(言葉の説明)

 

 

[マス位置の表現]

 

説明のために、盤面の位置についてここでの呼び方を決めます。 まず1番左端の縦の1列を"1列目"と呼び、左から2番目の縦1列を"2列目"と順に呼びます。 右端の縦1列は"9列目"となります。

 

方向を変えて、1番上の横1列目は、"1行目"と呼ぶことにします。 1番下の横1列は、"9行目"になります。

 

この文章中では、Y行X列目のマスを、(Y,X)と簡易的に記述します。

また、Y行X列目のマスに数Nを入力することを簡易的に、(Y,X)-Nと記述することにします。

下記に説明する複数のマスをグループとして扱う場合に、簡易的に[(Y,X)(W,Z)]というように[]で括って表現します。

 

また、3×3個のローカルな9マスは、ボックスと呼ぶことにして、左上のボックスをBox1、その右をBox2、Box3、中央の段の左に移ってBox4、真ん中をBox5、その右をBox6、下段左をBox7...と順に呼ぶことにします。

 

 

[技の説明で用いられる言葉]

 

◇ ユニット

1から9の異なる9個の数字で埋めなければならないという基本的な制限が付いている9個のマスから成る 行、列、ボックスのこと。

 

◇ 強いリンク

あるユニット内で、ある数Xを入力できるマスが注目する2マスしかない時に、この2個のマスの関係を、"数Xに関する強いリンク"と表現します。

 

◇ リンク(弱いリンク)

ユニット内で、注目する2マスのどちらにも数Xを入力できる状態であれば、この2個のマスの関係を、"数Xに関するリンク"と表現します。 ユニット内に注目する2マス以外にも数Xを入力できるマスが存在してもかまわないことになります。 通常上記の"強いリンク"に対して"弱いリンク"と表現しますが、定義から"強いリンク"もこの"弱いリンク"に含まれます。

 

◇ ラベル

リンクを"数Xに関するリンク"と表現した時に、数Xを、ラベルと言います。

 

◇ ループとチェーン

上記のリンクのひとつながりのもので、始点と終端を持たずに環状につながったものをループ、始点と終端がリンクを構成せず、切れているものをチェーンと表現します。

 

◇ 2択マス

入力候補数字が2個しかないマス。 入力として2個の数字しか選択できない状態になっているマス。 残りの7個の数字が入力禁止となっているマス。

 

◇ グループ

ある数Xが入力可能なボックス内で縦方向あるいは横方向に並んでいる複数個のマスを、ある数Xに関するグループと定義します。 一般的に通用する定義ではありません。

 

 

[グループとリンク]

 

◇ グループとリンクの定義

ある数X(ラベル数)を入力可能なBox内の縦あるいは横に並んだ複数のマスをグループとしてあたかも1個のマスとして扱い、このグループのマス全てを含むユニット内に、他のある数X(ラベル数)を入力可能なグループあるいは単独マスが含まれる場合、それら2個のグループ間あるいはグループと単独マス間にリンクが定義できます。

 

強いリンク:グループ間あるいはグループと単独マス間で、どちらかのグループ内に必ずラベル数が入る場合強いリンクが成立します。

弱いリンク:グループ間あるいはグループと単独マス間で、どちらかのグループ内にラベル数が入った時に他方のグループにラベル数が入らない場合、弱いリンクが成立します。(両方のグループが同一ユニット内にあるだけで、弱いリンクが成立)

 

◇ グループと単独マスとの強いリンク

下図の盤面では、着色されたマスだけが数X(ラベル数)の入力可能なマスとします。

1行目に着目すると、水色の2マスをグループとして扱うと、黄色の単独マスとの間で強いリンクが成立しています。 黄色のマスに数Xが入らなければ必ず水色のマスのどちらかに数Xが入ります。 逆に水色のマスのどちらにも数Xが入らなければ必ず黄色の単独マスに数Xが入るので、強いリンクが成立します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Box1に着目します。 1行目と同様にピンクの2マスをグループとして扱うと、黄色の単独マスとの間で強いリンクが成立しています。

