デジタル化したカセットテープ音声を管理し、快適に聴くための総合環境を提供するソフト
わが青春のカセットテープ
日本語版 Windows Vista から Windows 10 まで
WAVファイル用
ver. 1.5


目次
このソフトにできること
動作環境
前バージョンからの変更点
このソフトの使い方
困った時のために
その他の情報(必要な時だけお読みください)
アンインストール
ソフト種別、作者情報など



このソフトにできること

このソフトは、デジタル化したカセットテープ音声(wavファイル)を管理し、快適に聴くための総合環境を提供します。次のことができます。

wavファイルをカセットテープ単位で管理
wavファイルの形でデジタル化されたカセットテープ音声を、カセットテープ単位(A面+B面)で管理します。これにカセット全体のタイトル、面ごとのタイトルを付け、もしもカセットの画像やカセットについて記した文書があれば登録して簡単に呼び出せるようにします。片面ずつ再生、または両面通して再生します。

ピッチなどの調整
元テープの走行速度に誤差がある場合のためにピッチ調整機能があります。部分的に録音レベルが異なる場合のための音量調整、左右バランスが悪い場合のバランス調整、オーディオの接続コードを左右誤って接続・録音した場合のための左右交換、録音状態がきわめて悪いステレオ録音でむしろモノラルのほうが聴きやすい場合のモノラル化があります。これらは鑑賞時にいちいち調整するのでなく、あらかじめwavファイルのどの部分をどのピッチ(音量・バランス・他)で再生するか指示しておきます。以後の再生時にはその部分で自動的にピッチ(音量・バランス・他)が変わります。すべての変更は再生時にメモリー上で行います。wavファイル自体を変更することはありません。「大事な元データに不可逆的な改変を加えない」というのが本ソフトのモットーです。

インデックスの作成
アーティスト名や曲名を記したインデックスを作成します。これはデジタルデータであり、紙面の大きさの制約なしに記述できます。インデックス項目をダブルクリックするとその曲の頭から再生します。インデックス項目にリンクを設けて、他のカセット内の曲を呼び出します。これにより、ある曲のライブ版、アレンジ違い版、別のアーティストによるカヴァーがある場合、即座にそれらを呼び出して聴き比べることができます。また、曲に関係のある任意の文書ファイルや動画ファイルへもリンクできます。

カセットラックの活用
カセットラックとはカセット収納棚のことですが、このソフトではそれを真似て、あらかじめ設けられた一覧の中にカセットファイルを収納し、聴く時は一覧からカセットタイトルを見て楽に選べます。また、パソコンならではの処理を活用し、ラック内のカセットから特定の文字列が含まれる曲(インデックス項目)を検索します。

カセットデッキとカセットテープの外見の再現
Windows標準のボタンやスライダーでは味気ないので、少しでもアナログ時代の雰囲気が思い出せるようにとVUメーター付きのカセットデッキの絵を用意しました。再生を始めると音に従ってVUメーターが動き、カセットテープのリールが回ります。リールに巻いたテープの量は再生時間に応じて変化します。もしもユーザー様が画像編集ソフトの扱いを心得ていて、多くの細かいデータを作るだけの時間と労力を惜しまないならば、デッキとカセットの外見をユーザー様の愛機と愛用カセットに置き換えることも不可能ではありません。



動作環境

1. このソフトは日本語版 Windows 10 (64bit) で開発と全体の動作確認をし、日本語版 Windows Vista (32bit) で別個に一部の動作確認をしています。

2. カセットテープをデジタル化した音声ファイルの形式は、wav(リニアPCM;16bit/8bit)にのみ対応しています。

3. 一部の機能(ダビング、モノラル化、左右交換)を使うには、マイクロソフトが提供している「Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86)」が必要です。ダビング、モノラル化、左右交換を使わないならば「Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86)」は必要ありません。



このソフトの使い方

ピッチ調整が不要な方は、Step1の次に第1章を飛び越して第2章へ行ってもかまいません。

序章 はじめの一歩編
Step1 まずは再生してみよう(カセットファイルを作る)
Step2 このソフトのしくみを理解する

第1章 ピッチ調整編
Step3 音量・ピッチ・左右バランスなどを修正する
Step4 再生開始ポイント/再生終了ポイントを設定する
Step5 複数の音声ファイルでカセットの片面を構成する(中級編)
Step6 ピッチ調整済みの音声を新規wavファイルにダビングする(上級編)

第2章 インデックス作成編
第1章(ピッチ調整)が不要でインデックス作成だけをする場合でも、カセットファイルの作成を解説したStep1は読んでおいてください。
Step7 カセットインデックスを作成する
Step8 カセットインデックスにリンクを付ける
Step9 再生テストフェーズについて

第3章 カセットラック活用編
Step10 カセットファイルをラックに入れ、ラックから選び出す
Step11 アーティスト名や曲名が一致するインデックス項目を検索する
Step12 ミニラックの使用

第4章 そして新たな地平へ
Step13 アナログ時代の外見を懐かしむ
Step14 デッキやカセットの外見を愛機・愛蔵カセットに変える(超上級・奥義編)



Step1 まずは再生してみよう(カセットファイルを作る)

このソフトは音声ファイルをじかに読み込まず、修正データや他のデータも含めて一元管理する「カセットファイル」というものを読み込みます。ですから、カセットテープの音声をデジタル化したwavファイルはカセットファイルに登録する必要があります。



メニューの@[ファイル]−[カセットファイルの新規作成]を選択してください。
注意:もしも現在のA「作業フェーズ」が[再生テスト]や[ヴィジュアル]だと、[カセットファイルの新規作成]は選択できません。[ピッチ調整]または[インデックス作成]にしてください(上の絵は、「作業フェーズ」が[ピッチ調整]の場合の例です)。

「新規カセットファイルの場所と名前を指定してください」というウィンドウが開きます。場所とファイル名を指定してください。音声wavファイルがカセットファイルの下位フォルダにあるように、カセットファイルの場所を設定することをお勧めします。このソフトでは、音声ファイルなどの登録ファイルがカセットファイルと同じフォルダかその下位フォルダにあれば、カセットファイルからの相対パスを記録します。そうでない時は絶対パスを記録します。これがどういう意味かというと、音声ファイルがカセットファイルの下位フォルダにあると、将来パソコンの買い替えなどでファイルの場所を移動しなければならなくなった時に、カセットファイルのあるフォルダごとそのまま移動するぶんにはそのまま使えるということです。

[保存]ボタンをクリックすると、別のウィンドウが開きます。


@CASSETTE TITLEにはカセット全体のタイトルをキーボードから打ち込みます。後にカセットファイルをカセットラックに入れた時にこのタイトルが表示されるので、CASSETTE TITLEは白紙にせずに何か書いておくことをお勧めします。ACASSETTE IMAGEとBCASSETTE DOCUMENTはオプションなので、指定しなくても良いです。
CSIDE AとHSIDE Bという部分があります。これはカセットテープのA面とB面に相当します。どちらの部分にもEJADD AUDIOFILEがあります。SIDE AとSIDE Bのどちらにも、少なくとも1つの音声ファイルが必要です。ADD AUDIOFILEをクリックしてwavファイルの場所を指定してください。もしもカセットテープの片面に何も録音されておらず、指定すべきwavファイルがないならば、音声ファイル編集のフリーソフト(たとえばSoundEngine Freeなど)で0.5秒ほどの無音のwavを作成してダミーデータとして使う方法があります。DITITLEはカセットテープのA面B面それぞれのタイトルに相当します。録音内容がわかるタイトルを付けてください。FKIMAGEとGLDOCUMENTはオプションなので、指定しなくても良いです。

ヒント:SIDE A、SIDE BそれぞれのFKIMAGEオプションには任意の画像を登録できますが、もうひとつ機能があります。このソフトにはwavファイルの再生時にカセットデッキの絵を表示する「ヴィジュアルフェーズ」というものがあります。初期状態ではどのwavファイルを再生しても同じカセットテープの絵がデッキに入りますが、カセットファイルごとに特定のカセットテープの絵を入れることもできます。その場合にはこのIMAGEに登録します。詳細は「Step13 アナログ時代の外見を懐かしむ」の「カセットテープのデザインを変える」を参考にしてください。

MOKボタンをクリックすると設定ウィンドウが閉じて、メインウィンドウのCAUDIO FILESにwavファイルの名前を表示します。

ウィンドウ下のほうのDPLAYをクリックすると再生が始まります。BSELECT SIDEのBボタンをクリックしてからPLAYをクリックすると、B面に設定したwavファイルを再生します。



Step2 このソフトのしくみを理解する

このソフトの動作は大きく3つに分けられます。
これらの動作にはそれぞれ別の操作画面が用意されていて、画面を切り替えて使います。それぞれの操作画面をこのソフトでは「作業フェーズ」と呼びます。作業フェーズは4種類あります。 ユーザー様はメニューの[作業フェーズ]からフェーズ間を行き来できます。


作者が想定している基本的な作業の流れは、まずピッチ調整/インデックス作成をしてからヴィジュアルフェーズに移行して鑑賞する、というものです。でも、すべてのユーザー様が4種類全部のフェーズを必要とするとは限りません。「音声ファイルのピッチ調整は必要ない」という方は、ピッチ調整フェーズを使う必要がありません。「わざわざカセットデッキの絵を出さなくてもいい」という方はヴィジュアルフェーズを使う必要がありません。


COMMON PATHについて
COMMON PATHは、このソフトをちょっと試してみただけという方には必要ありません。このソフトをこれから長年使うかもしれないという方は、COMMON PATHを使うか使わないかを初めに決めておく必要があります。

もしもこのソフトを長年使うならば、そのうちにPCを買い替える時が来るかもしれません。その時には、ただソフトとデータを新しいPCにコピーしただけではうまく動かないかもしれません。なぜなら、データを参照するためにソフトがデータの場所を記録していますが、その場所が今までのPCの場所であって、新しいPCの場所ではないからです。PC用語で言うならば、ソフトが参照するファイルのパスが無効になってしまうからです。そこで、「このソフトで扱うデータは必ずこの場所の中にある」という場所を決めておいて、新しいPCにデータを移す時にはその場所をそっくりそのままコピーするという方法を考えました。これを使うと、全データを新しいPCにそのままコピーした後、その新しい場所がどこかを設定するだけで今までどおりにソフトが使えます。そのかわりに、このソフトに関係するすべてのデータをその場所の中に置かなければならないという制約を受けます。

COMMON PATHを使うならば、メニューの[初期値]−[COMMON PATH]でデータをすべて含むフォルダを設定してください。そしてこれからこのソフトで作るカセットファイル(厳密にはStep10で説明するカセットラックに影響します)、インデックス項目にリンクするファイル(Step7で説明します)、ヴィジュアルデータ(Step13に出てくる絵のデータ)はその場所の中になければいけません。

カセットファイルやインデックス項目にリンクするファイルがどうしても複数の場所に分散してしまいCOMMON PATHがひとつでは対処できない場合は、メニューの[初期値]−[COMMON PATH 拡張]でさらに9つまでの場所を指定できます。ただ、COMMON PATHの機能は設定を間違えた場合に後から修正できないので気をつけてください。つまり、ファイルを移動しないのにCOMMON PATHを変更したらリンク切れが生じてしまうので、最初によく考えて設定してください。



Step3 音量・ピッチ・左右バランスなどを修正する

音声ファイルの特定の場所を再生する時に自動的に音量、ピッチ、左右バランスなどが変更されるようにします。以下の説明はREVERSE MODEが初期値(A/B)のままという想定で書きます。



もしも現在のB「作業フェーズ」が[ピッチ調整]でないならば、メニューの[作業フェーズ]−[ピッチ調整]を選択します。それから、修正するカセットファイルをメニューの@[ファイル]−[カセットファイルを開く]で読み込んでください。ソフトの解説にも操作の体験にも、音量の調節がいちばん適しているので、まず音量を調節してみます。

ウィンドウ左下のEVOLUMEを見てください。初期状態でMAXではなく80パーセントの音量になっています。これが大事です。残り20パーセント分の音量を上げることができるように、こうなっています。(もしも音量を上げる必要がまったくないならば、メニューのA[初期値]−[VOLUME]−[MAX]を選択すると、次回起動時には初期状態でMAXになっています。)

KPLAYをクリックして再生して音を聴きながら、音量を大きく、または小さくする場所を決めてください。場所を決めたら、その場所以降の音を聴きながらEVOLUMEを動かして、音量を大きく、または小さくしてください。VOLUMEの下にあるHWRITE(まだクリックしてはいけません)の右に数値が出ているので、それをメモするか暗記してください。

DTIMEスライダーを動かして、先ほど音を大きく、または小さくすると決めた場所より前まで再生を戻します(この時点で音量は元に戻ります)。マウスポインタをJSTOPの上へ移動して、音を聴きながら待機しましょう。その場所が来た時にSTOPをクリックします。再生が止まります。

EVOLUMEのスライダーを先ほどメモまたは暗記した値に変更します。それからVOLUMEのHWRITEをクリックします。

試しに結果を聞いてみましょう。IREWINDをクリックするか、DTIMEスライダーを動かして再生ポイントを戻してからKPLAYをクリックします。先ほど決めた場所で正しく音量は変わりますか。

FピッチとGバランスの変更も、同様の手順で行います。ピッチは、手本となる音源(たとえば音楽配信サイトの試聴など)と聴き比べながら調整するのが最善です。バランスは、もちろん左右のスピーカーから音が出ている状態で調整します。音声のモノラル化や左右交換が必要な場合は、こちらの手順に従ってください。

ソフトを終了すると、「修正データ」は自動的に保存されます(保存場所は「カセットファイル」がある場所です)。元の音声ファイルを書き換えることはありません。修正データは音声ファイルとは別個に保存され、次回また同じカセットファイルを読み込んで再生する時に使われます。

補足
HWRITEをクリックするたびにウィンドウ右側のCリストに修正の記録が追加されます。リスト内のどれかひとつの記録の上で右クリックするとメニューが出ます。そこから、修正場所のTIMEに移動できます。また、修正の取り消しができます。リスト内のどれかひとつの記録をダブルクリックすると修正場所のTIMEに移動します。



Step4 再生開始ポイント/再生終了ポイントを設定する

カセットテープの先頭にはリーダーテープという透明のテープが付いていて、ヘッドがここを通過する間は無音です。その先の磁気テープまで来ると録音・再生できるようになります。私は自分のカセットテープへの愛着から、可能な限り全てを保存したいと考え、無音部分も含めてデジタル化しました。でも聴く時に無音部分をじっと聴いていたいのかと問われれば、それは別で、通常の鑑賞では無音部分を飛ばして再生したいと思います。

あるいは、長い番組を録音する時、テープの片面では足りずに裏面にまたがって録音しなければならず、CMなどの不要な部分のタイミングで急いでカセットをひっくり返したことはありませんか。そういう時はA面の最後とB面の最初に余白が出来ています。これを省いて再生できると良いかもしれません。



以下の説明はREVERSE MODEが初期値(A/B)のままという想定で書きます。もしも現在のA「作業フェーズ」が[ピッチ調整]でないならば、メニューの[作業フェーズ]−[ピッチ調整]を選択します。それから、修正するカセットファイルをメニューの@[ファイル]−[カセットファイルを開く]で読み込んでください。

再生開始ポイントを設定してみます。GPLAYをクリックして聴きながら、再生開始ポイントを決めてください。そこでFSTOPをクリックします。続いてCWRITE BEGINNINGをクリックします。

さてそれでは、EREWINDをクリックして再生ポイントを先頭へ戻してみてください。BTIMEスライダーのつまみはいちばん左まで行かないはずです。先ほどCWRITE BEGINNINGで再生開始ポイントを設定したので、そこが先頭になります。TIMEスライダーはそれより左側へは行きません。GPLAYをクリックすると、もちろんそこから再生が始まります。

同様のやり方で、再生終了ポイントも設定できます(DWRITE END)。

これでおおまかな操作方法は終わりですが、再生開始ポイントについてはまだ大事なことがあります。再生開始ポイントの設定は余白部分を飛ばすのが目的なので、聴いていて音が出始めたらSTOPをクリックします。でもこれでは音が始まってしまった後なので、少し戻さなければなりません。再生時間の長いwavファイルでは、マウスでBTIMEスライダーを少しだけ動かそうとすると、動かす範囲が小さすぎて難しいです。そういう時は再生が停止している状態でスライダーのつまみを一度マウスでクリックしてフォーカスを持ってきます。それからキーボードの←キーを押すたびに0.5秒ずつ戻ります。



