(Grouped X-cycle)

 

X-cycleにグループの概念を導入し、全く異なる技に見えていたものを統一的に扱ったり、グループ化によってX-cycleの適用範囲を大きく広げます。

 

 

(グループ化と技の拡張)

 

標準的な技であってもさらにFinを付けるようなことにより難易度は高くなります。 ここでは、グルーピング手法により、一段と難しくなった技を統一的に理解してゆきます。

但し、技ランクにはループ中のグルーピングの数は関係せず、主にループの長さが反映されます。

 

[GX-] Fin X-wing

 

Fin X-wing

X-wingは、平行配置の強リンクの両端が弱リンクで結ばれた形となっている(技4-)。 その中の1個のノードに強リンクの方向にFinを付けたものがFinX-wingになる。

 

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3

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1

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7

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1

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6

8

File: Rank説明Data

                   GX-1.dat

マス位置を(行,列)というように簡易的に表すと、右図では、(,)のマスにFinが付きピンクの3マスになっています。 (,)の黄色のマスとピンクの3マスのラベル数1が同時に入力禁止になると、8行目の黄色の2マスに同時にラベル数1が確定することになり、矛盾が生じます。 水色のマスへの数1の入力は共にそのような矛盾を起こさせるので、水色のマスのラベル数1は、禁止されます。

 

X-wing の4ノードに水色のマスを加え、5ノードからなるX-cycleのループとして考えると、(,)の黄色のマスと(,)は強リンクを形成し、(,)(,)は弱リンクを形成し、さらに(,)とピンクの3マスはグループとして強いリンクを形成します。 さらに、Box2内でピンクの3マスと水色の2マスは弱いリンクを形成し、水色の2マスと最初の(,)の黄色のマスは弱いリンクを形成しています。 水色のマスに関しては、2マスをグループ化せずに単独のマスとして考えても関連するリンクが弱リンクであることからループが成立しています。

リンクの関係だけを(,)の記法で簡単に示します。 [ ]はグループを表しています。

(,)--(,)--(,)--[(,)(,)(,)]--[(,)(,)]--(最初のマス)

となり、5ノードからなるX-cycleの不連続ループ()が成立していることが分かります。 従って、弱リンクが連続するノードの水色のマスでラベル数1が禁止されます。

 

ブロックの状態を見るために、「オプション」「オプション」の「ロック情報の表示」にチェックが入っていることを確認して、「表示」「表示()」を実行してください。 水色の2マスの数1がランク4のピンクでブロックされています。

 

X-cycleのループの状況を見るために、「オプション」「オプション」「X-cycle検出」の「グルーピング機能組込」と「不要ループ非表示」をチェックし、水色の2マスの数1がブロックされていない「表示」「表示(基本)」状態で、「表示」「X-cycle検出」を実行します。 メニューの「X-cycle検出」の代わりにCtrl ''の同時押しでもX-cycle検出を実行できます。 「表示」「マニュアル」モードでも、表示されているブロック情報に基づいてX-cycleの検出が実行されます。

結果として、ループを形成しているマスのラベル数1を赤色の線(強リンクは実線、弱リンクは破線)で結ばれたループが表示されます。 ループの中にグルーピングされたマスがあれば、グルーピングの範囲が青の1点鎖線で表示されます。 検出を継続した場合に、水色の3マスは常にグルーピングされ、水色の2マスは、単独の場合とグループの場合の両方が検出されます。

 

X-cycleのループの中で、ボックス2内で縦方向と横方向の2グループが存在し、交差する点にラベル数字が入力可能なマスが存在しますが、ピンクのマスと黄色のマスは強いリンク、水色のマスと黄色のマスは、弱いリンクなので交差する点は強いリンクのピンクのマスのグループに属することになります。

 

この構造を、FinX-wingと呼ぶ方も多いようです。

 

 

 

[GX-] FinSkyscraper

 

FinSkyscraper

Skyscraperのチェーンの終端の1個を強リンクの方向にFinを付けたものがFinSkyscraperになる。

 

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3

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7

6

1

8

6

8

File: Rank説明Data

                   GX-2.dat

グルーピング化することによりX-wingSkyscraperもほとんど同じものになっています。

 

FinSkyscraperを形成する4ノードに水色のマスを加え、5ノードからなるX-cycleのループを考え、分析すると、ブロックの状況、X-cycleの表示も主要な部分に関する違いはなく、FinX-wingとほとんど同じものになります。 説明も繰り返しになるので省略します。

