会計寺子屋 作成 2008.02.22
更新 2016.07.21
本ソフトは仕訳帳の記入方法が判らなければ全く利用できません。
既に経理のプロや専任者がおられる企業では以下の記述は何ら必要ありません。
専任者のいない小規模乃至は零細な企業において、経営者自らが多少の仕訳帳記入の
知識を保有して頂き、本ソフトを活用して頂けるように寺子屋を開設いたします。
ただ最初に07sample.xlsの仕訳帳記入の金額は実務おける金額とは全く縁遠く、
あくまでも仕訳方法の記入例に過ぎないことをお断りしておきます。
操作説明書 至近未来社会
概 説 書
[1]小学の部
1.仕訳帳について
2.11月の仕訳帳記入例
[2]中学の部
1.仕訳に必要な科目
2.12月の仕訳記入例
3.1月以降の仕訳記入例
[3]高校の部
1.消費税の仕訳帳記入
2.決算の税務処理
[4]その他 あれこれ
1.仕訳帳記入の重要注意点
2.「売って買って残ってナンボ」
3.世紀の悪税・消費税
4.企業は何のため存在するのか?
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大蔵雷神 司書官 大国主 みこと 著
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[1]小学の部
1.仕訳帳について
「会計は難しい、専門でないから判らん」と諦めていませんか?
会計は中学または小学校高学年の算数の知識があれば充分理解できますよ。
それに皆さんが刻苦精励している毎日の複雑な活動だって会計的に見てれば
売って買って残ってナンボ (売る−買う=残る)
残った払った ウハウハ となればいいね (残る−払う=儲かったぁ)
たったこれだけのことです。
この活動を記録するのが会計帳簿です。
さて、会計帳簿と聞いただけでジンマ疹がデルとお考えのアナタ!!
簿記の本を見るからジンマ疹がデルのであって、会計帳簿なんて次の僅か一言覚えれば
こと足ります。
これは断言します。
「お金は右から入って左から出て行く」
これは日ごろ身に覚えのある方なら忘れることはないでしょう。
少し余談になりますが、日本の英語教育を考えて下さい。
中学、高校、大学まで10年勉強しも大多数は英語が聞けない、喋れない。
こんな国は世界中探し歩いても日本だけですよ。 何故かって?
皆さんも記憶あるでしょう。
This is a pen 日本の英語は目から始めるんです。
その次は文法とやらをシコタマ詰め込まれますねぇ。
こんなのは関係ナイメイシであって、特に英語の必要な方が知ればよいことです。
普通の大多数は「聞く、喋る」ができれば充分だと思っています。
大体、ネイティブ赤ちゃんが母国語覚えるのに教科書使いますか?
日本の赤ちゃんは教科書使って日本語覚えますか?
同様に会計記録の方法を覚えるのに教科書は不要です。 まず実践しましょう。
判らないときは
「お金は右から入って左から出て行く」 と繰言を繰返し繰り返し唱えましょ。
2.11月の仕訳帳記入例
では、皆さんの強力な助っ人、会計に絶大な力を与える「会計与力 大蔵雷神」
07sample.xls を起動して下さい。下段に並ぶ名前から仕訳帳をクリックして下さい。
1)日付 071112 は 50:売上 30万です。売るとお金が入ってきますから右に記入しています。
通常お金が入るとポケットの財布入れるか、大金は銀行預金の入れますよね。
だからこの売上も左には保管場所を記入します。 60:現金 30万 と記入し、ポケットに
保管したとご理解下さい。
071120 これも 50:売上 10万です。「お金は右から入る」の通り右に記入しています。
同じく左に 60:現金 10万 と記入し、ポケットに保管しています。
2)日付 071105 は 30:仕入 50万です。「お金は左から出て行く」の通り
買うとお金が出て行きますから左に記入しています。右はどこから出て行くのかを記入
します。ここではポケットのお金が出て行くので 60:現金 50万 と記入しています。
これが「お金は右から入って左から出て行く」の意味です。
3)0711 の「売って買って残ってナンボ」は、売って40万(30+10)、買って50万です。
30万売りは20万分の仕入商品を、10万売りは6万分の仕入商品を出荷したとします。
ここで「売って買って残って」は40-50=-10万と計算するのではなく、
売って40万、買って26万(20+6)、残って14万(40-26)と計算します。残っては粗利だと
ご理解下さい。
次に「ナンボ」については、50万買って、26万分を売りました。残るのは24万(50-26)と
070003 繰越として残っていた 691:商品在庫 10万です。
「ナンボ」は前月の残り+当月の残り 34万(10+24)と計算します。0711末の在庫棚卸高だと
ご理解下さい。
4)日付 071122 02:給料手当 10万 を支払います。支払とお金が出て行きますから左に記入し
ます。
ポケットからお金を支払ったので右には、60:現金 10万 と記入しています。
071128 会社の設立費用一式を支払いました。この費用には会社登記費用、司法書士手数料
など諸々が含んでいますが、一式として 59:特別損失 30万 として
「お金は左から出て行く」の通り左に記入しています。
同じくポケットからお金を支払ったので右には、60:現金 30万 と記入します。
ここで特別損失とは今経営期に限り発生する支払いに用いる科目です。
正に会社設立費用は今期に限り発生する費用です。
5)「残った払ったウハウハ」はどうなるでしょう
残った14万、払った40万(10+30)、ウハウハ−26万(14-40)の赤字、ウハウハとはなり
ませんでした。
6)では、試算表をクリックし、セルF5 に34万(340000)セルF4 に10万(100000)と記入
