弾道計算ソフト2000 Classic
操作マニュアル
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複数の標的が一枚の紙に印刷されたものがあります。このような場合は、その写真にいくつもの照準点が必要になってきます。しかし、一枚の写真に複数照準点を設けると、どの弾痕がどこを狙って撃ったのかを指定するのがとても煩わしいので、弾道計算ソフト2000 Classicでは、一枚の写真に一つの照準点しか設定できない様になっています。したがって同じ写真を何回も読み込んでそれぞれに照準点を定めて集計することもできますが、ファイルも大きくなり、同じ操作を何回もしなければなりません。ファイルが大きくなると保存や読み込みに長い時間がかかります。一枚の写真に複数の照準点を設け、かつ、簡単にわかりやすく操作できるようにしたのが、「複製」という機能で、一枚の写真を複数の画面で共有して、照準点・弾痕を管理できます。
一枚の写真を読み込んでこれを複製することで、より効率的に集計を行うことができます。複製は現在表示している写真番号の写真をそのままつかって、新しい写真番号をつくり、そこで、別の照準点や弾痕マーカーを設定する機能です。このため、写真は一枚ですから、平面修正や鉛直指定などを行うと複製された写真番号のデータは全て同様に変化します。寸法については個別に指定することもできますが、複製を行ったときの寸法を引き継ぎます。
たとえば、下記のような標的紙の写真があった場合に、この機能を使用します。
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集計図画面の右上にある、「複製」ボタンを押すことで、この画像を複数の画面から参照することができます。複製すると、その画像の寸法や鉛直方向、口径など全ての情報が引き継がれます。ですから、あらかじめ寸法などは指定してから複製をすることをおすすめします。
寸法や、鉛直方向、口径などまず、必要なものを指定します。
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寸法や口径、鉛直方向、必要なら平面修正などを行ってから複製してください。
複製は複製元のデータを引き継ぎ、画像データを共有します。
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複製は写真データを共有しますので、画像加工の作業を行うと全ての複製画面が影響を受け、比率や位置などがそろって変更されます。ですから、跡から変更を加えても、一括して管理することができます。しかし、寸法だけは個別に設定することになりますので、ご注意ください。たとえば、上記の標的紙の場合で若干写真が傾いていたとします。しかし、画像の解像度が悪いために平面修正したくない場合もあります。こんな時は遠近に合わせて標的ごとに寸法を設定することで誤差が少し改善する場合もあります。
多くの場合は写真が同じなら寸法も同じに設定します。最初に設定しておけば複製で同じ寸法になるので便利です。
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複製をする前、写真の一番左の標的に照準点を設定して弾痕マーカーをつけたところ。

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複製ボタンを押して写真番号「2」の画面を作り、
左から2個目の標的の照準点を設定して弾痕マーカーをつけたところ。
複製画面には、右上に複製元の写真番号が表示される。

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さらに複製ボタンを押して写真番号「3」の画面を作り、
左から三個目の標的に照準点を設定して弾痕マーカーをつけたところ。

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寸法と口径を設定するのは一回だけで、14発全部の弾痕をマークすることができます。まとめて表示するには、標的集計図の右上の「全点表示」チェックボタンをクリックします。このチェックが入ると、設定した全ての弾痕マーカーが一枚の写真に重ねて描画されます。
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図中の赤い「●」は弾痕の中心点(MPI、グルーピングセンター)を示しています。
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中心点(MPI、グルーピングセンター)が上に6.5mm、右に5.5mmそれていることがわかります。
ところで、この写真を見ますと、どれも若干左が下がっている様になっておりますから、この時点で鉛直方向を設定し直すことも可能です。どの写真番号で鉛直方向を変更しても、全ての写真番号で一様に鉛直方向が変化し、弾痕マーカーも移動します。中心点も新しい鉛直方向から起算されます。
鉛直方向を変更すると、画像が回転されますので、ビットノイズが若干出ます。そして、上記の場合では集計結果が0.1mm程度の変化になります。中心からあまり離れた点がなく角度修正もわずかである場合は変化も少なくなります。画像に変更を加える前にデータをセーブしておくことをおすすめします。
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