弾道計算ソフト2000 Classic
操作マニュアル


 照準図画面のレチクル画像の利用について(サポート対象外)
   分析図においては、スコープレチクルに模したグラフの場所に、レチクルの画像を表示する事が出来ます。しかし、お手持ちのスコープに合わせて作成した物ではありませんので、この画像に関してサポート致しませんので、予めご承知おき下さい。
出荷時に用意されているレチクル画像は、161x161ドットのビットマップ形式で、市販のレチクルの形状を模して作成されていますが、161ドットの面積では大体の表現しか出来ませんので、実物とは同じにはなりません。表示はあくまで大体の位置が確認できる程度と考えていただきたいと思います。そして、精密にはスコープのマニュアルをご覧頂き、弾道計算ソフト2000 Classicでの計算数値を比較して 評価していただきたいと思います。

 
 レチクル画像のFOVの設定について
  スコープのレチクル画像は、161x161ドットになっています。ご利用頂いているスコープのレチクルに近いレチクルを選んでご利用頂くことが出来ます。スコープの倍率によって、FOVが異なりますので、それぞれのFOVの値を使用することになりますが、レチクル画像にはスコープレチクルの判別が出来るように拡大してレチクルを表現している物があります。その場合は、スコープのマニュアルに書かれているFOVをそのまま使用することは出来ません。
従って、次の方法で、FOVを計算して設定を行う必要があります。
  1. インストールされているフォルダー内のreticleimageというフォルダーから、レチクル画像を選ぶ。
  2. 選んだ画像のレチクルのパターンの内、自分で確認したい目盛りを選ぶ。
  3. 選んだ目盛りのビット数を、画像のファイルをWindowsのアクセサリである、ペイントで開いて勘定する。
  4. 選んだ目盛りの角度(MOAや、MIL)の情報をスコープメーカーのマニュアルから見つける。
  5. FOVは、161ドットを勘定したドット数で割った数に角度をかけ算して求まった距離と幅になる。
これではわかりにくいと思いますので、以下に例を示します。

 

 
上記のレチクルは、最大倍率10倍で、横線も縦線も4ドットで1MOAになっているとスコープのマニュアルに書いてあったとします。表示の大きさ161ドットでおおよそ、40MOAになります。100yardで1.05inchが1MOAですので、40x1.05 = 42inchとなります。このような場合は、FOVは42inch、100yardと入力し、スコープの最大倍率を10と入力します。


 
上記のレチクルは、細い所と太いところの間が、10ドットになっています。スコープメーカのマニュアルを見ると、この細いところの中心点から太いところの角度は、最大倍率10倍で2.667MOAになっている典型的なDuplexレチクルであると書かれていたとします。161ドットを10ドットで割り算するとおおよそ16になります。2.667に16をかけ算すると、42.7となります。最大倍率10倍と入力して、100yardで42.7inchと入力すると、実際のレチクルと似たような表示が出来ます。

以上のように、スコープのレチクルが最大倍率でどのくらいの角度かを突き止めて、ドット数の比率をかけ算し、距離と幅を入力することで、レチクル画像の表示が実際に近くなります。多くのメーカでこの角度は公開されていますが、一部のメーカーでは公開されていませんので、独自に調べる必要があります。
スコープのレチクルの角度を調べるには、射撃場で標的にcmまたは、inchの格子を書き、射座から銃を置いた状態で、一目盛りがどのくらいの幅なのかを観測することが出来ます。実際の話で、倍率がマニュアル通りではないこともありますから、マニュアルを鵜呑みにするのではなく、標的の余白に目盛りを書いておき、実測で、どのくらいになるのかを良く見ておくべきだと思います。また、ボアサイターなどで、クリックするときの移動量も見ておくのが良いと思います。表示と実際で若干の食い違いがある場合があります。

 
 FOV調整の例
スコープによっては、ユーザの使い方を制限するために、レチクルの目盛りの角度についてマニュアルに記載されていない物があります。難しく考えると製品の特長がうまく表現できないからという親心からだと思いますが、データとしては巻末にでも表示しておいてくれれば利用価値がユーザの自由になるのにと思います。しかし、製品のコストと言うこともありますからスペック変更時、または、製品に品質管理上レチクルの大きさが精度良く特定できないなどの事情もあるかも知れません。そこで、ユーザがレチクルの見え方について手間をかけて調べる必要があります。
2.5~10倍のスコープを例としてあげたいと思います。いま、スペックの明らかでないスコープで100mの標的を最大倍率で見たとします。あらかじめ標的には2.9cmの格子を縦29cm(10マス)横23.2cm(8マス)の大きさで描いておきます。
その時の見え方を以下の模式図で示します。

 


 
恐らく最初の丸の位置が、真ん中の線から6cm下に来るのがセンターと言うのが分かると思います。100mで6cm下というのは、100yardに換算するとちょうど2inchとなります。最初に格子の絵を赤のマジックで書く時に、100mなら2.9cmにしておくことで、100yardで1inchにピッタリになります。
このスコープと似たレチクルはnk(1).bmpと言うのがありますので、これを使うと都合がよろしいようです。しかし、FOVが分かりませんので、とりあえず、10倍最大倍率に設定し、100yardで2feetにFOVを設定します。本来のFOVは10feetぐらいですが、この画像の場合はレチクルが大きく描かれているので、本来のFOVより大夫と小さい値になります。

 


 
これで、弾道をとりあえず計算して、最初の丸の部分が何MOAなのかを見てみます。

 


 
下の丸の所に、スコープ着弾点を示す小さな赤の横線が見えると思います。この時の距離は240yardぐらいで、縦照準は画面の左にみえるMOAで2.3とあります。本来2MOAであるのが0.9MOAになっておりますから、100yardで2feetが大分小さいと言う事になります。
設定する100yardの横幅は、

    2feet÷0.9MOA×2MOA=4.4feet

となります。照準図タブ設定画面に戻って、2feetの指定から4.4feetに指定し直せば、お手持ちのスコープと似たようなサイズでレチクル画像が表示される事になります。FOVはスコープによって、最大倍率での値が異なってきますので、スコープ毎に設定値を調整する必要があります。


尚、レチクル画像がお手持ちのスコープでどのくらいのFOVになるのかは、弾道計算ソフト2000 Classicの範囲外ですのでサポート致しません。
また、レチクル画像に関してもお手持ちのスコープと違っていたとしてもサポート対象外ですので、ご承知おき下さい。

自作でレチクル画像を作ることも出来ます。
   (1)PNG画像ファイルかBMP画像ファイルを使用すると、はっきりした表示が出来ます。
   (2)白っぽいところ(白色成分)が透明色として加工され、そこに標的画像が透けて見えるようになります。
   (3)左上の隅には数値が表示されますので、色調を一定にしておくと読みやすくなります。
   (4)数値表示色は表示領域のレチクル色の反対色が自動的に選ばれます。
上記を留意してください。

尚、画面上でマウスホイールを回すと標的画像の透明度が変更出来ますので、黒っぽい標的の場合は調節してください。

照準図レチクル画像の作成という例がありますのでご参考にしていただければと思います。

 
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