して下さい。
11月試算表を計算する毎に記入する手間を省くため、試算表セルF81に 340000 と記入して
おきます。
次にメニューをクリックして、セルJ15:2 K15:07 J16:0711 K16:0711 と記入しリターン
キー押す又はGOクリックでも同じです)計算がスタートし試算表が作表されます。
試算表の作表結果、H列を見ます。セルH列 期間残高は11月分という意味です。
残ったは セルH16:140,000 払ったは セル19:100,000 と セルH26:300,000 計40万
ウハウハは セルH28:−260,000(税引前当期損益)赤字が記載されています。
7)11月のポケットのお金、現金はどうなったでしょう。
会社設立の活動開始時点では、95:資本金 300万 が 612:銀行預金に、81:借金 100万 が
60:現金 として保管されています。これが繰越に記入している意味です。
なお本来創業時には繰越損益10万、商品在庫10万はいずれも金額0円の筈ですが、
この金額が作表ではどのように集計されるかを示すため、繰越利益10万が商品在庫10万として
存在するサンプルにしました。在庫商品も形を変えたお金の置き場です。
これは家計でも直ぐ売れるウン百万の絵画、骨董品の類ならお金と同等大切に扱うのと同じ
ことです。
さて11月 売上40万の現金と5%の消費税2万が入りました。入ったお金の合計は42万です。
そこから仕入50万と5%消費税2.5万が出て行きました。
更に給料10万(給料は消費税がかかりません)と、会社設立費用30万と1万の消費税(設立費用
の明細には消費税不要の項目があり、消費税だけ加算すると1.5万ではなく1万になりました)
が出て行きました。出て行ったお金の合計は93.5万です。
試算表のセルF39:420,000 が入ったお金、セルG39:935,000 が出て行ったお金、
セルH39:-515,000 が「入りと出の差額」として作表されています。
セルE39:100万が11月初めにありました。
11月末の現金は48.5万(100-51.5)になります。
これは繰越の100万から51.5を差引いた残りです。
残高表を見て下さい。残高表の セルK38:485,000 が11月末の現金を示します。
8)上記6)7)のように大蔵雷神では「仕訳帳」を記入するだけで、
「売って買って残ってナンボ」「残った払ったウハウハ」の面倒な算数も不要ですし、
現金や預金、借金が今どのようになっているかが作表により即座に判ります。
それも「お金は右から入り左から出て行く」この一言を覚えて仕訳帳に記入するだけでした。
お金の管理はご自宅の「山の神」ではなく、会計に絶大な力を与える会計与力「大蔵雷神」に
お任せすることお考えになりませんか?
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[2]中学の部
1.仕訳に必要な科目
[小学の部]では、左から出て行くお金には「残って」を計算する仕入の支払いと、
「払って」を計算する支払いがあると気付きましたか?
売上や仕入は、いつ(年月日)、何を(商品名)、どれだけ(数量)、幾ら(単価、金額)で、
どこ(顧客名/仕入先)と取引したかを記録したいところだが、このような詳細な記録は
売上帳、仕入帳に任せることにします。
大蔵雷神には、いつ(日付)、どこに何を(摘要に簡単な記入)、幾ら(金額)を記録するに
とどめます。
さて、売上、仕入がコード 50、30 だけならば
@払ったお金に関わるコードも 01:人件費、10:経費 の2つでもよい筈です。
Aお金の保管場所として、60:現金、61:預金、
B所有するお金の種類として 81:借入金、95:資本金(会社にとって資本金は株主から
借りたお金です)
C売った買った残ったに関わる 50:売上、30:仕入、691:商品在庫、692~693 科目名
記載なし
Dウハウハ(儲かったぁ〜)に関わる 990~995
大蔵雷神の台帳は@〜Dがあれば、アナタの毎日の活動が会計的には充分に記録できます。
ところでここに厄介な問題があります。
昔からよく云うでしょう「泣く子と地頭には勝てぬ」と。
そうなんです。あの地頭であるところのゼイムショ様が睨みを利かしております。
そんな払ったお金は、払ったことにしてやらん、もっと儲かっているじゃないか、
ゼイキンを払えとのご宣託がくだります。さすがの雷神様も地頭様には勝てません。
てなわけで、払ったことにできるお金と、払ったことにできないお金を区別しなければなり
ません。
どうせ区別しなければならないなら50歩100歩だから 07sample.xls の台帳に示すコードと
科目名をエイヤーと決めました。
01~29 は全て@払ったお金に関わるコードです。
2.12月の仕訳記入例
1)日付 071202 新年から本格的に商売するため事務所を借りました。
家賃不払い時の保証金を払いました。771:差入保証金 30万 お金が出て行くから左に記入し、
右にはポケットから払ったので 60:現金 30万 と記入しました。
さて、この差入保証金ですが、借りた事務所を出る時には通常7割とか8割が返却されます。
だから地頭様は「払ったことにできん」とのお触れを出しています。
仮に今期0803末に100万(990:税引前当期損益)儲かったとします。この30万を払ったと
認められるなら儲けは70万になります。
儲かったお金の4割(取敢えず4割としておきます)は地頭(ここからは敢えてジガシラと
読みましょ)様が取立てます。て云うか日本国で商売すれば地頭様の取立は逃れられません。
これは、いわば「キクの代紋へのショバ代」なんです。
もし30万が払ったと認められるなら、30万の4割、12万がとこショバ代が少なくなるのだが、
