『12人いる!』ネタバレ解説

「12人いる!」のオチが分かりづらいらしいのでネタバレしておきます。

偽惚が牢に囚われているシーンで、ダー惚(複数)が「俺たちに出来ないことは『偽物だ』と主張することだけだ」と言っている通り、ダー惚に変身させられた偽物のダー惚たちは「俺はダーク恍惚なる闇ではない」と言うことができません

つまり本物だけが「俺はダーク恍惚なる闇ではない」と言うことができるというオチなんです。

ダナエに「あなたはダーク恍惚なる闇か」と迫られて「俺はダーク恍惚なる闇ではない」と答えたダー惚の謎は『賽を振る女』でも読んでください。

他にわかりづらそうな点をいくつか。

①偽ダー惚たち

最後のシーンで「俺が本物のダー惚だ」と主張する偽のダー惚の言動はその後の発覚する正体と対応付けられています。一番ダー惚の真似がうまいのはダーク闇子です。

②ダモンの嘘

最後にダモンが「先ほどは嘘をついてすみませんでした」と言うのは、偽惚の事件を解決したダー惚がダモンだからです。ダモンは、偽惚の事件を解決するために動いた際、餡様に「あなたはダーク恍惚なる闇ではない」と言われましたが、「違います」と嘘の返事をしています。

③ソリッドライトとセインサイアス

偽惚の武器「ソリッドライト」は、手にした者がイメージする武器に変化します。ダー惚(に変身したダモン)がソリッドライトを手に取ると魔剣セインサイアスに変化する理由は『先生と呼ばれた男』でも読んでください。青い刃の剣が出てくるシーンがありますが、あれはセインサイアスです。

④ダークカナエール強制召喚

偽惚とブライアンパンマンの意味ありげなやり取りですが、「ダークカナエールの意志を無視して呼び出す」強制召喚が偽惚にもできる、という話でした。これは本来、ダー惚にしかできないことです。

ダー惚が何故ダナエを強制召喚できるかというと『賽を振る女』でも読んで(略)……つまり、2人の関係がアレだからです。餡様はダナエの様子から2人の関係がアレであることに実は気づいているんですね。

さて、ダー惚自身が造ったクローンであるとはいえ、ダー惚とは別人の偽惚には強制召喚はできないはずなんですが、何故かできてしまいます。たぶん、偽惚はカナエール(ダナエの姉で光の神)の力を与えられているからではないかと思います。

偽惚の話は、他にもフォロワーがたくさんいたので、設定は考えたものの、作品にする優先順位が低くてあやふやなままですね。