Fast CSV
Viewer ユーザー マニュアル
2015/11/22 Euphorie
<対応OS>
l Windows 7 32bit (*)
l Windows 7 64bit (*)
l Windows 8.1 32bit
l Windows 8.1 64bit (*)
l Windows 10 32bit (*)
l Windows 10 64bit
(*) が実際に動作確認をした環境です。
<CPU>
1 GHz以上。OSが快適に動作していれば問題ありません。
<メモリ>
1 GB以上奨励(32bit)。2 GB以上奨励(64bit)。
<ハードディスク>
本ソフトウェアは20 MB程度消費します。OSが快適に動作していれば問題ありません。
1) Fast CSV ViewerはVisual Studio 2013でコンパイルをしています。「Visual Studio 2013 の Visual C++ 再頒布可能パッケージ」が必要になりますので,以下のWebサイトからダウンロードしインストールしてください。
https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=40784
2) 圧縮ファイル「fastcsvview_rev○○_△△△△△△.zip」を適当なフォルダに展開してください。「fastcsvview.exe」を実行することで,本ソフトウェアを起動することができます。
※注 ○○はリビジョン,△△△△△△はビルド日時を表す数値が書かれています。
Fast CSV Viewerは次の特徴を備えたグラフ表示ソフトウェアです。
・1000万ポイントを超える大容量のデータを扱うことができ,大容量のデータでも高速にグラフの表示を行うことができます。軽快な拡大縮小やスクロール動作を実現します。
・豊富な演算子,関数が利用できるパワフルな数式計算機能があり,読み込んだ大容量データに対して高速な計算が可能です。
・CSVファイルやテキストファイルのデータの読み込みと保存, PNG,SVG,PS,PDFファイルへのグラフ画像の保存が可能です。
本章では本ソフトウェアの使用方法について記載します。
以下にFast CSV Viewerのウィンドウを示します。
図 Fast CSV Viewerのウィンドウ
A. メニューバー … メニューです。
B. ツールバー … 頻繁に使うメニューのショートカットです。
C. プロジェクトパネル … グラフデータの一覧を表示します。
D. グラフパネル … グラフを表示します。
E. プロパティパネル … グラフのプロットの設定についてプロパティを表示します。
F. ステータスバー … 左側はメッセージ,右側にはマウス位置のグラフ上の座標を表示します。
1) メニュー[File]-[Import]を実行します。もしくは,ツールバーのを実行します。
2) Importダイアログで,読み込むファイルを選択します。ここでは,以下のCSVファイルを例にとって,説明します。CSVファイルは,列ごとに1つの系列が含まれている必要があります。
図 読み込むCSVファイルの例 (Excelでのスクリーンショット)
3) CSV File Import Optionダイアログで,読み込みオプションを設定します。CSVファイルの構造を自動で解析しますので,自動解析の結果,読み込みオプションがデフォルト値として入力されます。修正の必要がある場合は,以下の通り修正します。
・Header Rows … ファイル先頭のデータ以外のヘッダーとして読み飛ばす行数を設定します。
・Data Rows … 読み込むデータの行数を設定します。
・Data series … CSVファイルのデータからどのようにデータ系列を作成するかを設定します。Nameはデータ系列の名称です。X DataとY Dataは,それぞれX軸データ,Y軸データをCSVファイルのどの列から読み取るかを意味します。データ系列を選択することで,X Data ColumnとY Data Columnから設定することができます。なお,X軸データについては,[Use direct X value]にチェックを入れることで,直接データを入力することができます。X Startが最初のポイントのX軸の値,X IntervalがX軸の各ポイントの間隔となります。
図 読み込みオプションの設定
1) メニュー[File]-[Export]を実行します。もしくは,ツールバーのを実行します。
2) CSV File Export Optionダイアログで,保存するデータ系列を設定します。CSVファイルには,列ごとに1つの系列として保存されます。左側のリストが現在のプロジェクトにあるデータ系列の一覧,右側のリストが保存するデータ系列の一覧を意味します。左側のリストで保存したいデータ系列を選択し,[>>]クリックすることで,保存対象に設定されます。保存対象から除外するには,右側のリストでデータ系列を選択し,[<<]ボタンをクリックします。データ系列の内容をヘッダーとして保存するには,[Export header]にチェックを入れます。ヘッダーの内容は,右側のリストでデータ系列を選択し,Headerに書き込みます。X軸データを列に保存するには,[Export X data]にチェックを入れます。
図 保存オプションの設定
3) Exportダイアログで,保存するファイルの名前を入力します。
1) メニュー[File]-[Export Image File]を実行します。
2) Image Size Settingダイアログで画像のサイズを設定します。画面に表示されているグラフと同じサイズで保存する場合は,[Same Size As Window]にチェックを入れます。