そうはイカンザキとのご宣託です。40=(100x0.4) 28=((100-30)x0.4) 12=40-28
071202 22:家賃 6万 12月分も支払いました。「お金は左から出て行く」左に記入します。
右は 60:現金 6万 を記入しました。
2)071205 11月末の現金は48.5万でしたから、30万と6万を払うと手持ちが乏しくなりました。
そこで預金から出金して現金を増しました。
これは入ったお金でも出て行ったお金でもありません。
云わば上着のポケットからズボンのポケットへお金の保管場所を変えたに過ぎません。
さて「お金は右から入り左から出て行く」の見方を変えます
11月の例では左から出たお金の右は現金でした。預金の場合もあるとも述べました。
お金が左から出て行くと右の現金は減ります。
また右から入ったお金の左も現金でした。お金が右から入るとこのとき左の現金は増えます。
左右の「見方を変えるとお金が右から入ると左のお金は増え、左から出ると右のお金は減る」
ことになります。
出金とは正に、預金が減り、現金が増える行為です。だから右に 612:普通預金 50万、左に
60:現金 50万 と記入しますと、右の預金が減って、左の現金が増えることになります。
これが預金から出金の記入です。
そして1月から、家賃、光熱費(電気、ガス、水道)の代金を毎月の「払った」に関わる費用
を 611:普通預金から支払うために 611:普通預金 に入金しておきます。
071105 右に 60:現金 15万(現金減る)左に 611:普通預金 15万(預金増える)と記入します。
これが預金へ入金の記入です。
この時点で手元の現金=48.5-30-6+50-15 47.5万となりました。
3)日付 071210 50:売上 10万 「お金は右から入る」右に記入しました。左に 60:現金 10万
を記入しました。
071221 50:売上 100万 右に記入しました。今回の売上はツケでした。
左は 65:売掛金 100万 と記入します。ツケの記入方法です。
071216 30:仕入 60万 「お金は左から出て行く」左に記入しました。
右に 612:普通預金 60万 と記入しました。
今回の仕入はポケットの現金から支払わずに預金から振込みしました。
4)日付 071225 02:給料手当 10万 支払いました。「お金は左から出て行く」左に記入し、
右に 60:現金 10万 と記入しました。
071225 01:役員報酬 20万 支払いました。左に記入し、右に 60:現金 20万 と記入しました。
役員報酬(役員の役務に対しての給料)を今月から支払います。3月の決算月に儲かったぁと
云って役員給料を3月に纏めて支払うのは地頭様がお認めになりません。
地頭様は儲けを減らす、ショバ代払いたくない見え見えの帳簿操作だとお考えになります。
役員の給料も社員同様に経営期の初めから一定額を支払ねばなりません。
5)日付 071228 21:車両費 2万 支払いました。
左に記入し、右に 60:現金 2万 と記入しました。
この車両費は営業活動のために車の駐車代やガソリン代です。
車の駐車代の領収書はレシートで200円とか500円、800円を使う毎に記入したのでは仕訳帳の
行数は幾らあっても足りません。
このような小金はレシートをホッチキスで止めて、その合計がいくらと月末などに纏め記入
しました。
11月の会社設立費用的な纏め記入と同じ手法です。
このように纏め記入をうまく利用すれば記帳行数が減り、毎月の仕訳帳が見易くなります。
50:売上 30:仕入 についてはそもそもまとめ記入的に利用しているのですから払っての費用
(経費)もまとめ記入しても何ら差し支えありません。
但し記入した金額とホッチキスで止めたレシート領収書の金額の一致は必須です。
そして売上や仕入も架空取引と地頭様から言われないよう取引資料(領収書は当然、納品書、
請求書の類)を残しましょ。
同じ領収書を2日回も3回にも利用して払った金額を水増しできる特典は、代議士にしかあり
ませんし、使っていなくても交通費は受取れます。
また漫画を買っても政務調査費の科目で支出できるのも地方議員の特典です。
このような特典は民間には全くありません。
要するに代議士、地方議員、役人にとってお金は天から降ってくるとお考えのようですが、
民間は毎日刻苦精励して稼ぎ、そしてひたすら地頭様のご機嫌を損ねないよう注意深く記録を
残すことを心がけねばなりません。
6)12月の「売って買って残ってナンボ」はどうでしょう。
071210 売上 10万 は 7万の仕入分と、071221 売上 100万 は 60万の仕入分を出荷したと
します。
買っては 計67万 です。売っては 計110万 ですから、残っての粗利は 43万(110-67)です。
「ナンボ」は11月末棚卸在庫34万、今月の仕入60万、今月の出荷分67万、12月末棚卸在庫27万
(34+60-67)となります。
7)「ウハウハ」どうでしょう。
「売って買って残って」残って43万、
「ナンボ」27万、「残って払って」の払ったは38万(6+20+10+2)ですから、
「ウハウハ」は、5万(43-38)の黒字となります。ほんのチョコッとウハウハです。
8)では、大蔵雷神のお任せしましょう。
試算表 セルF4:340,000 セルF5:270,000 と記入します。この記入を毎回しなくてもよい
ようセルF82 270000 を記入しておきます。
メニュー セルJ15:2 セルK15=07 は11月と同じそのまま、セルJ16:0712 セルK16:0712
記入しリターンキー押します。試算表の作表結果、
残ったは セルH16:430,000(売上総利益)となり、払ったは セルH19:380,000 となり、
ウハウハは セルH28:50,000 (43-38)(990:税引前当期損益)の黒字になります。
