技ランク5までは、連携とFish系の技を除き、入力したことによって直接矛盾が生じる数値をブロックとして抽出しています。 技ランク6では、入力したことによって直接矛盾が生じなくとも、仮入力の結果生じた仮確定マスに数字を仮入力し、新たに生じるブロックを含めて、結果として矛盾が生じていないかを調べています。 矛盾が生じた最初の数値がブロックされることになります。 多くの高難度の技が含まれています。
[技6-1] XY-wing
❒ XY-wing
3個の2択マスからなるチェーンで、中心のマスは数XとY、両端のマスはそれぞれXとa、Yとaの2択マスである時、終端のどちらのマスとも共通ユニットとなることができる複数のマス内の数aは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-1.dat |
この技は、黄色と水色2個のマスの入力可能数字と縦横に並んだ位置関係が満足されるとピンク位置のマスにブロックすべき数字が現れるというものです。 右図の例では、黄色のマスは、入力として7と8だけが許され、水色のマスは入力として2個の数字だけが許されており、どちらかが7、他方が8を含み、さらにもうひとつの共通の数字、この例では9を含んでいます。
この場合にピンクのマスに9が入力されると、水色のマスはそれぞれ7と8が確定し、結果として黄色のマスに入力できる数がなくなるというものです。
実際に「ブロックデータ解析」を行うと、水色のマスに7と8が確定し、黄色のマスが全数ブロックされているのが確認できます。 メッセージは、「◆全数ブロック 列5,行2」となっています。
この例ではピンクのマスで9がブロックされる結果、2が確定するように作られていますが、技の本質はピンクの位置で9がブロックされるということにあります。
この技は、NiceLoopの特殊なケースとなっているので、「Nice Loop検出」でループを検出/表示させることができます。
この技を、XY-wingと呼ぶ方も多いようです
[技6-2] XY-wing(一般)
❒ XY-wing
3個の2択マスからなるチェーンで、中心のマスは数XとY、両端のマスはそれぞれXとa、Yとaの2択マスである時、終端のどちらのマスとも共通ユニットとなることができる複数のマス内の数aは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-2.dat |
この技は(技6-1)が縦横の位置関係を利用しているのに対して、ボックス内の関係も利用するようにした技です。
(技6-1)と同様に右図の例ではピンクのマスにある数字を入れると、水色のマスでそれぞれ数字が確定し、結果として黄色のマスに入力できる数字がなくなるということになります。 説明も全く同じなので先の技6-1をコピーします。
黄色のマスは、入力として7と8だけが許され、水色のマスは入力として2個の数字だけが許されており、どちらかが7、他方が8を含み、さらにもうひとつの共通の数字、この例では9を含んでいます。
この場合にピンクのマスに9が入力されると、水色のマスはそれぞれ7と8が確定し、結果として黄色のマスに入力できる数がなくなるというものです。
実際に「ブロックデータ解析」を行うと、水色のマスに7と8が確定し、黄色のマスが全数ブロックされているのが確認できます。 メッセージは、「◆全数ブロック 列9,行2」となっています。
この場合「オプション」の「ブロック抽出の高感度化」のチェックは、外しておいてください。
この技も、一般的なXY-wingと呼ぶ方も多いようです。
[技6-3] XYZ-wing
❒ XYZ-wing
3個のマスからなるチェーンで、中心のマスは数XYZの3択マスで、両端のマスはそれぞれXとZ、YとZの2択マスである時、3個のマスの全てと共通ユニットとなる複数のマス内の数Zは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-3.dat |
この技は先の(技6-2)の発展型となっています。
右図の黄色のマスは数7と8と9の3択マスとなっており、2個の水色のマスは2択マスで、共に黄色のマスと共通の数9を持ち、残りの数はそれぞれ黄色のマスの残りの数と共通の7と8を持っています。
この場合、黄色と水色の3個のマスと共通のユニットとなるピンクのマスに9を入力すると、水色のマスではそれぞれ7と8が確定し、黄色のマスに7、8、9のいずれも入力できなくなります。 結果として2行8列目に4が確定します。
この技を、XYZ-wingと呼ぶ方も多いようです。
[技6-4] W-wing
❒ W-wing
数Xに関する4個のマスからなるチェーンで、両端のマスは数XとYの2択マスで、数Xに関する弱いリンク、強いリンク、弱いリンクと結合されている時、チェーンの両端のマスと共通ユニットとなる複数のマス内の数Yは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-4.dat |