 

他に、3行目のピンクのグループと水色のマス、4列目のピンクのグループと水色のマスなどで強いリンクが成立しています。

 

Box1の黄色のマスとBox7の水色のマスから成るグループは、同一ユニットに含まれないため、リンクそのものが成立しません。

 

◇ グループとグループとの強いリンク

上図のBox5に着目すると、ピンクの2マスをグループとして扱い、黄色の2マスもグループとして扱えば、どちらかのグループに必ず数Xが入っているので、強いリンクが成立していることが容易に分かります。 Box6では、黄緑色のマスのグループと水色のマスのグループも強いリンクが成立します。

 

Box5のピンクのグループとBox6の黄緑色のグループは、同一ユニット内にグループのメンバーの全てが含まれていないので、リンクそのものが成立しません。

 

◇ グループとチェーン/ループ

グループがチェーンあるいはループに含まれる場合、グループは、右側のリンクにおいても左側のリンクにおいても同じメンバーでなければなりません。 つまり、Bがグループである時、AとBのリンク、BとCのリンクからなるチェーンがある時に、AとBのリンクで定義されているグループBと、BとCのリンクで定義されているグループBは同一でなければなりません。

 

上図では、Box1内の黄色のマスを始点とすると、Box1内のピンクのマスのグループとの間にリンクが成立し、そのピンクのマスのグループと3行目の水色のマスとの間にリンクが成立し、その水色のマスと3列目のピンクのマスのグループとの間にリンクが成立し、さらにBox5内でそのピンクのマスのグループと黄色のマスのグループとの間にリンクが成立し、6行目にその黄色のマスのグループと水色のマスのグループとの間にリンクが成立しています。 最終的には、Box6内で水色のマスのグループと黄緑色のマスのグループの間にリンクが成立し、そこがチェーンの終点になっています。

 

◇ ボックス内で重なり合うグループ

ループの一部となっているボックス内の2グループが直行配置関係にある場合、左図の水色のマスのように両グループの交差する点に空きマスが存在することがあります。 それらの2グループは必ずボックス外のマス(グループ)とリンクを形成しています。 

 

一方のリンクが強いリンクで、他方のリンクが弱いリンクであれば、ユニット内に強いリンクに属さないマスは存在できないので、交差する点の空きマスは当然強いリンクの側のグループに所属しなければなりません。 この要請は、ボックス内のグループ間のリンクが強いリンクでも弱いリンクでも同じです。 弱いリンクの側では、ユニット内に弱いリンクに属さないマスが許されますので弱いリンクに所属しなければ矛盾は生じません。

 

 

 

 

 

 

 

 

2

 

3

 

3

4

 

4

5

 

 

6

8

 

7

9

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

ボックス内で交差するグループがボックス外のマス(グループ)と、共に強いリンクを形成していて、両方のグループの交差する点に空きマスが存在する場合には、強いリンクの要請から1個のマスが2段先のリンクにも同時に属することになり矛盾が生じることになり、X-cycleは成立しません。

 

最後にボックス内で交差するグループがボックス外のマス(グループ)と、共に弱いリンクを形成していて、両方のグループの交差する点に空きマスが存在する場合には、この交差する点の空きマスはどちらの弱いリンクに所属していると考えても矛盾は生じません。

 

上図の例では、5ノードからなるラベル数字が1のXcycle不連続ループ()の配置図です。 Box1内の色黄色と水色の縦並びの3マスはBox4内の黄色のマスと強いリンクを形成し、Box1内の横並びの3マスの中のピンクの2マスだけがBox1内の黄色とピンクのマスのグループと弱いリンクを形成しています。 「ブロックデータ解析」をすると、このピンクの2マスのラベル数字1がXcycle不連続ループ()によりブロックされているのが分かります。

ピンクの2マスのどちらかに数1が入力されると、6行目の(6,1)(6,7)の両方のマスに数1が確定することになり、エラーが発生するので、ピンクのマスでは、数1は禁止されます。

 

 

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