることは無いと思われる設定をこの「その他の設定」に纏めてあります。
「その他の設定」ボタンをクリックして下さい。(または「設定(S)」メニューから「その他の設定(O)」を選ぶ)


 設定ダイアログが表示されます。

ここで値を変更出来るのは
・描画スピード
・描画スクリーンの高さ
・エラーの通知
の三つです。



(1).描画スピード

 通常モード時の描画するスピードを調整出来ます。

 「0」は最高速になりますが、これは「早送り」時と同じ速さになるので、この値にセットしている時には途中の描画処理を行いません。全て描画が終了したときに一括で表示します。0は単に出来るだけ速く描画出来たらいいという場合にセットして下さい。


(2).描画スクリーンの高さ

 描画スクリーンの高さを変更します。

 ※描画スクリーンの横の幅は描画領域の限界ヨコ大きさが自動的に適用されます。
(⇒4.書式設定 ・「描画ビットマップの限度大きさ」について)


(3).エラーの通知

 描画中に命令語の書式に間違いがあった時に描画を中断してエラーを表示するか、しないかを変更出来ます。
「エラーを通知する」にチェックが入っていると、エラーを通知します。チェックが外れていれば仮に書式に間違いがあっても単に読み飛ばしてそのまま描画を続けます。

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7.テキストエディタの操作


 テキストエディタはノートパッド様のシンプルなもので、操作も殆ど同じです。



・文書をロードする時には、
「ファイルを開く」ボタン(又は「ファイル(F)」メニュー⇒「ファイルを開く(O)」)。

・保存する時には、
「名前を付けて保存」ボタン(又は「ファイル(F)」メニュー⇒「名前を付けて保存(A)」、もしくは「上書き保存(S)」)。

・新規作成の時には、
「新規作成」ボタン(又は「ファイル(F)」メニュー⇒「新規作成(N)」)。

をそれぞれ選択してください。

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8.表示設定


「表示」メニューでは以下の表示を変更出来ます。

・タイトルの表示(&T) ……… このチェックを外せば起動時にタイトルウインドウを表示しません。

・筆記体ウインドウの縦スクロールバーを表示(&V) ……… このチェックを外せば筆記体描画ウインドウの縦スクロールバーを表示しません。
 スクロール自体はマウスホイールでも行えるので、もし必要ないと思えばチェックを外して下さい。

・ツールバーの表示(&B) ……… テキストエディタの上部にあるツールバーの表示/非表示を変えられます。
 ツールバーを非表示にしても、全ての操作はメニューからも行えます。

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9. 描画出来る文字


 バージョン5.00現在で描画できる文字は、アスキーコードで32〜126(16進表記で&H20〜&H7E)まで。 標準的なキーボードのキーの左側に書かれた英数字に対応しています。

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10. アンインストール


 アンインストールは、アプリケーションが入っているフォルダごと削除で完了です。
レジストリは使用していません。

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11. 連絡先


 このプログラムについてご意見やご質問、ご要望などありましたら
下記アドレスまでお気軽にメール下さい。不具合やバグ報告も歓迎します。

 E-mail:tamuraproducts@yahoo.co.jp

 ホームページ:http://hp.vector.co.jp/authors/VA040186/

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製作 田村太一 / (C) taichi tamura 2012. 2006.