Step5 複数の音声ファイルでカセットの片面を構成する(中級編)

これは中級者向きです。このStep5を体験する前に、かならず基礎知識としてStep4までを体験しておいてください。

カセットテープの片面がデジタル化のさいに複数の音声ファイルに分かれてしまうことがあります。たとえばテープの一部分にだけノイズリダクションが入っていて、ノイズリダクション入りの部分となしの部分を別々にデジタル化した場合など。こういう場合のために、このソフトではカセットの片面を複数のwavファイルで構成できるようになっています。ただしこの場合、感覚的にちょっと操作がわかりにくくなるかもしれません。とにかく体験してみましょう。



メニューの@[ファイル]−[カセットファイルの新規作成]を選択してください。
注意:もしも現在のA「作業フェーズ」が[再生テスト]だと、[カセットファイルの新規作成]は選択できません。[ピッチ調整]または[インデックス作成]にしてください(上の絵は、「作業フェーズ」が[ピッチ調整]の場合の例です)。

「新規カセットファイルの場所と名前を指定してください」というウィンドウが開きます。場所とファイル名を指定してください。[保存]ボタンをクリックすると、別のウィンドウが開きます。



@SIDE AとBSIDE Bという部分があります。どちらの部分にもACADD AUDIOFILEがあります。Step1と同じくADD AUDIOFILEをクリックしてwavファイルの場所を指定しますが、複数のwavファイルを登録したい面ではさらに続けてADD AUDIOFILEをクリックして別のwavファイルも指定してください。なお、登録順は再生の順番でもあります。

両方の面にwavファイルを登録したら、DOKボタンをクリックして設定ウィンドウを閉じます。メインウィンドウで、複数のwavファイルを登録した面を選択(BSELECT SIDEのボタンをクリック)すると、CAUDIO FILESに複数のwavファイルが表示されます。

再生していて1番目のwavファイルの最後まで来たら、続けて2番目のwavファイルの再生が始まります。現在再生中のwavファイルがCAUDIO FILESの一覧表示で選択状態になります。

DREVERSE MODEがA/Bの場合、最後のwavファイルを再生し終えたら、再生が止まると同時に次回再生ポイントは先頭に戻りますが、この「先頭」とは現在のwavファイルの先頭ではありません。片面を構成するwavファイルのうち、1番目のものの先頭です。これはつまり、「カセットテープの片面を最後まで再生してからテープを巻き戻す」というイメージです。その片面を構成しているwavファイルが複数あるので、1番目のwavファイルの先頭へ戻ります。FREWINDをクリックしても同様に1番目のwavファイルの先頭へ戻ります。ここまでは理解してもらえたでしょうか。

ところで、ETIMEスライダーは片面全体の時間ではありません。現在選択されているwavファイルの時間をあらわしています。このへんが感覚的にまぎらわしいのです。

補足1
片面に登録した複数のwavファイルの中から特定のひとつを選んで修正(VOLUME、PITCH、BALANCE)するには、まずBSELECT SIDEでA面またはB面を選びます。するとその面に登録したwavファイルがCAUDIO FILESに表示されるので、目的のファイルをクリックして選択してください。これで目的のファイルが修正できますし、GPLAYをクリックするとそのファイルを再生します。ただし、ファイルの最後まで再生してしまうと次のwavファイル(もしあれば)へ再生が移ったり、(次のwavファイルがなければ)1番目のwavファイルの先頭へ行ってしまいます。FREWINDも同様に1番目のwavファイルへ行くのは、さきほど書いたとおりです。

補足2
ひとつのwavファイルを同じカセットファイルに複数回登録しないほうが良いです。もしも複数回登録すると、音量、ピッチ、左右バランス、再生開始ポイント、再生終了ポイントは同じwavファイルの登録全部に共通となり、ある登録で修正をすると別の登録場所でもそれが反映してしまいます。



Step6 ピッチ調整済みの音声を新規wavファイルにダビングする(上級編)

注意:巷のソフトの中に、同様の機能をより簡単な操作で提供するものがあると思います。それを使うのもひとつの手です。あえて本ソフトの機能を使うメリットがあるとすれば、再生開始と同時に録音を開始し再生終了と同時に録音を止めることと、録音を止めた後でコンピュータの電源を自動的に切るオプション(就寝時のダビング用)です。

本ソフトのダビング機能の説明に入ります。現在のカセットファイルの内容を再生すると同時に録音してwavファイルにします。そのために、作業には再生時間と同じ長さの時間が必要になります。さらに2つの条件があります。

条件1:この機能はコンピュータの「既定の録音デバイス」を使って録音するので、そのための設定をします。コンピュータのコントロールパネルを開き、その中のサウンド(オーディオデバイスの管理)を開いてください。「録音」というタブをクリックしてオーディオ録音デバイスを表示させます。この中に「ステレオミキサー」(別名のことも有)が必要です。ステレオミキサーが「既定のデバイス」になっていなければ、右クリックして「既定のデバイスとして設定」します。ステレオミキサーについてわからなければ、ネット検索すると多くの情報があります。

条件2:同梱のWavDest.dll(「ダビング用ツール」フォルダ内にあります)をレジストリに登録する必要があります。この作業はモノラル化と左右交換の前準備として行う作業とまったく同じなので、すでにモノラル化の前準備を済ませている方は必要ありません。そうでない方は、下の要領で作業してください。
まずコンピュータに管理者としてログオンします。LxR.dll、WavDest.dll、regwav.exeの3ファイルが同じ場所にあることを確認してからregwav.exeを起動します。Windowsが「ユーザーアカウント制御」のウィンドウを出すので[はい]をクリックします。別の小ウィンドウ「ダビング、モノラル化、左右交換を使うための設定」が開きます。[LxR.dllとWavDest.dllをレジストリに登録(インストール)]をクリックします。この段階でひとつ失敗の可能性として、マイクロソフトが提供しているCランタイムmsvcr100.dllがコンピュータに存在しない場合が考えられます。その場合はその旨メッセージが出ます。msvcr100.dllはマイクロソフトが提供している「Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86)」をインストールすることでコンピュータに入ります。いっぽうエラーが出ずにうまく行けば、結果を知らせるメッセージが2回(WavDestの結果とLxRの結果で2回)出ます。

事前の作業はここまでです。ここからは「ダビング」の説明になります。



A「作業フェーズ」は[ピッチ調整]または[再生テスト]にしてください([インデックス作成]ではREVERSE MODEが変更できません)。

最初の操作は、目的別に3つ(TV)に分けて説明します。T.カセットの片面を1ファイルとしたい時は、CREVERSE MODEをA / Bにします。それから@カセットファイルを読み込み、A面をダビングするならばそのまま、B面ならばBB面を選択した後、他の操作をせずに(TIMEスライダーの位置が冒頭のまま)メニューの@[ファイル]−[ダビング]を選びます。U.カセットテープ全体を1ファイルとしたい時は、CREVERSE MODEをA to Bにします。それから@カセットファイルを読み込み、他の操作をせずに(TIMEスライダーの位置が冒頭のまま)メニューの@[ファイル]−[ダビング]を選びます。V.カセット内の特定の部分をダビングするならば、その場所を頭出ししてからメニューの@[ファイル]−[ダビング]を選びます(必要な部分をダビングし終わったらD[キャンセル]ボタンをクリックします)。

メニューの[ファイル]−[ダビング]を選択すると、「注文の多いダビング屋さん」というウィンドウが開きます。

ご使用のコンピュータのタイプ(後述)によっては、ステレオミキサーを使って録音すると元音よりも音量が小さくなってしまう場合があります。そういう場合に@[録音レベルを最大にする]を使うと可能な範囲で録音レベルを最大に設定します。これはユーザー様がコントロールパネルから設定しても同じ結果となります。もしも録音レベルをいじる必要がない場合は、このチェックを外してください。

A[再生の前後に1秒の余白を設ける]オプションを選ぶと、再生よりも1秒早く録音を開始し、1秒遅く録音を終了します。リーダーテープによる無音部分を含めてダビングする場合はこのオプションを選ぶ必要がありません。もしもダビングする音声が無音部分なしで急に始まったり急に終わったりするもので、始まりまたは終わりの音がほんの少し録音されない場合は、このオプションを選んでください。

ダビングには再生時間と同じ長さの時間が必要ですし、その間にコンピュータを操作していて何か音を出してしまったらそれも録音されてしまいます。そこで、この機能を使うならば夜寝ている間に勝手にダビングさせるというのもひとつの策です。そういう場合のために、B「ダビング終了後にコンピュータをシャットダウンする」オプションがあります。

いちばん下の大きなボタンC[書き出すファイルの場所と名前を指定してからダビング開始]をクリックすると、まずファイルの場所と名前を指定する別ウィンドウが開き、そこでファイル名を指定すると再生とダビングが始まります。

初めてダビングをする前に、テストをお勧めします。なぜなら、コンピュータのタスクバー通知領域にある「全体の出力音量を調節するつまみ」が録音レベルに関係するかどうかは、ご使用のコンピュータにより異なるからです。テスト方法はたとえば、まず「全体の出力音量を調節するつまみ」を上げて音を大きめに出してダビングのテストをします。テストなので少し録音したら[キャンセル]して構いません。出来たwavファイルを聴いてみます。確かに録音されていることを確認したら、次に「全体の出力音量を調節するつまみ」を無音まで下げた状態でダビングのテストをします。出来たwavファイルを聴いてみます。もしも先ほどと同じ音量で録音できていれば、あなたのコンピュータは「出力音量調節つまみが録音レベルに関係しない」タイプです。そういうタイプのメリットは、ダビング中に好きな音量(または無音)にしておけること、デメリットはステレオミキサー側の録音レベルを一杯に上げた状態よりも大きな録音レベルは設定できないことです。いっぽう、もしも何も録音されていなかったら、あなたのコンピュータは「出力音量調節つまみが録音レベルに関係する」タイプです。そういうタイプのメリットは、ステレオミキサー側の録音レベルだけでなく出力音量調節でもさらにレベルの調整ができること、デメリットはダビング中にずっと大きな音を出しっぱなしでいなければならないことです(無音にしたければ、ヘッドホンジャックにプラグを差し込むという方法があります)。

再生が終了するとダビングも自動的に終了します。ただし、REVERSE MODEがCONTの時はA面B面が交互に永遠に再生されますから、D[キャンセル]ボタンをクリックしない限り永遠に(保存するディスクの容量などの制限で書き込みできなくなるまで)録音し続けます。ご注意ください。



Step7 カセットインデックスを作成する

ここで言う「カセットインデックス」とは、wavファイルに収録されている曲の名前などを一覧にしたものです。もちろん従来の紙製インデックスではなく、デジタルデータとして作成します。紙のインデックスにない長所が3つあります。1.アーティスト、タイトル、備考欄などの記述が紙面の大きさの制約なしに書けます。2.インデックス項目をダブルクリック(ヴィジュアルフェーズではシングルクリック)するだけでその曲の頭から再生できます。3.リンクを設けて、他のカセットファイル内の曲や、任意の文書ファイルや動画ファイルと関連付けることができます。

この項では、リンク以外の事柄について解説します。リンクの話は長くなるので次のStep8に譲ります。リンク機能は、次のStep8をお読みになるまでは使わないでください(初期設定が必要になるかもしれませんので)。



それではインデックスの作成手順です。まず現在のA「作業フェーズ」が[インデックス作成]でなければ、メニューの[作業フェーズ]−[インデックス作成]を選択してください。他の作業フェーズから[インデックス作成]フェーズに移ると、ウィンドウ表示の一部が変化します。[インデックス作成]フェーズではREVERSE MODEがA / B固定になります。

インデックスを作成する@カセットファイルを読み込みます。

ウィンドウの下のほうを見てください。左側に大きなボタンC NEW LOCATOR >> があります。中央にはARTIST、TITLEなどの設定部分があります。右側には大きなボタン I>> WRITE LOCATOR があります。作業の流れは、左から右へと進んでゆきます。

まず音声を再生して、曲の頭出しをしたい場所で再生を止めます。それから大きなボタンC NEW LOCATOR >> をクリックします。これで、ARTIST、TITLEなどの設定部分が入力可能になります。

DARTISTには演奏者名や歌手名(クラシックなら作曲家名)をキーボードから打ち込みます。ETITLEには曲名を打ち込みます。その他の情報(ポップスでのアルバム名や、クラシックでの演奏者名)を打ち込む専用の場所は設けていませんので、必要ならばHNOTEに打ち込んでください。TITLEの下に2つの小さな選択項目があります。F左側の選択項目はSTEREOかMONO(あるいは空白表示)を選びます。G右側の選択項目は録音の何らかの状態を示します。何に使うかはユーザー様がお決めください。音質の善し悪しでも、好みに合う合わないでも構いません。評価レベル用のGOOD、NORMAL(またはAVERAGE)、BAD(またはINFERIOR)のほか、高品質録音HI-FI、曲の頭切れや尻切れを示すPARTIAL、そして空白表示を用意してあります。これらはユーザー様がいちいちキーボードから打ち込む手間を省くために、クリック2回で素早く設定できる項目として設けられています。もしもこれらが不要ならば、空白表示にしてください。HNOTEは備考欄です。短文用で改行はできません。長文を記述する時、改行が必要な時、文書にレイアウト設定が必要な時はMicrosoft Wordなどのソフトで文書を作成・保存し、LINKSを使ってその文書にリンクしてください。LINKSは解説が長くなるので別個にStep8で説明します。

ARTIST、TITLEなどを設定し終わったら、大きなボタンI >> WRITE LOCATOR をクリックします。これでインデックスの項目がひとつ完成です。インデックス項目の作成途中でやっぱりやめる時はJ >> CANCEL LOCATOR をクリックすると、現在の入力内容を破棄します。

注意:
作成した項目をインデックスに登録するには、必ずI >> WRITE LOCATOR をクリックしてください。クリックせずに[作業フェーズ]の変更、A面/B面の変更、片面の中でのオーディオファイルの変更、ソフトの終了をすると、項目は登録されずに終わります。ユーザー様が明示的に上記の変更をしなくても、次の場合には自動的に変更が行われるのでご注意ください:片面に複数のwavファイルを登録した状態で再生しながらインデックスを作成している場合、現在のwavファイルの末尾まで再生した時に次のwavファイルへ自動的に移行するので、そうなる前に >> WRITE LOCATOR をクリックする必要があります。


インデックスの項目はBメインウィンドウ右上の大きな一覧に表示します。どれかひとつの項目の上で右クリックするとメニューが出ます。そこから、その場所を再生、その項目を編集、項目を削除することができます。項目をダブルクリックすると、その場所を再生します。

補足1
[インデックス作成]フェーズでは、一覧のインデックス項目を選択しただけではウィンドウ下部のARTIST、TITLEなどの設定部分に表示しません。[インデックス作成]フェーズでここに項目を表示するということは、その項目を編集して書き換えるということです。その場合は右クリックメニューから[この項目を編集]を選んでください。

補足2
インデックス項目を右クリックして[この項目のTIMEへ移動]を選択すると、そこへ移動するだけでなく自動的に再生が始まります。自動再生なしで移動だけしたい時は、再生が停止している状態でインデックス項目を右クリックして[この項目を編集]を選択し(この時点で目的のTMIEへ移動)、 >> CANCEL LOCATOR をクリックして編集を中止してください。

頭出しのヒント
曲の少し手前を頭出しするには、まず曲が始まってすぐにSTOPをクリックし、それから < 5 SEC をクリックして5秒戻します。PLAYをクリックしてから頭の中でゆっくり「1、2、3」と数え、「4」のタイミングでSTOPをクリックします。4の頭でクリックすると長めの空白、4の後でクリックすると短めの空白になります。この時点で NEW LOCATOR >> をクリックして、ひとまず新規インデックス項目のTIMEを確定します。それからPLAYをクリックすると、インデックス項目のTIMEから曲の頭までの空白が予想通りの長さかどうか聴けます。もしも満足できない長さならば、最初からやり直すか、または現在のTIMEから微調整します。微調整の方法は次のとおりです:再生中ならばSTOPをクリック。まだ >> WRITE LOCATOR をクリックしていなければクリックして、項目をリストに表示。項目の上で右クリックして[この項目を編集]を選択し、続けて >> CANCEL LOCATOR をクリック。これでインデックス項目の現在のTIMEが頭出しできました。次にこれを微調整します。スライダーのつまみを一度マウスでクリックしてフォーカスを持ってきます。それからキーボードの←キーを押すたびに0.5秒ずつ戻ります。→キーを押すたびに0.5秒ずつ進みます。微調整が済んだらインデックス項目を右クリックして[この項目のTIMEを現在TIMEに変更]を選択します。