 

 

 

 

 

 

 

[GX-] Grouped 2-String-Kite

 

Grouped 2-String-Kite

この技は、4ノードからなる2-String-Kiteの内の2ノードはボックス内にあるので、その2ノードをグループ化したリンクにしたものである。

 

 

 

 

9

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5

4

5

1

6

7

File: Rank説明Data

                   GX-3.dat

右図の例では、ラベル数字を1として、Box1内のリンクがグループ化され、ボックス内の黄色の2マスとピンクの2マスが弱いリンクを形成しています。 黄色の2マスとBox7内の黄色のマスとは強いリンクが成立しています。 ピンクの2マスとBox3内の黄色のマスとの間にも強いリンクが成立し、グルーピングされた2-String-Kiteが成立しています。

 

Box3とBox7の黄色のマスのどちらかにラベル数字1が入らなければならないため、Box7の水色のマスでは、数1が禁止されます。

 

Box1内の黄色とピンクのグループマスの交差する点のマスは、それらのマスがボックス外のマスと共に強いリンクを形成しているために、ラベル数字に対する空きマスになることはできません。

ブロックの状態を見るために、「オプション」「オプション」の「ブロック情報の表示」とグループ対応能力を向上させる「ブロック抽出の高感度化」にもチェックが入っていることを確認し、「表示」「表示()」を実行してください。 Box9内の水色のマスの数1の位置に黄緑色のブロックを確認できます。

 

黄緑色のブロックマークが表示されていない状態(表示」「表示(基本))で、「X-cycle検出」を実行すると、不連続ループ()が検出されます。 検出時のアクティブマスもBox9内の黄色のマスに移り、そのマスが不連続ノードであることを示しています。

 

 

 

[GX-] Empty Rectangle

 

Empty Rectangle

Empty Rectangleは、Grouped 2-String-Kiteと同じ技とみなすことができる。

 

 

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1

 

 

 

 

 

 

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2

 

 

 

 

 

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2

 

 

 

 

 

 

8

 

3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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4

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9

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9

 

 

 

 

 

 

 

 

File Rank説明Data −  Rank6-8A.dat Rank6-8B.dat

Empty Rectangleは、前出の(6-8)の項で説明されています。 グルーピングという点から技を見直せば、上述のGrouped 2-String-Kiteと不連続ノードとグループマスとの位置関係が異なるだけで同じカテゴリーの技ということになります。

この場合には、Box3内のグループマスの交差する点は、ボックス外とのリンクが共に弱であるために、ラベル数9の空きマスであっても技は成立しています。

細かな説明は省略します。

 

 

 

(Grouped X-cycle各種)

 

ここでは、グループ化されたノード自身が確定マスになったり、禁止された数字を含むマスになった時にどのような結果となるのかを見ます。

 

[GX-] 不連続点がグループの強リンク

 

X-cycle(不連続ループ、強)

数Xに関する奇数個のマスからなるループで、リンクが交互に強---弱と続き、一箇所だけ発生する不連続の箇所が強-強で結ばれた時に、この不連続点がグループでないマスの場合にはXが確定し、不連続点のマスと強いリンクで結ばれた隣のマス/グループでは、数Xは禁止される。

 

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5

 

 

 

2

 

2

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1

3

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7

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4

File: Rank説明Data

                   GX-5.dat

右図は、グループ化されたX-cycleの不連続ループ強の不連続点がグループの例です。

Box1のピンクの3マスが、ラベル数字1のグループ化されたX-cycleの不連続ループ強の強リンクと強リンクの中間のノードになっています。 従ってピンクの3マスがグループでなければラベル数字1が確定することになりますが、この場合にはピンクの3マスのいずれかに確定ということでマスを特定することができません。

 

ピンクのマスとリンクを形成するマスでは、ラベル数字の1が禁止されます。 2列目の黄色のマスでは単独で、Box1の水色のマスではグループの2マスで禁止されることになります。 「オプション」「オプション」の「ブロック情報の表示」をオンし、「表示」「表示()」で、それぞれランク5とランク4のブロックが確認できます。 ブロックは、グルーピングされたノードであっても複数のマスでブロックされます。

一方、X-cycle (不連続、強)であっても、「表示」「表示()」で、「全て表示」としても、確定マスのマークはどこにも表示されません。

 