右図のように関係したマスが着色されていないと何がどうなっているのか簡単に理解できません。
盤面で右図のブロック状態を調べると、水色のマスでは、数1と9だけが入力できます。 9行目の黄色のマスでは、黄色のマスでのみ数9の入力ができます。 黄色と水色もマスはそれぞれ同じ列上にあります。
水色のマスに同時に数9が確定すると、9行目に数9が入らなくなるというのがこの例での基本構造です。
そこで水色のマスに同時に9を確定させるものが禁止になります。 水色のマスの両方と同じユニットになっているマスの中で、数1が入力可能となっているピンクのマスにランク6の黄緑色の数1のブロックが発生します。
「ブロックデータ解析」では、水色のマスに9が確定し、黄色のマスで9がブロックされ、「◆行内 数字不足 行9 不足数:9」が確認できます。
また、5列目ではグレーのマスだけで1の入力が許されるようになるため、数1が確定しています。
「NiceLoop検出」を実行すると、水色と黄色のマスにピンクのマスの中の1マスを加えた計5マスのNiceLoop(不連続 弱)が検出されます。ピンクのマスが不連続点となりラベル数1が禁止されることになります。
この技を、W-wingと呼ぶ方も多いようです。
[技6-5] Remote Pairs
❒ Remote Pairs
数XとYの偶数個の2択マスのチェーンがある時、終端のマスの両方に共通ユニットとなる複数のマス内の数XとYは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-5.dat |
右図の例では、黄色のマスは全て数1と9の2択マスとなっており、(2,8)から順に(8,2)まで6個リンクしています。
この6個のマスの状態は、端から順に数1-9-1-9となるか、逆に数9-1-9-1となるか2通りしかないことが容易に分かります。 どちらの場合にも水色のマスには1も9もどちらも入力できません。 従って、水色のマスに数5が確定します。
黄色のマスのリンクは、1と9の2択のマスのリンクなのであちらこちらで2連携が成立し、ランク3のブロックが発生しますが、水色のマスだけは、発生メカニズムが異なるため、ランク6のブロックが発生します。
この技は、2択マスに注目するとNiceLoopの特別なケースになりますが、2択マスのリンクは必ず2国同盟になり、入力候補数字を同盟によってブロックした後は黄色マス間が強リンクのX-cycleとして扱うことができます。
「オプション」「オプション」で「ブロック抽出の高感度化」と「グルーピング機能組込」を共にオフし、さらに「上位ランク修正数」を1に設定すると、「表示(技)」の状態でも「X-cycle検出」で、数1と数9のX-cycle(不連続、弱)がそれぞれ検出されます
この技をRemote Pairsと呼ぶ方も多いようです。
[技6-6] 浜田ロジック
❒ 浜田ロジック
奇数個のマスからなるループで、その中の連続した2個のマスは、Xに関する強いリンクで結ばれ、残りの連続した奇数個のマスが数XとYの2択マスで結ばれている時、残りの連続した奇数個のマスの両端のマスの数Xは禁止される。 それによって残りの奇数個のチェーンのマスの値が全て確定する。
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File: Rank説明Data −Rank6-6.dat |
この技は、(技6-5)が偶数個の2択のチェーンの特性を利用していたのに対して、奇数個の同じ内容の2択マスのチェーンと両端のマス及び互いにリンクした2個のマスを利用します。
右図の例では、黄色のマスは数1と9の2択チェーンになっており、奇数のチェーンであることからどちらの端にも、必ず同じ数(1あるいは9)が現れます。
8列目では数9を入力できるのは水色のマスに限定されているため、2個の水色のマスのどちらかは数9でなければなりません。 従って黄色のチェーンの両端に数9が現れる状態は許されず、両端に数1が確定します。 そこから順に黄色のチェーン全体の数が確定します。
この技は、NiceLoopの特別なケースになりますが、2択マスの連鎖は2国同盟の連鎖にもなっており、入力候補数字を同盟によってブロックした後は強リンクの連鎖となります。 従って黄色と水色の全体を単純なX-cycleと見なすことができます。
「オプション」「オプション」で「ブロック抽出の高感度化」と「グルーピング機能組込」を共にオフし、さらに「上位ランク修正数」を1に設定すると、「表示(技)」の状態でも「X-cycle検出」でX-cycle(不連続、強あるいは弱)が検出されます。 もちろん「NiceLoop検出」でもループが検出されます。
この技を浜田ロジックと呼ぶ方も多いようです。
[技6-7] M-wing
❒ M-wing
