ある日、日本で大規模な災害が起きた。日本が誇っていたはずのロボット工学も、この災害にはまったく歯が立たなかった。
―――“技術立国”とは何だったのか?“モノ造りの国”とは何だったのか??
この経験をバネに、日本のロボット工学研究者らは、機密性が高く安全で、
器用なマジックハンドを有し、どんな悪路も超える脚部を持つ作業用ロボットを開発した。
後の『ウォーカー』の原型である。

――ウォーカーは土木建築を中心に急速に普及し、2021年頃、スウェーデン軍が地雷処理用にウォーカーを少数購入したのを皮切りに、
軍用としても注目され始めた。バラエティ番組でウォーカーとブルドーザーが綱引きで対決したことがきっかけとなり(結果はブルドーザーの勝ち)、
ウォーカー同士で戦う『ウォーカーバトル』が誕生したのもこの頃だった。

――2025年。東京都で、ウォーカーに乗った男が街中で暴れまわるという事件が起きた。
この事件が起こるまで、“あんな大きくて目立つ機械が悪用されるわけがない”と誰もが考えていた。
警察の対応の遅れもあり、18名の死傷者を出す大惨事となった。
ちなみに犯行動機は「彼女に別れ話を切り出され、むしゃくしゃしてやった」とのことだが、
TVなどで報道されたときは、インパクトを出す為か別れ話のくだりが省略されて単に「むしゃくしゃしてやった」とされていた。
(後にこの事件は、『初の本格的なウォーカー犯罪』としてギネスに記録されることとなる)

この事件を受けて、警視庁内に『ウォーカー犯罪対策部隊』が試験的に設立される。
そして2030年の今日、同隊に新入隊員が配属されることとなるが…!?


<ウォーカー犯罪対策部隊>
泉野 明―――配属されたばかりの新人隊員。正義感が強いが、空気はそこそこ読める。
 好きなものは、ゲーム『機動警察パトウォーカー 狙われた街2030』。

伏 ひろし―――自分達を“現代の新選組”だと思っており、しばしば過激な発言で周囲を凍りつかせる。
 好きなものはウォーカーバトル観戦と、ソーシャルゲーム『騒乱ケルベロス』。

古代 文明―――面倒くさがりな性格。豊富な知識を持ちウォーカー以外の兵器にも詳しい。
 趣味は戦史研究と、クロスワードパズル。

おばちゃん―――本名不詳。障害物破砕用の砲と、簡単な修理道具を積んだ輸送車を駆る。
 好きなものはカオマンカイ(タイ風の鶏飯)とブログ更新。

四十万 哲也―――彼らの隊長。戦闘では、強力な無線機とレーダーを積み、修理道具も備えた輸送車を駆る。
 好きなドラマは『南部警察』『大激闘マッドポリス85人』など。

千葉 シゲル―――整備員。機体のセットアップや改造をしてくれる、修理の鬼。