(技ランク7)
技ランク7では、仮入力の結果生じた仮確定マスに数字を仮入力し、さらに発生する仮確定マスに仮入力をして矛盾の発生の有無をチェックします。 ごく浅い仮定法を使っていることになります。 連携についてもチェックをしています。 ブロックが発生する理由がかなり複雑になりますが、水色とピンクのマスを仮確定マスとして表示することにより、ブロックデータ解析をしています。
[技7-1] X-cycle (連続ループ) 8node例
❒ X-cycle (連続ループ)
数Xに関する偶数個のマスからなるループで、リンクが交互に強-弱-強-弱と続き、ループが構成されている時、弱いリンクが定義されているユニット内のループに属さないマスでは数Xは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank7-1.dat |
この技は、(技6-11)と同じ技でループを構成するマスの数を8個に増やしたものです。 そのため技ランク7の技となっています。 リンクの数によって技ランクは変わります。
弱いリンクが属するユニットの中のループ外のマスの9が禁止されています。 その結果水色のマスで数8が確定しています。
このソフトで対応できるこの技でのループ長は、このあたりが限界です。
「オプション」の「ブロック抽出の高感度化」と「グルーピング機能組込」をオフして、「X-cycle検出」を実行するとワX-cycle(連続)が検出されます。
この技も、(技6-11)と同じくX-cycleの連続ループと分類する方も多いようです。
[技7-2] XY-chain (不連続ループ) 5node例
❒ XY-chain (不連続ループ)
2択マスが、(端)XY-YZ-ZA-・・-JK-KX(端)のようにリンクを形成する数を次々に変えてチェーンを形成し、両端のリンクに関係しない数(この例ではX)が一致している時、両端のマスと共通ユニットとなる複数のマス内の数Xは禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank7-2.dat |
この技は、2択マスのチェーンの特性を利用しています。2択マスのリンクを形成する数字は、次々と変わっていき、チェーンの最後のマスのリンクに関係しない方の数字は、最初のマスのリンクに関係しない数字と一致しています。
水色のマスの任意の1マスが黄色のマスとラベル数字1のリンクを形成していることからループを考えれば、他のノードと異なり水色のマスが不連続点となっています。
右図で(2,8)を始点のマスとして、各マスの数字を列挙すると、12-23-34-45-51 という弱いリンクのチェーンになっています。 水色のマスの中の任意のマスに数1を仮定すると、始点の(2,8)では数2が確定し、(2,3)には3が確定します。その後も2択マスのチェーンであることから順に4、5と確定し、最後の(5,7)では数1が確定します。 しかし水色のマスには数1が仮定されているので、Box6では数1が重複することになり、最初の仮定が間違っていたことになります。
水色の任意のマスに数1を仮定し、(5,7)から逆に追跡すると、(5,7)では数5が確定します。 その結果(5,2)では4が確定し、順次、数3、2と確定し(2,8)では1が確定します。 結果として8列目に数1が重複することになり、やはり仮定が間違っていたことになります。
結論として、どちらの場合にもチェーンの両端のマスにはどちらかに1が確定することになります。 従って始点のマスと終点のマスの両方に共通のユニットとなる水色のマスでは、1が禁止されます。
このソフトで候補数字への反映を含めて対応できるループ長は、このあたりが限界ですが、この技はNiceLoopに限定を加えたものになっているので、「NiceLoop検出」の実行によって、もっと長いループであっても水色のマスの一つを不連続点としたループを検出することができます。
この技は、リンクの中の2択マスの数字が次々と変わるものの、XY-chainと呼ぶ方も多いようです
[技7-3] XY-chain (連続ループ)
❒ XY-chain(連続ループ)
2択マスが、XY-YZ-ZA-・・-JK-KX-(最初のマス)のようにリンクを形成する数を次々に変えてループが形成されている時、それぞれのリンクを形成しているユニット内で、ループを形成しているマス以外のマスでのリンクのラベル数字は禁止される。