12月末の現金は、残高表のセルK37 259000円です。
3.1月以降の仕訳記入例
何だかウジャウジャ記入してます。
これを一括して眺めるのはバンジージャンプで下を覗き込むようなものです。
何とか12月まで少し判りかけた気分が一度に吹っ飛び、ウェーと恐れをなし引いた気分なる
でしょう。
そこでもう一度「お金は右から入って左から出て行く」と繰言を繰返し唱えながら1行づつ
丁寧に眺めましょう。
1)まず、入るお金は 50:売上 です。全て右に記入しています。
出るお金は 30:仕入 と 01:29 人件費、経費です。全て左に記入しています。
2)日付 080110 10:通信費、080131 22:地代家賃と23:水道光熱費 は出て行くお金ですから
全て左に記入し、右は 611:普通預金 からの引落とし支払になっています。
3)日付 080110 30:仕入 120万 も左に記入し、ツケで買ったので右は 85:買掛金 120万 と
記入しています。
4)080104 新車をツケで買いました。
買った記録を残すために 21:車両費 100万 を左に記入し、右には 86:未払金 100万 と記入
しています。
後述する節税のために新車の納品書も必ず 08年01月04日付けで受取りましょう。
支払は2月です。
通常売った買ったに関するツケは売掛金、買掛金を用い、残った払ったに関するツケは
未収金、未払金を用います。
5)日付 080120 には 071221 ツケで売った売掛金を回収、ツケのお金が入るので左に
64:受取手形 100万 と記入し、お金が増えることを示します。
支払企業が倒産しない限り、手形も数ヶ月先に現金になります。
従って現金と同等に扱います。
さて右は 65:売掛金 100万 と記入しています。
@071221 100万 65:売掛金 50:売上 100万 ツケ売りとツケ回収の2行を並べると
A080120 100万 64:受取手形 65:売掛金 100万 @Aのようになります。
仕訳帳はコード65のように左右に記入したコードが同じで、金額が同じなら帳消しになること
を意味します。この場合、正に売掛金が帳消しなる、すなわちツケが帳消し=回収できたこと
になります。「帳消し」言葉の語源もここから出ていると推測します。
企業相手の商売はツケ売り、ツケ買いが普通です。
末締め末払いとか、20日締め20日払いのように締め日までの取引は翌月支払うのが日本の
一般的な商習慣です。但しツケ売りツケ買いはお互いが信用できる場合に限ります。
6)日付 080210a 預金金利です。お金が入りますから右に 52:受取利息 を記入します。
金利を受取るとお金が増えます。しかも増えたお金の保管場所は 612:普通預金 です。
従って左に記入します。
さて問題は金額です。金利は20%税金を差し引かれます。10%地方税、10%国に
納める国税です。
金利1000円とすれば実際に増えるお金は800円です。期末決算が赤字なら国税10%の100円は
申請すれば払戻しされます。そこで右に 52:受取利息 900円 左に 612:普通預金 900円 と
記入すると共に、080210b を記入します。
B080210a 900 612:普通預金 52:受取金利 900
C080210b 100 17:租税公課 612:普通預金 100
このBC2行を並べると一般的に「残った払った」の払ったに関して税金を支払う場合に
租税公課という科目を用います。
080210b は税金100円を普通預金から100円支払う記入です。
aの612:普通預金は金利900円受取り、bで612:普通預金は国税100円を支払うことになり結果、
金利800円が 612:普通預金 に増えたことになります。
このような記入はしない。税金は払戻しを受けない。
代議士はお国のために大変よく働いて下さるので、ササヤカナガラ立派な衆議院宿舎建設費
に寄与したいとお考えなら別段この複雑な記入はお奨めしません。
単純に 080210 800 612:普通預金 52:受取金利 800 と記入すれば事足ります。
7)さて、さて2月には新車購入代金の支払が発生します。
現金をやり繰り用意しなければなりません。
そこで日付 080225 01:役員報酬 20万 86:未払金 20万 とし、
現金を減らないようにしました。
080229 1月のツケ買いの支払も 612:普通預金 振込みで支払いました。
ツケ買いとツケ支払の2行を並べます。
D080110 120万 30:仕入 85:買掛金 120万
E080229 120万 85:買掛金 612:普通預金 120万
ここでも左右にコード 85:買掛金は記入され且つ金額も同じです。
買掛金が帳消し=ツケ支払済みとなります。
8)日付 080229b 新車代金100万を支払いました。
請求書を見ると「設立費一式」のような記入はできそうにありません。
どのように記入すればよいか判りません。
そこで便利な科目、67:仮払金を用いました。
取敢えず支払うことを意味し、出るお金ですから左に記入しました。
右は 60:現金 です。080104 既に新車購入の未払を記入しています。
これを帳消しにします。
F080104 100万 21:車両費 86:未払金 100万
G080229b 100万 86:未払金 21:車両費 100万
左右にコード 21 86 が記入され且つ2つのコードの金額も同じです。
仕訳帳では2つのコード共に帳消しになります。
これは 080104 未払金の行を削除するのと結果は同じですが、意味は全く異なります。
会計的には取引の痕跡が残っていることに意味があります。従って削除してはいけません。
仮払金の利用法を再度記述します。何の科目で支払えばよいかが判らないが、取敢えず支払が
必要な場合に仮払金を用います。
あるいは出張など取敢えずお金が必要な場合に仮払金を用いて支払い、帰任後に正しい金額で