4個のマスから成るチェーンで、その中の最初の連続した2個のマスは、数Xに関する強いリンクで結ばれ、次のマスとは別の数Yに関する強いリンクで結ばれ、さらにその次のXとYの2択マスになっているマスとは数Yに関するリンクを形成している時に、両端のマスと共通ユニットとなる複数のマス内の数Xは禁止される。
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File: Rank説明Data − Rank6-7A.dat、 Rank6-7B.dat |
この技は、1個の数字のリンクによる技が多い中で、2個の数字のリンクが関係する技になっています。 基本的な構造はループとなっていますが、途中数字が変わる部分が強いリンクと2択マスによって、1個の数字のチェーンのように働き、結果的に2-string kiteと同じような結果となっています。
左図(技6-7A)の例では、ボックス1内の2個の黄色のマスは数9の強いリンクとなっており、3行目の2個の黄色のマスは数1の強いリンクになっています。 さらに6列目の2個の黄色のマスは、数1の弱いリンクですが、(7,6)のマスが1と9の2択マスなので、このマスは1でなければ9ということになります。
そこでこの4個の黄色のマスからなるチェーンの両端の数字を2-string kiteと同じように考えますと、左上の(2,1)のマスが9の時には、水色の(7,1)のマスには9は入りません。
逆に左上の(2,1)のマスが9以外の時にはボックス1には数9が入るマスは2個しかないので(3,3)の黄色のマスが9となります。 その結果3行目の1の強いリンクの片側の(3,6)のマスは1となり、(7,6)の2択マスは9となります。
結果として、黄色のチェーンのどちらかの端には必ず9が現れるので、水色のマスでは9が禁止されることになります。
この例ではその結果水色のマスに5が確定します。
上図右(技6-7B)の例では、黄色のマスから成るチェーンの部分の構造は、左図の例と同じですが、チェーンの両端のマスと共通ユニットとなる複数のピンクのマスで数9が禁止されています。
この技は、NiceLoopに対し、限定条件を付加したものになっています。
上図右(技6-7B)の例では、黄色の4マスに水色のマスの中のどれか1マスを加えた5マスのループとして検出されます。
この技を、M-wingと呼ぶ方も多いようです。
[技6-8] Empty Rectangle
❒ Empty Rectangle
ある数Xに関し3個のマスから成る強いリンクと弱いリンクで構成されたチェーンで、その両端のマスと弱いリンクを持つマスのグループが両端のボックスと異なる共通のボックス内に存在し、そのグループが互いにボックス内で強リンクの関係と同様な関係(グループ内のいずれのマスにも数Xが入らない時、他方のグループのいずれかに数Xが入る)にある時、3個のマスのチェーンの弱いリンクを構成する端のマスの数Xは禁止される。
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File: Rank説明Data − Rank6-8A.dat、 Rank6-8B.dat |
この技は、チェーンの途中に技2の仮確定のボックスがからむ技です。
上図左の2列目の2個の黄色のマスは数9に関する強いリンクを形成し、6行目の黄色と水色のマスは弱いリンクを形成しています。
数9に関して、ボックス1の黄色のマスからボックス6の水色のマスへのチェーンを考えると、ボックス1の黄色のマスに9が入力されるとボックス3のピンクのマスのいずれかは9となり、水色のマスには9は入りません。
逆にボックス1の黄色のマスに9が入力されなければボックス4の黄色のマスが9になり、やはり水色のマスに9は入りません。 従って水色のマスの9は禁止され、1が確定します。
水色のマスの数9に対する「ブロックデータ解析」では、「◆Box内 数字不足 ボックス3 不足数:9」と、水色のマスに数9を入力すると、列2の強リンクによりボックス1の黄色のマスに9が確定し、ボックス3に9を入力できないというメッセージが表示されます。 「オプション」の「ブロック抽出の高感度化」のチェックは外しておいて下さい。
上図右では、ボックス3内の関係が上図左のピンクのグループ対黄色グループという関係からピンクのグループ対黄色のマスという関係に変わっており、ランク4の技となっています。
「ブロックデータ解析」でも、「◆2重確定行 列9と列2, 行2 確定数:9」と、2行目の黄色のマスに2重に9が確定するというメッセージになっています。
ボックス3の黄色のマスとピンクのマスは、グループという概念で一般化されます。 この技は、Grouped X-cycleの限定された形になっています。
この技を、ボックス3の構造から、Empty Rectangleと呼ぶ方も多いようです。
[技6-9] X-cycle (不連続ループ、 強) 7node例
