弾道計算ソフト2000 Classic
操作マニュアル
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弾道を計算するには、いくつかの数値を入力して計算しなければなりません。
弾道の特定に必要な数値は、以下の3項目になります。
(1) 初速(弾丸の発射速度)
(2) 弾のBC値(弾丸の空気抵抗)
(3) ゼロ距離と、スコープの高さ(撃ち上げ方向を決めるための要素)
これらの項目に付いての詳しい説明は、「弾道計算について」を読んでください。
銃砲店で購入してきた装弾の箱には、その弾の発射速度や弾頭のBCの値が記載されていますので、これがわかっていれば簡単に弾道を計算出来ます。この例はサボットの計算ですがRifleの場合も基本的には同じですので参考にしていただければ幸いです。
さて、フェデラルのPower・Shok Sabot Slug 12 Gaugeの例を見てみます。フェデラルのホームページには、この弾の初速とBC値が記載されています(2020年2月時点)
初速(Muzzle Velocity) 1500 fps
BC(Ballistic Coefficient) 0.190 G1
この二つの値を、起動した時に出るメインコントロールパネル、弾道計算タブの「初速」と「弾のBC」に入力します。
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これで、数値計算ボタンをクリックすると計算することは出来ますが、その前に射撃場で何メートルで的を合わせるのかということを考える必要があります。それを指定するのが「ゼロ距離」です。ここでの単位はyardになっていますが、日本ではメートルが主流ですから、いま仮に50mとしてみましょう。
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これで、数値計算ボタンを押すと、次のような数値計算結果が表示されます。
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計算は出来ましたが、計算結果の単位がヤードのままになってます。先ほどゼロ距離で50mと入力したのですが、計算結果の出力の時に、ヤードが指定されていれば、ヤードに変換して表示するからです。
日本の射撃場ではメートルですから、これをメートルで出すように変更してみましょう。それには、メインコントロールパネルの出力設定タブで指定します。弾道計算ソフト2000 Classicでは、入力された情報を一括変換して、違った単位にして表示する事が出来るように、出力(表示)の単位を個別に指定するようになっています。
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出力設定タブで単位にyardやinchが指定されている
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計算上限の単位をメートルに変更
上下表示単位をcmに変更
左右表示単位をcmに変更
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これで、もう一度数値計算ボタンをクリックしますと、次のように表示されます。
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ここまで来れば、もう一息です。この表をよく見ると、弾道重量が180grain(約11.7g)となっていますし、弾頭径が0.308inch (7.82mm)
になっています。サボットの弾頭重量はもっと重く、口径は12番です。これではエネルギーの計算とTKOVの計算が合わなくなります。そこで、弾頭の重量と弾頭径を正しく入力してみましょう。
それには、諸条件タブの値を変更します。このサボットの弾頭の重量は、フェデラルのホームページに438grain(約28.4g)と表示されていますので、438を入力します。12番の口径は18.3mmと入力します(実際はサボットの厚みがあるので、これよりも小さな値になるかもしれません)。
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これで、数値計算ボタンを押すと、エネルギーとTKOVが正しく表示されます。
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分析図ボタンを押すと、グラフが表示されます。
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分析図では図中の黒の十字線(カーソル)をマウスでドラグすることで、いろいろな距離の数値が得られます。詳しくは、「分析図画面」、「分析図画面の操作」、「分析図画面のカーソルについて」を読んでください。
ところで、初速やBC値などを入力して、口径や重量を違った値にしても正しい弾道が得られるかご心配のことと思います。結論は、弾道は初速、BC値、ゼロ距離、スコープの高さが正しく入力されていれば一意に決まりますので、重量、口径は違った値でも弾道に影響はありません。ただし、弾頭重量が違うと、エネルギーの計算の時に、違った値になってしまいます。同じ速度でも重量が異なればエネルギーも異なるからです。BCが同じであれば空気抵抗が同じと言うことなので、速度とBCが合っていれば、重量の違う弾頭を飛ばしても同じ軌跡を描くのです。また、口径はTKOVの計算に使われますので、計算結果のTKOVの値は口径が変わると違った値になります。TKOVに関しては、「計算結果表示画面の各項目の意味」を読んでください。
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