(,)のマスのランク5のブロックは、X-cycle的にはランク6となるべきですが、水色のマスのランク4のブロックの結果、ボックス内 部分確定が成立し、ランク5のブロックとなっています。 ちなみに(,)の数2を消去すると(,)は、X-cycleの不連続 弱の不連続点となり、ブロックはランク6の黄緑色になります。

 

オプション」の「グループ機能組込」をオンにし、(,)のランク5を避けるために「キー操作」の「上位ランク修正数」を2に設定して、「表示」「X-cycle検出」を実行することによりX-cycleのループが表示されます。

不連続ループ強が成立している時には必ず不連続ループ弱も成立しており、弱のループも検出されます。 同じような検出結果が多数表示されますが、破線と実線の違いに注意して結果を見て下さい。

 

X-cycle検出」コマンドでは、アクティブマスの位置が不連続点のマス位置になるので、アクティブマスの位置に応じて不連続ループの強と弱が検出、表示されます。

 

 

 

[GX-] 連続ループ

 

X-cycle(連続ループ)

数Xに関する偶数個のマスからなるループで、リンクが交互に強---弱と続き、ループが構成されている時、弱いリンクが定義されているユニット内のループに属さないマスでは数Xは禁止される。

 

 

 

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3

3

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4

3

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8

5

6

7

File: Rank説明Data

                   GX-6.dat

右図は、X-cycleの連続ループの例です。

Box1内のグループ間のリンクはラベル数字1の弱いリンクとなっており、次のリンクから強、弱、強、弱、強と順につながり、連続ループが形成されています。

 

連続ループでは、ループ中の弱いリンクに対応するユニット内の弱いリンク外のラベル数字は禁止されるので、「オプション」と「表示」を適切に設定することにより、Box1、行8、列8にランク6の黄緑色のブロックが確認できます。

 

この例でのブロックの表示には、「オプション」の「ブロック抽出の高感度化」のチェックも必要です。

 

表示」「X-cycle検出」を実行することによりX-cycleのループが表示されます。

 

 

 

(グループ間リンク配置)

 

ここでは、リンクの両ノードがグループ化されている場合の様々な幾何的な形状をチェックします。

 

[GX-] 平行配置グループ

 

X-cycle(連続ループ)

数Xに関する偶数個のマスからなるループで、リンクが交互に強---弱と続き、ループが構成されている時、弱いリンクが定義されているユニット内のループに属さないマスでは数Xは禁止される。

 

8

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4

4

5

3

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6

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3

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7

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4

8

File: Rank説明Data

                   GX-7.dat

右図は、ラベル数字1のグループ同士が平行配置のリンクを形成している例です。

 

単独マスからグループにリンクし、そのグループ全体が別のグループにリンクし、さらに全体が単独マスとリンクする様子が確認できます。

 

技そのものは、X-cycle (連続ループ)で、弱いリンクを形成するユニットにブロックが発生しています。

 

2列目にも隠れたリンクが存在しています。

ブロックの確認、連続ループ表示は、他の例と同様です。

 

 

 

[GX-] 直線配置グループ

 

X-cycle(連続ループ)

数Xに関する偶数個のマスからなるループで、リンクが交互に強---弱と続き、ループが構成されている時、弱いリンクが定義されているユニット内のループに属さないマスでは数Xは禁止される。

 

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5

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4

File: Rank説明Data

                   GX-8.dat

右図は、ラベル数字1のグループとグループが8行目の直線上でリンクする例です。 直線上でグループの方向が一致している時にグループが成立します。

 

予期しない連続ループも「X-cycle検出」で検出されます。

ブロックの確認、連続ループ表示は、他の例と同様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[GX-] グループの連続

 

❒ グループの連続リンク

グループ対グループのリンクの数には、特に制限はありません。 ループのノードの中に単独マスが一つもない場合もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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3

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4

 

4

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

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5

 

 

6

 

5

 

 

4

 

 

 

 

 

 

 

File Rank説明Data −   GX-9A.datGX-9B.dat

上図の左はラベル数字1のグループとグループのリンクが7回連続する不連続ループ 強の例で、右はグループとグループのリンクが12回連続する連続ループの例です。

 

7回連続時には、「オプション」「オプション」の「ブロック抽出の高感度化」をチェックして下さい。 12回連続時には、チェックを入れてもループが長過ぎ、「表示」「表示()」で、ブロックは検出されません。 残念ながら限界を超えています。

X-cycle検出」では、最大リンク数を12以上に設定すれば、問題なくループが検出されます。

 

 

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