Colon ユーザーマニュアル
はじめに
Colonは、ICCプロファイルを使用して画像ファイルのカラーを変換するツールです。以下のような用途に役立ちます。
- 印刷入稿用にRGB画像をCMYK変換する
- 印刷用のCMYK画像をWeb用にRGB変換する
- カラーマネジメントされた画像をデスクトップの壁紙に使用するために変換する
インストール
インストーラーを使用
- ZIPファイルを展開します
- setup.exeを実行します
- 指示に従いインストールを完了します(Adobe ICCプロファイルは必要かどうか判断に困る場合はインストールすることをお勧めします)
通常版ZIPを使用
- ZIPファイルを展開します
- 作成されたフォルダをインストールしたい場合に移動させます(旧バージョンを使用している方は上書きします)
- 必要に応じて、Colon.exeのショートカットをデスクトップやスタートメニューに登録します
基本的な使い方
毎回同じ設定で変換する場合、1.と2.は初回のみで構いません。
通常変換
- 用途に応じたプリセットのボタンをクリックし、設定を適用します
- 必要であれば詳細設定タブに切り替えて設定を確認・変更します
- 画像表示エリアに変換したい画像ファイルのアイコンを、エクスプローラーなどからドラッグ&ドロップします
- 「変換結果をプレビュー」にチェックを入れて、変換後のカラーを確認します
- 「ファイル書き出し」ボタンをクリックしてファイル名を入力し、変換結果をファイルに保存します
一括変換
- 用途に応じたプリセットのボタンをクリックし、設定を適用します
- 必要であれば詳細設定タブに切り替えて設定を確認・変更します
- 「一括変換」タブに切り換えます。画像表示エリアが変換ログ出力エリアに切り替わります
- ファイル形式と変換結果のファイルを書き出す場所(出力先)を指定します。
- 出力先はフォルダのアイコンをエクスプローラーからドラッグ&ドロップすることで自動的に入力されます
- 出力先が空欄の場合は変換元のファイルと同じ場所に出力されます。ファイル形式が元のファイルと同じだと、(上書き防止のため)書き出しがスキップされますので注意してください
- 変換したい画像ファイルのアイコン(1つ以上)またはフォルダのアイコン(1つ)を変換ログ出力エリアにドラッグ&ドロップすると、変換が順次行われていきます
設定
「詳細設定」タブ内の各項目について説明します。
[カラー変換]
- 使用するCMM
- Adobe CMMがインストールされているPCでは"ADBE"に切り替えることでAdobe製品相当の変換結果が得られます。変換結果に異常がみられる場合には"既定のCMM"に戻してください。
- 変換先のプロファイル
- 用途や出力条件に応じたプロファイルを指定します。例えば、Web向けにはsRGB、印刷入稿データの作成にはJapan Color 2001 CoatedやJapan Color 2011 Coatedを選択します。
[ファイル書き出し]
- ICCプロファイル
- 「埋め込み」にチェックを入れておくと、変換結果のファイルにプロファイルが含められます。これにより、ファイルを受け取った相手が画像のカラーを特定できるようになります。
- メタデータ
- 元画像のメタデータ(Exif情報など)を変換結果のファイルにも含めたい場合には「コピーする」にチェックを入れてください(元画像と同じファイル形式に限り有効)。
- TIFF圧縮
- TIFF形式でファイル書き出しする場合に使用する圧縮方法を選択します。一般的にZIPはLZWよりもファイルサイズが小さくなりますが、処理に時間がかかります。
- JPEG品質
- JPEG形式でファイル書き出しする際の圧縮をコントロールします。数値が大きいほど劣化が抑えられますがファイルサイズは大きくなります。
[代替プロファイル]
元画像にプロファイルが埋め込まれていない場合に代用するプロファイルを指定します。
- RGB
- RGB画像用のプロファイルを指定します。「現在のモニタ」はColonのウインドウが配置されている側のモニタの既定のプロファイルが取得されます。「システム既定」は「色の管理」コントロールパネルのWindows 色システムの規定値にて指定されているデバイスプロファイルが使用されます。
- CMYK
- CMYK画像用のプロファイルを指定します。「CGATS TR001(内蔵)」はColon本体に組み込まれているプロファイルで、海外の印刷標準を基に作られています。通常はJapan Color 2001 Coatedを選択しておくのがよいでしょう。
グレースケール画像にはColon組み込みのプロファイル(ガンマ2.2)が代替プロファイルとして使用されます。
[パフォーマンス]
通常変換時のパフォーマンスに関わる設定です。一括変換には影響がありません。
- 表示画像のスケーリング
- 開いた画像をColonのウインドウに表示する際に適用される拡大縮小処理の方法を選択します。「品質優先」の方が細部の描写に優れていますが、全体的にぼやけた印象を受けるかもしれません。「速度優先」に変更するとウインドウのサイズ変更をする際の動きのスムーズさが多少改善します。
- 画像のキャッシュ
- 画像を開く際、最初にすべてのデータをメモリ上に展開します。低速なストレージ上にあるファイルを扱う場合に操作レスポンスが改善するかもしれません。巨大なファイルはメモリ消費が大きくなりかえって問題が生じてしまいますのでオフにしてください。
- 表示画像を変換前に縮小
- 画面の縦横ピクセル数より大きな画像は通常、表示用のカラー変換を行った後に縮小してメモリ消費を抑えています。縮小処理を変換前に行うことで操作レスポンスが改善します。
プリセット
「プリセット」タブのボタンをクリックすると、以下の設定が適用されます。記載のない設定項目についてはクリックする前の値が維持されます。
CMYKに変換(日本向け)
- 変換先のプロファイル→Japan Color 2001 Coated
- RGB代替プロファイル→現在のモニタ