Step8 カセットインデックスにリンクを付ける

リンクは、特定の曲(カセットインデックス内の項目)に関連付けて参照したい別の曲を登録するものです。これにより、ある曲のライブ版、アレンジ違い版、別の歌手によるカヴァーがある場合、それらへ飛んで聴き比べることができます。曲のかわりに任意のファイルを登録することもできるので、曲についての文書や動画がある場合に、それを簡単に参照できるようになります。



まず最初に、Step2で説明したCOMMON PATHについて再確認しておきます。カセットインデックスに付けるリンクは、PCを買い替えるなどしてリンク先ファイルを別の場所へ移するより前に、COMMON PATHを利用していた時だけ移動に対応できます。COMMON PATHを利用していないと、別の場所へ移動した時点でリンク切れとなります。COMMON PATHはメニューの[初期値]−[COMMON PATH]で設定しますが、[インデックス作成]フェーズのEで現在の状態を確認し、F[...]ボタンで設定することもできます。

さてそれではリンクの説明です。ここで言うリンクは、カセットインデックス内の項目にファイルなどを関連付けるものなので、まず「リンク元」となるインデックス項目は作っておく必要があります。もしも「リンク先」が文書や動画などのファイルならば、それだけで結構です。もしも「リンク先」が別のカセットファイル内の曲(インデックス項目)ならば、「リンク先」のインデックス項目もあらかじめ作っておきます。

現在のA「作業フェーズ」が[インデックス作成]でなければ、メニューの[作業フェーズ]−[インデックス作成]を選択してください。@リンク元のカセットファイルを読み込んでください。Bインデックス一覧の中の、リンクを設けるインデックス項目の上で右クリックして[この項目を編集]を選びます。メインウィンドウの一番下にあるC小さな一覧の中に、 NEW LINK があります。これをダブルクリックすると新規リンク先のファイルを指定するウィンドウが開くので、ファイルを指定してください。通常はカセットファイルだけを表示します。その他のファイル(文書や動画など)を表示するにはキーボードのCtrlキーを押した状態でダブルクリックしてください。(リンクの詳細については下に記述があります。今はおおまかな手順を確認したいので先へ行きます。)ファイルの指定が済んだら、必ずD >> WRITE LOCATOR をクリックして情報を更新してください。 >> WRITE LOCATOR をクリックして初めて新規リンクがインデックス項目に登録され、インデックス一覧の右端にある LINKS が1件増えます。

作成済みのリンク先を参照するには、まずメインウィンドウの一番下にあるC小さな一覧の中にリンク先を出します。その方法は1.[再生テスト]フェーズか、2.[インデックス作成]フェーズかで少し違います:
1.[再生テスト]フェーズならば、Bインデックス一覧の当該項目を選択するだけで、メインウィンドウの一番下にあるC小さな一覧の中にリンク先が出ます。
2.[インデックス作成]フェーズならば、Bインデックス一覧の当該項目の上で右クリックするとメニューが出るので、そこから[この項目を編集]を選んでください。
新規作成したばかりのリンクはまだファイルに書き込まれていないので、メインウィンドウの一番下にある小さな一覧の中に表示されないことがあります。新規リンクは、他のwavファイルのインデックスが表示されるような操作(たとえばA面からB面へ移行)をした時点でファイルに書き込まれ、それ以後リンク先として表示できるようになります。
リンク先を参照するには、そのリンクをダブルクリックしてください。つまりダブルクリックの機能は、 NEW LINK ならば新規リンク作成、その他の項目(ユーザー様が作成したリンク)ならばそのリンク先の参照になります。
補足:NEW LINK をダブルクリックする方法では、新規リンクは常に一覧の末尾に追加されます。リンクをいくつか作った後でその中の特定の場所に新規リンクを挿入したい場合は、挿入したい場所を右クリックするとメニューが出るので[ここに新規リンク先を挿入]を選んでください。この場合も NEW LINK と同様に通常はカセットファイルだけを表示します。その他のファイル(文書や動画など)を表示するにはキーボードのCtrlキーを押した状態で[ここに新規リンク先を挿入]を選んでください。

普通のデータファイル(文書、動画など)にリンクすると、リンク先の参照時にはファイルに関連付けられたアプリケーションソフトで開きます。つまりWindowsのエクスプローラでファイルをダブルクリックしたのと同じ結果になります。

カセットファイルにリンクした時だけは、カセットファイル全体へのリンクではなく、「そのカセットファイルに登録されているインデックス項目へのリンク」になります。新規リンク先としてカセットファイルを選んだ時点で設定用ウィンドウが開くので、そこで@カセットファイルのA面またはB面を選び、(片面に複数のwavファイルがある場合はAオーディオファイルを選び、)そのオーディオファイルに登録されたBインデックス項目を選んでください。
新規作成したばかりのインデックス項目はまだファイルに書き込まれていないので、設定用ウィンドウの中に表示されないことがあります。新規インデックス項目は、他のwavファイルのインデックスが表示されるような操作(たとえばA面からB面へ移行)をした時点でファイルに書き込まれ、それ以後リンク先として表示できるようになります。
インデックス項目が選択された時点でC[一方向リンク]ボタンとD[相互リンク]ボタンが使えるようになります。

リンク先の参照時には「わが青春のカセットテープ」が起動してそのカセットファイルを開き、目的のインデックス項目から再生を始めます。

リンクを作成しようとした時、そのリンク先が現在表示中のインデックス内にあると、エラーメッセージが出て処理を中止することがあります。これはインデックスファイルがすでに占有状態で開かれているからです。解決策として、 NEW LINK をダブルクリックしたり右クリックメニューから[ここに新規リンク先を作成]を選んだりする時にShiftキーを押していると、機能限定で開けるようになります。機能限定の場合は、一方向リンクしか設定できません。相互リンクをするには、改めてリンク先の項目からこちらの項目にリンクします。

メインウィンドウの一番下にあるリンク一覧にはリンク先のファイルへのパスを表示しますが、リンク先がカセットファイルの場合にはさらに11文字の記号のようなものが付きます。これはリンク先のインデックス項目をあらわすデータなので、気にしないでください。さらにその後にARTIST、TITLE等が続きますが、小さな一覧の中でそこまで表示しきれないことと思います。そこで、見たいリンクの上へマウスポインタを持って行ってください(クリックの必要はありません)。隠れていた先のほうの文字が一時的に見えます。



Step9 再生テストフェーズについて

「作業フェーズ」のうち[再生テスト]は、ピッチ調整やインデックス作成を終えたカセットファイルを再生するためのフェーズです。再生は他のフェーズでも可能な場合が多いですが、時には[再生テスト]フェーズでないと失敗することもあります。とくにインデックス項目のリンクから自分自身(いま開いているインデックス内の項目)を参照する場合にはそうなります。[再生テストフェーズ]ではすべてのファイルを読み取り専用(書き出さない)モードで開くので、すでに開かれているファイルを開こうとしても失敗することなく再生できます。

[再生テスト]フェーズではファイルを読み取り専用モードで開くので書き出すことができず、そのためにカセットファイルの新規作成や編集はできません。



Step10 カセットファイルをラックに入れ、ラックから選び出す

カセットラックとはカセット収納棚のことですが、このソフトではそれを真似て、あらかじめ設けられた一覧の中にカセットファイルを収納し、聴く時は一覧からカセットタイトルを見て楽に選ぶことができます。また、パソコンならではの処理を活用し、ラック内のカセットから特定の文字列が含まれる曲(インデックス項目)を検索したり、今までに作成したリンクの情報を更新したりできます。

このStepでは、ラックにカセットを収納する方法と、ラックからカセットを選び出す方法を説明します。

カセットファイルをラックに登録するには、メニューの[ファイル]−[ラックにカセットを登録する]を選択します。すると大きな一覧ウィンドウが開きます。一覧は「1番目の引き出し」から「12番目の引き出し」までに分かれています。それぞれの「引き出し」にはカセットファイルが15個まで収納できます。収納したい場所をクリックしてください。ファイルを選ぶウィンドウが開くので、ラックに登録するカセットファイルを指定してください。続けて複数のカセットファイルを登録できます。登録作業を終了するにはウィンドウ右上の×ボタンをクリックします。

すでにカセットが登録されている場所にはカセットを登録できません。未登録の場所はマウスポインタが手の形になるので、そこでクリックしてください。もしも登録しようとするカセットファイルがすでにラックに登録済みならば、動作は登録場所の移動になり、カセットはユーザー様がクリックした場所へ移ります(ミニラックへの登録分はチェックしませんので、ミニラックに登録済みならばカセットファイルはラックとミニラックの両方に登録されます)。カセットファイルのかわりに文書や動画など任意のファイルを登録することもできます。その場合はファイルを選ぶウィンドウで、ファイル名を打ち込む場所の右側にある「カセットファイル」をクリックして「すべてのファイル」に変更してください。

登録済みのカセットファイルをラックから登録解除するには、メニューの[ファイル]−[ラックからカセットを登録解除する]を選択します。大きな一覧ウィンドウが開くので、登録解除したいカセットをクリックしてください。続けて複数のカセットファイルを登録解除できます。登録解除作業を終了するにはウィンドウ右上の×ボタンをクリックします。

上記のメニュー項目[ラックにカセットを登録する]と[ラックからカセットを登録解除する]の違いは、マウスの左クリックでの動作です。どちらのメニューを選択しても、マウスの右クリックで出るポップアップメニューを使うと、未登録場所ならば登録、登録済み場所ならば登録解除ができます。また、各引き出しの最上部にあるタイトルの上で右クリックすると、引き出しのタイトルを変更できます。一覧ウィンドウのタイトルバーの上で右クリックするとカセットラック名の設定ができますが、カセットラック名は大抵の作業では表示しません(メイン カセットラックはひとつだけなので、名前がなくてもそれとわかります)。メイン カセットラックの名前は検索エラーチェックなど、メイン カセットラックとミニラックを区別して表示したい作業でのみ表示します。

ラックからカセットファイルを選び出して聴くには、メニューの[ファイル]−[ラックからカセットを選ぶ]を選択します。大きな一覧ウィンドウが開きます。聴きたいカセットをクリックしてください。もしも登録されているファイルがカセットファイルでないならば、Windowsのエクスプローラでファイルをダブルクリックした時の動作、つまりランチャーソフトの動作になります。[ラックからカセットを選ぶ]を選択して一覧を出した時はカセットを選ぶ動作だけが可能で、カセットの登録/登録解除や引き出しタイトルの変更はできません。



Step11 アーティスト名や曲名が一致するインデックス項目を検索する

カセットラック(ミニラックを含む)に登録されているカセットファイルを対象に、検索を行います。検索はインデックス項目にたいして行うので、あらかじめ曲の冒頭にインデックス項目を作成しておかなければ意味がありません。

メニューの[インデックス]−[検索]を選択すると、検索条件を設定する小ウィンドウが開きます。


@検索文字列は、インデックス項目のARTIST、TITLE、NOTEを調べるためのものです。検索する文字列をキーボードから打ち込みます。
追補:検索項目としてカセットタイトルリンクファイル名を追加しました。

検索文字列はスペース(半角または全角)を区切りとして複数指定可能です。
例1)モーツァルト ソナタモーツァルトソナタの2つを検索文字列とします。
例2)モーツァルト ソナタと全角スペースで区切っても同じくモーツァルトソナタの2つを検索文字列とします。

前後をダブルクウォート(")で括った部分はスペースを含んでいても単一の検索文字列とします。
例)X Japanで検索するとXJapanの2つを検索文字列とするのでX'mas in Japanもヒットしますが、"X Japan"で検索するとヒットしません。

複数の検索文字列をANDで扱うかORで扱うかは、必ずB[複数の文字列をANDで検索]または[複数の文字列をORで検索]のどちらかを選択して決めてください。これは大事です。検索の目的によりどちらか一方が正しい選択になります。
例1)モーツァルトソナタを検索するならば、どちらの文字列も必ず必要なのでANDです。もしもこれをORにしてしまうとソナタだけでも構わないので、ベートーヴェンソナタも検索結果としてヒットします。
例2)「ユーミン」の曲を検索するには、松任谷由実荒井由実をORで検索します。結婚後の名前か結婚前の名前か、どちらか片方が含まれていれば良いからORです。もしもこれをANDにしてしまうと、松任谷由実荒井由実が両方とも含まれていないと検索結果としてヒットしません。

A「あいまい検索をする」は、わずかな表記の違いや、ある種のタイプミスがあっても検索がヒットしやすいようにします。全角文字/半角文字、英大文字/英小文字、ひらがな/カタカナを区別せずに検索します。スペース(前後をダブルクウォート(")で括った部分にありえます)の有無の違いを区別せずに検索します。マイナス記号/ダッシュ/日本語の長音を表す文字を区別しません。普通のかな文字と小さいかな文字(拗音および促音)を区別しません。コロンとセミコロンを区別しません。ピリオド/カンマ/日本語の中点/句点/読点を省略してもヒットします。ただし「あいまい検索をする」にチェックを付けると検索に多くの時間がかかります。
例1)宇宙戦艦ヤマト2であいまい検索をすると宇宙戦艦ヤマト2(数字の半角全角違い)もヒットします。
例2)ポール・モーリアであいまい検索をするとボール・モーリア(濁点半濁点タイプミス)もヒットします。
例3)ポール・モーリアであいまい検索をするとポールモーリア(中点省略)もヒットします。
例4)「オズの魔法使い」を探そうとしてオズであいまい検索をすると、あいまいさゆえに濁点のないオスもヒットし、カオスなどの関係のないものが検索結果に混じります。検索があいまいということは、それだけ何でも検索条件としてヒットするということです。

ARTIST、TITLE、NOTEのうち調べるものにチェックを付け、調べないもののチェックを外してください。ARTIST、TITLE、NOTEの中から複数指定した時の関係はOR、つまり、どれかひとつに文字列が当てはまれば選び出します。

CCHANNELSとDSTATEは、チェックが付いていれば調べ、付いていなければ調べません。この2つと文字列を同時に検索条件にした時の関係はAND、つまり、いずれにも当てはまるものだけを選び出します。

ANDとかORとか色々あってわかりにくいので、再度まとめて書いておきます:
文字列と文字列の関係=ANDまたはORをユーザー様が選択
文字列が含まれる場所(ARTIST/TITLE/NOTE)の指定=常にOR
文字列、CHANNELS、STATEを同時に検索条件にした時の関係=常にAND

EOKボタンをクリックすると検索が始まります。検索が終了すると結果を別ウィンドウに一覧表示します。検索結果ウィンドウのタイトルには検索条件を表示します。並び順は最初は、ラック内でのカセットの登録順、ひとつのカセットの中ではA面→B面の順になっています。一覧の上辺にあるヘッダをクリックすると、クリックしたカラム(ARTIST、TITLEなど)の文字列に従って、クリックするたびに昇順/降順で並べ替えます。(CHANNELSとSTATEはソフト内部での順番に従って並べ替えるので、表示されている文字列に従っての昇順/降順ではありません。)検索結果の項目の上でダブルクリックすると、その曲を再生します。

追補1:
検索条件を設定する小ウィンドウで[カセットタイトル]にチェックを付けると、インデックス項目だけでなくカセットタイトルと面タイトルも検索対象に加えます。
カセットタイトルが検索文字列と一致した時は、検索結果一覧のCASSETTEにだけ文字列が出て、SIDEやARTIST等は空白となります。ダブルクリックするとそのカセットのA面を表示します。
面タイトルが検索文字列と一致した時は、検索結果一覧のCASSETTEとSIDEにだけ文字列が出て、ARTIST等は空白となります。SIDEにはAまたはBの他に面タイトルも表示します。ただし一覧のヘッダをクリックして並べ替えるさいには、面タイトルは並べ替え基準に含まれず、AまたはBとして並びます。ダブルクリックすると検索が一致した面を表示します。