❒ X-cycle (不連続ループ、 強)
数Xに関する奇数個のマスからなるループで、リンクが交互に強-弱-強-弱と続き、一箇所だけ発生する不連続の箇所が強-強で結ばれた時に、この不連続点がグループでないマスの場合にはXが確定し、不連続点のマスと強いリンクで結ばれた隣のマス/グループでは、数Xは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-9.dat |
この技は、ある数に関する奇数個のマスのループをベースにしています。 ループの中のリンクが、強いリンク、弱いリンクと交互につなげようとしても奇数個のマスのチェーンでは、一箇所は 強い-強いか 弱い-弱い という交互でないリンクが現れます。
右図の着色マスでは、全体がラベル数9に関するリンクのループになっています。
水色のマスの両側の二つのリンクが、3列目とBox3内で共に数9の入力可能なマスが2マスしかなく、強いリンクが連続しています。
仮に(3,1)に数9が入力されると(5,1)には9は入りません。 (5,1)と(6,3)は数9の強いリンクとなっているので、(6,3)は9でなければなりません。 その結果(8,3)には9は入らず、(8,3)と(8,8)はやはりラベル数9の強いリンクとなっているので、(8,8)は9でなければなりません。 さらにその結果(1,8)には9が入らないので、(3,7)の水色のマスは9となります。 3列目の2個のマスに9が重複して確定することになり、最初の仮定が間違っていたことになります。 つまり(3,1)の9は禁止されます。
(1,8)からループを逆にたどるとやはり同じ結果となり、(1,8)の9も禁止されます。 結果として水色のマスに9が確定します。
「表示」「X-cycleの検出」でループを検出、ワイヤー表示させることができます。「上位ランク修正数」を1のままにしておけば、「表示(技)」の状態でもループを検出させることができます。 水色のマスをアクティブマスにして実行すると寄生的なループの表示を少なくして早めに検出できます。
X-cycleの不連続ループの強が成立している時には、必ずループ内の隣のマスを不連続点とする不連続ループの弱が成立しています。 この例では、(3,1)と(1,8)をそれぞれ不連続点とする弱のX-cycleが成立しています。 こちらも「表示」「X-cycleの検出」でループを検出、ワイヤー表示させることができます。
このソフトで対応できるループ長は、このあたりが限界です。 「ブロック抽出の高感度化」と「グルーピング機能組込」は、オフにした方が、ブロック関係を理解しやすいです。
この技を、奇数個のマスから成るX-cycleの不連続点が強いリンクのループと分類する方も多いようです。
[技6-10] X-cycle(不連続ループ、弱) 7node例
❒ X-cycle(不連続ループ、弱)
数Xに関する奇数個のマスからなるループで、リンクが交互に強-弱-強-弱と続き、一箇所だけ発生する不連続の箇所が弱-弱で結ばれた時に、この不連続点のマス/グループでは数Xは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-10.dat |
この技は、(技6-9)と同じくある数による奇数個のマスのループをベースにしていますが、不連続点が、弱いリンクと弱いリンクの接合となっている場合です。
右図は、数9をベースにしたループです。 水色のマスと、Box内と下方の黄色のそれぞれのマスとの間が弱いリンクになっており、黄色のマスの間では、端から順に、強-弱-強-弱-強のリンクとなっています。
この場合に、水色のマスに数9を入れると黄色のチェーンの両端は9ではなくなり、強いリンクで結ばれた内側の(3,1)と(8,3)のマスで9が確定します。 結果として(5,1)と(6,3)のマスには9は入らず、Box4全体で9が入らないことになり、最初の仮定が間違っていることになります。
従って、ループの不連続点に位置する水色のマスからループのベースである数9が排除されます。 その結果水色のセルに8が確定しています。
「表示」「X-cycleの検出」でループを検出、ワイヤー表示させることができます。 「ブロック抽出の高感度化」と「グルーピング機能組込」をオフにし、水色のマスをアクティブマスにして実行すると寄生的なループの表示を少なくして早めに検出できます。
このソフトで対応できるこの技でのループ長は、このあたりが限界です。
この技を、奇数個のマスから成るX-cycleの不連続点が弱いリンクのループと分類する方も多いようです。
[技6-11] X-cycle(連続ループ) 6node例
❒ X-cycle(連続ループ)
数Xに関する偶数個のマスからなるループで、リンクが交互に強-弱-強-弱と続き、ループが構成されている時、弱いリンクが定義されているユニット内のループに属さないマスでは数Xは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-11.dat |