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File: Rank説明Data −Rank7-3.dat |
この技は、2択マスでチェーンが、不連続点を持たず、同じリンクの仕方で一周してループを形成しています。
「表示 − 表示(基本)」で黄色のマスの入力候補数字を調べます。 (2,8)のマスから反時計回りに順に、候補数字 1と2、2と3、3と4、4と5、5と1 となっており、最初の黄色のマスの1と2に戻ります。
ここで(5,8)の黄色のマスに数1を入力することを考えると、結果(2,8)に数2が確定し、(2,3)に数3、(3,2)に数4、(4,2)に数5が確定し、最初の(5,8)の数1と矛盾は起こしません。
次に(5,8)の黄色のマスに残りの数5を入力することを考えると今度は時計回りに、(5,2)に数4、(3,2)に数3、(2,3)に数2、(2,8)に数1が確定し、最初の(5,8)の数5とは、やはり矛盾を起こしません。
どちらのケースでも、8列目の黄色のマスのいずれかには黄色のマスのリンクのラベル数字の1が確定していることが重要です。 同様に2行目には数2、Box1には数3、2列目には数4、5行目には数5が、いずれかの黄色のマスに入っていなければなりません。
このことから黄色のマス2個がリンクを形成しているユニット内で、黄色のマス以外のマスにラベル数字を入力すると矛盾が生じることになり、禁止されることになります。
例として黄色のマス以外の(4,8)に仮に数1を入力することを考えると、(2,8)に数2、(5,8)に数5が確定し、さらにその結果(2,3)に数3、(5,2)に数4が確定し、残りの黄色のマスの(3,2)には入力できる数字が無くなってしまいます。 他に(7,8)、(9,8)も数1を入力することを考えても同じ状況になることが分かります。 この状況は(4,8)の橙色のブロックに対する「ブロックデータ解析」で示されます。
黄色のマス2個がリンクを形成しているユニット内では、どこでも同じ状況が発生しています。
この技は、NiceLoopの特別な場合とみなせるので、「NiceLoop検出」の実行によってループを検出/図示させることができます。
この技を、XY-chain (連続ループ)と呼ぶ方も多いようです。
[技7-4] NiceLoop (連続ループ) 6node例
❒ NiceLoop (連続ループ)
ループを構成する全てのリンクが以下の3条件を同時に満たす時、NiceLoopの連続ループが成立する。 その結果、Aの条件の接続ノードでは、使用されている両リンクのラベル数字以外の数字は禁止される。 また、ループ内の弱いリンクを含むユニットでは、ループのノード以外のマスで弱いリンクのラベル数字が禁止される。
@ 強いリンクと弱いリンクが接続される場合には、両リンクのラベル数字は同じ。
A 強いリンクどうしが接続される場合には、両リンクのラベル数字は異なる。
B 弱いリンクどうしが接続される場合には、接続点のマスは2択マスであって、両リンクのラベル数字は異なる。
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File: Rank説明Data − Rank7-4.dat
上図は、Rank7-4.dat ファイルを開いた後に「表示」「表示(基本)」モードで「NiceLoop 検出」を実行したものです。 NiceLoopでは、ループの途中でラベル数字が変わることが、技の理解を難しくしています。 説明の理解を助けるためにこの図を用いています。
この図には、上の技の定義の記述の中の@ABの全ての種類のリンク接続が含まれているので、確定マスの伝搬を追いかけてみます。
2択マスからスタートします。 (6,2)のマスで、入力候補数字2と3の内の3が仮に入力されると、2択マス(6,7)で3が禁止されるので、8が確定します(Bの接続)。 その結果2択マス(5,8)で8が禁止されるので、6が確定します(Bの接続)。
次のノードの(3,8)は@の接続ですが、このマスでは数は確定せず、その先の6の強いリンクでつながっている(3,3)で6が確定します。
(3,3)はAの接続ノードで、2の強いリンクで(5,3)のマスと繋がっており、(3,3)で6が確定した結果、(5,3)に2が確定します。 その結果、(5,3)と2の弱いリンクでつながっているスタートマスの(6,2)で最初の仮定通り3が確定します。