追補2:
検索条件を設定する小ウィンドウで[リンクファイル名]にチェックを付けると、各インデックス項目に登録されたリンク先のファイル名を検索対象に加えます。リンク先がカセットファイル内のインデックス項目ならば、リンク先カセットファイルのファイル名が検索対象です。リンク先がカセットファイル以外、つまり文書や動画などの場合は、そのファイル名が検索対象です。いずれの場合も拡張子やパスは含みません。ファイル名が検索条件に当てはまると、そのリンク先を登録してあるインデックス項目が検索結果ウィンドウに表示されます。ただし、検索結果ウィンドウにはリンク先ファイル名が出ないので、他の検索条件と一緒に指定して検索すると、そのインデックス項目がどうして検索結果としてヒットしたのかが見てわからないという事態になります。ですから[リンクファイル名]は単独で検索条件として、検索結果はすべてリンク先ファイル名が検索条件と一致したのだとわかるように使うほうが良いでしょう。



Step12 ミニラックの使用

ミニラックは、カセットラックの180巻分のスペースではカセットファイルが登録しきれない時の補助ラックとして使用します。あるいは、カセットラックの登録分とは別種のカセットを入れるためにラックを別にしたい時に使用します。

ミニラックは1個に15巻までのカセットファイルが入り、必要な個数をユーザー様が作成します。作成はメニューの[ファイル]−[ミニラックの新規作成]を選択し、設定用小ウィンドウが開いたらミニラックの名前とカセットの最大数を指定してOKボタンをクリックします。ミニラック名はデータを保持するフォルダの名前にもなるので、ファイル名に使える文字だけが有効です。つまり、半角の \ / : * ? " < > | は使えません。ミニラックの個数上限は理論上は100個までですが、あまりに数が多いと一覧表示時に画面がミニラック名で埋め尽くされるなどの問題が出てくるかもしれません。無理のない程度でお願いします。

ミニラックへのカセットファイルの登録・登録解除・選び出しの方法はカセットラックに準じます。すでにミニラックに登録済みのカセットファイルを別の場所に登録した時は登録場所の移動になるのもカセットラックと同じですが、登録場所のチェックは当該ミニラック内だけで行われます。他のミニラックやカセットラックに登録済みならば、カセットファイルは複数のラックに登録されることになります。

ミニラックは作成した順番で並びます。この並び順を変更する簡単な方法は用意されていません。並べ替えたい時は「メモ帳」などでデータを書き換える必要があります。Windowsのエクスプローラでアドレスバーに%AppData%と打ち込んでEnterキーを押すと、パソコン内のある場所が表示されます。その中に、「わが青春のカセットテープ」というフォルダがあるはずです。そのフォルダを開きます。その中に、index.miniracksというファイルがあります。これを「メモ帳」などのテキストエディタに読み込みます。このファイルにはミニラックの名前が並んでいるので、これの順番を慎重に変えてください。

一度作成したミニラックを削除する簡単な方法は用意されていません。削除したい時はデータファイルを削除する必要があります。Windowsのエクスプローラでアドレスバーに%AppData%と打ち込んでEnterキーを押すと、パソコン内のある場所が表示されます。その中に、「わが青春のカセットテープ」というフォルダがあるはずです。そのフォルダを開きます。その中に、index.miniracksというファイルがあります。これを「メモ帳」などのテキストエディタに読み込みます。このファイルにはミニラックの名前が並んでいるので、目的のミニラックの名前(一行)を慎重に削除してください。次に、「わが青春のカセットテープ」フォルダの中に目的のミニラックの名前が付いたフォルダがあります。拡張子として.minirackが付いています。このフォルダを削除してください。

一度作成したミニラックの名前を変更する簡単な方法は用意されていません。名前変更したい時はデータファイルを改変する必要があります。Windowsのエクスプローラでアドレスバーに%AppData%と打ち込んでEnterキーを押すと、パソコン内のある場所が表示されます。その中に、「わが青春のカセットテープ」というフォルダがあるはずです。そのフォルダを開きます。その中に、index.miniracksというファイルがあります。これを「メモ帳」などのテキストエディタに読み込みます。このファイルにはミニラックの名前が並んでいるので、目的のミニラックの名前を慎重に変更してください。次に、「わが青春のカセットテープ」フォルダの中に目的のミニラックの名前が付いたフォルダがあります。拡張子として.minirackが付いています。このフォルダの名前を必ずindex.miniracksでの名前とそっくり同じに変更してください。最後に、「わが青春のカセットテープ」を起動してメニューの[ファイル]−[ミニラックにカセットを登録する]または[ミニラックからカセットを登録解除する]を選択し、目的のミニラックを開いてください。カセット一覧の上にある名前がまだ元のままですので、その上で右クリックして名前を変更してください。



Step13 アナログ時代の外見を懐かしむ

「作業フェーズ」が[ピッチ調整]、[インデックス作成]、または[再生テスト]の時にメニューの[作業フェーズ]−[ヴィジュアル]を選択するとウィンドウの形が変わり、カセットデッキの絵になります。この「ヴィジュアルフェーズ」ではウィンドウから「メニュー バー」が消えるので、どこをクリックすれば終了するのか、どこをクリックすれば他の「作業フェーズ」へ戻れるのかだけは最初に把握しておいてください。


拡大

カセットデッキの絵の各部について説明します。各部の説明は、絵の「左から右へ」「上から下へ」の順で並んでいます。ただしバージョン1.0以降に追加した機能はRよりも後に「追記」してゆきます。


@電源レバー(POWER)
ここをクリックすると、このソフト「わが青春のカセットテープ」を終了します。ウィンドウ右上(カセットデッキの絵の外側)にある×ボタンをクリックしても同じくソフトを終了します。

Aカセット表示窓
カセットファイルを読み込むとカセットテープの絵が出て、再生を始めるとリールが回り、再生につれてテープ残量が変化します。

Bカセット取り出しレバー(EJECT)
名前は「取り出しレバー」ですが、実際にはカセットを入れたい時にこのレバーをクリックします。クリックすると「カセットラック」または「ミニラック」が出るので、目的のカセットを選んでクリックしてください。 初期状態では、ただクリックすると「カセットラック」が出ます。キーボードのShiftキーを押した状態でクリックすると「ミニラック」が出ます。もしもあなたが「ミニラック」のほうをよく使うならば、設定を変えることができます。一度「ヴィジュアルフェーズ」以外の「作業フェーズ」に戻り、メニューの[初期値]−[ヴィジュアルフェーズ]−[EJECTで呼び出すラック]−[ミニラック]を選択すると、ただクリックすると「ミニラック」が出て、キーボードのShiftキーを押した状態でクリックすると「カセットラック」が出ます。
なお、ソフトを終了する時にカセットをいちいち取り出す必要はありません。そのまま@電源レバー(POWER)をクリックしてください。

C巻き戻しレバー(REWIND)
ここをクリックすると、冒頭までテープを巻き戻します。次に再生する時は冒頭からの再生になります。

D停止レバー(STOP)
ここをクリックすると、再生中ならば再生を停止します。

E再生レバー(PLAY)
ここをクリックすると再生を開始します。なお、このソフトではテープの最後まで再生すると自動的に再生が止まり、テープの冒頭まで巻き戻します(リバース動作をCONTに設定している時を除く)。

F3分巻き戻しレバー(3MIN <<)
ここをクリックすると、再生ポイントを3分戻します。カセットが入っている状態ならば、再生中でなくても再生ポイントは3分戻ります。複数の音声ファイルでカセットの片面を構成している場合は音声ファイルをまたいで3分戻ります。ただし、この機能は片面のテープ走行の範囲で有効とします。つまり REVERSE MODE が A to B または CONT の時は現在の面でテープの最初(BEGINNING)まで戻ったら、その時点で止まり、もしも再生中ならば再生を停止します。

G30秒巻き戻しレバー(30SEC <<)
ここをクリックすると、再生ポイントを30秒戻します。詳細については「3分巻き戻しレバー」と同様です。

H30秒早送りレバー(30SEC >>)
ここをクリックすると、再生ポイントを30秒送ります。カセットが入っている状態ならば、再生中でなくても再生ポイントは30秒進みます。複数の音声ファイルでカセットの片面を構成している場合は音声ファイルをまたいで30秒進みます。ただし、この機能は片面のテープ走行の範囲で有効とします。つまり REVERSE MODE が A to B または CONT の時は現在の面でテープの最後(END)まで来たら、その時点で止まり(※)、もしも再生中ならば再生を停止します。
※テープの末尾まで来たことがわかるように巻き戻しません。次に再生する時はREWINDなどで再生ポイントを変更してください。

I3分早送りレバー(3MIN >>)
ここをクリックすると、再生ポイントを3分送ります。詳細については「30秒早送りレバー」と同様です。

Jカセットのリバース(ひっくり返し)ボタン
再生するのがA面かB面かを決めます。このボタンは中央にLEDが埋め込まれていて、電源が入った状態では現在の面のボタンが光ります。光る色は2色あり、カセットが入っていない時(操作不可時)は赤色になります。カセットが入っている時は緑色になります。
なお、実際のリバース再生つきカセットデッキと違い、A面を表にして入れてB面を選択するとカセットのB面の絵が出る仕組みです。なぜかというと、カセットの絵にカセットタイトルや面タイトルも表示する都合上、その面を見せる必要があるからです。

K検索ボタン(SEARCH)
カセットラック」と「ミニラック」に登録済みのカセットから、目的の曲を検索します。検索はインデックスにたいして行うので、あらかじめ「インデックス作成フェーズ」でインデックス項目を作っておく必要があります。ここをクリックすると検索条件を設定するウィンドウが開きます。

Lリバース動作の設定レバー(REVERSE MODE)
レバー可動範囲の上のほう(A / B)をクリックすると、カセットの再生は現在面(A面またはB面)だけになります。現在面の再生が最後まで行ったら再生を停止して冒頭までテープを巻き戻します。
レバー可動範囲の真ん中(A to B)をクリックすると、カセットの再生はA面からB面へと連続再生になります。もしも現在面がB面ならば、B面の最後までの再生となります。B面の再生が最後まで行ったら再生を停止してA面の冒頭を表示します。
レバー可動範囲の下のほう(CONT)をクリックすると、カセットの再生はA面からB面へ、B面からA面へと半永久に続きます。もちろんユーザー様がこのソフトを終了したり、Windowsを終了したりすれば再生は止まります。

MVUメーター
昔懐かしいVUメーターのような外観で、音声レベルを表示します。それらしい動きをするというだけで、精密なVUメーターとして動くのではありません。実物のVUメーターをよく知る方ならば、「この針の動きはVUメーターっぽくない」と思うかもしれません。実物のVUメーターは磁石とコイルで動くので動きが優雅です。いっぽうこのソフトは全部をパソコン内で処理しているので動きがLEDメーター的になります。

NVUメーター入力選択レバー(VU SOURCE)
普通はレバーが上の状態(TAPE)にします。ユーザー様が「カセットファイル」にwavファイルを登録していて、そのwavファイルが16bitステレオならばこれで大丈夫です。
もしもユーザー様がモノラルや8bitのwavファイルを使っていたり、wavでなく他のフォーマットの音声/動画ファイルを使っている(対応コーデックをパソコンにインストールしている場合だけ可能)ならば、VUメーターが意味のない動きをするかもしれません。その時は、ユーザー様のパソコンの「オーディオ録音デバイス」に「ステレオミキサー」(別名のことも有)がある場合に限り、対応できます。まずは、ステレオミキサー(別名のことも有)を既定のデバイスに設定します。方法は、「Step6 ピッチ調整済みの音声を新規wavファイルにダビングする(上級編)」の「条件1」に従います(「条件2」は不要です)。その後このソフトを起動し、「ヴィジュアルフェーズ」のNVUメーター入力選択レバー(VU SOURCE)のレバー可動範囲の真ん中(AUX)をクリックしてください。この状態では、カセットが入っているか再生中かにかかわらず、パソコンで鳴る音(他のソフトが鳴らす音も含めて)に反応してVUメーターが動きます。
VUメーターの動きがどうにも鬱陶しくて要らないという場合は、レバー可動範囲の下のほう(OFF)をクリックすると、VUメーターが動かなくなります。

OVUメーター入力レベル調節(VU LEVEL)
このボリュームへマウスポインタを持って行くと、スライダーが現れます。このスライダーを上下させてVUメーターの針の動きを調節してください。

P「ピッチ調整フェーズ」への移行ボタン(PITCH PHASE)
このボタンをクリックすると、「ヴィジュアルフェーズ」から「ピッチ調整フェーズ」へ移行します。

Q「インデックス作成フェーズ」への移行ボタン(INDEX PHASE)
このボタンをクリックすると、「ヴィジュアルフェーズ」から「インデックス作成フェーズ」へ移行します。

R「再生テストフェーズ」への移行ボタン(TEST PHASE)
このボタンをクリックすると、「ヴィジュアルフェーズ」から「再生テストフェーズ」へ移行します。


追記

バージョン1.0からスリープ機能を追加しました。@電源レバーの下にSLEEPというボタンが増えています。これをクリックして三日月マークを出すと、最後まで再生した時点でコンピュータをシャットダウンします。つまり、Lリバース動作の設定レバーが A / B ならばA面またはB面の最後まで再生した時点、 A to B ならばB面の最後まで再生した時点でコンピュータをシャットダウンします。ただし CONT になっていると再生に最後がなくエンドレスですから、スリープ機能は効きません。ヴィジュアルフェーズから他のフェーズへ移行した時はスリープ機能はリセットされます。

バージョン1.1からインデックス一覧を追加しました。カセットデッキの絵のどこでもマウスで右クリック(左ボタンではなく右です)すると、デッキの絵のかわりにカセットテープ現在面のインデックスが出ます(インデックスはあらかじめ[インデックス作成]フェーズで作成しておく必要があります)。現在の再生ポイントに相当するインデックスがあれば、そこが選択されています。再生につれて別のインデックスが再生中になると、そこが選択されます。ユーザー様が任意のインデックス項目をマウスで左クリックすると、そこから再生します。通常の操作(カセットデッキの絵)に戻るには、インデックス表示のどこでもマウスで右クリックしてください。
このインデックス表示の動作は、ユーザー様があらかじめカセット音声内の曲にインデックスを作成してあることが前提となっています。もしもインデックスをまったく作成していなければ、インデックス表示には何も現れません。もしもカセット音声内の一部の曲にインデックスを作成していないと、現在再生ポイントよりも前にあるいちばん近いインデックスが選択されます。もしも現在再生ポイントよりも前にインデックスがひとつもなければ、どのインデックスも選択されません。カセットの片面が複数の音声ファイルで構成される時は、それらがまるで一続きの音声のように扱われるので、たとえば2番目の音声ファイルを再生中にそこにインデックスを作成していないと、1番目の音声ファイルまで遡って一番近いインデックスを探す場合があります。

バージョン1.3からリンク先呼び出し機能を追加しました。JカセットのA面B面を決めるボタンの下にリンク・インジケーターが付きました。再生中の曲のインデックスに他の曲やファイルへのリンクがあると、このインジケーターが青く光り、マウスでクリックしてリンク先を呼び出せるようになります。リンク先選択リストには、リンク先がカセットファイル内の曲(インデックス)ならばARTISTとTITLEを表示し、文書や動画などのファイルならばパスを表示します。
2つ以上のリンク先があってARTISTもTITLEもまったく同じだと区別がつかないことがあります。その場合は、[ヴィジュアル]以外のフェーズにしてメニューの[初期値]−[ヴィジュアルフェーズ]−[リンク先表示]を[リンクデータ全体表示]にすると、その他のデータも表示されます。ただしNOTEなどの文字列が長いと、画面の横幅一杯に表示されることがあります。また、カセットファイル内の曲はARTISTとTITLEの区切りに" / "を使っている都合上、ユーザー様が記入したARTISTまたはTITLEの中に" / "があると文字列の一部が表示されないことがあります。


カセットテープのデザインを変える
カセットテープのデザインは2つ用意してあります。そのほかに、ユーザー様がご自分の愛用カセットテープを写真に撮って表示する方法もありますが、これは作業に時間と手間がかかるので、ひとまず備え付けの2つのデザインを使うのが気楽で良いかと思います。

1.すべてのカセットファイルに同じデザインを使う方法
「作業フェーズ」を[ヴィジュアル]ではなく、[ピッチ調整]、[インデックス作成]、または[再生テスト]にします。メニューの[初期設定]−[ヴィジュアルフェーズ]−[デフォルトのカセットヴィジュアルデータ]を選択します。設定用小ウィンドウが出ます。"PONY N60 GREEN.png"と"TDF H46 DGREEN.png"の2つが選べます。"細ハブリール.png"と"太ハブリール.png"はカセットの絵ではなくリールの絵なので選べません。初期状態では"PONY N60 GREEN.png"のほうになっているので、ここではもう一方の"TDF H46 DGREEN.png"を選びます。「作業フェーズ」を[ヴィジュアル]にしてカセットファイルを読み込むと、カセットの絵が今までとは別のデザインになります。

