機体データの編集

諸元ダイアログ・図面上での編集・データベースへの保存

入力データは現実に即した値をお使いください。 物理的にありえない値の組み合わせを入れると、計算が発散して思わぬ挙動を引き起こすことがあります。

編集の 2 つのやり方

機体の形は 2 通りの方法で編集できます。どちらで直しても同じデータを触っているので、 使いやすいほうをお使いください。

諸元ダイアログ 数値を直接打ち込みます。「機体(A) → 機体諸元を編集…」
図面上での編集 平面図・正面図・側面図の上で、点をドラッグして形を直します。 区間ごとの翼型もここで選べます。

0.06 で追加された共通の設計機能

グライダー/人力機モデリングで現在の機体諸元を確認してから、設計メニューで開きます。 安定微係数推算・FEM/BEM・QPSO+VLM などの機体用項目はプロペラモデリングでは無効です。 GAXQ は機体を必要としない別の翼型機能です。

開く項目操作と結果
縦横・方向の微小擾乱理論で安定微係数の推算 「現在の機体諸元で再計算」で縦・横方向の推算を更新します。尾翼腕や重心などの近似を含み、舵面効率を入力しないため舵角微係数は 0 です。 この画面の値を飛行モデルへ自動登録する機能ではありません。
鳥コン滑空機における横・方向の微小擾乱理論 現在の内翼・外翼上反角と機体諸元を使って 12 微係数を表示します。翼根・上反角折れ点・翼端の 3 点積分による初期推算です。
最大応力説 (CFRP) 「桁解析 (最大応力説)」で材料の引張/圧縮/せん断強度、積層角・層厚、膜合力・曲げ合モーメントを指定します。 層の局所応力 σ1・σ2・τ12 と強度から、各層表面の最大応力比、Reserve Factor と合否を表示します。 「木製桁荷重を取込」は木製桁計算の翼根終極荷重を取り込みます。
破断合力を計算 最大応力説タブで Nx・Ny・Nxy・Mx・My・Mxy の比を入力して実行します。 最初の層表面が許容値に達する比例倍率と荷重、支配層・表面・角度を求めます。ゼロ荷重や不正な材料値は見直してください。 損傷進展・積層全体の最終破断は計算しません。

0.06 の有料版機体解析

注 有料版:以下は有料機能を組み込んだ配布版で使用できます。 最初に機体を読み込み、使用する平面形・速度などを確認してください。結果は各解析画面へ表示されます。 機体の形状やシミュレータの係数へ自動書き戻しする機能とは区別してください。

開き方実行方法・注意
詳細揚力線 → 数値揚力線注 有料版
迎角・速度・分割数・緩和率を指定して実行します。 非線形ポーラーは「CSV読込」で α[deg],cl の数値 4 行以上を取り込みます。未指定なら線形です。
詳細揚力線 → ILLM注 有料版
目標 CL を設定し「ILLM最適化を実行」します。 GUI は翼幅・面積からの平面翼解で、多段平面形や上反角を全て反映するものではありません。
詳細 VLM → IVLM注 有料版
目標 CL と格子分割を指定し「IVLM最適化を実行」します。 最適循環・ねじり、CL/CDi、KKT 残差を確認します。
詳細 VLM → ModeFunction注 有料版
迎角・速度・密度・帯/モード数・翼端除外 δ を指定し「Mode Function解析を実行」します。 定常揚力面法であり、振動解析や非定常 DLM ではありません。
設計 → 安定微係数計算注 有料版
TR-722 の 6 力/モーメント係数の微係数表を確認し「CSVへ保存…」で出力します。 αdot・βdot・舵角微係数の NaN は未定義を表します。共通の推算画面とは別の計算です。
設計 → FEM-3D物体の空気力学的係数計算注 有料版
部品・表面生成法を選び、パネル数・閉鎖性・推定時間を確認して「FEM解析を実行」します。 流れ方向は既定 (1,0,0)。空力パネル解析で、構造 FEM や任意迎角掃引の画面ではありません。
設計 → BEM3D物体空力特性計算注 有料版
現在のモデルから表面を作り、閉鎖性・パネル密度・Mach・迎角・横滑り角・基準量・メモリ上限を確認し「BEM解析を実行」します。 「CSV保存…」でパネル値を保存します。STL ファイルを開く画面ではありません。GUI は後流なしの非揚力物体計算です。
連成解析 → FSI空力構造連成解析注 有料版
Drela 揚力線+非線形梁または VLM+変形梁を選び、EI/GJ・せん断中心・翼質量・飛行条件・離散化・反復上限・許容誤差・緩和を設定して「FSI解析を実行」します。 収束状態と翼根荷重、たわみ・ねじりを確認してください。支持ワイヤ・集中荷重は未対応です。Drela は多段翼弦、VLM は翼根/翼端の台形近似です。

→ QPSO+VLM と IVLM 比較 / 適用範囲・符号の注意

機体諸元ダイアログ

・主翼

翼幅 [m]主翼の全幅
翼根コード [m]翼の付け根の翼弦長
翼端コード [m]翼の先端の翼弦長
上反角(内翼)[°]折れ点より内側の上反角
上反角(外翼)[°]折れ点より外側の上反角
折れ点(セミスパン比)内翼と外翼の境目。0〜1 で指定します(0.5 なら半翼幅の中央)
後退角(前縁)[°]前縁の後退角
ねじり下げ(翼端)[°]翼端の取付角を翼根より下げる量。失速特性に効きます
翼厚比 t/c翼型の最大厚さ比
キャンバー比翼型のそり