これらをまとめます。 (6,2)=3、(6,7)=8、(5,8)=6、(3,8)=スキップ、
(3,3)=6、(5,3)=2、(6,2)=3
今度は、(6,2)でのスタートを2としてみます。 逆回りに確定が進行します。 細かな説明を省いて、確定マスを順に示すと、
(6,2)=2、(5,3):スキップ、(3,3)=2、(3,8)=6、
(5,8)=8、(6,7)=3、(6,2)=2
と矛盾なく確定マスが1周します。
右回りと左回りでは、強リンクのラベル数が確定するマスや、2択マス間を結ぶ弱いリンクのラベル数が確定するマス位置が左右にずれており、2種類の状態が矛盾なく存在しています。 上の定義の中で記述されているように、この2種類の状態を妨げるような入力候補数字が禁止されます。
Rank7-4.dat ファイルを開いた後に、「オプション」「オプション」の「ブロック情報の表示」状態で、「表示」「表示(技)」モードにすることにより、禁止された入力候補数字が橙色のマークとして表示されます。
この例では、5行目の(5,3)と(5,8)にループのノードが2個存在しています。 X-cycleではこのような場合にループのショートカットが発生し、大きなループは成立しません。
NiceLoopでは、同一ユニット内に連続していないノードが2個存在しても、ループを構成するリンクのラベル数字が一致していなければ、ループのショートカットは起きません。 この例では、(5,3)ではラベル数字は2で、(5,8)ではラベル数字が6と8なのでショートカットは起きません。
この技をNiceLoop(連続ループ)と呼ぶ方も多いようです。
[技7-5] NiceLoop (不連続ループ、強) 6node例
❒ NiceLoop (不連続ループ、強)
ループを構成する1箇所のノードのみが下記の(T)の条件を満たし、それ以外の全てのリンクが以下の3条件を同時に満たす時、NiceLoopの(不連続ループ、強)が成立する。 その結果、(T)の条件の接続ノードでは、ラベル数字X以外の数字は禁止され、Xが確定し、(T)の条件のノードに接続する隣のノードでは、数Xは禁止される。
(T) 同じラベル数字Xの強いリンクと強いリンクが接続。
@ 強いリンクと弱いリンクが接続する場合は、両リンクのラベル数字は同じ。
A 強いリンクどうしが接続する場合は、両リンクのラベル数字は異なる。
B 弱いリンクどうしが接続する場合は、接続点のマスは2択マスであって、両リンクのラベル数字は異なる。
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File: Rank説明Data − Rank7-5.dat
上図は、Rank7-5.dat ファイルを開いた後に(2,8)をアクティブマスにして、「表示」「表示(基本)」モードで「NiceLoop 検出」を実行したものです。 NiceLoopでは、ループの途中でラベル数字が変わることが、技の理解を難しくしています。 説明の理解を助けるためにこの図を用いています。
この図には、上の技の定義の記述の中の(T)@ABの全ての種類のリンク接続が含まれています。 上図の状態でリンクの種類を順番に一覧にしてみます。
(2,8):(T)、 (2,2):A、 (6,2):@、
(6,4):B、 (8,4):B、 (8,8):@、 (2,8)へ戻る
不連続ノード(2,8)以外では、@〜Bを満足しています。
この接続状態で不連続点の(2,8)に、ラベル数字の1以外を入力し、ループに沿って確定数字を追いかけると、右回りでも左回りでも、(2,8)に数1が確定し、矛盾が生じます。 その結果(2,8)では、ラベル数字1以外の候補数字は禁止され、1が確定します。
NiceLoopの(不連続ループ、強)が成立する時には必ず不連続点の隣のマスを不連続点とするNiceLoopの(不連続ループ、弱)、あるいは(不連続ループ、強弱)が成立します。 この例では、2行目のラベル数1の強リンクを弱リンクとみなすことにより、(2,8)は連続ノードとなり、替わりに(2,2)を不連続点とする(不連続ループ、強弱)が成立しています。 また、8列目のラベル数1の強リンクを弱リンクとみなせば、(8,8)を不連続点とする(不連続ループ、弱)が成立しています。
これらの不連続ループも「NiceLoop 検出」でループを見ることができます。