2.特定のカセットファイルに特別なデザインを使う方法
「作業フェーズ」を[ヴィジュアル]ではなく、[ピッチ調整]または[インデックス作成]にします([再生テスト]は不可)。メニューの[ファイル]−[カセット ファイルの編集]を選択します。カセットファイルを選ぶウィンドウが出るので、目的のカセットファイルを選びます。設定用小ウィンドウが出ます。SIDE AのIMAGE(カセット全体のCASSETTE IMAGEではありません)をクリックしますが、そのさいにキーボードのShiftキーを押した状態でクリックします。するとカセットのデザインのあるフォルダを表示するので、"TDF H46 DGREEN.png"を選びます。同様にSIDE BのIMAGEにもデザインを選びます。OKボタンをクリックします。これで、このカセットファイルを読み込んだ時は"TDF H46 DGREEN.png"がカセットの絵になります。
一度IMAGEに設定したデザインを解除する(つまり特別なデザインを使わずに、上の1.「デフォルトのカセットヴィジュアルデータ」にする)には、上記の方法でIMAGEをクリックしてデザインを選ぶ時に、[デフォルトのカセットヴィジュアルデータ]と同じデザインを選びます。IMAGEで選んだデザイン名が[デフォルトのカセットヴィジュアルデータ]のデザイン名ならば、そのデザインを選ぶのでなく、デザイン解除として機能します。



Step14 デッキやカセットの外見を愛機・愛蔵カセットに変える(超上級・奥義編)

「ヴィジュアルフェーズ」のカセットデッキの絵をご覧になってどう思いましたか。私の推測では、ご自分の愛機とデザインがずいぶん違うなあと思ったのではないですか? できれば自分の愛機の絵が動いてほしいなあと思ったのではないですか? それは、ひょっとしたら可能かもしれません。

作者の私自身も、今回はソフト公開にあたりオリジナルの絵を使う必要があったけれども、本当にしたかったのは自分の愛機や愛蔵カセットの写真を使ってソフトを動かすことでした。カセットテープ音声をただ再生するだけでなく、アナログの外見を再現して昔懐かしい雰囲気も味わう。それがこのソフトの最終目的です。そのためには、誰かが描いた絵や、誰かが持っているカセットテープの写真ではなく、自分の愛機や愛蔵カセットの写真を使ってこそ感慨もひとしおです。このソフトでは、付属の絵のかわりにユーザー様が用意した絵や写真を使えるようになっています。

ただしそのためには愛機や愛蔵カセットの写真を撮るだけでなく、このソフトで動かして見せるために画像編集ソフトを使って色々と加工しなければなりません。なによりも時間と労力が必要です。ですから残念ながら万人にお勧めすることができません。ご自分のカセットテープへの愛着がとくに強い人専用となります。

カセットデッキの絵を変更する方法は、deck1というフォルダの中にある「外見を自分の愛機に近づける.txt」というテキストファイルに書いてあります。

カセットテープの絵を変更する方法は、cassettesというフォルダの中にある「外見を自分のカセットに近づける.txt」というテキストファイルに書いてあります。

デッキもカセットも、一気に全部のデータを変更しようとすると大変な作業になります。付属のデータを少しずつ変更して、少しずつ愛機・愛蔵カセットに近づけてゆくことをお勧めします。



困った時のために

カセットファイルの新規作成や編集のメニュー項目が選択できない
「作業フェーズ」が[再生テスト]になっていると選択できません。[ピッチ調整]または[インデックス作成]で選択できます。

「作業フェーズ」の[ピッチ調整]が選択できない
現在読み込まれているオーディオファイルがwavでもac3でもない場合(WavPack, mp3, その他のファイル)は、ピッチ調整ができません。wavまたはac3を読み込んだ状態ではピッチ調整ができます。

「目的のwavファイルが存在しないなどの理由で読み込めません」と出て終了してしまう
このソフトではエラーが出るといちいち終了するので驚かせてしまって、すみません。でも上記の終了はWindowsによる強制終了(アクセス違反)ではなく、万が一の内部データ不整合を防ぐ目的でこのソフトが自分から終了していますので、心配は要りません。
上記のエラーは、カセットファイルを読み込んだ時に、そこに登録されているwavファイルが指定場所に見つからないという意味です。登録されていたwavファイルを移動したか、名前を変更したか、削除したか、あるいはカセットファイルのほうを移動したか、何かの動作があったはずです。ではカセットファイルにどんなwavが登録してあったのか、どんな場所にそのwavがあったのか。それを知るために、再度「わが青春のカセットテープ」を起動して、[ピッチ調整]または[インデックス作成]フェーズにします。メニューの[ファイル]−[カセット ファイルの編集]を選択して、目的のカセットファイルを読み込みます。これで、A面B面のwavファイル名とパスが見てわかるはずです。wavファイルがカセットファイルと同じか下位のフォルダにある時は相対パスで登録されていることも忘れないでください。エラーの対象となるwavがわかり、それが登録場所とは別の場所にあるならば、登録し直します。つまり、エラーの出たwavが選択された状態で[REMOVE AUDIOFLIE]をクリックして消し、改めて[ADD AUDIOFILE]で登録してください。

ヴィジュアルフェーズのVUメーターの針がうまく動かない
ヴィジュアルフェーズでVU SOURCEがTAPEの場合、VUメーターの針がうまく動かないことがあります。これには2つの可能性があります。まず、VU SOURCEがTAPEの時は音声ストリームからサンプルを取得してピークレベルを算出しますが、サンプルの1単位が時間的にどんな長さかは元の音声ファイルで決まってしまいます。2ch、16bitのwavファイルでは何とかそれらしくメーターが動きますが、1chだったり8bitだったりするとサンプルの1単位が長くなり、その結果針の動きがのっぺりとして反応の遅い、妙なものになってしまいます。また、wavファイル以外のフォーマットの場合には2ch、16bitでも同様の結果になることがあります。2つめの可能性として、このVUメーターは1ch/2ch、8bit/16bitの音声だけに対応しています。しかし実際には24bit音声や、(動画を読み込んだ場合には)filterがマルチチャンネル出力をする場合もあります。そういう音声の場合にはメーターを動かさないようにしています。代替案として、コンピュータの「既定の録音デバイス」をステレオミキサーに(ダビングと同じ設定に)してからVU SOURCEをAUXに切り替えてみてください(この場合もステレオミキサーの出力は24bit等でなく16bitの必要があります)。ステレオミキサーが音声の量子化ビット数やサンプル長の相違を吸収して均一化するので、VUメーターは音声ファイルの相違に関係なく動きます。

動画を読み込んで「テレビ」ウィンドウが出た時に、再生停止状態で表示が変になる
現在、諸事情により「テレビ」ウィンドウの再描画をしていません。その結果、「テレビ」ウィンドウを他のウィンドウが一度隠してから消えると、それまであったウィンドウの絵が残ります。たいへんお見苦しく申し訳ありませんが、これが原因で壊れることはありません。

ファイルの場所を移動したら[ヴィジュアル]フェーズへ移行できなくなった
メニューの[初期値]−[ヴィジュアルフェーズ]から[デッキヴィジュアルデータの場所]と[カセットヴィジュアルデータの場所]を設定してください。以下に少し詳しく書きます。
ユーザー様によるヴィジュアルデータの場所変更には、特定の場合だけ自動的または半自動的に対応します。データがCOMMON PATH内にある場合は、COMMON PATHのフォルダごとそっくり移動してからCOMMON PATHを変更するとそのまま使えます(COMMON PATHの変更についてはStep8 カセットインデックスにリンクを付けるの記述を参考にしてください)。データがCOMMON PATH内にない場合は、作業フォルダ(普通に起動した場合はこのソフトの実行可能ファイルCassetteDeck.exeと同じ場所)にデータがある時だけ、作業フォルダのパスからデータの移動先を求めて対応します。それ以外の場所にヴィジュアルデータを移動した時は、メニューの[初期値]−[ヴィジュアルフェーズ]から明示的に移動先の場所を設定してください。

[ヴィジュアル]フェーズでメッセージ「読み込むべきカセットヴィジュアルデータが見つかりません.カセットテープの絵は出ません.」が出た
登録されているカセットヴィジュアルデータが正しい場所にあるかどうかを確認します。本ソフトのメインウィンドウ(ピッチ調整フェーズ、インデックス作成フェーズ、再生テストフェーズ)のメニュー[初期値]−[ヴィジュアルフェーズ]−[デフォルトのカセットヴィジュアルデータ]を選択すると、カセットヴィジュアルデータの場所を見ることができます。そこに目的のカセットヴィジュアルデータがないと、上記のメッセージが出ます。
このソフトではカセットヴィジュアルデータを置く場所は決まっています。メニュー[初期値]−[ヴィジュアルフェーズ]−[カセットヴィジュアルデータの場所]で確認・変更できます。カセットヴィジュアルデータを登録する作業では初期状態でその場所が開くようになっていますが、ユーザー様のそれ以後の操作で別の場所へ移ってファイルを指定すると不都合が生じてしまいます。

パソコンを複数のユーザーアカウントで使っている場合、ヴィジュアルデータの場所を変更するとうまく動かない
「わが青春のカセットテープ」の色々な設定は、ユーザーごとに別々の場所(それぞれのユーザーアカウントでの%AppData%という場所)に保存します。それはヴィジュアルデータについても同じで、メニューの[初期値]にある「ヴィジュアルデータの場所」を設定すると、その時のユーザー用には設定しますが、他のユーザーアカウントには影響しません。その状態でヴィジュアルデータの場所を移動すると、他のユーザーアカウントではヴィジュアルデータが見つからずにうまく動きません。ご面倒様ですが、ヴィジュアルデータの場所を移動して全部のユーザーアカウントでその場所を使う時は、全部のユーザーアカウントで「ヴィジュアルデータの場所」の設定をしてください。



その他の情報(必要な時だけお読みください)

音量調節スライダー(VOLUME)について
ここがアナログ機器と違う(1) ポーズ機能
ここがアナログ機器と違う(2) ピッチコントロール(PITCH)
ここがアナログ機器と違う(3) バランスコントロール(BALANCE)
カセットファイルの読み込み方
カセットファイルを間違った場所に作ってしまった時の対処法
COMMON PATHの指定を間違えた状態でリンクを作成してしまった時の対処法
音声のモノラル化と左右交換
音質補正をする
wav以外のファイルを無理を承知で再生しようとする
エラーチェックについて
次回起動時に前回のカセットを読み込み、再生面・再生ポイントを再現する
カセットの色を少し暗くする
別のPCへのデータ移動について

音量調節スライダー(VOLUME)について
まず一般論から始めます。アナログのオーディオアンプ等のボリュームは最大にすると相当大きな音が鳴るので、ふつう小さめの値にしておきますが、PCの動画/音楽再生ソフトではボリュームの最大値が減衰0を意味するので、初期値が最大値になっていることもあります。
さて、本ソフトのボリュームは、カセットテープの音声の中で一部が小さい音で録音されている場合に音量を上げて他の部分に合わせるのが目的です。そのためには初期値が最大値だとそれ以上音量を上げられないので、わざと初期値が最大値の80パーセントになっています。リスニング時の全体の音量を好みの大きさにするには、PCのタスクバーから呼び出すPC全体の音量調節を使ってください。
もしも音量調節の必要がないならば、わざわざ音量を80パーセントに抑える意味がないので、音量の初期値はMAXに設定して構いません。設定の方法は2種類あります。1.今後も音量の調整をまったくしないならば、メニューの[初期値]−[VOLUME]−[MAX]を選択してください。この設定は、音量の修正データがない場合の初期値として全音声ファイルに共通となります。2.今後のことはわからず、とにかく現在の音声ファイルについて設定したいならば、音声ファイル先頭(TIME 0:00:00.0)でVOLUMEをMAXにしてから、必ずWRITEをクリックしてください。この方法は「修正データ」に音量を記録するので、この音声ファイルに限り[初期値]−[VOLUME]にかかわらず強制的に音量初期値がMAXになります。

ここがアナログ機器と違う(1) ポーズ機能
カセットデッキには、よくポーズ機能が付いていました。これはとくに録音の時に有効でした。停止状態から録音を始めると、ヘッドが機械的に動いてテープに密着するまでに少し時間がかかり、とっさの録音で冒頭部分を録り損ねることがありました。ポーズ機能を使うと、ヘッドはすでにテープの近くまで動いており、ただテープが走行していないので録音が始まらないというものでした。ポーズを解除すると即座にテープが走行を始めました。いっぽう本ソフトは機械駆動部がありませんので、PLAYをクリックすれば即座に再生が始まります。つまりポーズ機能の必要がないわけです。カセットデッキでポーズを使って一時停止したような場合には、本ソフトでは単純にSTOPをクリックしてください。

ここがアナログ機器と違う(2) ピッチコントロール(PITCH)
カセットデッキにピッチコントロールつまみが付いている場合、このピッチコントロールつまみは裏側で可変抵抗器とつながっており、カセットを再生しながらこれを回すとピッチはなめらかに変化します。いっぽうDirectShowのピッチ設定は、マイクロソフトのサイトによると、再生中にレートつまりピッチを変更しようとした場合、まず再生が止められ、それからレートが変更され、再生を再開する仕様になっています。その結果、ピッチ変更時にわずかな無音時間が生じます。これはつまり、デッキのピッチコントロールつまみを回すように連続してピッチを変えようとすると連続して無音が生じることになり、そのような使い方には適しません。

ここがアナログ機器と違う(3) バランスコントロール(BALANCE)
アナログのオーディオアンプに付いているバランスつまみは、裏側で2連可変抵抗器とつながっており、各可変抵抗器がそれぞれ左と右の音量を減衰させます。その結果、バランスつまみを回すと片チャンネルの音が大きくなると同時にもう一方のチャンネルの音が小さくなります。いっぽうDirectShowのバランス設定は、マイクロソフトのサイトによると、バランスが中央ならば左右両方の音量が減衰せず最大、バランスを中央からどちらかに偏らせてゆくと、片チャンネルの音が減衰されてゆきますが、そのさいもう一方のチャンネルの音は最大音量のままです。
なお、本ソフトのバランスコントロールはカセット録音時の左右のバランスが悪い場合に微調整するのが目的なので、バランス中央の付近をとくに操作するようになっています。バランスを一杯に偏らせても片チャンネルが完全に無音にはなりません。

カセットファイルの読み込み方
メニューの[ファイル]−[カセットファイルを開く]を使う方法の他に、カセットファイルをマウスでドラッグしてこのソフトのアイコンの上へドロップする方法、同じくドラッグしてこのソフトのメインウィンドウにドロップする方法があります。いずれにしても、1度にひとつのカセットファイルしか読み込めません。

カセットファイルを間違った場所に作ってしまった時の対処法
カセットファイルだけを正しい場所に作り直すのはたいした手間ではありませんが、ピッチ調整やインデックスなどの苦労して作ったデータは最初から作り直すのが一苦労かもしれません。そこでこれらのデータを正しい場所へそのまま移動する方法を記します。1.カセットファイルよりも下位のフォルダにwavファイルがあるならば、カセットファイル(.cassette)、コマンドファイル(.command)、インデックスファイル(.index)とその下位にあるwavファイルをフォルダ構造を保持したまま移動するぶんには問題ありません。2.しかし、wavファイルとまったく別の場所にカセットファイルを作ってしまい、カセットファイルよりも下位のフォルダにwavファイルがない時には、何とかしなければなりません。まずファイル相互の位置関係を把握しておくと、wavファイルの場所はカセットファイルに記録され、コマンドファイルとインデックスファイルは常にカセットファイルと同じ場所にあります。そこで、まずwavファイルを移動する必要があるならば移動し、それから正しい場所にカセットファイルを新規作成します。カセットファイル作成のための情報はwavファイルの場所やタイトル等なので、これだけを作り直すのはたいした手間がかかりません。ここで一度「わが青春のカセットテープ」を終了します。この時点で新規カセットファイルと同じ場所に新規コマンドファイルまたは新規インデックスファイルが出来ているかもしれませんが、これらは中身のないデータなので削除してしまいます。その後、既存のコマンドファイルとインデックスファイルを新しいカセットファイルと同じ場所へ移動します。