清算する用い方もあります。
但し仮払金での支払いは決算月までに清算し、正しい支払いの記入にすることを推奨します。
なお上記6)及び8)にも日付の後に a b を記入しています。
これは仕訳帳の記入を日付順に並べ替えた場合、同じ日付の行はどこに並ぶか判りませんが、
a b を記入すると行は必ず上下並びになります。
関連する2つの行が飛び離れると仕訳帳記入の理解がし難くなります。
これを防ぐための記入です。
9)日付 080319a 080319b では 2月のツケ売りを回収しています。並べて記述します
H080218 80万 65:売掛金 50:売上
I080319a 32万 64:受取手形 65:売掛金 32万
J080319b 48万 60:現金 65:売掛金 48万
80万 左右にコード 65 が記入され且つ65:売掛金のコードの金額も左右同じです。
合計も同じ金額になっています。
従って帳消し=手形と現金よる回収(現金4割、手形6割)済みの記入となっています。
10)日付 080307 売上返品を記入しています。返品があればお金を返却するはずです。
お金の返却はお金が減ることです。減るお金は右に記入します。
これは支払うお金を右に記入するのと同じです。
K080226 10万 65:売掛金 50:売上 10万
L080307 4万 50:売上 60:現金 4万
左右にコード 50 が記入され且つ2つのコードの金額差額は6万(10-4)です。
2月のB社売上げ10万のうち 4万 が売上減(返品)になった記入です。
11)日付 080325 1月の役員報酬未払いを清算しています。
M080225 20万 01:役員報酬 86:未払金 20万
N080326 20万 86:未払金 60:現金 20万
左右のコード 65:未払金が帳消しになるとは取消線の状態を意味し
[ 20万 01:役員報酬 60:現金 20万 ]通常の支払いの記入と同じ形となります。
12)日付 080325a 新車購入代金の仮払金を清算しています。
O080229b 104.35万 67:仮払金 60:現金 104.35万
P080325a 104.35万 60:現金 67:仮払金 104.35万
左右のコード 60 67 が記入され且つ2つのコードの金額は同じです。
この2行は削除するのと同じですが、取引の痕跡記録のため帳消しの記入にします。
改めて新車購入代金を請求書の内訳に従い 080325b〜080325g に記入します。
ここでも地頭様は車の購入代金全額を「払った」としてお認めになりません。
新車購入に関わる税金(租税公課)、リサイクル預託費、自賠責保険料、新車登録など
車販売店の諸手続き費用、カーナビなどが「払った」ことにできると地頭様がお認めになる
経費です。
車本体、本体付属のオプション代金は、080325g 72:車両運搬具 80万 固定資産として
記入し、地頭様は経費としてお認めになりません。
ここは地頭様に逆らわず正しく仕訳記入をしなければなりません。
ここで租税公課の用法を再度記述します。明確に判明する税金の支払いに用います。
車購入時の諸税、受取利息や配当の税金、各種登記や契約書、領収書に使用する印紙購入の
支払いに用います。
ガソリン、お酒などの物品に関わる税金は、明確に覚えていませんし、物品の正味費用と
税金に区別するのは大変な労力を要しますから租税公課の科目は利用しません。
但し消費税は後述する別段の取扱いが必要です。
なお決算月の当期利益から支払う税金(法人住民税、法人事業税、法人所得税)は
コード991:を用い、租税公課は用いません。
13)日付 080331 期首にY氏から借りた100万のうち20万を返済。
なおY氏が親族、近親者であっても地頭様に備えて必ず借用書(金額によっては金利も記載)
の作成が必要です。
以上、仕訳帳記入の実務に必要な取引はあらかた網羅して記入しました。
あとは「お金は右から入って左から出て行く」の繰言を繰返し唱えながら記入し習熟して
頂くだけです。
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[3]高校の部
1.消費税の仕訳帳記入
1)仕訳帳は消費税の付加される取引は、左右金額は税込みを記帳します。
作表の金額は税抜き金額となり、本来の会計金額となります。
2)[2]中学の部では全て消費税なしの税抜金額により記述しました。
仕入の場合、左に消費税込みの金額を記入し、F列(T1)に 5(5%の意味)と記入すれば、
M列(仮払消費税)に税額が自動記載されます。
売上の場合、右に消費税込みの金額を記入し、I列(T2)に 5 と記入すれば、
N列(仮受消費税)に税額が自動記載されます。
纏め記入する場合、仕訳帳記入金額の必ずしも5%でない消費税は、%の記入をせずに
M列又はN列に消費税額を手動記入します。
3)080304b 080310b のように、消費税なしの税抜金額の記入と、消費税の記入の2行に
分ける記入もできます。2行に分ける記入は絶対にお薦めできません。
4)売掛売上はI列 5 を記入すると仮受消費税、買掛仕入はF列 5 を記入すると仮払消費税を
自動記載します。
Q080110 126万 30:仕入 85:買掛金 126万
R080229 126万 85:買掛金 612:普通預金 126万
30:仕入 126万 が帳消しなり支払済みとなります。売掛金の回収や買掛金の支払いには
消費税 T1 T2 の記入や、仮受、仮払に直接金額を記入してはいけません。
売掛売上や買掛仕入のときに消費税は記入します。
(従来の説明は回収や支払時に税額を記入する間違い、大チョンボしていました)
2.決算の税務処理
決算の税務申告は税理士に依頼することを推奨します。
経費として認められていない支払いを経費として記入していないか?