この技は、ある数による偶数個のマスからなるリンクの強さが交互に変わるループの特性をベースにしています。
右図の例では、数9に関して2行目の黄色の2マスは強いリンク、反時計回りに次の2列目の黄色の2マスは弱いリンク、ボックス4内の黄色の2マスは強いリンク、次の6行目は弱いリンク、8列目は強いリンク、ボックス3内は弱いリンクとなっています。
どのノードから見ても、強弱のリンクが連続して交互に現れるループになっています。
このような構造のループではループ内のどのマスに数9を仮定しても、弱いリンクでつながっている隣のマスは9ではなく、その先の強いリンクでつながっているマスは9となります。 その先も順に9でないマスと9のマスが続き、元の9を仮定したマスに9が確定し矛盾は生じません。
数9を仮定するマスを一個ずらしても矛盾は生じないので、全てのリンクのどちらかの端には9が入ります。
結果としてどのリンクに対しても両端のマスと共通のユニットとなるマスの数9は禁止されます。
強いリンクの属するユニットには黄色のマス以外には9を入力できるマスはないので、弱いリンクの属するユニットの黄色以外のマスの9が禁止されています。
結果としてピンクのマスに数9が確定しています。
例として(7,2)のマスの黄緑色のランク6の数9のブロックに対し、「オプション」の「ブロック抽出の高感度化」をオフにして「ブロックデータ解析」を実施すると、「◆列内 数字不足 列8 不足数:9」と表示されます。
(7,2)のマスに9が入力されると、2列目の黄色の2マスには9は入らず、2行目では(2,7)の黄色のマスに9が確定し、(1,8)の黄色のマスに9を入れることができません。 2列目のもう1個の黄色のマスがあるボックス4では(6,3)の黄色のマスに9が確定するので、(6,8)の黄色のマスにも9を入力できません。 結果として8列目には9を入力できるマスはなくなり、解析結果の表示となります。
「グルーピング機能組込」をオフにして「X-cycleの検出」を実行するとループが検出されます。
この技を、X-cycleの連続ループと分類する方も多いようです。
[技6-12] XY-big wing
❒ XY-big wing (勝手に命名しています)
1番目の数Xが入力可能なマスと、2番目の数Yが入力可能なマスと、両方のマスとリンクを形成する3番目の数XとYの2択マスがあり、1番目のマスとはXに関する強いリンクを形成し同時に2番目のマスとはYに関する強いリンクを形成している4番目のマスがある時、1番目と3番目のマスと共通ユニットとなるマスの数Xは禁止され、2番目と3番目のマスと共通ユニットとなるマスの数Yは禁止され、4番目のマスの数XとY以外の数は禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank6-12.dat |
この技は、発生するブロックの幾何的な美しさが特徴です。
水色のマスは、数1と9の2択マスで、1行目のピンクのマスとは数1に関する弱いリンクを形成し、1列目のピンクのマスとは数9に関する弱いリンクを形成し、黄色のマスは1行目のピンクのマスとは数1に関する強いリンクを形成し、1列目のピンクのマスとは数9に関する強いリンクを形成しています。
黄色のマスに1と9以外の数が入力されるとピンクのマスにはそれぞれ数1と数9が確定し、水色のマスに入る数が無くなるので、黄色のマスの1と9以外の数は禁止されます。
また、1行目の水色とピンクのマス以外のマスに数1が入力されると、水色のマスには9が確定し、ピンクのマスの9は禁止され黄色のマスは1が確定するので、6行目に数9が入らなくなり、1行目の水色とピンクのマス以外のマスの数1は禁止されます。
同様な議論で、1列目の水色とピンクのマス以外のマスの数9は禁止されます。
結果として(6,7)に5が確定します。
この技は、一般の数独解析ソフトのように技によって発生するブロックによって入力可能数字が消去される方式の表示方法ではブロック配置の形状を見ることができず、興味を引くものではありませんが、本ソフトのようにオプション設定でブロック情報の表示を選択した場合にブロックの発生の仕方が非常にユニークで目を引くものになっていることが分かります。
技を説明している複数のサイトでも紹介されておらず名前が付いていませんので、勝手にXY-big wingと名づけました。 添付のDataZukei2フォルダに、この技を組み込んだゲームデータtXYbigwDAR6N21S26.datが入っています。
大きな技のカテゴリーとしては、色を付けた4マスからなるNiceLoop(連続)の一形態として理解されます。
ナンプレ九段 Ver 4.4 技の説明 Copyright 2013-2023 Hiro Suzuki