COMMON PATHの指定を間違えた状態でリンクを作成してしまった時の対処法
[注意]以下の解説は、メニューの[初期値]−[COMMON PATH]で設定する基本のただひとつのCOMMON PATHにだけ当てはまります。メニューの[初期値]−[COMMON PATH 拡張]で設定する追加の9つのCOMMON PATHには、指定を間違えた場合の対処法が用意されていません。
もしもCOMMON PATHの指定を間違えた状態でいくつものリンクを作成してしまったら、それを修正するにはインデックス一覧毎に(つまりwavファイル毎に)修正するしかありません。修正は以下の手順を慎重に行なってください。1.間違えたCOMMON PATHを修正せずにそのままとします。2.[インデックス作成]フェーズにて目的のインデックス一覧を表示し、キーボードのShiftキーを押した状態でメインウィンドウ右下の[...]ボタンをクリックします。Shiftキーが押されていると、パスの指定はCOMMON PATHに反映するのでなく、現在のインデックス一覧に含まれるリンク先パスの修正に使われます。たとえばC:\hoge\piyo\data.txtというリンク先があって、今まで間違ってC:\hoge\piyoをCOMMON PATHにしていたら、本ソフト内のデータとしはdata.txtが登録されています。これをShiftキーを押しながらの設定でC:\hogeにすると、本ソフト内のデータはpiyo\data.txtに変更されます。3.この方法で全部のインデックス一覧を修正します。4.これで全部のインデックス一覧の修正は終わりましたが、肝心のCOMMON PATHの変更がまだです。Shiftキーを押さずに[...]ボタンをクリックしてパスを指定してください(上の例ならばC:\hoge)。5.その後で初めて、修正の必要がない新規リンク先を登録できます。

音声のモノラル化と左右交換
テープに傷があると、音が一時的に左右に偏って聞こえることがあります。あるいはFM放送からの録音で受信状態が悪いと、ステレオになったりモノラルになったりを繰り返す場合があります。このように左右の音の状態がうっとうしく変化する時は、左右をミックスして常にセンターから聞こえるようにしたほうが聴きやすいかもしれません。また、カセットデッキとアンプ(プリアンプ)を間違えて接続し、プラグのLとRを逆につないでしまうと、右と左が逆に録音されています。そういう録音があるならば、修正できると良いでしょう。
音声のモノラル化または左右交換をするには、事前に同梱のLxR.dll(「ダビング用ツール」フォルダ内にあります)をレジストリに登録する必要があります。この作業はダビングの前準備として行う作業とまったく同じなので、すでにダビングの前準備を済ませている方は必要ありません。そうでない方は、下の要領で作業してください。

まずコンピュータに管理者としてログオンします。LxR.dll、WavDest.dll、regwav.exeの3ファイルが同じ場所にあることを確認してからregwav.exeを起動します。Windowsが「ユーザーアカウント制御」のウィンドウを出すので[はい]をクリックします。別の小ウィンドウ「ダビング、モノラル化、左右交換を使うための設定」が開きます。[LxR.dllとWavDest.dllをレジストリに登録(インストール)]をクリックします。この段階でひとつ失敗の可能性として、マイクロソフトが提供しているCランタイムmsvcr100.dllがコンピュータに存在しない場合が考えられます。その場合はその旨メッセージが出ます。msvcr100.dllはマイクロソフトが提供している「Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86)」をインストールすることでコンピュータに入ります。いっぽうエラーが出ずにうまく行けば、結果を知らせるメッセージが2回(WavDestの結果とLxRの結果で2回)出ます。

注:LxR.dllは現在8bitと16bitだけをサポートしているので、24bitなどの音声が入力されると正しく動作しません。8bitは音が悪すぎるので、結局実用になるのは16bitです。つまりwavファイルならば16bitのもの、もしもコーデックを使ってwav以外を読み込むならば、コーデック(parser filter / decoder filter)の出力設定が16bitの時に正常動作します。

ではモノラル化/左右交換を使ってみましょう。「わが青春のカセットテープ」を起動し、メニューの[作業フェーズ]を[ピッチ調整]にします。カセットファイルを読み込みます。ウィンドウの右下にSTEREO, MONO, CHANGEがあります。STEREOは通常の状態です。読み込んだwavファイルをそのまま再生します。MONOは、読み込んだwavファイルが2チャンネルなら、左右の音をミックスしてモノラルとして再生します。CHANGEは、wavファイルが2チャンネルなら、左右の音を交換して再生します。いずれの場合も、wavファイル自体が1チャンネルなら何も変更しません。VOLUME, PITCH, BALANCEと違い、WRITEボタンはありません。STEREO, MONO, CHANGEを選択した時点で確定します。なお、モノラル化/左右交換のタイミングはDirectShow filterの仕様により微妙に遅れる可能性がありますので、曲と曲の間の無音部分でモノラル化/左右交換を始めるならば、無音部分の早い時点で設定することをお勧めします。

擬似カラオケについて
はるか昔アナログ時代には、半田付けでラジオを作るような人々は接続コードをいじって擬似カラオケを作って遊んだものでした。右か左どちらかのコードの+と-を逆にしてから左右をミックスすると、あら不思議、歌手の声(正しくはセンターの音)が聞こえなくなるというものです。昔懐かしいこのいたずらを再現してみました。ただし、こんにち巷では同様の原理を使って実用的なカラオケ作成を目指す傾向があります。それを期待してはいけません。私が作ったのは「昔懐かしいいたずらの再現」にすぎません。至らない点はおもに3つあります。1.歌手の声には残響がかかっていることが多く、この残響はたいていセンターに位置していないので、センター音を消しても残響が残ります。だから「なんだ歌手の声(実際には残響の部分)が残ってるじゃないか」という結果が多々あります。2.センター音をうまく消すためには左右の音をミックスしなければなりません。だから基本的に結果はモノラルになります。音を左右に振り分けるにはそれなりの工夫が必要ですが、私はそこまでやっていません。3.デジタルデータはアナログと違い0dBを超えればたちまちクリッピング(音割れ)を起こすので、それを防ぐために元音よりも小さな音にしています。そんなわけで、このおまけ機能は、「昔半田付けでいたずらをした人が懐かしむ目的」専用かもしれません。キーボードのShiftキーを押した状態でCHANGEをマウスでクリックします。なお、2チャンネルのwavの両方のチャンネルにまったく同じデータを入れ、それを擬似カラオケにすると無音になります。それで正常です。センターの音が正しく完全に消えている証拠でもあります。


音質補正をする
カセットデッキで再生した音と、パソコンに取り込みwavファイルにして再生した音が完全に同じという保証はありません。同じ曲でもレコードの再生音とCDの再生音に微妙な違いが感じられるように、聴いた感じとして何らかの相違があるかもしれません。それがあなたにとって悪くない相違(たとえば音がクリアになったように感じる)ならば、そのままで良しとしましょう。けれども不満を感じる場合(たとえば音に軽快さが無くなり微妙に重苦しく感じるなど)は、何とかしなければなりません。
再生する音の種類により、相違が気になるものと気にならないものがあると思います。とりわけ気になるwavファイルが登録してあるカセットファイルを、メニューの[ファイル]−[カセットファイルを開く]で読み込んでください。聴き比べのために、そのwavファイルの元であるカセットテープをカセットデッキに入れて再生の準備をしてください。
ここから先の作業は、カセットテープの再生音とwavファイルの再生音を交互に聴き比べながら行うことになります。長く聴き比べをすると聴覚が疲れて違いがわからなくなるので、日を改めて再度聴き比べるのも有効です。
「わが青春のカセットテープ」で聴き比べに使う曲を頭出ししてからメニューの[初期値]−[音質補正]を選んでください。設定用ウィンドウが開きます。その中に3つのスライダーがあります。これはパラメトリック・イコライザと呼ばれるものです。周波数帯の中の特定の部分に山または谷を作ります。いちばん上のスライダーは、高い音に山(谷)を作るか、低い音に山(谷)を作るかを決めます。真ん中のスライダーは、山の高さ(谷の深さ)を決めます。いちばん下のスライダーは、山(谷)の勾配を変えて、たとえば裾野の広がったなだらかな山を作るか、急峻な立ち上がりの山を作るかを決めます。
いちばん上のスライダーを動かすと、スライダーの右端の下側に文字が出ます。OKは、正しく音質補正が行われた状態です。FALSEは、wavファイルのサンプリング周波数に比べて設定値が高すぎて処理できない状態です。たとえばサンプリング周波数44,100Hzのwavファイルだと、スライダーを右端まで動かすとFALSEになります。この場合、設定可能な最高の周波数で処理します。48,000Hzのwavはスライダーを右端まで動かしてもOKを表示します。

補足1
カセットファイルが読み込まれていない時と、オーディオファイルがwav/WavPack/mp3ではなくac3または「その他のフォーマット」の時は、音質補正ができません。

補足2
音質補正は、デジタル化に伴う微妙な音の変化を補正するのが目的です。つまりすべてのwavファイルに共通の補正となります。個々の曲を好みに合わせて音質変更するためのものではありません。

wav以外のファイルを無理を承知で再生しようとする(WavPack/ac3/mp3/その他)
このソフトでは16bitのリニアPCMを推奨します。8bitは対応しているけれども音質が悪く、24bitは現在対応していません。ここでは、リニアPCM以外のファイルフォーマットを読み込んだ時の情けない動作について書きます。期待はしないでください。
カセットファイルにオーディオファイルを登録するさい、ファイルを選ぶウィンドウに初期状態ではwavファイルだけを表示します。その他のファイルを表示するには開いたウィンドウの下のほう、ファイル名を打ち込む場所の右側にある「wavファイル」をクリックして「すべてのファイル」に変更します。
WavPack (wv)。wvファイルをこのソフトで再生するには、CoreWavPackのインストールが必要です。あるいは、それと同等のものが入っているコーデック・パック(たとえばK-Lite Mega Codec Pack)をインストールする方法もあります。WavPackファイルを再生する場合、ピッチの変更には支障が出ました。そこでWavPackを読み込んだ時は[作業フェーズ]の[ピッチ調整]を使用不可にします。単純な再生とインデックス付けだけが可能です。
ac3。ac3をvobから抜き出して単独で使う人はあまりいないと思いますが、私は何の因果か必要になったので可能な範囲で対応しました。ac3を単独で再生するには2つのfiltersのインストールが必要です。ひとつめはAC3Fileです。ふたつめは、AC3Filterまたはffdshowのどちらかです。2つのfiltersをインストールするかわりに、両方が入っているコーデック・パックをインストールする方法もあります。たとえばK-Lite Mega Codec PackにはAC3Fileとffdshowの両方が入っています。上記のfilters(コーデック)がインストールされているとvobコンテナに入っているac3は再生できるようになりますが、ac3単体のファイルを再生するにはまだ先に難関があります。ac3ファイルへのパス(ファイル名も含む)の中に日本語が混ざっているとDirectShowのfilter graph managerが拒みます。そこで残念ながらac3ファイルのファイル名とパスのフォルダ名が半角英数字記号だけの場合に限り再生できます。あとこのソフトでの制約として、拡張子はac3にしてください。
AC3Filterでなくffdshowを使う場合は、一度ac3ファイルを登録したカセットファイルを読み込んでからメニューの[ファイル]−[現在のオーディオファイル情報]−[DirectShow filters]を見て、そこにAC3 Parser Filterが含まれていないことを確認してください。AC3Fileが使われていない時にこのAC3 Parser Filterがでしゃばってきます。そしてAC3 Parser Filterが使われてしまうと、ピッチ調整で再生ポイントがずれてしまいます。もしもAC3Fileが正しく使われていれば、[DirectShow filters]の一覧にはAC3Fileが現れませんが、AC3 Parser Filterも表示されません。AC3FilterはAC3 Parser Filterを拒んで再生が失敗するので良いですが、ffdshowは拒まないので再生が成功し、ユーザー様がピッチ調整をして再生ポイントがずれてしまうかもしれません。それを避けるために確認をお願いします。(ピッチ調整を一切しない場合には、どうやらAC3 Parser Filterでも大丈夫のようです。)
追加情報:AC3Fileを(コーデック・パックとしてでなく)単体で入手するならば、正規のサイトから入手してください。ネット検索すると「AC3File日本語版」というタイトルのダウンロードページがいくつか見つかりますが、どうも妙です。試しにその中のひとつからダウンロードしてみましたが、ファイルサイズが56KBしかありません。正規版のver. 0.7bでac3file.axは153KBあります。では妙にサイズの小さい日本語版とは何なのか。私は恐くてインストールを試す気になりません。コーデックの中身は実行可能ファイルですので、信頼できるサイトからのダウンロードをお勧めします。
mp3。結果から書くとmp3はかなりの制約が付くので、このソフトでは使わないほうが良いです。以下はその詳細です:mp3は、とくにVBRの場合に、いくつものコーデックでタイムがずれることが有名です。それを改善したmpg123dsf(可音氏作)というコーデックがあります。これが必要です。とはいえmpg123dsfはネット上で探しにくかったのでffdshowも使用可能としました。ただしffdshowを使うとタイムがずれます。予想される一番大きな問題は、ユーザー様がこのソフトでインデックスを作成した後で別のmp3用コーデックをインストールすると、それまでに作成したインデックスのTIMEがずれて使い物にならなくなるということです。ですから、このソフトでmp3を再生するならばmp3用コーデックを後から変更しないことが前提となり、上記のどちらかのコーデックのインストールが必須となります。さらに残念なことがわかりました。Windows標準添付のfilterだけでなく、mpg123dsfまたはffdshowを使ってでさえ、ピッチの変更には支障が出ました。そこでmp3を読み込んだ時は[作業フェーズ]の[ピッチ調整]を使用不可にします。単純な再生とインデックス付けだけが可能です。
その他のフォーマット(音声・動画)のファイルはDirectShowのIntelligent Connectに任せます。つまり、コンピュータにインストールしてあるコーデックにより結果は様々です。うまく再生できる場合もあるけれども、最悪の場合はアクセス違反でソフトが強制終了します。ファイルのフォーマットが様々で、ユーザー様のコンピュータにあるコーデックも様々なので、結果については何とも言いかねます。はっきり言えるのは「期待しないでください、うまく行かない場合も多いです」ということです。それから、この場合[作業フェーズ]の[ピッチ調整]は使えません。単純な再生とインデックス付けだけが可能です。ヴィジュアルフェーズのVUメーターの針は正常に動かない場合があります(VU SOURCEをAUXにする方法をお試しください)。再生するのが動画の場合は「テレビ」というタイトルの再生用ウィンドウが出ます。動画の再生はこのソフトのメインウィンドウでの操作に連動しますが、メインウィンドウがとても大きくて操作のたびに動画が隠れるので、「テレビ」ウィンドウ内をクリックしても一時停止/再開するようになっています。「テレビ」ウィンドウの右上の×(閉じる)ボタンは使えません。「テレビ」ウィンドウは音声だけのファイルを再生する時には自動的に消えます。メインウィンドウを閉じてソフトを終了する時にももちろん一緒に消えます。

エラーチェックについて
メニューの[インデックス]−[エラーチェック]を選ぶと、カセットラック(ミニラックを含む)に登録済みのカセットについて、問題点がないかどうかチェックします。チェックはおもに、登録されているカセットファイルとオーディオファイルが実際に存在するかどうか、インデックス項目のリンクがリンク切れになっていないかどうか、リンク項目として表示される情報が最新の情報かどうかです。
注意:カセットファイルを読み込んで[インデックス作成]をしながらエラーチェックをしないでください。[インデックス作成]ではインデックスファイルを占有状態で開くので、エラーチェックで開くべきファイルが開けずに正しいチェック結果が出ないことがあります。同様の理由から、カセットラックやミニラックを表示してカセットの登録/登録解除をしながらエラーチェックをする(「わが青春のカセットテープ」を複数起動すると可能)ことも避けてください。
エラーチェックの前に、Windowsの検索機能で拡張子.indexのファイルをすべて見つけ出し、それのコピーを保存しておくことをお勧めします。リンク項目を最新の情報に更新する途中で万一不測の書き出しエラー(停電等も含む)が生じた場合、インデックスファイルが破損する可能性に備えてのことです。作者のテスト環境では今まで一度も問題が生じていませんが、大事なデータに手を加える前にバックアップを作成するのはコンピュータを扱う上での常套手段です。
エラーチェックが終わると結果をテキスト形式のファイル(checkindexes.txt)にし、Windowsに関連付けられたソフトを使って表示します。個々のエラーは以下の[  ]で括られた文字列で始まり、その後にエラーの場所を示すデータが続きます:

[ラック登録カセットファイル見つからず]
ラックに登録されているカセットファイル(拡張子 .cassette)が見つかりません。削除したか、移動したか、名前を変更したか、COMMON PATHを変更した可能性があります。

[ラック登録ファイル(カセットファイル以外)見つからず]
ラックに登録されているファイル(文書・動画など任意のファイル)が見つかりません。削除したか、移動したか、名前を変更したか、COMMON PATHを変更した可能性があります。

[登録カセット名を最新の情報に更新した]
ラックに登録されているカセット名が実際のカセット名と違っていたので、最新の情報に更新しました。ラックに表示されるカセット名(CASSETTE TITLE)はラックを表示するたびに全部のカセットファイルからいちいち読み込むのではなく、あらかじめコピーを保持しておいてそれを表示します。もしも後からカセットファイルを編集してCASSETTE TITLEを変更すると、その変更は自動的にはラックに反映しません。このエラーチェックを実行すると更新できます。

[オーディオファイル見つからず]
ラックに登録されているカセットファイルを調べ、そこに登録されているオーディオファイルを調べましたが、オーディオファイルが見つかりませんでした。削除したか、移動したか、名前を変更した可能性があります。

[リンク先カセットファイル見つからず]
ラックに登録されているカセットファイルAを調べたところ、そこにインデックス項目があり、そのインデックス項目にリンクがあったので調べましたが、リンク先のカセットファイルBが見つかりません。削除したか、移動したか、名前を変更したか、COMMON PATHを変更した可能性があります。

[リンク先ファイル(カセットファイル以外)見つからず]
ラックに登録されているカセットファイルを調べたところ、そこにインデックス項目があり、そのインデックス項目にリンクがあったので調べましたが、リンク先のファイル(文書・動画など任意のファイル)が見つかりません。削除したか、移動したか、名前を変更したか、COMMON PATHを変更した可能性があります。

[カセットへのリンクにインデックス情報がない]
リンク先がカセットファイルの場合はインデックス項目の情報が付いているはずですが、それがありません。普通このエラーは生じません。

[カセットへのリンクのカセット面指定が異常]
リンク先がカセットファイルの場合は目的のインデックス項目を含むカセット面が指定されていますが、その値がA面でもB面でもない異常な値です。普通このエラーは生じません。

[カセットへのリンクの62進数データが異常]
リンク先がカセットファイルの場合は目的のインデックスのオーディオファイル番号とTIMEが62進数で記録されていますが、その値が異常です。普通このエラーは生じません。

[指定カセット面の指定オーディオファイル見つからず]
実際の登録オーディオファイル数を超える値が指定されており、目的のオーディオファイルが見つかりませんでした。リンクを設定した後でカセットファイルを再編集し、オーディオファイルの登録を削除した場合などが考えられます。

[リンク先カセットにインデックスファイル見つからず]
リンク先がカセットファイルの場合は、実際にはカセットファイルそのものでなく特定のインデックス項目にリンクしています。つまり、インデックス情報が記録されているインデックスファイル(拡張子 .index)が必ずあるはずです。ところがそのインデックスファイルが見つかりません。削除したか、移動したか、名前を変更した可能性があります。インデックスファイルは、カセットファイルと同じ場所に、"(カセットファイル名).(オーディオファイル名).index"の形で存在しなければなりません。ログファイルの「リンクコマンド」を見るとカセットファイル名はわかります。その後が".cassette/PA"と続けばA面、".cassette/PB"と続けばB面のオーディオファイルです。もしも片面に複数のオーディオファイルを登録しているならば、先ほどのPAまたはPBの直後の1文字が0ならば最初のオーディオファイル、1ならば2番目のオーディオファイル、2ならば3番目です。これで、あるべきインデックスファイルの名前が特定できます。

[リンク先カセットファイルに目的のインデックス見つからず]
ラックに登録されているカセットファイルAを調べたところ、そこにインデックス項目があり、そのインデックス項目にリンクがあったので調べたところ、リンク先はカセットファイルBでした。そのカセットファイルBを調べ、目的のTIMEにあるインデックス項目を探しましたが、目的のTIMEにインデックス項目はありませんでした。インデックス項目を削除したか、TIMEを変更したと思われます。なお、仮にリンク先インデックス項目が削除されていても、オーディオファイルに目的のTIME以上の長さがあればリンク先参照時には再生します。

リンク先のインデックス項目のTIMEを変更しただけの場合は、次の方法で正しくリンクさせます:
1.(リンク元を表示します)ログファイルには、リンク元がどのラックの何番目の引き出し(メイン カセットラックの場合)、何番目のカセット、A面/B面、何番目のオーディオファイルかが書いてあります。これを参考に「わが青春のカセットテープ」にリンク元のカセットファイルを読み込んで、指定面、(もしも片面に複数のオーディオファイルを登録していれば)指定のオーディオファイルを出してください。[作業フェーズ]を[インデックス作成]にします。ログファイルの「インデックス項目のTIME」が必ずインデックス項目として登録されています。それの上で右クリックして出るメニューから[この項目を編集]を選んでください。ウィンドウの下のほうのLINKSにリンク先が一覧表示されます。リンク先が複数登録されている場合、ログファイルの「リンクコマンド」と比べると、どれが目的のリンク先かがわかります。
2.(正しいリンク先を登録します)先ほど1.で特定したリンク先の上で右クリックして出るメニューから[ここに新規リンク先を作成]を選びます(もしもリンク元とリンク先が同じカセットファイルならばキーボードのShiftキーを押した状態で選びます)。ログファイルの「リンクコマンド」を見るとリンク先のカセットファイル名がわかるので、それを開きます。ここでA面/B面などを指定しなければなりませんが、ログファイルの「リンクコマンド」にあるカセットファイル名の後が".cassette/PA"と続けばA面、".cassette/PB"と続けばB面です。もしも片面に複数のオーディオファイルを登録しているならば、先ほどのPAまたはPBの直後の1文字が0ならば最初のオーディオファイル、1ならば2番目のオーディオファイル、2ならば3番目です。これで目的のインデックス一覧にまでたどり着きました。ログファイルの「リンクコマンド」を見て、ARTIST, TITLE, NOTEなどから目的のインデックス項目を特定、選択してから[一方向リンク]ボタンをクリックします。
3.(エラーのあるリンク先を削除します)上の2.を行うとLINKSに正しいリンク先が登録されます。先ほど、エラーのあるリンク先の上で[ここに新規リンク先を作成]したので、正しいリンク先のすぐ下にあるのがエラーのあるリンク先です。それぞれダブルクリックしてリンク先を再生・聴き比べ、間違いないのを確認するのも良いでしょう。確認が済んだら、エラーのあるリンク先のほうを慎重に選び、その上で右クリックして出るメニューから[このリンクを削除]を選びます。最後に、忘れずに >> WRITE LOCATOR をクリックします。

[リンクデータを最新の情報に更新した]
インデックス項目にリンクがあり、そのリンク項目として保存されている情報が最新のものではなかったので、最新の情報に更新しました。これはたとえば、ある曲(インデックス項目)Aから別の曲(インデックス項目)Bへリンクを作成した時、インデックス項目BがARTIST不明だったとします。すると、インデックス項目Aのリンク情報(曲Bについての情報)はARTIST不明で保存されます。その後、曲Bのアーティストが判明し、ユーザー様がインデックス項目BのARTISTを書き換えたとします。しかしインデックス項目Aのリンク情報はARTIST不明のままで、自動では更新されません。このエラーチェックを実行すると更新できます。

[パスを絶対パスから相対パスに変更した]
カセットファイルのパスやリンク先へのパスが絶対パスで記録されていたけれども、COMMON PATH(拡張を含む)が対応できるパスだったので、相対パスに変更しました。これは、パスを記録した後でCOMMON PATHの設定をした場合に生じます。

次回起動時に前回のカセットを読み込み、再生面・再生ポイントを再現する
メニューの[初期値]−[次回起動時に同じカセットを読み込む]にチェックを付けると、「わが青春のカセットテープ」を終了する時に読み込んでいたカセットファイルを記録し、次回の起動時にはまた読み込みます。ただし万一重大なエラーでカセットファイルが読み込めなかった時には、今後の起動時に毎回エラーが出るのを避けるために自動的にチェックが取り消されます。

カセットの色を少し暗くする
メニューの[初期設定]−[ヴィジュアルフェーズ]−[カセットの色を少し暗く]では、
ヴィジュアルフェーズで表示されるカセットテープの絵を少し暗く表示します。この設定は、このソフトを気楽に使っている間は必要がありません。カセットの外見をユーザー様の愛蔵カセットに変えるという超上級・奥義的使い方をする時に初めて必要になります。たとえばカセットテープをフラットベッドスキャナで画像にする時、スキャナのガラス裏面が曇っていてデジタル化時にわずかに白っぽくなってしまったならば、それを補正するために使います。あるいは、カセットデッキに入ったカセットは少し奥にあるので光が当たりにくく、その暗さを表現するために使います。赤緑青の各色値から定数を引く選択肢と、各色値を定数で割る選択肢があります。好みで使えば良いのですが、私は引くほうがカセットラベル紙の白い色があまり暗くならずに自然な感じになると思います。割ると、白い部分が暗く見えます。スキャナのせいで画像が白っぽくなった場合はとくにその影響が黒い色のカセットテープに出ますから、つい黒い色のカセットばかりを試しがちになりますが、明るい色のカセットでも試す必要があります。黒い色のカセットではたいした違いが見えなくても、明るい色のカセットではずいぶん暗くなる場合があるので注意してください。この設定はテープ色とリールの色にも反映します。

別のPCへのデータ移動について
PCを買い換えた場合など、別のPCへ「わが青春のカセットテープ」を移す場合について説明します。作業は下記のi, ii, iii, iv, vの5つあります。

i. ソフト本体の移動
ソフト本体を移動先PCへコピーします。下記「v. COMMON PATHの変更」のとおりに、あらかじめ特定の条件に従ってこのソフトを使った場合は、COMMON PATHのフォルダごと下記iiiiiのファイルも一緒にそっくり移動すると楽です。それから、必要に応じて移動先PCで「ダビング用ツール」内のregwav.exeを実行します。

ii. wavファイルとカセットファイルの移動
以下の4種類のファイルがあります。
wavファイル:「わが青春のカセットテープ」で再生するためのwavファイルです。ユーザー様が用意し、場所もユーザー様が決めたものです。
カセットファイル:ユーザー様が作成したファイルで、カセットテープ1巻にひとつあります。ファイル名はユーザー様が決め、拡張子.cassetteが付きます。場所もユーザー様が決めたものです。
コマンドファイル:「わが青春のカセットテープ」にカセットファイルを読み込み、[ピッチ調整]フェーズを表示した後に自動的作られます。このファイルはwavファイルごとに作られます。ファイル名+拡張子は"カセットファイル名.wavファイル名.command"となります。場所はカセットファイルと同じ場所です。
インデックスファイル:「わが青春のカセットテープ」にカセットファイルを読み込み、[インデックス作成]フェーズを表示した後に自動的作られます。このファイルはwavファイルごとに作られます。ファイル名+拡張子は"カセットファイル名.wavファイル名.index"となります。場所はカセットファイルと同じ場所です。

これらのファイルを移動する方法は3とおりあります。
方法1. 下記「v. COMMON PATHの変更」のとおりに、あらかじめ特定の条件に従ってこのソフトを使った場合。この場合は、COMMON PATHのフォルダごとそっくり移動してください。カセットラックへの登録も含めて別のPCへのデータ移動に対応します。詳細は下記「v. COMMON PATHの変更」をお読みください。
方法2. COMMON PATHは使用していないが、wavファイルがカセットファイルと同じフォルダかその下位フォルダにある場合。この場合は、カセットファイルのあるフォルダごとそのまま移動すると、そのまま使えます。ただしカセットラックへの登録には対応できません。
方法3. wavファイルがカセットファイルと無関係の場所にある場合。この場合は、カセットファイルを移動する時にコマンドファイルとインデックスファイルも一緒に移動するだけでなく、wavファイルの登録をし直さなければなりません。カセットラックへの登録には対応できません。

iii. ヴィジュアルデータの移動
デッキヴィジュアルデータ(デッキの絵)とカセットヴィジュアルデータ(カセットの絵)を移動先PCへコピーします。下記「v. COMMON PATHの変更」のとおりに、あらかじめCOMMON PATHを設定し、手順どおりにしてある場合は、COMMON PATHのフォルダごとそっくり移動してからCOMMON PATHを変更するとそのまま使えます。そうでない場合はデータ移動後に「わが青春のカセットテープ」を起動し、メニューからデッキヴィジュアルデータの場所とカセットヴィジュアルデータの場所を再設定します。

iv. 諸設定とカセットラックの移動
諸設定とカセットラックは"(ユーザー名)\AppData\Roaming\わが青春のカセットテープ"という場所にあります。この場所はエクスプローラのアドレスバーに%appdata%と打ち込んでEnterキーを押すと表示されます。別のPCへデータを移す時は、この"わが青春のカセットテープ"というフォルダを移動先PCの同じ場所にコピーします。

v. COMMON PATHの変更
デッキヴィジュアルデータの場所、カセットヴィジュアルデータの場所、カセットラックに登録したカセットファイルの場所、インデックス項目にリンクしたファイルの場所は、あらかじめ特定の条件に従ってこのソフトを使った場合のみ、別のPCへのデータ移動に対応します。あらかじめCOMMON PATHを設定し、それからデッキヴィジュアルデータの場所やカセットヴィジュアルデータの場所を設定したり、カセットラックにカセットファイルを登録したり、インデックス項目にファイルをリンクしたりし、しかもそれらの場所がCOMMON PATH内にある必要があります。その場合は、COMMON PATHのフォルダごとそっくり移動してからCOMMON PATHを変更するとそのまま使えます。
メニューの[初期値]−[COMMON PATH 拡張]を使って2つめ以降のCOMMON PATHを設定している場合は、それぞれのCOMMON PATHを正しく場所変更してください。たとえば1のCOMMON PATHに関係するファイルAがあるとして、それの場所を移動した時は1のCOMMON PATHを変更します。他の番号のCOMMON PATHに新しい場所を設定しても、それは新規ファイルに使われるだけで、ファイルAの場所には使われません。



前バージョンからの変更点

1.4から1.5への変更点

前回のバージョンアップの時点で5秒/30秒/3分進める機能と5秒/30秒/3分戻る機能に不具合が出ていたので修正しました。さらに、カセットファイルの片面に複数のwavを登録してある場合の動作を修正し、REVERSE MODEが A to B や CONT であった時にどこまで進む/戻るかという仕様を決めました。

[インデックス作成]フェーズのインデックス一覧は、ユーザー様が変更した項目幅を次回起動時に再現するよう修正しました。[再生テスト]フェーズのインデックス一覧はそもそも表示領域が狭いので項目幅の変更を想定しておらず再現もしていませんが、項目の一部が隠れている時は目的の項目の上へマウスポインタを持って行くと項目の全文が表示されます。

1.3から1.4への変更点

COMMON PATH(データファイル引越しに対応するための共通パス)を複数扱えるようにしました。2つ目以降のCOMMON PATHはメニューの[初期値]−[COMMON PATH 拡張]で設定します。ただし、一度パスを設定して使い始めたらデータファイルを引越しするまで変更できない(ファイルを移動しないのに変更したらリンク切れが生じてしまう)ので、よく考えて設定してください。

前回開いたファイルの場所をカセットファイル、wavファイル、イメージファイル、ドキュメントファイル、リンク先ファイルで別々に記録するように変更しました。たとえばカセットファイルを開いてはリンク先を登録するという作業を繰り返す時にわずらわしさが減ります。

エラーチェック結果に[パスを絶対パスから相対パスに変更した]を追加しました。

ヴィジュアルフェーズを右クリックして表示されるインデックス一覧で、再生時に一番下の項目だけが自動的に選択されない不具合を修正しました。他にも細部の動作修正をしました。

1.2から1.3への変更点

ヴィジュアルフェーズにリンク先呼び出し機能を追加しました。プログラムだけでなくデッキヴィジュアルデータにも変更がありますから、バージョンアップのさいはdeck1フォルダの中身も新しいものを使ってください。