図 画像のサイズ設定
3) Export Imageダイアログで保存する画像のファイルの名前を入力します。ファイルの種類として,以下のフォーマットが利用できます。
・PNG files … PNG画像ファイルです。
・SVG files … SVG画像ファイルです。ベクター画像ですので,後からInkscape (https://inkscape.org/) 等のソフトウェアで編集する際に便利です。
・PDF files … PDFファイルです。Adobe Acrobat Readerで読み込むことができます。
・PS files … PostScriptファイルです。
1) メニュー[File]-[New Project]を実行します。すべてのグラフデータが削除されます。
1) Projectパネルで,削除したいデータを選択します。
2) メニュー[File]-[Import]を実行します。もしくは,ツールバーのを実行します。
1) [グラフパネル]をクリックします。すると,次の図のようにグラフパネルの周囲が青くハイライトされ,フォーカス状態になります。
2) ツールバーのや
をクリックし,水平および垂直のいずれの方向を拡大・縮小するかを設定します。ツールバーのアイコンが青枠で囲まれた方向の拡大・縮小が有効になります。
3) マウスホイールを操作することで,拡大・縮小をすることができます。
図 フォーカス状態のグラフパネル
3) もしくは,ツールバーのまたは
をクリックすることで,拡大もしくは縮小を行うことができます。
1) グラフパネルをドラッグすることで,スクロールをすることができます。
1) メニュー[View]-[Fit]を実行します。もしくは,ツールバーのを実行します。これにより,表示範囲をグラフ全体にフィットします。
2) 水平方向だけ表示範囲をフィットするときは,メニュー[View]-[Fit Horizontally]を実行します。
3) 垂直方向だけ表示範囲をフィットするときは,メニュー[View]-[Fit Vertically]を実行します。
1) プロパティパネルの上部のコンボボックスで“Project”を選択します。
2) 以下の各プロパティを設定します。
<DataRange> すべてのグラフデータの座標の範囲を表示します。読み取り専用です。
・MinX … すべてのグラフデータのX軸座標の最小値を表示します。読み取り専用です。
・MaxX … すべてのグラフデータのX軸座標の最大値を表示します。読み取り専用です。
・MinY … すべてのグラフデータのY軸座標の最小値を表示します。読み取り専用です。
・MaxY … すべてのグラフデータのY軸座標の最大値を表示します。読み取り専用です。
<Axis> 座標軸の表示設定をします。
・LabelX … X軸のラベルを設定します。
・LabelY … Y軸のラベルを設定します。
・Font … X,Y軸のラベルのフォントを設定します。
・FontColor … X,Y軸のラベルのフォントの色を設定します。
・PositionX … Y軸ラベルのグラフフレームに対するX方向位置を設定します。
・PositionY … X軸ラベルのグラフフレームに対するY方向位置を設定します。
<BGColor> グラフの背景色を設定します。
<Frame> グラフフレームの表示設定をします。
・LineWidth … グラフフレームの線幅を設定します。
・LineColor … グラフフレームの色を設定します。
<Grid> グリッドの表示設定をします。
・EnabledX … X軸のグリッドを表示するかどうかを設定します。
・EnabledY … Y軸のグリッドを表示するかどうかを設定します。
・AutoX … X軸のグリッド間隔を自動で決定するかどうかを設定します。
・AutoY … Y軸のグリッド間隔を自動で決定するかどうかを設定します。
・IntervalX … X軸のグリッド間隔を設定します。
・IntervalY … Y軸のグリッド間隔を設定します。
・LineWidth … グリッドの線幅を設定します。
・LineColor … グリッドの色を設定します。
<Margin> グラフ表示範囲に対し,グラフフレームの上下左右のスペースを設定します。
・Top … グラフ表示範囲に対し,グラフフレームの上部スペースを設定します。
・Bottom … グラフ表示範囲に対し,グラフフレームの下部スペースを設定します。
・Left … グラフ表示範囲に対し,グラフフレームの左部スペースを設定します。
・Right … グラフ表示範囲に対し,グラフフレームの右部スペースを設定します。
<PlotRange> グラフの表示範囲を設定します。
・MinX … グラフの表示範囲のX軸座標の最小値を表示します。
・MaxX … グラフの表示範囲のX軸座標の最大値を表示します。
・MinY … グラフの表示範囲のY軸座標の最小値を表示します。
・MaxY … グラフの表示範囲のY軸座標の最大値を表示します。
<Tick> 目盛の表示設定をします。
・LineLength … 目盛の長さを設定します。
・LineWidth … 目盛の線幅を設定します。
・LineColor … 目盛の色を設定します。
・Font … 目盛のフォントを設定します。
・FontColor … 目盛のフォントの色を設定します。
・PositionX … Y軸目盛ラベルのグラフフレームに対するX方向位置を設定します。
・PositionY … X軸目盛ラベルのグラフフレームに対するY方向位置を設定します。
