TagReplc (music Tag Replacer) 取扱説明書

v.1.04 KinJ

【概要】

TagReplcは編集済みのID3v2タグなどのメタデータを再エンコードしたMP3などの圧縮音声ファイルに引き継がせるソフトウェアです。

【本ソフトウェア利用の対象】

音楽CD等から CDex, fre:ac などのリッピングソフト(CD ripper)でMP3などにエンコードして作成した圧縮音声ファイルはCDDB(Compact Disc DataBase)サービス等からインポートされたタグ情報(メタデータ)を利用していることが多く、そのようなタグ情報に満足できない場合は、Mp3tag などのタグ編集ソフト(Tag editor)でタグ情報を編集していることでしょう。 もしその後に、エンコーダやエンコード設定(ビットレート、プロファイルなど)を変更して再度エンコードする場合、タグを再び編集する作業はタグ編集ソフトのスクリプト機能を利用しても面倒な作業になるので、避けたくなると思われます。
TagReplc は編集済みのタグ情報を再エンコードした圧縮音声ファイルに引き継がせるソフトウェアです。


【基本機能】

  1. 既にタグ編集されフォルダAに格納されているMP3ファイルと、それとは異なるエンコーダもしくはエンコード条件で(リッピングソフトによって)再エンコードされフォルダBに格納されているMP3ファイルを用いて、フォルダAのMP3ファイルのタグ情報とフォルダBのMP3ファイルの音声データを組み合わせたMP3ファイルを生成します。(表2の#1)
  2. フォルダAに格納された MP3/MP4/FLAC/MKA/WebM ファイルとそれらの圧縮元のCDイメージファイルについて、そのCDイメージファイルを外部エンコーダ(lame_enc.dll/qaac.exe/fdkaac.exe/libFLAC.dll/opusenc.exe/ffmpeg.exe のいずれか)で再エンコードして MP3/MP4/MP4/FLAC/Ogg/MKA/WebM 等のオーディオファイルを生成します。その生成されるオーディオファイルにフォルダAの MP3/MP4/FLAC/MKA/WebM ファイルのタグ情報を継承させます。(表2の#2~#7)
    上記の「再エンコード」はフォルダAに格納された圧縮オーディオファイルからではなく元のCDイメージファイル(CD音源の非圧縮ファイル)からエンコードされます。
    例えば、以前にCDイメージ(CD音源)から Windows Media Player の MP3 エンコーダで非可逆圧縮したオーディオファイルがフォルダAに格納されているとして、この非可逆圧縮オーディオファイルを Lame(MP3), qaac(Apple CoreAudio), fdk-aac, Opus などの Windows Media Player の MP3 エンコーダより高音質とされているエンコーダで再エンコードしたとしても元の MP3 よりも高音質になることは基本的にはありません。一方、CDイメージ(CD音源)から高音質のエンコーダで再エンコードした場合は、フォルダAに格納されていた非可逆圧縮オーディオファイルより高音質になることが(同一ビットレート以上であれば)確実に期待できます。
  3. 上記の2については「一括再エンコード処理(Batch Re-encoding)」することができます。
  4. CDイメージファイルを外部エンコーダ(lame_enc.dll/qaac.exe/fdkaac.exe/libFLAC.dll/opusenc.exe/ffmpeg.exe のいずれか)でエンコードして MP3/MP4/MP4/FLAC/Ogg/MKA/WebM 等ファイルを生成します。フォルダAのオーディオファイルのタグ情報は参照も継承もされません。(表2の#8~#13)
  5. 上記の4については「フォルダ一括エンコード処理」することができます。
表2. 基本機能
#mode of BSourceEncode
B
Output
ABfile
format
coding
format
metadata
(tag)
1Folder-B mode.mp3.mp3No Encode.mp3MP3ID3v2(as is)
2CD-Image mode.mp3/.m4a/.flac/
.mka/.webm
CD-ImageLame.mp3MP3ID3v2(as is)
3qaac.m4aAACMP4
4fdkaac.m4aAACMP4
5libFLAC.flacFLACVorbisComment
6opusenc.opus .oggOpusVorbisComment
7ffmpeg(various formats)
8not referencedLame.mp3MP3ID3v2
9qaac.m4aAACMP4
10fdkaac.m4aAACMP4
11libFLAC.flacFLACVorbisComment
12opusenc.opus .oggOpusVorbisComment
13ffmpeg(various formats)

【対象とするタグフレーム】

TagReplc では下記のタグフレーム(コメントフィールド、メタデータアトム)が引き継がれます。他のタグフレームは無視されます。
表3. TagReplc で対象とするタグフレーム
Frame IDDescription説明引用
ID3v2.3ID3v2.2FLAC (VorbisComment)MP4 ilstqaac TaggingEBML(Matroska,WebM)
TALBTALALBUM©albalbum50:TITLEAlbum titleアルバムA
TPE1TP1ARTIST©ARTartist30:ARTISTArtistアーティストA
TPE2TP2ALBUMARTISTaARTband50:ARTISTAlbum artistアルバムアーティストA
TIT2TT2TITLE©namtitle30:TITLETitleタイトルA
TRCKTRKTRACKNUMBERtrkntrack30:PART_NUMBERTrackトラック番号A
TPOSTPADISCNUMBERdiskdisk50:PART_NUMBERPart of a setディスク番号A
TYERTYEDATE©daydate30:DATE_RECORDEDYearリリース年A
TCONTCOGENRE©gengenre30:GENREGenreジャンルA
COMMCOMCOMMENT©cmtcomment30:COMMENTCommentコメントA
TCOMTCMCOMPOSER©wrtcomposer30:COMPOSERComposer作曲者A
TENCTENENCODER©too30:ENCODEREncoded byエンコードした者B
TSSETSSEncoder settingsエンコーダ設定B
TLENTLELength演奏時間(ミリ秒単位)B
APICPIC(Type-6:Picture)covrartwork<AttachedFile>Attached pictureジャケット画像A
MCDIMCICDTOC50:MCDICD identifier音楽CD識別子B