この技をNiceLoop(不連続ループ、強)と呼ぶことにします。
[技7-6] NiceLoop (不連続ループ、弱) 6node例
❒ NiceLoop (不連続ループ、弱)
ループを構成する1箇所のノードのみが下記の(U)の条件を満たし、それ以外の全てのリンクが以下の3条件を同時に満たす時、NiceLoopの(不連続ループ、弱)が成立する。 その結果、(U)の条件の接続ノードでは、ラベル数字Xは禁止される。
(U) 同じラベル数字Xの弱いリンクと弱いリンクが接続。
@ 強いリンクと弱いリンクが接続する場合は、両リンクのラベル数字は同じ。
A 強いリンクどうしが接続する場合は、両リンクのラベル数字は異なる。
B 弱いリンクどうしが接続する場合は、接続点のマスは2択マスであって、両リンクのラベル数字は異なる。
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File: Rank説明Data − Rank7-6.dat
上図は、Rank7-6.dat ファイルを開いた後に、「表示」「表示(基本)」モードで「NiceLoop 検出」を実行したものです。 NiceLoopでは、ループの途中でラベル数字が変わることが、技の理解を難しくしています。 説明の理解を助けるためにこの図を用いています。
この図には、上の技の定義の記述の中の(U)@ABの全ての種類のリンク接続が含まれています。 上図の状態でリンクの種類を順番に一覧にしてみます。
(8,4):(U)、 (8,8):@、 (2,8):A、
(2,2):@、 (6,2):B、 (6,4):B、 (2,8)へ戻る
不連続ノード(8,4)以外では、@〜Bを満足しています。
この接続状態で不連続ノードの(8,4)に、ラベル数字の2を入力し、ループに沿って確定数字を追いかけると、右回りでも左回りでも、不連続点の隣のマスに数2が確定し、不連続ノードでは数2は禁止されるという矛盾した結果となります。 そのため(8,4)では、ラベル数字2は禁止されます。
この技をNiceLoop(不連続ループ、弱)と呼ぶことにします。
[技7-7] NiceLoop (不連続ループ、強弱) 6node例
❒ NiceLoop (不連続ループ、強弱)
ループを構成する1箇所のノードのみが下記の(V)の条件を満たし、それ以外の全てのリンクが以下の3条件を同時に満たす時、NiceLoopの(不連続ループ、強弱)が成立する。 その結果、(V)の条件の接続ノードでは、弱いリンクのラベル数字は禁止される。
(V) 異なるラベル数字の強いリンクと弱いリンクが接続。
@ 強いリンクと弱いリンクが接続する場合は、両リンクのラベル数字は同じ。
A 強いリンクどうしが接続する場合は、両リンクのラベル数字は異なる。
B 弱いリンクどうしが接続する場合は、接続点のマスは2択マスであって、両リンクのラベル数字は異なる。
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File: Rank説明Data − Rank7-7.dat
上図は、Rank7-7.dat ファイルを開いた後に、「表示」「表示(基本)」モードで「NiceLoop 検出」を実行したものです。 NiceLoopでは、ループの途中でラベル数字が変わることが、技の理解を難しくしています。 説明の理解を助けるためにこの図を用いています。
この図には、上の技の定義の記述の中の(V)@ABの全ての種類のリンク接続が含まれています。 上図の状態でリンクの種類を順番に一覧にしてみます。
(8,8):(V)、 (2,8):A、 (2,2):@、
(6,2):B、 (6,4):B、 (8,4):B、 (8,8)へ戻る
不連続ノード(8,8)以外では、@〜Bを満足しています。
この接続状態で不連続ノードの(8,8)に、弱の方のラベル数字の3を入力し、右回りにループに沿って確定数字を追いかけると、(8,8)に2が確定することになり、矛盾した結果となります。 左回りにループに沿って確定数字を追いかけると、(8,4)に3が確定し、矛盾します。
右回りでも左回りでも、矛盾が発生し、(8,8)の3は禁止されます。
この技をNiceLoop(不連続ループ、強弱)と呼ぶことにします。
ナンプレ九段 Ver 4.4 技の説明 Copyright 2013-2023 Hiro Suzuki