- プロファイルを埋め込み→オン
- メタデータのコピー→オフ
- 一括変換の出力ファイル形式→TIFF
- TIFF圧縮→LZH
このプリセットでは、埋め込みプロファイルを持たない画像がカラーマネジメント非対応のアプリケーションで作成・編集されたものであるとみなします。より良い結果を得るには、市販の測色器(i1シリーズ、Spiderシリーズなど)でモニタのプロファイルを作成しておきます。
Web用に変換(日本向け)
- 変換先のプロファイル→sRGB IEC61966-2.1
- RGB代替プロファイル→現在のモニタ
- プロファイルを埋め込み→オン
- 一括変換の出力ファイル形式→JPEG
プロファイルを持たない画像の扱いは「CMYKに変換」と同様です。一括変換時にはJPEGで出力されますので、必要に応じて品質の値を調整したりPNGに変更したりしてください。
壁紙用に変換(日本向け)
- 変換先のプロファイル→現在のモニタ
- RGB代替プロファイル→sRGB IEC61966-2.1
- プロファイルを埋め込み→オフ
- メタデータのコピー→オフ
- 一括変換の出力ファイル形式→PNG
このプリセットはカラーマネジメントされた画像をカラーマネジメント非対応のアプリケーションで使用する場合に有用です。
更新履歴
2.1.1
- モニタのプロファイルが取得できない場合はsRGBプロファイルで代用するようにした。また、起動時に取得できないかどうかを確認してメッセージを表示、色の管理コンパネを開くようにした
- プロファイル検索時、アクセス権限がないなどにより例外が発生しても該当項目をスキップして処理を続行するようにした
- CILP STUDIO PAINTの更新にともない、長らく付属のプロファイルが検索できなくなっていた不具合を修正
- 「現在のモニタ」を選択していても実際にはプライマリモニタのプロファイルが使用される事象が確認されたため、対策を行った
2.1.0
- 設定のプリセットを3つ実装
- ウインドウ右側をページ送り式からタブコントロールに改め、一括変換関連を除く各種設定をひとつのタブに集約した
- 画像の表示に関わるメモリ使用量の低減とそれに伴う待ち時間の短縮
- パフォーマンス関連の設定項目を追加
- 埋め込みプロファイルを持たない16ビット/ピクセルのグレースケール画像を読み込んだ場合に、変換が失敗してしまう不具合を修正
- 一括変換ログ出力の調整
2.0.1
- 実行ファイルと同じ場所にある"ColorProfiles"フォルダをプロファイルの検索対象に加えた
- 一括変換に失敗してしまう不具合を修正
- ウインドウのレイアウトを微調整
2.0.0
- 一括変換に対応
- 前回終了時の設定で起動できるようにした
- 元のファイルのメタデータをファイル書き出し時にコピーできるようにした(ファイル形式が同一の場合に限る)
- 適当な画像を開いた後フォルダアイコンをドロップしてファイル書き出しを行うとクラッシュする不具合を修正
- Adobe Creative Cloud(Suite)製品、CILP STUDIO PAINTに付属のプロファイルを検索対象に加えた(標準インストールの場所に限る)
- 保存ダイアログの振る舞いを改善
- システム既定のプロファイルがRGBでない場合にはsRGBプロファイルを使用するようにした
- 同じプロファイルが複数インストールされている場合にコンボボックスに同じ項目が複数出てくるのを抑制
- ファイル書き出しに失敗した場合にメッセージボックスで知らせるようにした
- メッセージボックスにビジュアルスタイルを適用
- プロファイル選択用コンボボックスの項目をソート
- RGB代替プロファイルの「プライマリ モニタ」が実際にはColonのウインドウが存在するモニタのプロファイルになっていたのを修正のうえ、「現在のモニタ」を選択肢として追加した
1.2.5
- 画像と矛盾するプロファイルが埋め込まれている場合は代替プロファイルを使用するようにした(タイトルバーには「*RGB*」「*CMYK*」のようにマークが付きます)
1.2.4
- タイトルバーに読み込んだ画像のプロファイルを表示するようにした
※WCSプロファイルやDescriptionの取得に失敗するプロファイルは「不明なプロファイル」と表示
1.2.3
- 1.2.2で不要になったコードを除去
- タイトルバーに読み込んだ画像のカラーモードを表示するようにした
- RGB出力の場合に限りPNG形式での書き出しに対応
- ファイル書き出しダイアログの拡張子フィルタで3文字の拡張子を4文字の拡張子の前にもってくるようにした(1.2.2でそうなっていなかったので修正)
1.2.2
- RGBとCMYKの代替プロファイルを任意に指定できるようにした(デフォルトはRGBがプライマリモニタのプロファイル、CMYKが内蔵のSWOP/CGATS TR001)
- プロファイル選択用コンボボックスの表示内容をファイル名からプロファイルのDescriptionに変更した
1.2.0
- 埋め込みプロファイルを持たないグレースケール/CMYK画像を開けるようにした(代替プロファイルをリソースとして持つようにした)
- 変換先プロファイルとしてグレースケールのプロファイルを選択できるようにした
- 1.1.0でプロファイルの埋め込みチェックを外してもプロファイルが埋め込まれてしまう問題を修正
- ファイル書き出しダイアログの拡張子フィルタで3文字の拡張子を4文字の拡張子の前にもってくるようにした
1.1.0
- TIFF/JPEGの圧縮設定を追加
- 設定項目を変換設定と書き出し設定とに分けた
- アプリケーションの名称をColorspace Converter(仮)からColonに変更
1.0.0
- プロファイルの埋め込みを選択できるようにした(従来は常に埋め込み)
- モニタプロファイルの確認・読み込みを変換処理毎に行うようにした
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