【 御宝塔建立 】
本営にある大御宝塔
  この御宝塔は、浄妙教団九十九里本営にある「南無先祖養道」の御宝塔
のことで、前記の身延七面山の御宝塔とは違います。
  昭和六十年に現在の大御宝塔建立工事が始まり、同年九月十六日、先生の
お誕生日(卆寿)に完成披露されます。
  この頃、恩師は九十歳というお年にもかかわらず、たいへんお元気で、ほ
とんど毎日散歩なされ、背骨はピンとして声も大きく、「オレのように幸せ
になりたかったら、一所懸命信仰しなさい」とご自慢なさるほどでした。
  
  恩師は、内弟子として修行中の私の将来のことを心配して下さり、親元に
帰るよう取り計らって下さったのでした。私は紆余曲折の後、自宅に戻り、
御本営には御法座と勤労奉仕のときだけ参拝するようになりました。
  私は御法座のたびに恩師の厳しい御訓導をいただきましたが、恩師が亡く
なる一〜二年前頃からは、先生のお役目は済んだとして、一切、法座では御
法話をなさらなくなり、力が抜けたような感じがしました。
  そして、平成元年十月十二日とうとう老衰のため、お亡くなりになります。
御聖寿九十四歳でした。
  南無先祖養道という新しい御宝號を始唱導されるという、偉大な御行
跡を残されたのに、大きな貴い星が落ちたのに、世間の人は全く気づかない。
それだけに自分たちに残された御法を保つ責任は大変重いといえます。
  恩師は、南洋には若木のうちは全然伸びないのに、二十年位たつと急に大
きくなる木がある、とおっしゃったり、日蓮聖人の在世当時の信者は二百人
足らず、と例に出して、ご自分が亡くなってから、この法は広がるとおっし
ゃってました。
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