申告すれば還付(払い戻し)される経費を正しく記入しているか?
決算利益の税額はいくらか?
税務処理は毎年のように変更されるため、プロの支援を得るのが安心且つ確実です。
例えば日付 080220 パソコン購入など、20万を超える場合、71:什器備品の固定資産として
記帳しますが、ある年はIT減税として100万までは損金扱いできるなど、地頭様の上層部が
御気に召すままお決めになり、地頭様がお触れを出すので付き合いきれません。
毎年、ゴチャゴチャと変ります。
(損金扱いとは、利益から差し引き、税金を減らせる記帳を云います)
とは言え、決算書、試算表、残高表、コード別元帳、推移表などの印刷出力を持参して
立会いの下に税理士の判断をお聞きすること強くお奨めします。1、2年も立会えば経理知識
の習得に大いに役立ちますし、税務実務の概略も理解できるでしょう。
1)決算月に限り仕訳帳に必ず記入する取引があります。(仕訳帳1行を1取引と云います)
まず消費税を左右同額にする、減価償却を記入する、991:法人税額を記入する。
少なくとも上記3つの記入は不可欠です。
2)消費税について
メニュー画面の セルJ15:1 セルK15:07 セルJ16:0700 セルK16:0803 を記入し、
リターンまたはセルL16 GOクリックする。この作表結果は、
996:仮受消費税は残高表セルM60 248000円 試算表セルO49 248000円 を記載している。
998:仮払消費税は残高表セルK62 296300円 試算表セルH49 296300円 を記載している。
3)消費税の同額記帳
免税事業者の場合
@売上も仕入や仮払消費税を負担している経費項目の支出は、左右税込みで記入し、T1 T2 や
仮払、仮受の金額記入は一切しない。
売上も税抜10万円売りたいなら、10.5万円を記帳する。免税企業でも消費税上乗せできる。
支払時の仮払消費税は負担するのだから、上乗せできないと損失となる。
税込売上と税込仕入や経費として決算処理する。
(免税事業者はこれが可能? と思う。税理士にご確認下さい。この処理ができないと経理
負担を軽減する目的で免税事業者を設けた主旨に反する)
A消費税 仮受<仮払の時
免税事業者が本ソフトで T1 T2 仮受、仮払の金額を記入したとして、この07sampleの如く
仮受<仮払 48300円払い過ぎているが、この払い過ぎは還付(戻ること)されない。
また逆に仮受>仮払 受取る消費税が多くても納税しません。
まずこのケースの左右同額にする前に、612普通預金の残高は、85800円です。
これは売上帳セルH4 080331 セルJ4 612 を記入しリターンを押すと表示します。
日付 080331w 48300 612 普通預金 999 還付消費税 48300 と記帳し、残高表を作表
します。残高表セルK62 296300
セルK63 -48300 残高表セルM60 248000 を集計します
セルK62とセル63 の合計は、248000 となり左右同額となります。
セルK40 612預金残高は、134100 となり、記帳前の残高 85800 より 48300円増えす。
これは消費税還付取引を記帳したので消費税が戻ったことになります。
しかしこれは架空であって免税業者ですから還付されません。
日付 080331x 48300 57 雑損 612 普通預金 48300 を記帳し残高表を作表
します。残高表セルK35 雑損 48300円 を表示し支出されました。612預金残高セル40
85800円 元の額です
i) 080331w 48300 612:普通預金 999:消費税還付 48300
j) 080331x 48300 57:雑損失 612:普通預金 48300 並べると612帳消しにより
k) 080331w 48300 57:雑損失 999:消費税還付 48300 記帳と同じである。
解り易くするため上の2行で記帳した。この場合は本来k)1行に記帳で充分です。
B消費税 仮受>仮払のとき
上記 i) と j) の金額を消去(上記のない場合だから)する。 仮受税
M) 080331u 105万円 60 :現金 50:売上 105万円 5万円
N) 080331v 1700 997:納付消費税 53:雑収入 1700
仮払税が、48300円 仮受税より多かったので、税込み105万円の売上して、5万円仮受が
増えると、1700円仮受が増える。M) N) を記帳し、残高表を作成すると、
残高表セルK62 296300 残高表セルM60 298000 この2行を加算すると、296300 の
残高表セルM61 -1700 同額となる。
セルM31 雑収入は、1700円となる。
この様に納付額は実際に納付です顧客から受取った金額なので雑収入、還付額は還付されず
支払った金額なので雑損失として処置すると共に、左右同額の記帳ができます。
しかし消費費税の記帳は大変煩わしいため、上記@が上記をお推めします。
課税事業者の場合
C消費税 仮受>仮払のとき
仮受税が多いので実際に仮払との差額を納付しなければなりません。これは実際に預金から
振込めば預金が減ります。お金は左から出ていく、左へ記入します。
P) 080331v 1700 997:納付消費税 612:普通預金 1700