【基本操作】表2の#1)


【イメージファイルの再エンコード】表2の#2,#3,#4,#5,#6,#7)


【一括再エンコード処理】

上部のメニューの〔File ⇒ Batch Re-encode(一括再変換)〕で【イメージファイルの再エンコード】を一括してバッチ処理を行うことができます。
※本節での説明での [Input A] の "MP3" は圧縮オーディオファイルの代表的な呼び名として用いています。よって [Input A] には .mp3 以外の .m4a, .flac, .mka, .webm も適用できます。
STEP-1 のマッチングは [Input A] のオーディオファイルの MCDI 情報に依存していることが多いので、MCDI メタデータが無いオーディオファイルでのマッチングは失敗することが多いです。なお、STEP-1 によらずに "MP3-Cue Match List File" を作成すれば STEP-1 を Skip して STEP-2 以降を実行することは可能です。

【CDイメージモードでのオプション】


【その他の操作】


【ユーティリティ】


【インストール】


【エンコーダのインストール】

【イメージファイルの再エンコード】の機能を使って .mp3, .flac, .m4a を生成するためには、それぞれに対応したエンコーダのバイナリコード(.dll or .exe)がインストールされている必要があります。
表6. TagReplc で利用可能なエンコーダ
FormatEncoder (Frontend)Binary codeModule typeDownloadDeveloperLicenseDocumentation
MP3LAMELAME Ain't an Mp3 Encoderlame_enc.dll DLL(32bit)LAME BundlesThe LAME ProjectLGPLIntroduction
FLACFLACFree Lossless Audio CodeclibFLAC.dllDLL(32bit)flac-x.x.x-win.zipXiph.Org FoundationBSD licenseDocumentation
AACqaacCLI QuickTime AAC/ALAC encoderqaac.exe
qaac64.exe
EXE(32bit)
EXE(64bit)
qaac_x.xx.zipnu774Public DomainInstallation
Command Line Options
AACfdkaaccommand line frontend
for libfdk-aac encoder
fdkaac.exeEXE(64bit)N.A.nu774Public DomainInstallation
README
Opusopusenccommand-line utilities
to encode .opus files
opusenc.exeEXE(32bit)
EXE(64bit)
opus-tools-0.2-win32
opus-tools-0.2-win64
Xiph.Orgtwo clause BSDman-pages
Opus
Vorbis
etc.
FFmpegA command line tool
to convert multimedia files
between formats
ffmpeg.exeEXE(64bit)N.A.FFmpeg teamLGPL-2.1Installation
Command Line Options

【その他】


【本プログラムのアップデート(更新)】


【本プログラムのアンインストール】


【本プログラムについて】


【本ソフトウェアで利用しているオープンソースソフトウェア】

TagReplc.exe のビルドでは、下記のオープンソースソフトウェアの一部をソースコードに埋め込む、もしくはスタティックライブラリを(静的)リンクしています。
表9. 本ソフトウェアで利用しているオープンソースソフトウェア
名称ライセンス形式開発者TagReplc での用途利用形態
libguess
(Gauche)
BSD-3-ClausepermissiveShiro KawaiSJIS/UTF-8判定ソースコード部分埋込み
crc64.cISC licensepermissiveISCFileUID(Matroska)ソースコード部分埋込み
※個々のライセンス条項は LICENSE_oss.txt を参照してください。(public domain を除く)
TagReplc.exe 実行時に動的ロードして利用される可能性があるバイナリコードであっても、インストールアーカイブ TagReplc_10??.zip に同梱(バンドル)されていない外部ソフトウェアは上記リストには含めておりません。

【著作権および免責事項】


【更新履歴】

1.04 (2025/10/01)
・イメージファイルのエンコードに使用できるコマンドラインツールに fdkaac.exe, opusenc.exe, ffmpeg.exe を追加
・対象とする圧縮音声ファイルに Matroska(.mka) と WebM(.webm) を追加
1.03 (2025/05/17)
・MP4 のジャンルの表示を修正
・CDイメージのCUEシートで読み込んだデータについて CDDB から楽曲情報入手
・CDイメージから Folder-A の楽曲情報ではなく自身の楽曲情報に基づいてエンコードファイルを生成するオプションを追加
・フォルダの全ての CDイメージに対し一括して前項の機能を適用するオプションを追加
1.02 (2024/07/23)
・対象とする圧縮音声ファイルに FLAC(.flac) と MP4(.m4a) を追加
・イメージファイルのエンコードに使用できるバイナリコードに libFLAC.dll と qaac.exe を追加
・一括再エンコード機能の追加
・Backup モードに加え Output モードを追加
・Misc File Copy Utility と Playlist Extension Replacement Utility を追加
・音声ファイル簡易再生するための API として MCI(Media Control Interface) のほかに MF(Media Foundation) の利用を追加した
・ツールヒント(Tooltip)表示
1.01 (2021/04/21)
・イメージファイルのエンコード機能追加
・表示、更新の対象とするフレームに TENC を追加
・プロパティ表示
・フォルダ名表示幅をメインウィンドウのリサイズに連動
1.00 (2021/02/17)
・初版公開

【メールアドレス】 knmsc.kinj@gmail.com

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