- 初速
- 銃口での弾の速度を入力する。工場装弾の場合は購入時の箱に記載されていたりする。ハンドロードの場合は火薬量でそれに見合った速度がLymanなどのショットシェルリローディングマニュアルに記載されている。ライフルの場合は各種リローディングデータに薬量と初速が公表されているので、これを使用する。銃身の長さや、銃身の製造誤差によって、弾速はマニュアルとおりにならないのが普通である。ライフルでもスラグでも、実際に弾速計を使用して計測するとより一層正確な弾道が得られる。
- ゼロ距離
- ゼロインしたときの標的までの距離を入力する(Zero Range)。
- 弾のBC値
- BCの値の初期値を入力する。この値は気象条件によって変化するので、入力された気象条件によって、実効BC値が計算され、それが弾道計算に使用される。入力フィールドの隣にあるのは単位ではなく、ドラグファンクションのタイプである。G1、G2、G5、G6、G7、G8、GL、GS、Gfが選択できる。G1はスラグ、サボット、ライフルに広く使用する。G7はライフルのVLD弾頭に使用する。それ以外のドラグファンクションも使用できるので、弾の形状にあわせて選択できるが、BC値はドラグファンクションが異なると違った値になるので合わせ込み機能によってドラグファンクションにあったBC値を求めておく必要がある。
Gfを選択すると、ドラグファンクションを編集する事が出来る。Gf編集ボタンを押して、ドラグファンクション編集画面を起動できる。
- スコープの高さ
- 銃身の中心線とスコープの中心線の距離を入力する。オープンサイトのスラグの場合は、伝統的に0.5inchと入力する。実際の12GAの場合は、測定してみれば0.6から0.7になる場合もある。ご自分の銃器がどのぐらいなのか、納得がいくまで計っておくのも重要である。
- 動的速度
- 標的が移動する場合、着弾までに時間がかかるので見越し(狙い越し、リード)を取らなければならない。この欄に標的の移動速度を入力することで、弾道の各距離における見越しを計算して表示する。平地を走るシカの場合は15m/s前後、下りの時はその倍以上、登りの場合は半分か3掛けぐらい、などど猟場の状況に合わせて良く見ておく必要がある。走るのを見たら、秒数を大体感じ取って、走り去った後でじっくり景色を眺めて距離を見積もり、何メートルを何秒ぐらいで走ったかなどの、日頃の地道な経験の積み重ねが重要である。それが分かれば、この計算ソフトでどのぐらいの見越しを取ったらいいのかが計算できる。引き止まりがあれば、計算値と違った見越しが必要になるが、引き止まりはしないのが理想であるから、日頃の練習で引き止まりしないで射獲出来るように目指していただきたい。移動標的で練習するときは自分がどのぐらいの見越しを取るのかが分かっているので、弾道計算ソフト2000 Classicで実際の移動標的の速度と射撃場の距離、弾速を入力することでどの程度の引き止まりがあるのかを検証することが出来る。スラグはライフルに比べて弾速が遅いのでより難しい射撃になる。
- 撃ち上げ下げ角度
- 斜面での弾道を計算するときの角度を入力する。斜面下方に撃ち下ろすときはマイナスの角度、斜面上方に打ち上げるときはプラスの角度である。この角度を指定すると、最初は平地での初速、ゼロ距離の設定条件で弾道計算を行い、その後、斜面でそれがどのように変わるかを再計算して結果を表示する。このため、計算終了したときに表示されるゼロ距離や弾道は、入力したゼロ距離とは違った値になる。角度を付けると、通常指定されたゼロ距離よりも長い所にゼロがずれるようになる。角度を付けて撃つ場合の高度の変化は、銃口の高度が気象条件で指定した値を使用し、それ以降は上昇、下降に応じて高度の変化と、それに伴う気圧の変化を考慮して計算される。高度変化に伴う気圧の変化はICAO標準を使用するチェックボックスがオンの時は、ICAOで公表されている値を使用し、そうでない場合はアバディーン標準大気が使用される。スラグの場合は弾速が遅く、弾の下がりが大きいので斜面での上下の変化はライフルよりも大きい。大物猟の猟果に直接の影響はない場合がほとんどであると推察するが、環境次第でどうなのかは計算によってあらかじめ検証することが出来る。
- PBR幅
- ポイントブランクレンジの幅を入力する。通常は獲物のバイタルゾーンの幅を入力する。弾頭メーカーのシエラでは大体10inchがよく使われる。この幅を入力するとグラフで弾道を表示する「分析図」において弾道カーブのカーソル位置に赤色の縦のバイタルゾーン表示を行うようになる。ブランクにすることで表示しないようになる。また、照準図において、スコープのレチクル表示でも赤枠で範囲が表示される。従って、PBRだけではなく獲物の大きさを想定して利用することも可能だ。
- 風速
- 水平の風に限るが、弾道上に一様に同じ風が吹いていると仮定した場合の風速を入力する。
- 風向
- 前方が0°、射手に対して右から左に風が吹いている場合をプラス90°、反対をマイナス90°とした角度を入力する。向かい風や、追い風によって、弾が前後に流される計算を行うことが出来る。その場合、ゼロインした位置から風で流された位置にゼロが変わってしまう計算結果にもなる。弾道計算ソフト2000 Classicでは、無風状態でゼロインした弾道を一度求め、その後風があった場合を計算して、風による影響を結果として表示する。尚、弾道計算ソフト2000 Classicでサポートされているのは水平方向の風のみである。
- 弾道計算選択ボックス
- これから計算するタイプを選択する。弾道計算の場合は単に弾道計算を実行する。MPBR計算を選択すると、MPBR計算を行う。
- 分析図ボタン
- 計算を実行して結果をグラフに表示して分析するための画面を表示する。CSVファイルに出力することは出来ないので、このボタンを押したとき、CSVファイル出力が指定されていると、取り消される。
- 数値計算ボタン
- 計算を実行して数表を表示する。
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