なお課税事業者の消費税納付は、期末決算月は必ず納付しますが、年一回とは限りません。
D消費税 仮受<仮払のとき
仮払が多いので仮受との差額は還付されます。これは通常に預金へ振込んでくれます。
振込んで貰うと預金が増えます。お金は右から入ります、右へ記入します。
Q) 080331w 48300 612:普通預金 999:消費税還付 48300
さて、地頭様は取り立てるお金は決算申告と同時に取り立てますが、出すものはできるだけ
遅らせる習性があります。実際に記帳した31日には預金は増えません。
信頼し難い地頭様(何かと難癖をつけたがります)ですが、取り敢えず入って来るものと
して、この記帳のままにする。
3月末期末の事業者は決算申告を5月末までにしますから、実際に地頭様から入金は6月
末か7月中旬になります。その間何癖があるかも知れません。
R) 080331w 48300 66 :未収金 999:消費税還付 48300 期末は未収金で記帳
S) 080702 48300 612:普通預金 66 :未収金 48300 翌期の仕訳帳に
実際に入金したS)を記帳します。これはコード66 の帳消しにより Q) の記帳と同じです。
3.減価償却について
固定資産がある場合、固定資産の種類の応じて地頭様がお触れをしている額を経費として損金
扱いできます。になっています。車の場合、定率償却の申請手続き地頭様にして
おけば(税理士とご相談下さい)簿価の0.319割(間違っているかもしれませんので税理士に
ご確認下さい)が、1年間に減価償却できます。
800000x0.319=255200 これが1年間に認められる損金ですが、新車1月から3月末までの使用
ですから、255200x(3/12)=63800 の減価償却が可能です。
日付 080331y を記入します。
この記入により次経営期の車の簿価は800000−63800=736200 となります。
期末更新を実施すると、固定資産・車の繰越額となります。
これが080104 付けの納品書を揃えておく理由です。
2月付けの記入なら1ケ月分の損金扱いができません。
わが社はウハウハだから細かいことは言わないとお考えなら、どうぞ参議院宿舎建設に
もご貢献下さい。
4.期末の残高表
07sample 株)ウハウハの決算を読み取ります。残高表は試算表2桁コードの集計と違い台帳
に登録した3桁コードを含む全てのコードの残高を集計します。
1)セルK62 K63 の合計は248000(286300-48300)は、セルM60 24800 と同額になっています。
セルK40 612:普通預金は 134100 となり、同額記帳前の残高 85800 より 48300 増える。
還付されて 612 へ振込まれたのですから増えるのは当然です。
通常は31日に振込まれませんから、612:普通預金の代りに 66:未収金したときは、セルK44
48300 となり、セルK40 612:普通預金は、85800 記帳前の額となります。
2)セルK37 59:特別損失は 300,000 は会社設立の費用です。特別損失は継続して発生する費用
でなく、その経営期に限り発生する費用です。設立費用はこれに該当します。
3)車は日付 080331y 63800 減価償却して 800000 から差し引かれ、セルK47 72:車輛運搬具
736200 の残存額となっています。
4)売掛金はセルK43 525000 買掛金はセルM39 85000 が残っています。
売上はセルM28 4,920,000 です。(売上は上記図からは読み取れませんが)
5)税引前当期利益はセルM54 -224000 赤字です
税引後当期利益はセルM57 -294000 です。これは法人県民市民税 7万円を納付したためです。
この7万円は赤字であっても決算申告時に納付しなければなりません。
6)上記図に表示していませんが、経費が幾らであったかも表示しています。
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[4]その他 あれこれ
1.仕訳帳記入の重要注意点
1)現金残高、預金残高の赤字
現金残高、預金残高が不足の状態で支払いの記入をしてはいけません。
月末残高を把握し、不足が生じないように記入します。
例えば現金2万の手持残高で4万の支払い記入はできません。
仕訳帳のセルH4:L4 には日付を記入し残高が集計表示できますからこれを活用して下さい。
2)決算月に限る売掛金、買掛金の記帳
お奨めはしませんが、取引先が極めて少ない取引状況ではツケ売り、ツケ買いの回収日、
支払日を取引日とし売掛金、買掛金を使用しない仕訳帳の記入も考えられます。
例えば電話代など1ヶ月遅れで明細が判明するため、預金引落し日付を取引日とせざるを
得ません。電話代に毎月未払金の記帳をすることは通常ないでしょう。
電話代がそうであるなら、50歩100歩、売掛金、買掛金を決算月に限り記帳し、経営期中は
記帳しない仕訳帳であってもよいと考えます。
3)消費税左右同額チェックと記入漏れチェック
左右同額でない場合、作表前にエラー表示はしますが作表はしません。
この場合を含め仕訳帳記入の誤りをチェックしなければなりません。
今時、文章作成にワープロを利用する場合、他人に依頼するときを除き手書き原稿を作成後、
ワープロ操作するでしょうか?
