軟X線写真の撮影
SDAでは容積密度を測定するために軟X線写真撮影を行います。
下の写真はフィルムの上に試料を並べている様子です。
下の写真は軟X線用のフィルムの上に並べられた試料です。軟X線用のフィルムは下の写真のようにアルミ箔の袋に密封されています。試料を乗せたフィルムは図のようにはじめにデジタルカメラで撮影し試料の配置を記録しておきます。
フィルムの上に試料を並べたままの状態でX線撮影装置に持ち込みます。左下の写真は秋田県立大学附属木材高度加工研究所にある軟X線撮影装置です。
撮影が済んだフィルムは暗室で現像・定着・水洗し乾燥させます。右下の写真は軟X線フィルムにムラなどの異常が無いかどうかを確かめているところです。
フナ試料が撮影された軟X線写真の一部分を拡大したものが下の写真です。薄片をそのままスキャンした場合よりも年輪の構造が鮮明となっていることがわかるはずです。
軟X線写真を用いて容積密度を解析する場合は容積密度の基準となる物指し、つまり標準吸収体を試料の撮影時に同時にフィルムに写します。下の写真は厚さ1mmのドロノキを10枚階段状に積層した標準吸収体で、厚さ1mmの容積密度は約0.33g/cm3となっています。
この軟X線写真から年輪幅と容積密度の測定を行うソフトウェアとしてはREGENT INSTRUMENTS INC製の年輪解析用ソフトWinDendroが有名です。非常に高価なソフトですが、現在考えられる最高の機能を持っています。SDAはこのWinDendroを使うことを想定して開発されたソフトウェアです。