デッキヴィジュアルデータ作成支援ソフト makedeck.exe をリンク先呼び出し機能に対応させました。

ヴィジュアルフェーズでミニラックを出す時、ミニラック一覧のポップアップメニューがデッキ絵左上に出てわかりにくかったので、マウスポインタ位置に出るようにしました。

今までは、再生する音声ファイルがac3の場合も音質補正が効いていました。しかしこの音質補正はデジタル化による音の微妙な変化を補正するのが目的で、デジタル化した音声ファイルはwav/WavPack/mp3にはなってもac3にはなりません。つまり上記の目的で音質補正する必要はないはずなので、ac3を再生する時には音質補正が効かないように変更しました。

1.1から1.2への変更点

wavファイルを作り直した時にピッチ調整やインデックスなどのデータを新しいwavに合わせるためのユーティリティApplyCommands.exeを付けました。"ユーティリティ"フォルダ内にあります。

COMMON PATHによるファイル移動への対応が、COMMON PATH作成当時はインデックス項目のリンクにだけ有効でしたが、その後このソフトに関係するデータ全般に有効になっていました。ところが取扱説明書の記述が古いままだったので、今回取扱説明書の記述を改めました。またCOMMON PATHの変更をメニューからもできるようにしました。

以下の変更点は「超上級・奥義編」に相当するものなので、軽くこのソフトを試したい方にはあまり関係しないかもしれません。

デッキヴィジュアルデータ作成支援ソフト makedeck.exe を付けました。"deck1"フォルダ内にあります。「わが青春のカセットテープ」ではデッキの外見をユーザー様が自作・変更できるとはいえ、画像を編集し、座標を指定する作業は大変です。せめて座標指定だけでも視覚的に楽にできるようにと、この支援ソフトを作りました。でも画像の編集はユーザー様が巷の画像編集ソフトでしなければならないので、万人にお勧めできるほど簡単ではありません。画像編集ソフトをお持ちで画像編集を得意とする方ならば現時点でもデータが作成できますが、そうでない方は、このソフトに添付されているデッキヴィジュアルデータ(deck1フォルダ)を支援ソフトに読み込んで、「福笑い」のように(といっても目隠しをする必要はありませんが)デッキ上の各パーツの位置を変えてみる程度になるかと思います。

カセットヴィジュアルデータに拡張機能を付けました。プラスチックが半透明で中のテープが広範囲に見えるタイプのカセットで、リールに巻かれたテープからガイドローラーに向かって続くテープ部分を描画します。これの説明はcassettesフォルダ内の「外見を自分のカセットに近づける.txt」(項目Vの最後の部分)に書きました。具体例としてcassettesフォルダ内の「TDF H46 DGREEN」をこの拡張設定にしました。結果を見るには、カセットヴィジュアルデータとして「TDF H46 DGREEN」を使う設定にして(メニューの[初期設定]−[ヴィジュアルフェーズ]−[デフォルトのカセットヴィジュアルデータ])、カセットファイルを読み込みます。背景が暗いので見えにくいですが、リールに巻かれたテープから下方へとテープが続いているのが見えます。

1.0から1.1への変更点

ヴィジュアルフェーズで、カセットデッキの絵をマウスで右クリックするとインデックス表示に切り替わるようにしました。インデックス項目を左クリックで選択するとそこから再生します。通常操作画面(カセットデッキの絵)に戻るにはインデックス表示のどこかを右クリックしてください。

検索条件として[リンクファイル名]を追加しました。検索条件関係のバグも修正しました。

読み込んだファイルのフォーマットが[ピッチ調整]フェーズを使用可能なものかどうか判定するルーチンに不備があり、正しく判定されない場合があったのを修正しました。

前バージョンではヴィジュアルフェーズのテープ残量にBEGINNING(冒頭以外から再生開始)とEND(最後まで再生しないうちに終了)の値が反映していませんでした。修正しました。

前バージョンではスリープ機能の設定をmap.txtに記述していましたが、スリープ機能を含む拡張機能の設定を別ファイルmap2.txtに記述するように変更しました。

カセットの色を少し暗くするという、少々マニアックな設定を追加しました。

0.9から1.0への変更点

ヴィジュアルフェーズにスリープ機能(就寝時再生用)を付けました。ボタンを押して三日月マークを出すと、テープを最後まで再生した時点でコンピュータを自動シャットダウンします。これはPLAYBACK MODEが A / B または A to B の時に機能します。CONTはエンドレス再生モードなのでシャットダウンは機能しません。

前バージョンのcassettesフォルダ内にあった「リール画像作成支援プログラム rot.exe」を削除し、そのかわりに「カセットヴィジュアルデータ作成支援ソフト makecvd.exe」を追加しました。なおrot.exeの削除は配布アーカイブ全体の肥大化を避けるためであって、不具合があったわけではありません。前バージョンのrot.exeは引き続き使えます。

[インデックス作成]フェーズで新規リンクを作成する時、ファイル名選択ウィンドウにはカセットファイルだけを表示するので、他のファイル(動画や文書など)にリンクするには前バージョンまではファイル名選択ウィンドウを出した後で[すべてのファイル]に表示変更する必要がありました。これを、キーボードのCtrlキーを押した状態でファイル名選択ウィンドウを出すとすべてのファイルを表示するようにしました。

もしもカセットファイルに登録したwavのうちA面最初のものをユーザー様が削除/移動すると、カセットファイルを読み込んだ時点でwavファイルが見つからないというエラーが出て終了しますが、これを修正しようとして[カセットファイルの編集]をしようとしても前バージョンでは同様にエラーが出てカセットファイルを救済できませんでした。この問題を改善しました。

カセットファイルを読み込んだ状態でメニューの[カセット ファイルの新規作成]または[カセット ファイルの編集]を選択してからキャンセルすると、前バージョンではキャンセルしたのに以前のカセットファイルの読み込みが使えなくなっていました。これを修正しました。ただしキャンセル時の処理進行状態によってはデータ再読み込みが必要なので、再生開始ポイント等が初期状態に戻ることがあります。

[カセット ファイルの新規作成]または[カセット ファイルの編集]で出るウィンドウの[IMAGE]ボタンをクリックする時にキーボードのShiftキーを押しているとカセットヴィジュアルデータの場所を開くはずでしたが、前バージョンではそうなっていませんでした。修正しました。

メニューの[初期値]−[リンク先カセットファイル再生時の作業フェーズ]が[ヴィジュアル]だと、インデックスに付けたリンクや検索結果の項目をダブルクリックした時にカセットデッキの絵が出ますが、前バージョンではデッキの中にカセットの絵が出ませんでした。これを改善しました。

ソフトの機能には関係しませんがヘルプ内の松任谷由実さんの名前の漢字が間違っていたので修正しました。

(おわび)前バージョンの時点で、次回はヴィジュアルフェーズにカセットインデックスを付けてそこから曲を選べるようにすると予告しましたが、インデックス表示方法の名案が浮かばないまま1年あまりが過ぎてしまい、結局本バージョンで実現できませんでした。すみません。

0.8から0.9への変更点

おまけソフトCassetteMTR.exeの同梱をやめました。

「作業フェーズ」に[ヴィジュアル]を追加しました。これは、すでに作成済みのカセットファイルを再生する時にカセットデッキの絵を表示し、カセットテープの絵のリールを回すものです。絵を動かす部分は出来ていますが、現時点ではまだカセットインデックスが表示されず、インデックスから曲を選ぶことができません。これは次のバージョンアップをお待ちください。カセットデッキやカセットテープの絵はユーザー様が時間と労力を惜しまなければお好きな画像に変更できるようにもなっていますが、それをするには画像編集ソフトで本格的に作業する必要がありますので、とにかく添付のデッキとテープの絵で気楽にお楽しみいただくことをお勧めします。

「取扱説明書」の解説をわかりやすくするために、ソフトの画面の絵を表示して説明と見比べられるようにしました。

追記:メニューの[初期値]−[ラックデータの場所]は現在未使用です。

0.7から0.8への変更点

[再生テスト]フェーズと[ピッチ調整][インデックス作成]フェーズの間を行き来する時、A面/B面や再生ポイントなどが初期値に戻ることなくそのまま再生できるようにしました。

カセットラックをメニューから呼び出す時に[登録する]を選択しても[登録解除する]を選択しても、マウスの右クリックを使えば未登録場所には登録、登録済みの場所は登録解除できるようにしました。各引き出しのタイトルを変更できるようにしました。

カセットラックとは別にミニラックを付けました。ミニラックはカセット15巻が入る小さな収納スペースで、ユーザー様が必要な数だけ作成します。検索はミニラックを含めて行います。

検索対象にカセットタイトルと面タイトルを追加しました。検索結果ウィンドウでEnterキーを押した時に、ウィンドウが閉じるのでなく選択項目を再生するようにしました。

エラーチェック機能を付けました。

次回起動時に前回のカセットを読み込み、再生面・再生ポイントを再現するオプションを付けました。

wav以外のファイルを無理を承知で再生しようとする機能を付けましたが、wavファイル以外ではかなりの制約が付きます。

0.6から0.7への変更点

カセットラック(カセット収納棚)を模した機能を付けました。カセットラックに登録したカセットファイルは、登録した全カセット(カセットタイトル)の一覧から楽に選べます。それだけでなく、アーティスト名や曲名に一致する曲(インデックス項目)を、登録した全カセットファイルの中から探せます(あらかじめアーティスト名・曲名を含むインデックス項目を作っておく必要あり)。ある程度の「あいまい検索」(半角全角違いやタイプミスのサポート)もあります。

[ピッチ調整]フェーズにモノラル化と左右交換を追加しました。この機能を使うには、あらかじめ同梱のLxR.dllをレジストリに登録する必要があります。
注意:すでにver. 0.6まで(古いバージョン)をご使用になりWavDest.dllをレジストリに登録済みの方も、ver. 0.7(新しいバージョン)のregwav.exeを再度使う必要があります。ver. 0.6までのregwav.exeとver. 0.7のregwav.exeは中身が違います。ver. 0.6まではWavDest.dllだけを登録/登録解除しましたが、ver. 0.7ではWavDest.dllだけでなくLxR.dllも同時に登録/登録解除します。
注意:古いバージョンの「わが青春のカセットテープ」はモノラル化と左右交換に対応していないので、ver. 0.7(新しいバージョン)で作成や変更をしたデータをver. 0.6まで(古いバージョン)のソフトに読み込まないでください。古いバージョンのソフトでモノラル化や左右交換の情報を読み込むと不具合を起こします。

メニューの[作業フェーズ]に[ヴィジュアル]が追加されていますが、これはまだ使えません。次回以降のバージョンアップをお待ちください。

このソフトが内部で使用する「設定ファイル」の場所を変更しました。新しいバージョンのソフトを一度起動した時点で、今までの「設定ファイル」は自動的に新しい場所へ移動します。今回の新しいバージョンのソフトを使い始めたら、以前の古いバージョンのソフトを混ぜて使わないでください。もしも混ぜて使うと、設定ファイルの場所が違うことが原因で、前回起動時の状態がうまく保持されません。

(おまけソフトの変更)おまけソフトは機能自体に改良・改変はありません。ただ「設定ファイル」の場所は「わが青春のカセットテープ」本体と同じく変わりました。新しいバージョンの「おまけソフト」を一度起動した時点で、今までの「設定ファイル」は自動的に新しい場所へ移動します。

ソフトのアイコンを変更しようとしたのですが良いアイデアが浮かばず、アイデアが浮かぶまではカッコ悪いMFCアプリケーション デフォルトのアイコンを使うことになりました。

0.5aから0.6への変更点

新たに「作業フェーズ」を設け、今までのバージョンでの作業を[ピッチ調整]フェーズとし、その他に[インデックス作成]フェーズを設けました。

[音質補正]を付けました。解説は「ソフトを使いながら覚える取扱説明書」のStep2です。

特定のコーデック(LAV Splitter等)がインストールされている環境でピッチ変更に支障が出る問題にたいして、Wave Parserを明示的にFilter Graphに追加する策を講じました。

5秒/30秒/3分進めるボタンをクリックした時に、もしも進めたTIMEが現在のオーディオファイル末端を超え、そこで終了ではなく次のオーディオファイルを再生するべき時(片面に複数のオーディオファイルが登録されている;REVERSE MODEがA to BでA面の最後からB面へ移る)、今まではその処理がなく再生が止まっていました。これを修正して次のオーディオファイルを再生するようにしました。

(おまけソフトの変更)各トラックにHIGHとLOWのイコライザを設けました。

(おまけソフトの変更)オーディオファイルのないトラックがCURRENT TRACKの状態でPITCHをWRITEするとアクセス違反を起こす不具合を修正しました。アクセス違反はもう起きませんが、オーディオファイルのないトラックがCURRENT TRACKだとPITCHのWRITEはできません。現在再生中のトラックをCURRENT TRACKにしてください。

ただいま動作テスト用のWindows Vistaと64bit Windows 7が使えず、今回の動作テストは32bit Windows 7で行っています。前回バージョン(Vistaや64bitでも動作確認)以降、Vistaや64bitで動かないルーチンは付けていないので動くはずですが、動作テストができないことをご容赦ください。

0.5から0.5aへの変更点

再生終了ポイントを設定してダビングすると、ダビングを終了した後でアクセス違反を起こす不具合を修正しました。なお、メニュー項目の[作業フェーズ]はまだ使えません。次回のバージョンアップまでお待ちください。

0.4から0.5への変更点

[< 5 sec]などの戻るボタンで再生位置の変更をするとTIMEスライダーの時間表示が一定時間動かなくなる不具合を修正しました。

ユーザー様によるファイルの移動などにより、修正データはあるけれどもwavファイルが見つからなかった時に、既存の修正データが初期化されてしまわないようにしました。

ピッチ調整済みの音声を新規wavファイルにダビングする機能を付けました。ダビングした音声の音量やクォリティは、ご使用のパソコンの「ステレオミキサー」機能に依存します。

0.3から0.4への変更点

再生終了ポイントを設定して再生すると、再生を終了した後でアクセス違反を起こす不具合を修正しました。

片面に複数のwavファイルを登録した状態で、再生しながらAUDIO FILESのファイル名をクリックして別のwavファイルを再生しようとした時、アクセス違反を起こす不具合を修正しました。



アンインストール

もしも同梱のLxR.dllとWavDest.dllをレジストリに登録したならば、まずこの登録を解除します。LxR.dll、WavDest.dll、regwav.exeの3ファイルが登録時と同じ場所になければいけません。それを確認してからregwav.exeを起動し、登録した時と同じように「ユーザーアカウント制御」で[はい]をクリックし、その後[LxR.dllとWavDest.dllを登録解除(アンインストール)]をクリックしてください。

LxR.dllとWavDest.dllの登録を解除したら、このソフトのあるフォルダごとファイルを削除します。

設定ファイルはレジストリではなく%AppData%という場所にあります。エクスプローラのアドレスバーに%AppData%と打ち込んでEnterキーを押すと、その場所が表示されます。このソフトを一度でも起動したならば、そこに「わが青春のカセットテープ」というフォルダがあるはずなので、それを削除してください。(このフォルダ内にはver. 0.8まで同梱していた「おまけソフト」の設定ファイルも含まれるので、それも同時に削除されます。)

あとは「カセットファイル」の削除ですが、カセットファイルはユーザー様が作成したものなので、その場所はユーザー様がご存じのはずです。カセットファイルと、それと同じ名前の後に音声ファイル名が連結したファイルがありますので、それを削除してください。(もしも同じ場所に他のファイルも混在しているなら、拡張子*.cassetteと*.commandと*.indexで検索をかけて削除する方法もあります。)もちろんそのさいに、誤って他のファイルを削除しないようにご注意ください。



ソフト種別、作者情報など

「わが青春のカセットテープ」はフリーソフトウェアです。金銭の授受がない限り譲渡等は自由です。ただ、作者は著作権を放棄しません。

開発にあたってはテストを繰り返し、作者のテスト環境での充分な実用性を確認しておりますが、万一不都合が生じた場合、作者は責任を負いかねます。それをご承諾の上ご使用くださいますよう、お願いいたします。

本ソフトの「ヴィジュアルフェーズ」の画像データに出てくる"PONY"と"TDF"は架空の名称であり、実在する会社名や団体名等とは何の関係もありません。

2016/10/31 白澤
stobene@js3.so-net.ne.jp