おそらく直接ワープロ打ちを始めると推察します。
と同様に、振替伝票を手書きした後に本ソフトの仕訳帳を記入しますか?
慣れれば手書き振替伝票なしの直接記帳も1つの方法として選択できます。
では記帳漏れのチェックは?
そこで「売って買って」の預金通帳と、「残った払った」の預金通帳を分けて使用します。
07sample.xlsでは 611:普通預金と612:普通預金に分けています。
年間数千行程度の仕訳帳記帳ならば、預金通帳の預金残高と仕訳帳の残高が一致することを
確かめれば、記帳漏れチェックは可能と考えます。
預金通帳を利用して記帳漏れなどチェックすることをお考え下さい。
3)複合仕訳
080319a 32万 64:受取手形 65:売掛金 32万
080319b 48万 60:現金 65:売掛金 48万 この仕訳帳の記入が基本です。
080319a 32万 64:受取手形 65:売掛金 80万
080319b 48万 60:現金 65:売掛金 0
このような記入もできますが、この複合仕訳はお薦めしません。
65:売掛金の元帳を正しく作成するため、右の 65:売掛金 0 この記入は必須です。
2.「売って買って残ってナンボ」
1)今月末棚卸高=(前月末棚卸高+今月仕入)−(今月売上−粗利)の計算式となります。
「残って」は粗利、「ナンボ」は今月末棚卸高に相当します。
仕訳帳は、この計算式の今月売上、今月仕入は確実に記入しますから判りますが、
今月末棚卸高、前月末棚卸高、粗利は仕訳帳に記入しませんから判りません。
1つの式に5つの数値のうち3つが未知数では数学的には解けません。
そこで会計の仕組みは、毎月の正しいウハウハを知るために、月末に実棚卸を実施し毎月の
棚卸高を把握します。
例えば12月のウハウハ計算では、11月末の棚卸高は前月末棚卸高となり、12月末の棚卸高は
今月末の棚卸高となります。
棚卸により2つの数値が判明し、仕訳帳から2つの数値が判明するため
中学の数学では 粗利=今月売上−[(前月末棚卸高+今月仕入)− 今月末棚卸高]と
なります。
会計では粗利=売上総利益、(前月末棚卸高+今月仕入)− 今月末棚卸高=売上原価
と呼称しています。
仕訳帳には「払って」を確実に記入しますから、払っての合計は判明します。
粗利から払っての合計を差引けばウハウハが算出できます。
ここに記述した考えの下に試算表を作表しています。
2)上記1)の計算式において、売上帳などから粗利が判ると逆にの帳簿上の今月末在庫額が
算出できます。
すなわち今月末在庫額は翌月には前月末在庫額となるため、期首在庫額が判明すれば毎月の
粗利から毎月の在庫額が判ることにもなります。
会計に慣れないと、この残ってナンボが最も理解し難いところです。
3)会計図
「残ってナンボ」が解り難い。これは 営業利益=売上額−販管費−売上原価 この式の理解
に尽きます。
仮に1000円の売上があったとします。売るために500円仕入れました。
売るための費用350円を使いました。
売上−仕入−販管費(1000−500−350)は簡単に理解できますよね。
ところが期末在庫が期首に比べて増えました。その増えた額は100円でした。
在庫もお金です。社内に期末は100円残っています。
もし仕入もしない。売るための費用も使わなければ、1000円が入って残ります。
その結果、在庫も100円残りました。結局のころ会社は売上げた結果1100円が残るのと
同じです。 残った1100円から500円と350円を支払うと、会社にには250円
残ることになります。
この式は、利益=売上+期末在庫の増加分−仕入額−販管費ですが、式の形を変えます。
利益=売上−販管費−(仕入額−期末在庫の増加分)
売上原価=仕入額−期末在庫の増加分 です。
図は製造業のため加工費、外注費を含めていますが、卸売業や小売業では部材費だけとなり
これが仕入額です。
図からも明らかに、売上原価=仕入額−期末在庫の増加分 と判る筈です。
製造業では 製造原価=売上原価+期末在庫の増加分 です。
* 「期末在庫が増えると利益が増える」 「期末在庫が減ると利益が減る」
これは大変に恐ろしいことです。
翌期に売れる在庫ならよいのですが、売れない在庫(不良在庫)だと捨てるしかありません。
ところが利益が赤字だと、不良在庫を捨てると在庫額が減り利益が減り赤字額が増えます。
赤字では銀行融資に差し障りますから、不良在庫は捨てたいがナカナカ捨てられません。
在庫は場所をとりますし、お金も倉庫に眠っていなす。このお金や場所は有効活用したい。
また在庫は生鮮食料品と同じであって古くなると、どうしても不良在庫になります。
なので在庫は持たないのがベストですが、
「今すぐこれが欲しい」と要望する顧客への販売機会を失います。
「そりゃ仕方ない」と諦める割切りのよい場合は別ですが、適正在庫は常に頭痛の種です。
* 翌期繰越損益=前期繰越損益(今までの損益)+ 当期税引後損益(当期純損益)
期末更新した翌期繰越損益は上の式になります。損益正数のとき全て利益と読替えます。
* エンゲル係数=(外注費+部材費)/売上額
社外流出額/売上額のことを私は会社のエンゲル係数と名付けています。
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