・胴体・尾翼

胴体長 [m]胴体の全長
胴体半径 [m]胴体の代表半径
水平尾翼スパン [m]水平尾翼の幅
水平尾翼コード [m]水平尾翼の翼弦長
垂直尾翼高さ [m]垂直尾翼の高さ
プロペラ直径 [m]人力プロペラ機のプロペラ直径

・飛行条件・空力係数

飛行質量(機体+操縦者)[kg] 操縦者を含めた全備質量。飛行距離に最も大きく効く値の一つです。
有害抗力係数 CD0 主翼以外の抗力(胴体・尾翼・フェアリング・支柱など)をまとめた係数です。
Oswald 翼効率 e 誘導抗力の効率。楕円翼で 1.0、通常の翼で 0.8〜0.9 程度です。
トリム揚力係数 CL 釣り合い飛行時の揚力係数
最大揚力係数 CLmax 失速の判定に使います。通常は失速直前の揚力係数です。
最小揚力係数 CLmin 負の側で確認できる最小値。通常はほとんど使われません。
発進速度 [m/s]プラットホームを飛び出すときの速度
零揚力迎角 [°] 揚力係数が 0 になる迎角。度で入力してください。 参考として NACA4412 は約 −4° です。
翼型の空力係数が分からないときは
翼型解析モードで、その翼型を実際に計算してみてください。 揚力傾斜・零揚力角・CLmax・Cm がすべて求まります。 わざわざ手で入力しなくても、翼型を機体に割り当てれば 断面ポーラとして自動的に使われます。

平面図で寸法を編集(多段平面形・翼型選択)

「機体(A) → 平面図で寸法を編集」で開きます。主翼を上から見た図の上で、 翼を最大 4 段に分けてそれぞれの形を決められます。

区間スパンその区間が受け持つ翼幅
前縁・後縁の位置点をドラッグして平面形を作ります
テーパー比区間の始まりと終わりの翼弦長の比
区間ごとの翼型ボタンを押すと翼型データベースから選べます

区間ごとに違う翼型を割り当てられるので、 翼根は厚くて揚力の大きい翼型、翼端は薄くて失速しにくい翼型——といった設計ができます。

正面図で寸法を編集(上反角・多段平面形)

機体を正面から見た図で、上反角を編集します。区間ごとに上反角を変えられるので、 翼根は水平で翼端だけ持ち上げる、といった形も作れます。

側面図で胴体の輪切りを編集

胴体断面の x, y 座標を編集します。機首から尾部まで、断面を順に指定して胴体の形を作ります。

より本格的に胴体を設計したい場合は、「設計(G) → 胴体設計 機体表面整形法」から 嶋本の機体表面整形法(小島の式)を使えます。断面を z/b = [1−(y/a)m]n で表し、係数 a・b・z0・m・n を 機体長手方向へ滑らかに変化させることで、胴体表面を 1 つの関数で表現する方法です。

プロペラの編集

プロペラ正面図で寸法・翼型を編集 r/R(半径位置)ごとにコード長と翼型を指定します
プロペラ側面図で翼型断面を表示・選択 各半径位置の断面形状を確認しながら翼型を選べます
機首プロペラの諸元を編集… 直径・ピッチ・枚数などをダイアログで編集します

プロペラモデリングで作ったプロペラを人力機に載せるには、 「機体(A) → プロペラモデリングの諸元を取り込む」を実行してください。

・プロペラの設計支援

「設計(G)」メニューから、次の設計・解析が使えます。

Larrabee 設計 誘導損失最小プロペラの設計(SAE 790585)
空力設計・性能解析 渦法 / Larrabee / BEM の 3 方式で性能を比較できます
回転翼の局所運動量理論(LMT)LMT による性能解析
守屋解(プロペラ揚力線理論)守屋によるプロペラ揚力線理論

データベースへの保存と読み込み

作った機体・プロペラは、名前を付けてデータベースへ保存できます。 画面右側のドッキングパネル(機体データベース/プロペラデータベース)で操作します。

ボタン動作
↑データ列情報←GUI機体へ反映 一覧で選んだ行を、いま編集中の機体 GUI へ反映して 3D を作り直します。 一覧の行をダブルクリックしても同じです。
いまの機体を新規保存新しい名前で追加します
選択行にいまの機体を上書き選んだ行を上書きします
選択行を削除その行を消します
「GUI 機体へ反映」を押すと、機体サーフェスの作り直しに数秒かかります。 その間はプログレスバーとパーセントが出るので、消えるまでお待ちください。 途中でやめると機体が半端な状態で残るため、中止ボタンは用意していません。

パネルは自動で畳めます。ピン留め(📌)を外していると、 カーソルが離れたときに右端の細い帯まで縮み、帯にカーソルを乗せると開きます。

・タブの構成

ライブラリ保存済みの一覧。読み込み・保存・上書き・削除
諸元選択中の機体の諸元とメモ
解析いまモデリング中の機体をそのまま解析できます

・保存先ファイル

glider.dbグライダーの機体
hpa.db人力飛行機の機体
propeller.dbプロペラ

モデリングした機体をシミュレータで飛ばす

シミュレータのモード(Ctrl+5 / Ctrl+6)に入り、 Ctrl+L(メニューでは「シミュレータ(F) → モデリングの機体を読み込む」)を押すと、 モデリング中の機体がそのまま読み込まれます。