・FormatX … X軸目盛ラベルの数値表示のフォーマットをC言語ライクに設定します。
・FormatY … Y軸目盛ラベルの数値表示のフォーマットをC言語ライクに設定します。
※数値表示フォーマットの例
・「%8.2f」 … 最小フィールド幅が8,小数点以下桁数が2で表示します。
・「%08.2f」 … 上記に加えて,表示桁数が最小で8になるようにゼロを表示します。
・「%8.2e」 … 最小フィールド幅が8,小数点以下桁数が2で,指数表示をします。
1) プロパティパネルの上部のコンボボックスで“[01]xxxxx”,“[02]xxxxx”のような各グラフデータを選択します。
2) 以下の各プロパティを設定します。
<DataRange> グラフデータの座標の範囲を表示します。読み取り専用です。
・MinX … グラフデータのX軸座標の最小値を表示します。読み取り専用です。
・MaxX … グラフデータのX軸座標の最大値を表示します。読み取り専用です。
・MinY … グラフデータのY軸座標の最小値を表示します。読み取り専用です。
・MaxY … グラフデータのY軸座標の最大値を表示します。読み取り専用です。
<Label> グラフラベルを設定します。
<Points> グラフデータのポイント数を表示します。読み取り専用です。
<Curve> グラフデータの表示設定をします。
・LineWidth … グラフデータの線幅を設定します。
・LineColor … グラフデータの色を設定します。
1) メニュー[Data]-[Calculate]を実行します。もしくは,ツールバーのを実行します。
2) Calclatorダイアログで以下を入力します。なお,[Set same size as]をクリックすることで,ボタン右側のコンボックスのグラフと同じデータサイズに設定することができます。下部の記号や関数が表示されたボタンをクリックすることで数式入力を容易に行うことができます。
・Label … 数式で演算した結果,新たに追加されるグラフデータのラベルを設定します。
・X Start … 最初のポイントのX軸の座標値を入力します。
・X Interval … ポイント間のX軸の座標の間隔を入力します。
・Data size … データサイズ(ポイントの数)を入力します。
・Formula … 任意数式を入力します。スペースや改行は無視されます。
図 数式入力 (Calculator) ダイアログ
以下のC言語で利用可能な演算子を用いることができます。
・算術演算子 … 加算“+”,減算“-”,乗算“*”,除算“/”,剰余“%”を利用できます。
・論理演算子 … 論理積“&&”,論理和“||”,否定“!” を利用できます。
・条件演算子 … “A ? B : C”において,Aが真ならBの値,Aが偽ならCの値となります。
・比較演算子 … “<”,“<=”,“>”,“>=”,“==”,“!=”を利用できます。
・括弧 … “( )”を利用できます。
・変数x … X軸座標値“x”を利用できます。
・変数i … データインデックス“i”を利用できます。最初のポイントがゼロです。
・定数PI … 円周率π“PI”を利用できます。
・定数E … ネイピア数(自然対数の底)“E”を利用できます。
・三角関数 … sin(x),cos(x),tan(x)が利用できます。
・双曲線関数 … sinh(x),cosh(x),tanh(x)が利用できます。
・逆三角関数 … asin(x),acos(x),atan(x),atan2(x)が利用できます。
・絶対値関数 … abs(x)が利用できます。
・丸め関数 … 四捨五入round(x),床関数floor(x),天井関数ceil(x)が利用できます。
・位相ラップ関数 … 位相値を-π〜πの範囲にする関数wrap(x)が利用できます。
・指数対数関数 … 自然指数関数exp(x),指数関数pow(x,y):底x,指数y,自然対数関数log(x),常用対数関数log10(x)が利用できます。
・平方根関数 … sqrt(x)が利用できます。
・疑似乱数関数 … 標準偏差1,平均0の正規分布乱数rand()が利用できます。メルセンヌ・ツイスタアルゴリズムが用いられます。
・データ参照関数y … n番目のグラフデータのx座標値に対するy座標値を取得するy(n,x)関数を利用できます。n番目のグラフデータにx座標のデータがないときは,前後2点のデータから線形補間を行ってy座標値を取得します。nは最初のグラフデータを1とします。
・データ参照関数Y … n番目のグラフデータのデータインデックスiに対するy座標値を取得するY(n,i)を利用できます。nは最初のグラフデータを1とします。データインデックスiは最初のポイントがゼロです。
1) ステップ関数
(x > 0) ? 1 : 0
2) 周期1000の正弦波
sin(2 * PI * i / 1000)
3) 系列1と系列2の乗算
Y(1, i) * Y(2, i)
4) デシベル値への変換
20 * log10( Y(1, i) )
5) データのダウンサンプリング(1/2の例)
y(1, x * 2) (※新たに作るデータサイズは変換元のサイズの1/2とします)
特別な手順は不要です。第2章の手順2で展開したフォルダを削除してください。なお,以下の設定ファイルを自動で作成しますので,必要であれば削除してください。削除しなくても特に問題はありません。
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\csvview.ini